※本記事は、株式会社メディネット の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
メディネットは、「次世代の医療を支える革新的な技術及びサービスを迅速かつ効率的に社会に提供し続ける」ことを使命とし、細胞加工業と再生医療等製品事業を展開しています。人々の健康とQuality of Lifeの向上に貢献することを目指しています。
メディネットの単体従業員数は107名です。事業セグメントは細胞加工業、再生医療等製品事業の2つとなっています。
同社は、細胞加工業において医療機関向けの特定細胞加工物製造、企業・大学等からの細胞加工受託(CDMO事業)、細胞培養加工施設の運営管理などを行っています。また、再生医療等製品事業では、研究開発や大学等との共同研究を通じて、再生医療等製品の製造販売承認取得を目指しています。
再生医療等製品事業では、2024年11月にα-GalCer/DCの開発中止を決定し、新たな開発候補品の早期獲得を目指しています。また、MDNT01(NeoCart)の国内開発方針決定は、米国での開発体制変更により遅延しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
メディネットは、細胞加工業および再生医療等製品事業を通じて、人々の健康と生活の質の向上に貢献することを使命としています。同社は、人財を最も重要な経営資源と位置づけ、多様な人財の採用・登用と、社員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスを尊重した働きやすい職場環境の整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も比較的長く、安定したキャリア形成が期待できる環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,649,259円 |
| 平均勤続年数 | 8.7年 |
| 平均年齢 | 39.5歳 |
| 単体従業員数 | 107人 |
同社は、国内の従業員を対象とした確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
メディネットは、持続的な成長・発展のために人財を最も重要な経営資源と認識し、「先を見据え、自ら考え一歩先の考動ができる」人財の育成・活性化を推進しています。社内外の環境変化に応じて人事関連制度を見直し、必要な研修などの人的資本への投資を積極的に行う方針です。
具体的には、eラーニングの導入による基本メニューと学習機会の提供、コンプライアンス強化に向けたセミナーの実施などに取り組んでいます。また、性別・年齢・国籍・学歴などにとらわれず多様な人財を採用・登用し、社員個々のワーク・ライフ・バランスや多様な働き方を尊重することで、従業員一人ひとりが活躍でき、働きやすい職場を目指しています。育児休職、介護休職、子の看護休暇、介護休暇、育児短時間勤務制度、特別育児短時間勤務制度、介護短時間勤務制度といった柔軟な働き方を推進する制度を導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に基づく公表を行っていないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
有給休暇取得率は、毎年3月末時点を基準日として管理されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 67.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社メディネットは、細胞加工業と再生医療等製品事業を展開し、次世代の医療を支える革新的な技術とサービスを社会に提供することで、人々の健康とQuality of Lifeの向上に貢献することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、細胞加工業と再生医療等製品事業の2つの部門を事業の柱としています。
細胞加工業
細胞加工業では、医療機関向けの特定細胞加工物の製造のほか、企業、大学、医療機関、研究機関等からの臨床用や治験用の細胞加工物製造の受託(CDMO事業)を行っています。また、細胞培養加工施設の運営管理や細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供(バリューチェーン事業)も手掛けています。収益は、これらの細胞加工サービスの提供やロイヤリティ収入から得ています。当事業年度の売上高は前期に比べて増加しました。
再生医療等製品事業
再生医療等製品事業では、自社での研究開発に加え、大学等との共同研究を通じて再生医療等製品の製造販売承認取得を目指しています。国内外の有望な技術や物資を持つ企業との提携によるパイプラインの拡充も視野に入れています。現時点では開発段階にあるため、事業収益はほとんど発生していません。当事業年度の売上高は前期に比べて減少しました。
同社の販売実績を見ると、医療法人社団滉志会とヤンセンファーマ株式会社への販売が、総販売実績に占める割合として比較的高い水準にあります。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 細胞加工業 | 7.7億円 | 8.1億円 |
| 再生医療等製品事業 | 0百万円 | 0百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にあるものの、営業損失、経常損失、当期純損失が継続しています。特に当事業年度は、売上高の増加にもかかわらず、原価や販売費及び一般管理費の増加により、各段階での損失が前期よりも拡大する結果となりました。営業活動によるキャッシュ・フローも継続してマイナスとなっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、再生医療分野における事業拡大と収益構造の改善に注力しており、研究開発投資が先行するフェーズにあります。財務の安定性を確認することは、転職を検討する上で重要な視点となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は前期の91.1%から当期は88.8%となっています。これはプライム市場平均と比較して高い水準を示しており、安定した財務体質であることがうかがえます。手元資金である現金及び預金等は、当期末に26.7億円となっています。これらの状況は、事業運営の安定性を示す要素となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 51.9億円 | 37.8億円 |
| 自己資本比率 | 91.1% | 88.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 46.5億円 | 26.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが14.1億円のマイナスとなりました。これは前期の12.7億円のマイナスからさらに減少しています。主な要因は、税引前当期純損失の計上や投資事業組合運用益の減少などが挙げられます。
投資活動によるキャッシュフローも5.7億円のマイナスとなり、有価証券や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。結果として、フリーキャッシュフローは19.8億円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは0.0億円のマイナスとなりました。
同社は継続的に営業損失とマイナスの営業キャッシュフローが発生している状況ですが、再生医療等製品の開発費等については資金状況を勘案の上、機動的に資金調達を実施する方針です。当面の資金繰りには懸念がないと判断されており、この状況は今後の事業展開と雇用安定性を見極める上で注目すべき点となります。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △12.7億円 | △14.1億円 |
| 投資CF | 0.7億円 | △5.7億円 |
| 財務CF | 14.6億円 | △0.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
メディネットは、「常に本質を究め、誠実性と公正性をもって真の社会的付加価値を創造する」という経営理念のもと、人々の健康とQuality of Lifeの向上に貢献することを使命としています。次世代の医療を支える革新的な技術とサービスを社会に提供し、Well-Being社会の実現を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「常に本質を究め、誠実性と公正性をもって真の社会的付加価値を創造する」という経営理念を掲げています。次世代の医療を支える革新的な技術とサービスを迅速かつ効率的に社会に提供し、人々の健康と“Quality of Life(生活の質)”の向上に資することを使命としています。
経営の基本方針として、独自の研究開発や技術開発に加え、国内外の機関との広範なコラボレーションを推進し、事業成長と機会創出を図ることを掲げています。中長期的には「VISION2030」をビジョンとし、「Well-Being社会(“身体的・精神的・社会的に良好な状態にある社会“)に貢献するHealthcare Innovating Company」を目指しています。このビジョン達成のため、「強み・経験を活かした成長」「環境変化への対応と変革」「会社基盤の強化」の3つの経営方針を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、「常に本質を究め、誠実性と公正性をもって真の社会的付加価値を創造する」という経営理念を企業活動の基盤としています。人々の健康とQuality of Lifeの向上に貢献することを使命とし、細胞加工業および再生医療等製品事業を展開しています。
ガバナンスにおいては、法令や定款等に適合した活動と、事業活動における内外のリスクを適切に管理する体制を構築しています。人財育成では、持続的成長のため人財を最も重要な経営資源と認識し、「先を見据え、自ら考え一歩先の考動ができる」人財の育成・活性化を推進しています。社内環境整備では、多様な人財の採用・登用とワーク・ライフ・バランスを尊重し、従業員が活躍できる働きやすい職場を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社が優先的に対処すべき課題として、会社基盤の強化に向けた取り組みを挙げています。具体的には、「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化を推進しています。
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)実現に向けた社内環境整備の加速化も重要な課題としています。さらに、環境の変化に対応し、継続成長に向けた変革を推進するため、同社事業へのシナジー効果やVISIONに合致する新規事業の育成にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社メディネットは、取締役会が経営の基本方針や重要事項を審議決定し、監査役会が業務執行を監督する体制をとっています。社外取締役と社外監査役を配置することで、経営の客観性と中立性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、楽天証券が筆頭株主となっています。また、個人株主である木村佳司氏が第2位の大株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 楽天証券 | 3.36% |
| 木村 佳司 | 2.97% |
| SBI証券 | 0.71% |
| 廣瀨 成留 | 0.67% |
| JPモルガン証券 | 0.56% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は久布白兼直氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 久布白 兼直 | 代表取締役 社長 | 1983年三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。田辺三菱製薬で営業本部東京支店長、吉富薬品代表取締役社長などを歴任。2020年同社取締役、2022年より現職。 |
| 木村 佳司 | 取締役 会長 | 1992年HOYA入社。1995年同社設立、代表取締役社長に就任。代表取締役会長兼社長などを経て、2024年より現職。 |
| 落合 雅三 | 取締役 経営管理部長 | 1997年千代田生命保険(現ジブラルタ生命保険)入社。2004年同社入社。経営企画グループマネージャーなどを経て、2018年より現職。 |
| 近藤 隆重 | 取締役 細胞加工事業部長 | 2000年アイン・エンジニアリング入社。2003年同社入社。臨床開発グループマネージャーなどを経て、2020年より現職。 |
社外取締役は、篠田丈氏(アリスタゴラ・アドバイザーズ代表取締役会長)、吉野公一郎氏(カルナバイオサイエンス代表取締役社長)、市川邦英氏(サイジェクト代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役3名と社外監査役3名全員を配置し、専門的な見識に基づき経営の監督と監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、中長期的な企業価値向上を考慮し、個々の役員の職責に応じた適正な水準を基本方針としています。報酬は月例の固定報酬と非金銭報酬である株式報酬で構成され、その割合は概ね9対1となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 72百万円 | 18.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 23百万円 | 3.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した社外監査役1名と就任した社外監査役1名を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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