※本記事は、ホウライ株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ホウライは、保険代理店業務、不動産の賃貸・売買・仲介、飼料生産から乳製品の製造・販売、レストラン・観光施設の運営、ゴルフ場の運営など多岐にわたる事業を展開しています。同社は4つの事業活動を通じて、地域社会に貢献しています。
単体従業員数は155名です。事業セグメントは、保険事業、不動産事業、千本松牧場、ゴルフ事業の4つです。
ホウライは、保険代理店業務、不動産賃貸・売買・仲介、千本松牧場での乳製品製造・販売および観光牧場運営、そしてホウライカントリー倶楽部と西那須野カントリー倶楽部のゴルフ場運営を本体で手掛けています。
千本松牧場では、2024年10月にファームショップ・レストランをリニューアルし、2025年4月には新施設をグランドオープンしました。牧場外のソフトクリームショップも新規出店しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ホウライは、創業以来の「自然との共生」という理念を経営の根底に持ち、多岐にわたる事業を展開しています。従業員の働きがいや働きやすさを重視し、実力・成果主義の浸透や人材育成制度の拡充を通じて、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も一定の水準を保っています。これは、長期的なキャリア形成が可能な環境であり、人材が定着しやすい傾向にあることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,841,000円 |
| 平均勤続年数 | 11年6ヶ月 |
| 平均年齢 | 47歳5ヶ月 |
| 単体従業員数 | 155人 |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。
なお、退職給付債務は4.6億円、年金資産は7.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ホウライは、コーポレート・ステートメント「ひとを大切に。自然を大切に。」に基づき、人材を重要な資本と位置付けています。2024年9月期から始まった「中期経営計画2026」では、人的資本への戦略的投資を基本方針の一つとして掲げています。
具体的には、年功・性別・職歴等に左右されない実力・成果主義を反映した登用・処遇の浸透を進めています。また、ベース処遇の水準引上げ、福利厚生施設の拡充、エンゲージメント強化を通じて、ライフサイクルやライフスタイルに合わせた働きがい・働きやすさを追求しています。
人材育成制度の拡充にも力を入れており、スキル別・階層別研修の拡大、社内資格制度や資格取得奨励制度の整備を進めています。さらに、横断的女性活躍チームの組成や公募制による部門間異動の拡大により、将来展望を踏まえた事業特性に応じた必要スペックの習得支援や、女性活躍観点を踏まえた人材育成・採用・登用を推進しています。採用においても、複数ルートを活用し、多様な人材の確保を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得の対象者はおりません。男女の賃金の差異については、給与水準の高い管理職における男性の比率が高いことによるものであり、新卒入社の従業員に関しては男女間の賃金格差はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 61.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 68.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 55.9% |
目標(2026年3月31日まで)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15%以上 |
| 男女の平均勤続年数の差異 | 1年未満 |
指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合(正社員) | 28.6% |
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合(準社員) | 60.0% |
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合(契約社員) | 55.6% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 61.1% |
| 男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 68.0% |
| 男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 55.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ホウライは、保険代理店業務、不動産事業、観光牧場運営、ゴルフ場運営という多角的な事業を展開しています。それぞれの事業が異なる収益モデルを持ち、安定した事業基盤を築いています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、多岐にわたる事業を通じて収益を上げています。各事業はそれぞれの専門性を活かし、顧客にサービスを提供しています。
千本松牧場
同社の保有する千本松牧場では、飼料生産から乳牛の飼育、搾乳生乳・乳製品の製造・販売までを一貫して行っています。また、観光牧場としてレストランやアミューズメント施設などの産業観光施設を運営しています。
収益は、原乳の生産や乳製品の製造・販売、観光施設の運営、牧場外のソフトクリームショップの展開、他社との協業による卸売りや製品販売から得ています。当事業年度は、観光施設のリニューアルやイベント開催、メディア露出、ソフトクリームショップの好調により、前期を上回る営業収益となりました。
不動産事業
同社の不動産事業本部が、同社所有ビルを中心とした不動産賃貸業、不動産の売買・仲介を行っています。千本松地区では太陽光発電事業者への土地賃貸も手掛けています。
収益は、不動産賃貸収入や不動産の売買・仲介手数料、土地賃貸料から得ています。当事業年度は、新たな物件の賃料収入が寄与し、前期を上回る営業収益となりました。
保険事業
同社の保険事業本部が、自動車保険や火災保険などの損害保険代理店業務、終身・定期及びがん保険を主とする生命保険募集業務を行っています。リスク管理の専門家として、顧客に寄り添ったコンサルティングを推進しています。
収益は、損害保険代理店業務や生命保険募集業務による手数料から得ています。当事業年度は、生命保険分野で新たな契約が増加したものの、前期に大口の損害保険契約があった反動により、前期を下回る営業収益となりました。
ゴルフ事業
同社のゴルフ事業本部が、ホウライカントリー倶楽部と西那須野カントリー倶楽部の運営を行っています。コースコンディションの維持・向上に努め、顧客満足度を高める取り組みを進めています。
収益は、ゴルフ場の来場者数に応じた利用料から得ています。当事業年度は、来場者数が増加したことにより、前期を上回る営業収益となりました。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 千本松牧場 | 22.5億円 | 28.0億円 |
| 不動産事業 | 12.8億円 | 12.9億円 |
| 保険事業 | 11.8億円 | 11.7億円 |
| ゴルフ事業 | 7.7億円 | 8.5億円 |
同社の販売実績を見ると、三井住友海上火災保険株式会社への販売実績が総販売実績の10.0%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の経営成績は、営業収益が不動産事業、千本松牧場、ゴルフ事業で前期を上回った一方、保険事業は前期を下回りましたが、全体としては増加となりました。営業総利益も増加し、営業利益も増加しています。
経常利益も増加しましたが、特別利益が前期を大きく下回り、特別損失も計上されました。その結果、当期純利益は増加となりました。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、自己資本比率が安定した水準で推移しており、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、財務基盤の安定性を示しています。手元資金も一定程度確保されており、事業運営の安定に寄与していると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 47.4% | 50.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 2,319百万円 | 1,817百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の営業活動で安定的に資金を生み出しています。当期は税引前当期純利益の計上を主因として、営業活動によるキャッシュ・フローは収入となりました。一方で、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、投資活動によるキャッシュ・フローは支出となっています。
これにより、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況がうかがえます。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより支出となりました。全体として、本業で稼いだ資金を成長投資に回しつつ、借入金の返済も進めている状況であり、事業の持続的な発展を目指していることが示されています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.3億円 | 9.4億円 |
| 投資CF | △10.8億円 | △11.0億円 |
| 財務CF | 1.7億円 | △3.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △3.5億円 | △1.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、保険事業において、社会環境の変化や市場縮小、競合激化による代理店収益圧迫のリスクを認識しています。また、千本松牧場事業やゴルフ事業では、人口構成や消費者の嗜好変化、景気動向、天候などの外部要因が来場者数や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、人口動態や雇用環境の変化に伴い、有能な人材を継続的に採用し定着させることが困難になるリスクを認識しています。これにより、人材不足が事業の継続に影響を及ぼす可能性を示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
「ひとを大切に。自然を大切に。」をコーポレート・ステートメントに掲げるホウライは、永続的な健全経営を目指しています。同社は、人、自然、社会との調和を重視し、事業活動を通じて豊かな社会づくりに貢献することを使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「ひとを大切に。自然を大切に。」をコーポレート・ステートメント(スローガン)として掲げ、永続的な健全経営を目指しています。お客様・消費者、地域・社会、株主・投資家、社員・お取引先の4つの領域でのコミュニケーションを大切にしています。
中期経営計画2026では「健全経営の基盤強化と永続的で強靭な経営体質の構築」を目指しており、設立100周年に向けた「更なる成長への挑戦」を見据え、成長基盤の整備に取り組んでいます。この計画の目指す姿は「ブランド価値向上による成長モデルへの転換のための基盤構築」です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「ひとを大切に。自然を大切に。」をコーポレート・ステートメントとし、人、自然、社会に貢献するビジネスに挑戦する姿勢を貫いています。「環境適応型企業」としてサステナビリティ経営を強化し、豊かな社会づくりへの貢献に努めています。
社員一人ひとりが同社を代表する意識を持ち、誠実と熱意をもって商品やサービスを提供しています。良き企業市民として法令遵守に努め、地域・社会との共存共栄を目指しています。
中期経営計画2026では、SDGsを意識したサステナビリティ経営の強化、ダイバーシティの深化、人的資本への戦略的投資を基本方針としています。人材育成では、実力・成果主義の登用・処遇、働きがい・働きやすさの追求、人材育成制度の拡充、採用の多様化を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
経営環境として、気象変動、円安、インフレ、国内市場の縮小、労働力不足、グローバル競争激化、消費行動の厳格化が挙げられています。同社はこれらの課題に的確かつ迅速に対処し、中長期的な変革に取り組むことが重要と考えています。
DX推進や他社との協働によるビジネスモデル変革、自然資本の活用、SDGsへの貢献を意識した経営の実現も重要としています。
各部門の主要施策における共通概念として、収益基盤の強化、成長領域への事業拡大、お客様との対話を通じた「満足度の高い商品・サービスの提供」、DX推進による「お客様満足度」と「生産性(業務効率化)」の向上、人材の育成、そして「環境・社会・経済への貢献」と「企業価値向上」の両立を掲げています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ホウライは、取締役会を中心に経営に関する重要事項を決定し、業務執行を監督する体制を構築しています。監査役会が業務の適正性を監視・チェックし、ガバナンスを強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ホウライの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である室町ビルサービスです。その他にも複数の事業会社や機関投資家が上位株主として名を連ねており、従業員持株会も含まれています。特定の株主グループが過半数を占める状況ではなく、多様な株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 室町ビルサービス | 12.75% |
| THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED - HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841 | 7.26% |
| 帝国倉庫 | 7.17% |
| 室町殖産 | 7.09% |
| THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD - SINGAPORE BRANCH PRIVATE BANKING DIVISION CLIENTS A/C 8221-623793 | 5.49% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長兼社長執行役員CEOは小野直樹氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 寺本 敏之 | 代表取締役会長兼 会長執行役員 | 1981年三井銀行(現三井住友銀行)入行、三井住友フィナンシャルグループ取締役等を経て、2019年同社入社、2025年10月より現職。 |
| 小野 直樹 | 代表取締役社長兼 社長執行役員 CEO | 1984年三井銀行(現三井住友銀行)入行、三井住友フィナンシャルグループ専務執行役員等を経て、2024年同社入社、2025年10月より現職。 |
| 萩尾 哲也 | 取締役兼 専務執行役員 CFO兼CIO 総合企画部長兼 財務企画部担当兼 IT統括部担当兼 広報部担当兼 不動産事業本部担当 | 1985年三井銀行(現三井住友銀行)入行、2012年同社入社、2024年10月より現職。 |
| 森川 禎一 | 取締役兼 専務執行役員 千本松事務所長兼 千本松牧場本部長兼 ゴルフ事業本部担当 | 1987年三井銀行(現三井住友銀行)入行、2021年同社入社、2025年10月より現職。 |
| 大嶋 雅樹 | 取締役兼 常務執行役員 CRO 人事部長兼 総務部担当 | 1989年三井銀行(現三井住友銀行)入行、2017年同社入社、2024年10月より現職。 |
社外取締役は、柴田征範氏(虎門中央法律事務所パートナー)、武藤隆明氏(元三越伊勢丹ホールディングス取締役常務執行役員)、飴善晶子氏(昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名、社外監査役2名で構成されています。取締役会は経営に関する基本方針や重要事項を決定し、業務執行状況を監督する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、退職慰労金、そして業績連動報酬としての賞与で構成されています。社外取締役は経営の監督機能と独立性確保の観点から、基本報酬のみが支給される体系です。業績連動報酬の算定においては、営業利益を重要な指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.5億円 | 30.2百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 16百万円 | 5.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 12百万円 | 5.9百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 11百万円 | 5.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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