※本記事は、株式会社情報企画 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
情報企画グループは、システム事業と不動産賃貸事業を展開しています。主要顧客である金融機関向けに信用リスク管理や融資支援のシステムを提供し、その保守・運用も手掛けています。
単体従業員数は137名、連結従業員数は154名です。セグメントはシステム事業、不動産賃貸事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ダンク(システム事業)、アイピーサポート(不動産賃貸事業)などです。
情報企画グループの不動産賃貸事業は、2023年1月に会社分割により連結子会社のアイピーサポートに移管されました。また、2025年3月には賃貸マンションを1棟購入し、事業を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社情報企画は、金融会計とITを融合させたシステム開発・販売・メンテナンスを主軸とする企業です。専門性の高い事業を展開しており、人材を重要な経営資源と位置づけています。社員の定着を促し、多様な働き方を支援する環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、社員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、比較的若い世代が中心となりつつも、一定の経験を積んだ社員が活躍している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,149,553円 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 平均年齢 | 33.5歳 |
| 単体従業員数 | 137人 |
| 連結従業員数 | 154人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.0% |
同社は、2005年10月より、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)として企業型確定拠出年金制度を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「金融会計×ITで未来の金融サービスを創る」をミッションに掲げ、金融機関の発展に貢献する持続可能なサービス提供を目指しています。この目標達成のため、金融会計の専門知識とITスキルを持つ優秀な人材の確保と活用を重要課題と位置付けています。
2023年4月には、人的資本経営強化のためHR部を創設し、社員の継続的な確保、スキル向上、福利厚生の充実を図る体制を強化しました。採用面では新卒・中途採用を強化しており、女性社員の比率も上昇傾向にあります。
人材育成においては、新入社員研修からマネージャー研修、研修動画の導入まで幅広い社内研修を実施しています。また、幹部社員の国内ビジネススクールへの派遣や、資格手当制度によるビジネス関連資格取得の推進を通じて、社員のスキル向上をサポートしています。働きやすい職場環境の整備にも力を入れており、社員のライフステージに合わせたエリア総合職制度、フレックスタイム制度、育児・介護休業や時短制度、時間外労働時間の制限、育児時間の確保などを導入しています。全社員の健康管理にも配慮し、置き型健康食品やフィットネス関連チケットへの補助、時間外勤務の管理徹底、有給休暇取得促進などに取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金格差については、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.7% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員に占める女性社員の割合 | 29.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
情報企画は、金融機関向けのシステム事業と、手許資金を有効活用した不動産賃貸事業の二つの事業を展開しています。これらを通じて、同社グループは安定的な収益基盤を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、システム事業と不動産賃貸事業を主な柱としています。システム事業は同社グループの主要な収益源であり、不動産賃貸事業も収益に貢献しています。
システム事業
システム事業は、主に金融機関を対象とした業務支援システムの企画、開発、販売、カスタマイズ、コンサルティングを行っています。信用リスク管理に関するパッケージシステムを提供しており、金融機関の格付業務や担保管理業務などを支援しています。
収益は、システムの販売、保守、データ提供、および顧客の担保台帳や決算書の代行入力サービスから得ています。運営は、情報企画が行っています。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、手許資金の有効活用と安定的な事業収益の獲得を目的としています。大阪府内で賃貸マンション、立体駐車場、賃貸オフィス、賃貸店舗などの不動産賃貸を行っています。
収益は、これらの物件からの賃貸収入から得ています。運営は、連結子会社であるアイピーサポートが行っています。
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外での事業展開は行っていません。また、システム事業においては信組情報サービス株式会社が主要な顧客の一つとなっています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| システム事業 | 34.0億円 | 36.0億円 |
| 不動産賃貸事業 | 2.2億円 | 2.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。直近の当連結会計年度においても、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてが前期から増加となりました。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 32.3億円 | 35.3億円 | 36.1億円 | 38.4億円 |
| 経常利益 | - | 12.4億円 | 14.0億円 | 14.5億円 | 15.4億円 |
| 経常利益率 | - | 38.5% | 39.6% | 40.1% | 40.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 8.6億円 | 9.6億円 | 10.1億円 | 10.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 257.38 | 288.17 | 334.85 | 356.21 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益も同様にわずかに減少しました。これは、同社グループ全体の収益性や生産性が前期からほぼ横ばいであることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.4百万円 | 25.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 10.1百万円 | 10.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
情報企画グループの財務基盤と資金の流れから、現在の経営状況と安定性について確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
情報企画グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率は非製造業のプライム市場平均を大きく上回っており、財務の健全性が高い水準にあることを示しています。
ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、事業運営における資金的な余裕がある状態です。これらの財務状況は、情報企画グループが安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤となっていることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 62.1億円 | 69.5億円 |
| 自己資本比率 | 82.5% | 82.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.3% | 16.4% |
| 現金及び預金 | 27.2億円 | 28.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
情報企画グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスで推移しています。これは税金等調整前当期純利益の計上によるものであり、安定して資金を生み出している状況です。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、主に有形固定資産の取得に資金を投じていることを示しています。これにより、事業の成長に向けた投資を継続していることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローもマイナスですが、これは主に配当金の支払によるものであり、株主還元を積極的に行っている状況です。
営業活動で得た資金で投資を行い、さらに余剰資金を確保しているフリーキャッシュフローもプラスであることから、情報企画グループは本業で安定的に資金を創出し、成長投資と株主還元を両立できる健全な資金循環を維持していることがわかります。このような資金の流れは、将来にわたる事業の安定性と成長性を支え、従業員の雇用や給与の安定にもつながる基盤であると言えます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 12.1億円 | 11.5億円 |
| 投資CF | △8.4億円 | △6.8億円 |
| 財務CF | △3.0億円 | △3.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.7億円 | 4.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
情報企画グループは、金融業界、特に地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合等を主要エンドユーザーとしており、売上高の9割以上が金融機関向けとなっています。金融機関のシステム投資動向は法的・制度的な要請や景気に左右される傾向があり、行政方針の転換によっては事業展開や経営成績に影響が生じる可能性があります。
また、信用リスク管理や総務経理関係のシステムには競合する開発会社が複数存在しており、競合他社や新規参入会社との競争激化により、事業展開や経営成績に影響が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
情報企画グループが安定的な成長を実現するためには、会計・税務・金融業界に精通した専門家に加え、営業、技術、管理、システムサポートの各部門において優秀な人材を確保していくことが重要な課題です。新卒採用と中途採用をバランス良く行い組織構築を図っていますが、求める要件を満たす人材の確保・育成が計画通りに進まない場合には、事業展開や経営成績に影響が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
情報企画は「私たちは常に前向きです」という企業理念を掲げ、金融機関向けシステム開発を通じて社会に貢献することを目指しています。金融会計とITの専門知識を融合させ、未来の金融サービスを創造する「金融会計×ITで未来の金融サービスを創る」をミッションとしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
情報企画は「私たちは常に前向きです」を企業理念とし、お客様と社会に役立つ企業を目指しています。専門性の高い精鋭企業として常に業界のトップを走り続け、挑戦と学び、革新を通じて独自の価値を生み出すONLY ONE企業となることを志向しています。
また、個人の夢を実現できる自由闊達な企業風土を育み、個性ある優秀な人々が集う広場としての役割も担うことを目指しています。同社グループは「金融機関の信用リスク管理分野のリーディングカンパニー」を標榜し、システムではなくサービスを創ることを使命としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
情報企画は、個人の夢を実現できる自由闊達な企業風土と、個性ある優秀な人々が集う広場であることを大切にしています。金融機関向けシステム開発の専門性の高さから、優秀な人材の確保と活用を重視するカルチャーがあります。
社員のスキル向上を必須と考え、人材育成に力を入れています。また、システム開発や営業において男女関係なく平等に働ける環境を重視し、女性が働きやすい勤務形態や勤務時間の選択、出産後の復帰支援など、多様なライフステージに対応した職場環境の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
情報企画は、技術革新と新サービスの展開を重要な経営課題としています。生成AIやAI-OCRなどの最新技術を積極的に取り入れ、システム及びサービス開発へ展開していく方針です。お客様とのコミュニケーションを密にし、お客様視点に立った新たなシステムやサービスの展開を進めています。
また、優秀な人材の確保と活用も重点テーマです。新卒・第二新卒に加え、中途の即戦力人材の採用を強化し、新人研修や階層別研修、外部研修を通じて社員のスキル向上に投資を継続しています。長期的に安心して健康に働ける環境の整備に向け、福利厚生の充実や多様な働き方の導入も図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
情報企画は、取締役会を中心に、監査等委員会、内部監査室、会計監査人等の連携によるガバナンス機構により運営されています。監査等委員である取締役のうち2名を社外取締役とすることで、取締役会の監督機能の強化を図り、経営の透明性及び客観性を確保する体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
情報企画の株主構成を見ると、筆頭株主は個人の松岡仁史氏であり、創業家が同社グループの経営に深く関わっていることがうかがえます。また、情報企画従業員持株会も上位株主として名を連ねており、従業員による安定的な資本形成も特徴の一つです。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 松岡 仁史 | 26.44% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 無限責任組合員光通信 | 6.14% |
| 情報企画従業員持株会 | 4.59% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は中谷利仁氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松岡 仁史 | 代表取締役 会長 | 1981年10月アーサーアンダーセン公認会計士共同事務所入所、1985年6月公認会計士登録、1986年10月同社設立・取締役就任、1987年11月同社代表取締役社長就任、2024年12月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 中谷 利仁 | 代表取締役 社長 | 1998年4月㈱カナデン入社、2001年11月同社入社、2012年12月同社取締役就任、2023年12月同社常務取締役就任、2024年8月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 松岡 勇佑 | 取締役 | 2007年4月㈱シンプレクス・テクノロジー入社、2011年2月有限責任あずさ監査法人入社、2014年4月同社入社、2015年12月同社取締役(財務担当)就任、2019年12月同社代表取締役社長就任、2024年8月同社取締役就任より現職。 |
| 松井 敬嗣 | 取締役 営業本部長 営業統括担当 | 2004年4月㈱土屋組入社、2004年8月同社入社、2022年12月同社取締役就任、同社営業本部長、2023年12月同社営業統括担当より現職。 |
| 緒方 一生 | 取締役 システム統括担当 管理担当 | 2003年4月同社入社、2013年4月同社大阪システム2部部長、2023年4月同社執行役員、2023年12月同社取締役就任、同社システム統括担当、2024年8月同社管理担当より現職。 |
社外取締役は、清原大氏(清原公認会計士事務所代表・㈱Go Public代表取締役)、浅川敬太氏(梅田総合法律事務所パートナー)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役2名が監査等委員として取締役の職務執行を監視し、監督機能の強化に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
情報企画の役員報酬は、手続きの透明性及び客観性を確保するため、任意の報酬委員会を設置して決定されています。取締役の報酬は固定報酬を基本とし、監査等委員である取締役の報酬は、独立性と中立性の確保の観点から職務内容を考慮して決定されます。社外取締役の報酬は、業務執行から独立した立場であるため、業績連動を排除した基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 98百万円 | 19.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 9.8百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 10百万円 | 5.1百万円 |
なお、報酬等額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。また、退職慰労金は、当事業年度における役員退職慰労引当金の繰入額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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