※本記事は、株式会社インタートレード の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
インタートレードグループは、金融ソリューション、ビジネスソリューション、ヘルスケアの3つの事業を展開しています。金融ソリューションでは証券ディーリングシステムや暗号資産プラットフォームの開発・保守を手がけ、ビジネスソリューションではITサポートを提供しています。
単体従業員数は85名、連結従業員数は91名です。セグメントは金融ソリューション事業、ビジネスソリューション事業、ヘルスケア事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ビーエス・ジェイ(ビジネスソリューション事業)、インタートレードヘルスケア(ヘルスケア事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
インタートレードは、金融ソリューション事業を主軸に、ビジネスソリューションやヘルスケア事業を展開する企業です。ITを活用した成長市場の創出や技術イノベーションに創業以来取り組んでおり、多様な働き方を提供し、従業員のエンゲージメントを高める環境整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が10年を超えており、従業員が比較的長く定着する傾向が見られます。平均年齢も40歳を超えており、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,833,000円 |
| 平均勤続年数 | 11年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 40歳7ヶ月 |
| 単体従業員数 | 85人 |
| 連結従業員数 | 91人 |
| 単体のグループ内比率 | 93.4% |
同社および一部の連結子会社は、特定退職金共済制度に加入しており、また一部連結子会社は退職一時金制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、年金資産は18.7百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、会社と従業員がともに成長していくことを目指し、自ら学び成長する機会を提供することを人材育成の基本方針としています。多様な働き方を提供し、多様な人材が活躍する環境を整備することで、従業員のエンゲージメントを高めることを目指しています。
具体的な取り組みとしては、目標管理制度による適切な目標設定と上司からのフィードバック、スキル向上を目的としたeラーニングや語学研修、資格奨励金制度等を実施しています。また、社員一人ひとりの生活の質を高めるために、テレワークを実施するとともに、法定以上の育児・介護休暇制度、育児・介護のための短時間勤務制度を導入し、育児・介護等と業務の両立を支援し、社員のワークライフバランスの実現に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
インタートレードグループは、金融ソリューション、ビジネスソリューション、ヘルスケアの3つの事業を展開しています。IT技術と専門知識を活かし、多様な顧客ニーズに応えるサービスを提供していることが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、金融機関向けのシステム開発・保守から一般企業向けのITサポート、さらには健康食品・化粧品の開発・販売まで、幅広い領域で事業を展開しています。各事業がそれぞれの専門性を活かし、収益を上げています。
金融ソリューション事業
金融ソリューション事業は、証券ディーリングシステム、外国為替証拠金取引システム、暗号資産プラットフォームなどの開発と保守が中心です。収益は、これらのシステム提供や関連サービスの利用料から得ています。運営は、インタートレード、デジタルアセットマーケッツ、AndGoが行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しましたが、粗利率の高いライセンス利用料の減少と粗利率の低いハードウェア売上の増加により、セグメント利益は減少しました。WEB3領域の強化に向けた戦略的パートナーシップの締結や株式取得を進めています。
ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業は、ITサポートやグループ経営管理ソリューションシステムの開発・販売を主な内容としています。収益は、SIサービスや主力製品である『GroupMAN@IT e2』の提供から得ています。運営は、インタートレード、ビーエス・ジェイが行っています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しており、セグメント利益は損失となりました。これは、主力製品の追加開発案件の減少や受注の遅延、人件費や開発工数の増加が主な要因です。
ヘルスケア事業
ヘルスケア事業では、機能性食材であるハナビラタケを用いた健康食品や化粧品の開発・販売を行っています。収益は、これらの製品の販売から得ています。運営は、インタートレード、インタートレードヘルスケアが行っています。当連結会計年度の売上高は前期とほぼ横ばいで推移し、セグメント損失は前期と同水準でした。機能性表示食品の届出番号取得後、新製品投入までの期間に旧製品の買い控えがあったことが影響しています。
同社グループの売上高は、連結損益計算書の90%以上を本邦の外部顧客が占めており、国内市場が主要な収益源となっています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 金融ソリューション事業 | 14.5億円 | 14.7億円 |
| ビジネスソリューション事業 | 3.0億円 | 2.6億円 |
| ヘルスケア事業 | 1.1億円 | 1.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は2021年9月期から2023年9月期にかけては20億円台で推移していましたが、直近2期は減少傾向にあります。経常利益は2023年9月期までは黒字を維持していましたが、2024年9月期以降は損失が続いています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、2024年9月期以降は損失を計上しています。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、持分法による投資損失を計上した一方で、持分変動利益を計上したことによるものです。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21.6億円 | 20.6億円 | 20.1億円 | 18.5億円 | 18.4億円 |
| 経常利益 | 22百万円 | 63百万円 | 2百万円 | △1.6億円 | △2.1億円 |
| 経常利益率 | 1.0% | 3.0% | 0.1% | △8.6% | △11.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.0億円 | 1.7億円 | 37百万円 | △98百万円 | △1.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 28.05 | 24.15 | 5.10 | △13.63 | △20.20 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて微増となりました。一方で、従業員1人あたり営業利益は、前期の黒字から当期は損失に転じています。これらの数値は、同社グループ全体の売上規模と利益創出能力が、従業員数に対してどのように変化しているかを示しています。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 19.7百万円 | 20.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | △0.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在地を示します。本業での資金創出に課題が見られ、投資活動による資金流出が継続している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、プライム市場平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して高い水準を維持しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、プライム市場平均(9.4%)を下回る状況です。現金及び預金は前期から減少しています。
これらの状況は、同社グループの財務基盤が一定の厚みを持つ一方で、収益性には課題があることを示しています。雇用や給与の安定性を考える上では、今後の収益改善と資金繰りの動向が注目されます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 12.3億円 | 10.8億円 |
| 自己資本比率 | 74.2% | 72.6% |
| ROE(自己資本利益率) | -7.7% | -12.6% |
| 現金及び預金 | 10.2億円 | 7.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の収入から支出に転じました。主な減少要因は、売上債権の増加、税金等調整前当期純損失、持分変動利益などとなっています。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に引き続き支出が継続しており、投資有価証券の取得による支出が主な減少要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローも支出に転じ、長期借入金の返済による支出が主な減少要因となっています。結果として、フリーキャッシュ・フローは前期に引き続きマイナスであり、本業での資金創出に課題が見られ、投資活動による資金流出が継続している状況です。このような資金の流れは、同社グループが収益改善と資金効率の向上に取り組む必要があることを示しており、今後の事業展開と雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.8億円 | △0.1億円 |
| 投資CF | △1.2億円 | △2.5億円 |
| 財務CF | 0.7億円 | △0.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △0.4億円 | △2.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主力製品である証券ディーリングシステムが株式市況の影響を大きく受けるリスクを認識しています。市況変動やIT設備投資方針の変更が、同社グループの受注動向や業績に影響を与える可能性があります。また、FinTech領域における新規事業への投資は、事業基盤構築の段階であり、収益化までに想定以上の時間を要する可能性など、不確定要素が多いことをリスクとして挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、継続的な事業展開と成長のために、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しています。特定の人材に過度に依存しない組織体制の構築や属人的な要素の軽減に努めていますが、人材の確保や育成ができない場合、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
インタートレードは、金融ソリューションを主軸に、ビジネスソリューションやヘルスケア事業も展開する企業です。お客様視点と技術革新を重視し、社会に貢献する企業を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「お客様視点での行動」「好奇心と勇気」「迅速な判断と誠実な対応」「「人」と「人とのつながり」を大切に」を経営理念として掲げています。常に知識と技術を研鑽し、これからの時代に必要とされる商品及びサービスを生み出し、提供することを基本方針としています。
金融ソリューション事業では、次世代インフラシステム『Spider Digital Transfer』を収益の柱とすることを目指しています。ビジネスソリューション事業とヘルスケア事業においても収益基盤を構築し、各事業で安定的な受注を確保することで、再成長フェーズへの転換を果たすことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に掲げられた「お客様視点での行動」「好奇心と勇気」「迅速な判断と誠実な対応」「「人」と「人とのつながり」を大切に」を価値観としています。サステナビリティへの取り組みを企業価値の向上において重要な経営課題と認識し、金融分野へのITを利用した「成長市場の創出、技術イノベーション」に創業以来取り組んでいます。
ステークホルダーとの関係を重視し、社会の発展・維持及び持続的な成長の実現と社会的責任との均衡を図りながら、永続的に社会に貢献する企業を目指しています。多様な働き方を提供し、多様な人材が活躍する環境を整備することで、従業員のエンゲージメントを高める方針です。また、基本的人権の尊重を徹底し、差別や強制労働、ハラスメントなどの個人の尊厳を傷つける行為を許さない企業風土を確立するとしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
金融ソリューション事業では、IT人材の需給逼迫が続く中で、金融領域とテクノロジー双方の専門知識を有するハイブリッド型プロフェッショナルの確保が課題となっています。長期的視点での対応が必要であり、組織全体としての技術革新への迅速な適応には、部門横断的及びループ内での人材流動性向上が不可欠であるとしています。
ビジネスソリューション事業では、顧客ニーズを的確かつ迅速に把握し、システムへ反映するフィードバックサイクルの継続的運用が求められています。この目的のため、シニアエンジニアと若手人材による体系的なナレッジシェアリングを推進し、組織力強化に取り組む方針です。ヘルスケア事業では、裏付けとなる研究論文や臨床データ等のエビデンス活用を積極化し、情報公開の透明性を高めることで、フェムケアサプリメントとしてのブランド認知度向上を図っていくとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
インタートレードは監査役制度を採用しており、監査役会が監査を実施することで、コンプライアンスとコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は社内外の視点を取り入れた企業戦略の実行と企業価値向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
西本一也氏が筆頭株主であり、個人株主が上位に複数名を占めていることが特徴です。特定の個人株主が上位に位置しており、同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 西 本 一 也 | 18.74% |
| ジャパンインベストメントアドバイザー | 10.00% |
| 尾 﨑 孝 博 | 3.21% |
| 楽天証券 | 1.98% |
| 西 本 か な | 1.75% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は西本一也氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西 本 一 也 | 代表取締役社長 | 1999年1月、同社設立とともに代表取締役社長に就任。2018年10月、同社代表取締役社長に就任より現職。 |
| 尾 﨑 孝 博 | 取締役 | 1999年1月、同社設立とともに取締役副社長に就任。2018年10月、同社取締役に就任より現職。 |
| 阿 久 津 智 巳 | 取締役ビジネスソリューション事業本部長 | 1991年4月、勧角証券株式会社(現みずほ証券株式会社)に入社。2002年7月、同社に入社。2013年12月、同社取締役ビジネスソリューション事業本部長に就任より現職。 |
| 内 藤 敏 裕 | 取締役ヘルスケア事業本部長 | 1989年4月、日本勧業角丸証券株式会社(現みずほ証券株式会社)に入社。2013年4月、同社に入社。2019年12月、同社取締役ヘルスケア事業本部長に就任より現職。 |
社外取締役は、平石智紀氏(株式会社アクリア代表取締役)、大久保淳一氏(DFG株式会社代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、業務執行側と非業務執行側の視点を取り入れた建設的な議論を通じて、客観的な経営判断を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
インタートレードの取締役報酬は固定報酬で構成されており、中長期的な企業成長への貢献度や個人の業績評価に基づいて決定されます。監査役の報酬は、株主総会で承認された範囲内で監査役間の協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 46百万円 | 11.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 6百万円 | 3.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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