※本記事は、株式会社cotta の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
cottaグループは、菓子・パン資材及び雑貨等の販売を主軸に、人材ソリューション事業、美容関連用品等の販売事業を展開しています。インターネット通販サイト「cotta」を核に、BtoBおよびBtoC向けに製菓・製パン材料や包装資材を提供しています。
単体従業員数は35名、連結従業員数は163名です。セグメントは菓子・パン資材及び雑貨等の販売事業、人材ソリューション事業、美容関連用品等の販売事業の3つです。
主な国内グループ会社は、プティパ、TUKURU、周陽商事(製菓・製パン用食材の販売)、ヒラカワ(生活用雑貨品の企画及び販売事業)、TERAZなどです。
当連結会計年度より、株式会社TERAZ及びワークス・グループを新たに連結範囲に含め、報告セグメントを3区分に変更しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
cottaグループは、菓子・パン資材や雑貨等の販売を主軸に、人材ソリューションや美容関連用品の販売も手掛ける企業です。多様な事業を展開する中で、従業員の働き方やキャリア形成に対する考え方が注目されます。
同社グループでは、人材の確保や育成、労働環境の改善に積極的に取り組む姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、比較的落ち着いた年齢構成の中で、経験を積んだ人材が長く活躍している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,875,320円 |
| 平均勤続年数 | 10.7年 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 単体従業員数 | 35人 |
| 連結従業員数 | 163人 |
| 単体のグループ内比率 | 21.5% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「たくさんのつくりたいをかなえる」というビジョン、「つくる喜びと食べる幸せを世界にめぐらせる」というパーパスの実現に向け、人的資本に関する戦略を重視しています。多様な人材の確保や育成、労働環境の改善に積極的に取り組んでいます。
専門的知見や能力を持った人材の採用においては、性別や年齢等の条件の制約を一切設けていません。また、従業員の自律的な自己研鑽やキャリア構築を支援する風土と枠組みを整備しています。働き方の多様性を尊重した労働環境の改善も実施しており、持続的な成長を支える人材への積極的な投資を行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異につきましては、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 40.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
cottaグループは、菓子・パン資材及び雑貨等の販売を主軸としつつ、近年は事業領域を拡大している会社です。新たな事業の取り込みにより、多角的な収益構造を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
cottaグループは、菓子・パン資材及び雑貨等の販売事業を主要な柱とし、さらに人材ソリューション事業、美容関連用品等の販売事業を展開しています。収益は、各事業セグメントにおける商品販売やサービス提供から得られています。当連結会計年度より、株式会社TERAZとワークス・グループを連結範囲に含めたことにより、報告セグメントを3区分に変更しました。
菓子・パン資材及び雑貨等の販売事業
主力商品は製菓関連の包装資材及び食材であり、個人経営の和洋菓子店や一般消費者を主な販売先としています。インターネット通販サイト「cotta」を介した販売が中心であり、小ロット、短納期、低価格をコンセプトに商品を提供しています。収益は、菓子・パン資材、雑貨、食材等の商品販売から得ています。運営は、cotta、プティパ、TUKURU、周陽商事、ヒラカワ、アスコットが行っています。
人材ソリューション事業
リモートワーカー向けエージェントサービス「Remoters」を運営し、システムエンジニアリングサービスを展開しています。専門技術者を求める取引先と多様な働き方を希望するフリーランス技術者を結びつけるマッチングが好調に推移しています。収益は、システムエンジニアリングサービスの提供から得ています。運営は、TERAZが行っています。
美容関連用品等の販売事業
全国の美容サロンを主要顧客とし、シャンプーやカラー剤等の美容関連用品、材料、機材の卸売、および経営支援をトータルサポートしています。業界トップクラスの仕入量や豊富な商品数、確立された納品体制を強みとしています。収益は、美容関連用品等の商品販売や経営支援サービスの提供から得ています。運営は、ワークス・グループが行っています。
その他の事業セグメント
インターネットメディア事業、太陽光機器事業、資格・有料動画事業等を含んでいます。これらの事業も同社グループの収益に貢献しています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 菓子・パン資材及び雑貨等の販売事業 | - | 89.3億円 |
| 美容関連用品等の販売事業 | - | 34.0億円 |
| 人材ソリューション事業 | - | 11.6億円 |
| その他の事業セグメント | - | 1.8億円 |
同社グループの売上高は、本邦以外の外部顧客への売上高が僅少であり、国内市場が中心となっています。特定の主要顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、当連結会計年度において売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大幅な増加となりました。特に売上高と営業利益は前期から大きく伸長しており、新たな事業展開が業績に寄与していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 92.6億円 | 88.4億円 | 86.2億円 | 89.5億円 | 137億円 |
| 経常利益 | 4.9億円 | 5.8億円 | 8.3億円 | 5.3億円 | 7.7億円 |
| 経常利益率 | 5.2% | 6.6% | 9.6% | 6.0% | 5.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.2億円 | 4.0億円 | 5.7億円 | 3.4億円 | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 29.75 | 37.83 | 53.96 | 31.96 | 41.15 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、連結子会社の増加に伴う事業規模の拡大と効率化が進んでいる傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが事業拡大と同時に従業員あたりの生産性向上にも取り組んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 80.6百万円 | 83.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.3百万円 | 4.7百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
cottaグループは、新たな事業展開とグループ体制強化のため、積極的な成長投資を進めている状況です。現在の財務状況と資金の流れから、同社グループの経営の安定性を見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
cottaグループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期の65.1%から当期は43.1%に変化しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較するとやや低い水準ですが、非製造業平均24.2%よりは高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期10.2%となり、プライム市場平均の9.4%を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は当期25.4億円と、前期の18.3億円から増加しています。これらの状況は、同社グループが事業拡大のための投資を進めつつ、収益性を維持していることを示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 41.6億円 | 44.8億円 |
| 自己資本比率 | 65.1% | 43.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.5% | 10.2% |
| 現金及び預金 | 18.3億円 | 25.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
cottaグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは8.7億円のプラスとなっています。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、のれん償却額の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは△27.9億円のマイナスとなりました。これは主に連結子会社株式の取得による支出が大きく影響しています。その結果、フリーキャッシュフローは△19.3億円のマイナスを示しています。この資金不足は、長期借入れによる収入や短期借入金の純増額により、財務活動によるキャッシュフローが24.4億円のプラスとなることで補われています。同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、積極的なM&Aによる成長投資を行っており、そのための資金を借入れで調達している状況です。これは、事業拡大と成長を目指すフェーズにあることを示しており、今後の事業成長とそれに伴う雇用・給与の安定性にも期待が持てる状況です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.8億円 | 8.7億円 |
| 投資CF | 7百万円 | △27.9億円 |
| 財務CF | △3.9億円 | 24.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.9億円 | △19.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
cottaグループの事業構造・収益性に関するリスクとして、売上原価等の上昇が挙げられます。取扱商品にはプラスチック製品や海外製品が多く、原油価格や為替の変動が仕入原価に影響を及ぼす可能性があります。また、電子商取引(EC)を取り巻く事業環境に関するリスクもあります。ECによる受注・販売が事業基盤の主力であるため、社会構造の変化やインターネット取引のトラブル増加が市場拡大を阻害する要因となる可能性を示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクとして、小規模組織であることとプロフェッショナル人材の確保が挙げられています。同社グループは従業員数が少なく、今後の事業拡大には優秀な人材の確保・育成が不可欠です。特に人材ソリューション事業においては、高い専門性を持つプロフェッショナル人材の獲得競争が激化した場合、計画通りの人材確保が進まない可能性を示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
cottaは、「だれかを想う。またつくりたくなる。」というお客様の気持ちを支えることを目指し、製菓・製パン業界のマーケットリーダーとして、つくる喜びと食べる幸せを世界に広げることを追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、BtoB向けには「小ロット」「短納期」「低価格」をコンセプトに菓子・弁当関連の包装資材や食材を提供しています。BtoC向けには、「だれかを想う。またつくりたくなる。」というお客様の気持ちを支えるため、付加価値や利便性の高い商品、動画配信等のサービスを提供しています。
「たくさんのつくりたいをかなえる」、「つくる喜びと食べる幸せを世界にめぐらせる」をビジョン、パーパスに掲げています。製菓・製パン業界におけるマーケットリーダーの地位を確立し、「お菓子・パン作り=cotta」と想起させる圧倒的なブランド構築を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業の社会的責任と継続的発展のため、内部統制及びコンプライアンスに徹底して取り組むことを重視しています。役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成と、社会的良識を持った責任ある行動を目指した社内教育を行っています。
人的資本に関する戦略として、多様な人材の確保や育成、労働環境の改善に取り組んでいます。性別や年齢等の条件の制約を一切設けずに採用を行い、自律的な自己研鑽やキャリア構築を支援する風土と枠組みを整備しています。働き方の多様性を尊重した労働環境の改善も実施し、持続的な成長を支える人材への積極的な投資を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、従業員のワークライフバランスを重視し、より良い職場環境の構築を今後の重点テーマとしています。物流体制の効率化と並行して、従業員の働きやすさも追求しています。
また、企業の社会的責任と継続的発展のため、内部統制及びコンプライアンス体制の強化を課題として認識しています。役職員の倫理観醸成や情報管理のセキュリティポリシー確立に向けた社内教育を推進しています。さらに、事業継続計画の重要性が増す中で、リスクマネジメントへの取り組みとして、事業インフラや緊急時対応策の見直しを進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
cottaは監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会、会計監査人を設置しています。取締役会は監査等委員である取締役を含む計8名で構成され、うち3名は社外取締役です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
cottaの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長の黒須綾希子氏であり、創業家が上位に複数名を占めています。また、不二製油やシモジマといった事業会社も大株主として名を連ねており、多様な主体に支えられている資本構成となっています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 黒須 綾希子 | 11.15% |
| 佐藤 嵩大 | 5.54% |
| 不二製油 | 5.22% |
| シモジマ | 4.78% |
| 佐藤 成一 | 3.50% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長は佐藤成一氏、代表取締役社長は黒須綾希子氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐藤 成一 | 代表取締役会長 | 1980年4月㈱三星入社、1998年12月同社設立、同社代表取締役社長就任。2020年1月より同社代表取締役会長現職。 |
| 黒須 綾希子 | 代表取締役社長 | 2007年4月㈱インテリジェンス入社、2010年4月同社入社。2020年1月より同社代表取締役社長現職。 |
| 吉田 史大 | 専務取締役 | 1989年3月大分交通㈱入社、2005年6月同社入社。2009年12月同社取締役就任。2020年7月より同社専務取締役現職。 |
| 後藤 眞二郎 | 取締役 総務部長 | 1988年4月㈱エドウイン入社、2003年9月同社入社。2005年12月より同社取締役現職。2012年5月より同社総務部長現職。 |
| 黒須 則彦 | 取締役 EC事業部 統括責任者 | 2007年4月ユアサ商事㈱入社、2011年9月アクセンチュア㈱入社。2021年12月より同社取締役現職。2025年10月より同社EC事業部統括責任者現職。 |
社外取締役は、兒玉和男氏(元関西マテック常務取締役総務部長・常勤監査等委員)、岸原稔泰氏(グロースアシスト代表取締役・監査等委員)、秋吉英矢氏(オフィスアキヨシ代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営の健全性及び透明性を確保し、多様な利害関係者の利益を最大限保護することをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。社外取締役は監査等委員として、独立した立場から経営全般の適法性及び適正性に関する監査を実施しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
cottaの役員報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績連動型株式報酬によって構成されています。業績連動報酬は、同社グループの連結営業利益を指標としており、中長期的な企業価値向上への貢献を促す設計です。監査等委員である取締役には、その職責に鑑み基本報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 7名 | 67百万円 | 9.5百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、当事業年度は業績連動報酬の目標達成率が80%未満であったため、業績連動報酬は費用計上されていません。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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