※本記事は、株式会社 ニックス の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ニックスグループは、工業用プラスチック製品の企画・開発・製造・販売を主な事業としています。自動車、電気・電子、OA、通信、住宅設備、環境衛生など幅広い業界向けに、プラスチック・ファスナーやNIXAM応用製品、生産設備治具などを提供しています。
単体従業員数は142名、連結従業員数は154名です。セグメントは工業用プラスチック部品事業の1つです。
国内においてはニックスが事務機器、生産設備、自動車、住宅設備、環境衛生など多様な業界への直接販売や専門商社を通じた販売を一手に担っています。海外では4社の連結子会社と1社の持分法適用関連会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ニックスは、工業用プラスチック部品の単一事業を展開しており、顧客や地域社会と共に持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。同社グループは、「存在善」「三方善」という経営理念のもと、多様な人財の確保と育成に力を入れています。社員の生産性向上と安定経営のため、高度なマネジメント力とリーダーシップを備えた人財の育成を重視する方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境である傾向がうかがえます。安定して業務に取り組める環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,805,000円 |
| 平均勤続年数 | 17年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 46.3歳 |
| 単体従業員数 | 142人 |
| 連結従業員数 | 154人 |
| 単体のグループ内比率 | 92.2% |
同社は退職金規程に基づく確定給付型の退職一時金制度と確定拠出年金制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「存在善」「三方善」の経営理念と「企業活動を通じて世界のサステナビリティ及び脱炭素社会に貢献する」という企業ミッションのもと、人財を重要な経営資源と位置づけています。経営計画において会社の求める人財像と中期人財育成方針を掲げ、グローバルでの事業推進に必要な多様な人財の確保を柔軟に行っています。
社員の生産性向上と永続的な安定経営を実現するためには、高度なマネジメント力とリーダーシップを備えた人財の育成が重要であると考えています。若手の幹部候補を中心にマネジメント力強化研修や社内プロジェクトへの公募による自発的参画を積極的に促すなど、ジェンダーを問わず次世代の幹部育成に力を入れています。
また、著しいニーズの変化に柔軟に対応していくため、幅広い視点や価値観に基づく多様な人財からの意見が発せられる環境づくりを重視しています。特に女性社員の視点や価値観を経営に取り入れることが重要であると認識しており、女性社員の採用や育成、活躍を促すための環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 60.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 64.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 90.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニックスは、工業用プラスチック製品の企画・開発・製造・販売を一貫して手掛ける企業です。国内外の多様な業界に製品を供給し、事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ニックスと連結子会社4社、持分法適用関連会社1社の計6社で構成されており、工業用プラスチック製品の企画・開発・製造・販売を主な事業としています。同社グループは工業用プラスチック部品事業の単一セグメントを営んでいます。
主な製品区分としては、自動車、電気・電子、OA、通信、住宅設備分野向けの「工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密部品」があります。これには、自社開発したオリジナル素材「NIXAM®」を採用した特殊機能を持つ成形製品も含まれています。また、電子部品の自動実装機用治具として使用される「生産設備治具」や、プラスチック製品を成形するための「金型」も手掛けています。
販売は、国内市場では事務機器、生産設備、自動車、住宅設備、環境衛生業界等に直接販売を行うほか、専門商社や販売代理店を通じて行われています。海外市場では、北米地区向けには連結子会社のNIX OF AMERICAを通じて、中国他アジア市場向けには香港日幸有限公司、上海日更国際貿易有限公司、NIX (THAILAND) LTD.を通じて、その他の地域向けには国内外の商社等を通じて製品を販売しています。当連結会計年度においては、円安の影響やタイの資本業務提携先での新規受注獲得が売上高の増加要因となりました。一方で、国内の住宅設備業界の不調や自動車業界からの需要減少、中国景気の停滞、米国関税懸念による米国向け製品需要の減少といったマイナス要因も存在しました。
同社グループの収益は、主に「工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密部品」から得られており、次いで「生産設備治具」が続きます。特定の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、4期前から3期前にかけて増加し、2期前でピークを迎えました。その後、前期で減少しましたが、当期は前期からわずかに増加しています。
経常利益は、売上高と同様に2期前で最も高い水準を示した後、前期で減少しました。しかし、当期は増加に転じています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様の傾向を示し、前期から当期にかけて増加しています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 40.7億円 | 44.7億円 | 45.2億円 | 43.9億円 | 44.0億円 |
| 経常利益 | 2.3億円 | 2.6億円 | 3.0億円 | 2.1億円 | 2.5億円 |
| 経常利益率 | 5.6% | 5.8% | 6.6% | 4.7% | 5.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.0億円 | 2.1億円 | 1.6億円 | 1.8億円 | 1.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 85.00 | 92.49 | 67.51 | 78.44 | 83.56 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
当期の従業員1人あたり売上高(連結)は28.6百万円となり、前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりが生み出す売上高が増加傾向にあることを示しています。
従業員1人あたり営業利益(連結)は1.4百万円で、前期から横ばいとなっています。これは、従業員一人あたりの収益性が維持されている状況を示しています。これらの指標は、同社グループの事業運営における効率性や、収益を生み出す力の変化を把握する上で参考となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.9百万円 | 28.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.4百万円 | 1.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来への投資に充てることで、持続的な成長を目指すフェーズにあることを示しています。手元資金の厚みや自己資本比率の状況から、安定した経営基盤を維持していることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は当期で74.7%と、前期の72.4%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均と比較して高い水準を示しています。手元資金である現金及び預金も当期で21.1億円と、前期から増加傾向にあります。これらの状況は、安定した経営基盤を維持していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で4.4%であり、プライム市場の平均と比較すると低い水準となっています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 42.8億円 | 44.7億円 |
| 自己資本比率 | 72.4% | 74.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.3% | 4.4% |
| 現金及び預金 | 20.5億円 | 21.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループの営業活動によるキャッシュフローは2.9億円の獲得となりました。これは主に減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△3.4億円の使用となり、主に定期預金の預入や有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュフローは△1.1億円の使用となり、長期借入金の返済によるものです。当期のフリーキャッシュフローは△0.4億円となっており、営業活動で得た資金を投資活動に充てている状況が示されています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.7億円 | 2.9億円 |
| 投資CF | △0.9億円 | △3.4億円 |
| 財務CF | △0.3億円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.8億円 | △0.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニックスは、「Nothing to Something」を合言葉に、常に変化と挑戦を続ける企業文化を大切にしています。社会の公器としての責任を果たすことを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ニックスは「Nothing to Something」を合言葉に、常に変化し、新しいものに挑戦し、新しい製品、技術、サービスを顧客に提供し続けることを目指しています。また、仕事を通じて人格形成を図り、正当な活動で得た対価を社員に分配し、充実した人生を送るための基盤を作ることを経営理念としています。
同社グループは、株主、顧客、社員、環境社会、地域社会の利害関係者に対し、安全で快適な生活空間や作業空間を提供し、社会の公器としての責任を果たすことを責務と認識しています。企業活動を通じて世界のサステナビリティに貢献することをミッションに掲げ、SDGsを指針としてビジネス領域の拡大と企業の持続的発展の両立を図る戦略です。社員の総力を結集し、顧客に感動を与える価値創造企業として継続的に成長し、すべてのステークホルダーから信頼される優良企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ニックスは「Nothing to Something」を合言葉に、常に変化し、新しいものに挑戦し、新しい製品、技術、サービスを顧客に提供し続けることを大切にしています。また、「存在善」と「三方善」の二つの経営理念のもと、関係する全ての人々の利益と社会への貢献を常に念頭に置いて事業を推進しています。
仕事を通じて人格形成を図り、正当な活動で得た対価を社員に分配し、充実した人生を送るための基盤を作ることを重視しています。同社グループは、グローバル事業推進に必要な多様な人材の確保を柔軟に行い、社員の生産性向上と安定経営のために高度なマネジメント力とリーダーシップを備えた人材育成を重要視しています。
幅広い視点や価値観に基づく多様な人材からの意見が発せられる環境づくりを重視しており、女性社員の採用や育成、活躍を促すための環境づくりにも努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ニックスは、持続的な成長と発展のために、収益基盤の強化と生産性改善のための合理化を優先課題としています。同社グループは、素材や製品開発の経験と技術力、グローバル販売網を活かし、複数の重点テーマに取り組んでいます。
具体的には、社会のサステナビリティに貢献することを企業使命と捉え、環境対応型ビジネスを展開していく方針です。また、製造工程における継続的な合理化や全社的な生産性改善を推進し、高付加価値・高品質な製品の製造・販売による利益率改善を目指しています。
さらに、海外拠点との連携強化も重点テーマの一つです。海外子会社との連携を深め、国内外における生産バランスの最適化に努め、地域特性に柔軟に対応したソリューション営業による拡販を継続していくとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ニックスは監査役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の管理監督を担っています。社外取締役と社外監査役が選任されており、独立した立場から経営監視を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ニックスの筆頭株主はSKコーポレーションです。上位株主にはNIX従業員持株会や、代表取締役社長である青木一英氏、取締役管理本部長である青木達也氏など、同社の経営陣やその関連会社、従業員持株会が名を連ねています。これにより、経営陣や従業員が同社の経営に深く関与している資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SKコーポレーション | 9.04% |
| NIX従業員持株会 | 7.33% |
| 中島幹夫 | 6.01% |
| 青木一英 | 5.36% |
| 青木洋明 | 4.30% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は青木一英氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 青木 一英 | 代表取締役 社長 | 1998年大正製薬入社、2002年ニックス入社後、香港日幸有限公司董事長、同社取締役CMOなどを歴任。2008年取締役副社長兼事業戦略本部長を経て、2013年より代表取締役社長に現職。 |
| 射水 郁郎 | 取締役 生産本部長 | 1985年日幸工業(現ニックス)入社。ベターリビンググループバイスプレジデント、経営役員住設機器事業部長などを歴任。2013年取締役兼グローバル事業本部長を経て、2025年より取締役兼生産本部長に現職。 |
| 青木 達也 | 取締役 管理本部長 | 2002年府中市役所入庁、2020年マジオネット多摩入社。2023年ニックス入社後、グローバル管理本部副本部長、グローバル管理本部長を歴任。2024年取締役兼グローバル管理本部長を経て、2025年より取締役兼管理本部長に現職。 |
社外取締役は、玉井敏博氏(MAXGUY (THAILAND) CO.,LTD 代表取締役社長)、藤田隆久氏(エキスパート・リンク代表取締役)です。
ニックスは監査役会設置会社です。社外取締役は、高い専門性と独立した視点から取締役会の監督機能を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ニックスの役員報酬は、株主総会で定められた限度額に基づき決定されています。取締役の報酬は、代表取締役社長が個々の職務や貢献度を考慮して決定し、監査役の報酬は監査役間の協議によって決定される仕組みです。業績連動報酬は導入されておらず、固定報酬が中心の報酬体系となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 52百万円 | 13.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
なお、退職慰労金は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額を記載しています。また、非金銭報酬等は導入していません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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