※本記事は、株式会社ユーラシア旅行社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ユーラシア旅行社グループは、独自の企画による海外旅行商品の販売を主たる業務としています。自然・文化・芸術・人間をテーマに、全世界を舞台とした観光内容重視の自社オリジナルツアーを企画・販売しています。
単体従業員数は47名、連結従業員数は93名です。同社グループの事業セグメントは旅行事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ユーラシアサービス(人材派遣業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ユーラシア旅行社は、海外旅行事業を主軸とする同社グループにおいて、人的資本を重視した人材育成と多様な働き方を推進しています。従業員の定着を促しつつ、公平な評価と継続的な学習を通じて、個々の成長を支援する環境が整えられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。人材の定着を重視し、安定した働き方を志向する傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,389,666円 |
| 平均勤続年数 | 14.0年 |
| 平均年齢 | 39.3歳 |
| 単体従業員数 | 47人 |
| 連結従業員数 | 93人 |
| 単体のグループ内比率 | 50.5% |
同社グループは、退職金規程に基づく退職一時金制度を採用しています。この制度は同社及び連結子会社に適用されます。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、サステナビリティの確保と企業価値向上の源泉を人的資本にあると認識しています。そのため、公平な人事評価と人材育成を重視する方針です。
人材育成方針として、入社時研修の充実や継続的な学習に取り組んでいます。加えて、様々な人材の活用と多様な働き方の実現に向けて注力しています。
人材の面では、同社グループを率いるCOO(社長)に女性取締役が就任しており、女性管理職比率も高い水準にあります。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 68.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ユーラシア旅行社グループは、独自の企画による海外旅行商品の販売を主軸とする事業を展開しています。お客様の知的満足や精神的喜びに応える上質な旅行を提供し、新しいライフバリューの創造を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ユーラシア旅行社グループは、ユーラシア旅行社と子会社1社で構成されており、全世界を舞台とした観光内容重視の自社オリジナルツアーを企画・販売しています。子会社は、同社主催ツアーにおける添乗員の派遣と、独自の取扱地域や旅程日程を熟知した専属添乗員の育成を担っています。同社グループは旅行業以外の事業は営んでおらず、単一セグメントで事業を展開しています。
同社グループの収益モデルの特徴は、旅行代金が前受金として入金される点にあります。この事前の入金を前提として、無借金経営を継続しており、顧客からの預り金に相当する資金は、価値変動リスクにさらすことなく現金及び現金同等物として保有することを基本方針としています。アフターコロナにおける海外旅行需要の回復を受け、広告宣伝費の増加や設備投資計画の再開を進めています。
また、今後の収益源として、インバウンド旅行、富裕層向けの個人旅行、インフルエンサーとの企画商品の開発にも注力しています。翌連結会計年度に迎える創業40周年に向けた記念商品の企画も進行中です。販売実績としては、旅行業が主要な収益源であり、その他売上として保険料手数料収入も得ています。特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に営業収益と利益が減少した時期がありましたが、その後は回復基調にあります。直近の連結会計年度では、営業収益、営業利益、経常利益が増加傾向を示しています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から減少しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において資金を獲得しており、本業によるキャッシュ創出力を維持していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2.2億円 | 5.0億円 | 29.5億円 | 46.0億円 | 47.9億円 |
| 経常利益 | △1.1億円 | △1.1億円 | △55百万円 | 1.2億円 | 1.2億円 |
| 経常利益率 | △48.6% | △20.9% | △1.9% | 2.6% | 2.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.2億円 | △1.2億円 | △56百万円 | 1.2億円 | 1.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △33.60 | △33.53 | △15.17 | 32.67 | 30.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの営業収益は前期から減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これは、積極的な人材採用により連結従業員数が増加していることと関連していると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 55.4百万円 | 51.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 1.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しています。本業で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、プライム市場の平均と比較して高い水準にあります。手元資金も厚く、安定した財務基盤を築いていることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、自己資本の厚みが経営の安定性につながっています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 17.5億円 | 18.4億円 |
| 自己資本比率 | 59.7% | 57.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.0% | 6.3% |
| 現金及び預金 | 19.1億円 | 19.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、1.5億円の獲得となりました。これは、税金等調整前当期純利益に加え、旅行前受金の増加や旅行前払金の増加などが主な要因となっています。前期と比較すると獲得額は減少しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより、△0.2億円の使用となりました。前期と比較して使用額は減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払額により△0.5億円の使用となりました。前期と比較して使用額は増加しています。
これらの結果、本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローは1.3億円のプラスを確保しています。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資も行いつつ、資金の余力を維持している状況です。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして将来的な事業成長の基盤となるものです。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.5億円 | 1.5億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | △0.2億円 |
| 財務CF | △0.2億円 | △0.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.1億円 | 1.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは海外旅行の企画・販売を事業としており、海外の政治情勢、戦争、紛争、テロ事件、自然災害等により、旅行の催行取り止めや需要低下が生じる可能性があります。また、仕入原価の約半分を占める地上費の外貨支払いの割合が高いため、外国為替相場の変動が業績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ユーラシア旅行社グループは、海外旅行を通じて知的満足や精神的な喜びを提供するという明確なビジョンを持ち、顧客との深い信頼関係を築くことを重視しています。公正で透明性の高い経営と、人材の育成を企業文化の核に据えている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ユーラシア旅行社グループは、海外旅行において知的満足や精神的な喜びを強く求める円熟層を対象に、独自の海外旅行企画を販売しています。世界170ヶ国以上を舞台に、自然、文化、芸術、人間といった知的テーマを打ち出した旅行商品の品揃えと、上質なツアー運営を目指しています。中長期的には、知的・精神的円熟層というコアターゲットの支持を集めながら、その層の顧客を着実に拡大していくことを経営戦略の中心に据えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ユーラシア旅行社グループは、経営において公正(フェア)さと透明性、説明責任を重視する企業風土です。特に人の評価においてこの姿勢を徹底し、従業員だけでなく企業活動に関わる全ての人々に対して果たすべき重要な経営方針としています。同社グループは、サステナビリティの確保と企業価値向上の源泉は人的資本にあると認識しており、公平な人事評価と人材育成を重視しています。様々な人材の活用や多様な働き方の実現にも注力している会社です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ユーラシア旅行社グループは、「人材」の知力とサービス力を高めることを最大の経営課題としています。知恵の共有のためにIT技術を積極的に活用し、学習や教育のモチベーション向上に力を入れています。人づくりのために、経営における公正さと透明性、説明責任を重視し、特に人の評価に関してその姿勢を徹底しています。DX/AIを活用した売上向上や経費削減を図るための投資も計画しており、顧客との綿密なコミュニケーションを通じて上質なサービスを提供し続けるよう努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ユーラシア旅行社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む4名で構成されています。監査役会は全員が社外監査役の3名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
上位株主には、同社の代表取締役会長CEOである井上利男氏が名を連ねています。また、有限会社ホワイトサクセスも上位株主の一角を占めています。井上利男氏が過半数の株式を保有しており、経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 井上 利男 | 50.11% |
| ㈲ホワイトサクセス | 11.22% |
| 塩田 和嗣 | 2.30% |
| 河内 友里江 | 2.17% |
| ㈱旅倶楽部 | 1.17% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役会長CEOは井上利男氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井上 利男 | 代表取締役会長CEO | 1984年3月 株式会社日ソ旅行社入社、1986年2月 同社設立 代表取締役社長就任、1995年8月 株式会社ユーラシアサービス設立 代表取締役社長就任、2024年12月 同社代表取締役CEO(会長)就任より現職。 |
| 山田 則子 | 取締役社長COO | 1993年3月 同社入社、1999年10月 総務課長就任、2005年11月 ユーラシアの旅事業部 副本部長就任、2023年12月 同社専務取締役就任、ユーラシアの旅事業部 本部長就任、2024年12月 同社取締役COO(社長)就任より現職。 |
| 杉浦 康晴 | 取締役CFO | 2003年3月 新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所、2008年9月 杉浦康晴会計士補事務所設立、2018年4月 公認会計士登録、2019年12月 同社取締役管理部長就任、2024年12月 同社取締役CFO就任より現職。 |
社外取締役は、河井良成氏(株式会社ヘキサゴンキャピタルパートナーズ代表取締役)です。
社外監査役は、高橋淑夫氏(玉川大学教授)、加藤純二氏(埼玉ひまわり法律事務所弁護士)、田鍋晋二氏(株式会社田鍋会計事務所代表取締役)です。
ユーラシア旅行社は監査役会設置会社です。社外取締役および社外監査役が経営判断の客観性・中立性の確保に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針を定めています。報酬は会社全体の業績や個々人の貢献度、他社の報酬水準を勘案し、株主総会で決定された報酬限度額の範囲内で決定されます。同社の役員報酬は基本報酬である固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬や株式報酬、非金銭報酬は支給されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 33百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 6百万円 | 1.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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