※本記事は、アクセルマーク株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アクセルマークグループは、「楽しい」で世界をつなぐことを経営理念に掲げ、広告事業、トレカ事業、その他事業の3つのセグメントで事業を展開しています。インターネット広告、トレーディングカード販売、IoTヘルスケアソリューションなど、多岐にわたるサービスを提供しています。
単体従業員数は29名、連結従業員数は50名です。事業セグメントは広告事業、トレカ事業、その他事業の3つです。
主な国内グループ会社は、アクセルマーク、スパイラルセンス、アクセルメディカなどです。
アクセルマークグループは2025年9月期より連結財務諸表を作成しています。また、IoT事業の一部サービスを譲渡し、新たにビューティー&ウェルネス事業を開始するなど、事業構造の転換を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アクセルマークはインターネット市場で事業を展開しており、人材の確保と定着を経営上の重要課題と位置付けています。企業成長の源泉である人材の力を最大限に引き出し、持続的な成長を目指す方針です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境を詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アクセルマークでは、比較的若い年齢層の従業員が中長期的に在籍している傾向が見られます。平均勤続年数から、一定の定着性があることがうかがえます。同社はインターネット市場に属しており、人材の育成と定着に力を入れています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,950,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.8年 |
| 平均年齢 | 34.2歳 |
| 単体従業員数 | 29人 |
| 連結従業員数 | 50人 |
| 単体のグループ内比率 | 58.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、インターネット市場において事業を展開しており、優秀な人材の確保と定着を永続的な事業継続と持続的成長のために重要であると認識しています。企業成長の源泉である人材の力を最大限に引き出すことを目的とし、これまでの管理型組織から多様な人材を活かした自走できる組織への変革を目指しています。
具体的には、年齢・性別・国籍等の属性にかかわらず、業務上必要なスキル、意欲、周囲とのコミュニケーション意識に優れた人材を確保し、その能力を伸ばせる環境の整備に努めています。小規模な組織体制であるため、管理職の構成割合や人数の目標値は定めていませんが、女性や中途採用者の管理職への登用を推進する方針です。今後も期待する役割に応じた能力と実績に基づき、積極的に登用を進めるとともに、成果を最大化し、適切に能力が評価されるような施策や環境整備に取り組んでいくとしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
アクセルマークは、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アクセルマークは、「楽しい」で世界をつなぐことを経営理念に掲げ、広告事業、トレカ事業、その他事業の3つの報告セグメントで事業を展開しています。インターネット広告の運用からトレーディングカードの販売、さらにはヘルスケアやビューティー&ウェルネスといった多岐にわたる分野でサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、インターネット広告の企画・制作・運営、トレーディングカードの販売、IoTヘルスケア領域での企画・開発・販売・運用などを主な事業としています。各事業セグメントは、それぞれの専門性を活かし、多様な顧客ニーズに応えることで収益を上げています。
広告事業
インターネット広告媒体をネットワーク化し、広告主に広告枠を販売する広告ネットワークサービスや、他社サービスを用いた広告運用を行うトレーディングデスクを提供しています。また、システム開発の受託も行っています。収益は、広告枠の販売手数料やシステム開発の受託費用から得ています。運営は、アクセルマークとスパイラルセンスが行っています。
トレカ事業
トレーディングカードの販売を主軸としています。実店舗「cardéria池袋店」の運営に加え、ECオリパサービスブランド「アイリストレカ」を展開しています。収益は、トレーディングカードの販売や関連サービスから得ています。運営は、アクセルマークと株式会社craftyが行っています。
その他事業
ヘルスケア事業として、感染症検査技術「AscellaOne」を活用した感染症プラットフォームの実用化と事業展開を進めています。また、新たにビューティー&ウェルネス事業を立ち上げ、ECコスメを中心とするアウタービューティ領域や、韓国のトレンドサプリメントを取り扱うインナービューティ領域での事業展開を図っています。収益は、ヘルスケア関連サービスやビューティー&ウェルネス関連商品の提供から得ています。運営は、アクセルマークとアクセルメディカが行っています。
同社グループの売上高は、特定の顧客に集中する傾向が見られます。また、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の大部分を占めており、海外での事業展開は限定的です。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 広告事業 | - | 6.4億円 |
| トレカ事業 | - | 3.0億円 |
| その他事業 | - | 35百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは第33期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較はできません。当連結会計年度の売上高は9.7億円となりました。
一方で、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。営業活動によるキャッシュ・フローも損失となっており、税引前当期純損失の計上が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 9.7億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | △6.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | △69.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | △7.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | △49.58 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は19.5百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は△10.4百万円と損失を計上しています。
これは、当連結会計年度において営業損失が発生している状況を反映しています。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 19.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △10.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、継続して損失を計上しており、事業構造の転換と資金調達を進める成長投資フェーズにあります。財務基盤と資金の流れを理解することは、今後の安定性を把握する上で重要です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は60.1%であり、プライム市場の製造業平均(46.8%)や非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。これは、財務の健全性を示す一つの指標です。ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、当期純損失を計上している状況です。手元資金である現金及び預金は前期から増加しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4.7億円 | 8.0億円 |
| 自己資本比率 | - | 60.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | -120.0% |
| 現金及び預金 | 5.1億円 | 9.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナスとなりました。これは主に税引前当期純損失の計上や仕入債務の減少等があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなりました。これは主に投資有価証券の取得、敷金保証金の差入、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出等があったことによるものです。
フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっており、本業の資金創出力と投資活動を合わせた資金は流出しています。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入があったことによるものです。同社グループは、営業活動と投資活動で資金を使用し、財務活動で資金を調達している状況であり、事業の転換期における資金の動きを示しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △4.7億円 |
| 投資CF | - | △2.3億円 |
| 財務CF | - | 11.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △7.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前事業年度および当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、当期純損失を計上しています。このような状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しています。対応策として利益確保体制の強化、資金調達、収益構造の改善に取り組んでいますが、これらの対応策は実施途上であり、効果を十分に得られない可能性も想定されるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの広告事業は多数の競合会社があり、今後さらに競争が激化する可能性があります。また、トレーディングカード市場の拡大が見込まれる一方で、拡大スピードの鈍化や市場の縮小等により、当初想定していた成果を挙げられない場合、同社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。IoTヘルスケア関連市場についても、拡大スピードの鈍化や市場の縮小等により、想定していた成果を挙げられない場合、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループにおいて、優秀な人材の確保、育成及び定着は重要な課題です。事業戦略に基づく採用活動や人事評価制度の整備等の施策を通じて、人材の確保、育成及び定着に取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ要因により採用活動や人材育成が困難になった場合には、適正な人材配置が困難となり、同社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アクセルマークは、インターネット技術の進化を背景に、「楽しい」を通じて世界をつなぐことを目指す企業です。変化の激しい業界で、新たな価値創造と持続的な成長を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は『「楽しい」で世界をつなぐ』です。インターネットを含むネットワークインフラと技術が社会を大きく変える中で、つながりから生まれる価値を最大化するために、様々なサービスの開発・運営に取り組んでいます。この理念を永続的に達成するため、全ての事業において「成長スピードの追求」「顧客満足の向上」「効率的な事業運営」という3つの観点を常に強化し、事業生産性を最大化することを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業成長の源泉である「人材」の力を最大限に引き出すことを重視しています。持続的な成長のためには、優秀な人材の確保と定着が重要であると認識しており、年齢・性別・国籍等の属性にかかわらず、業務上必要なスキル、意欲、周囲とのコミュニケーション意識等に優れた人材を確保する方針です。また、こうした人材が定着し、その能力を伸ばすことができる環境の整備に努めています。
管理型組織から、多様な人材を活かした自走できる組織への変革を目指しており、女性や中途採用者の管理職への登用を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが対処すべき主要な課題の一つに「人材の確保と育成」を挙げています。企業の持続的な成長には、必要な人材の確保と育成が重要であると考えており、働く環境や価値観の変化に柔軟に対応することが求められています。多様な働き方を尊重した柔軟な雇用形態の整備や人事制度の見直しを進め、従業員の能力向上を目指し、新たなスキルの習得や将来を担う人材への投資を推進しています。
これらの取り組みを通じて、更なる人的資本経営の実現を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アクセルマークは監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化とコーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。経営の監督機能と業務執行機能の分離を明確にし、効率的かつ機動的な経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、個人株主が上位に名を連ねていることが特徴です。筆頭株主は新沼吾史氏であり、楽天証券株式会社や瀬賀雅弥氏も主要な株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 新沼 吾史 | 7.69% |
| 楽天証券 | 2.31% |
| 瀬賀 雅弥 | 2.05% |
| ウィズ AIoT エボリューションファンド投資事業有限責任組合 | 1.64% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC) | 1.45% |
なお、ウィズ AIoT エボリューション ファンド投資事業有限責任組合は前事業年度末において主要株主でしたが、当事業年度末では主要株主ではなくなっています。また、新沼吾史氏は2025年1月22日付で主要株主となりましたが、2025年2月13日付の臨時報告書にて当事業年度末において主要株主でなくなっている旨が示されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松川裕史氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松川 裕史 | 代表取締役社長 | 1997年4月株式会社ナムコ入社、2001年3月京セラコミュニケーションシステム株式会社入社、2004年6月オムロンエンタテインメント株式会社入社、2019年8月株式会社セガゲームス入社、2020年3月同社入社、2021年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 村上 嘉浩 | 取締役 | 1993年4月日本合同ファイナンス株式会社入社、2000年3月株式会社アイシーピーインベストメントチームマネージャー、2000年6月株式会社ブライダルネット代表取締役社長、2015年4月株式会社ALBERT執行役員最高財務責任者、2023年12月同社取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、垣花直樹氏(三菱UFJキャピタル元代表取締役常務・常勤監査等委員)、生駒成氏(西武鉄道元取締役常務執行役員・監査等委員)、田中紀行氏(弁護士法人港国際法律事務所東京事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化とコーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。取締役会は監査等委員である取締役3名を含む計5名で構成され、うち3名が社外取締役です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役の報酬について、各取締役の役割と職責に応じた固定金銭報酬のみで構成する方針です。報酬総額は株主総会で決定された範囲内で、取締役会での協議を経て、代表取締役社長が各取締役の担当職務や貢献度を総合的に勘案し決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 34百万円 | 16.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 2百万円 | 1.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 13百万円 | 2.7百万円 |
なお、取締役の個人別報酬額の決定は、株主総会で承認された範囲内で、取締役会決議に基づき代表取締役社長に一任されています。代表取締役社長は、各取締役の担当職務や貢献度を総合的に勘案して決定し、その際には社外取締役への説明と助言を得ています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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