※本記事は、イー・ガーディアン株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月10日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、インターネットセキュリティ事業を主軸に、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセス、サイバーセキュリティ、その他といった多岐にわたるサービスを一気通貫で提供しています。安心・安全なインターネット環境の実現を目指し、「AIと人のハイブリッド」を強みとしています。
単体従業員数は171名、連結従業員数は427名です。セグメントはインターネットセキュリティ事業の1つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)イー・ガーディアン東北、EGテスティングサービス(デバッグ事業)、EGセキュアソリューションズ(サイバーセキュリティ・関連事業)などです。
同社グループは、親会社であるチェンジホールディングスとの連携を強化し、サイバーセキュリティ分野でのトップベンダーを目指しています。協業による既存業務の移管や共同提案、役員招聘を通じて、エンタープライズや官公庁案件の獲得を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
イー・ガーディアンは、インターネットセキュリティ事業を主軸とする企業です。同社グループは、事業特性から見ても変化の速い業界で、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。若手社員が多く、活気ある働き方が期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が若く、平均勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が常に変化している状況を示しています。若手社員が中心となって事業を推進している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,724,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.9年 |
| 平均年齢 | 32.4歳 |
| 単体従業員数 | 171人 |
| 連結従業員数 | 427人 |
| 単体のグループ内比率 | 40.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長を実現するため、多様な人材が活躍できる環境づくりと優秀な人材の確保・育成を重要な経営課題と位置付けています。この方針に基づき、階層別研修の実施や資格取得支援制度、正社員登用制度といった具体的な取り組みを推進しています。これらの施策を通じて、社員の能力開発とキャリア形成を支援し、組織全体の成長に繋げていく考えです。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 84.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 92.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 91.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ イー・ガーディアン東北株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 95.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 87.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 100.5% |
▼ EGテスティングサービス株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 90.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 96.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 84.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イー・ガーディアンは、インターネットセキュリティ事業を主軸に、安心・安全なインターネット環境の実現を目指す企業です。親会社である株式会社チェンジホールディングスとの連携も進めながら、多岐にわたるセキュリティサービスを一気通貫で提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「We Guard All」を経営理念に掲げ、インターネットセキュリティにかかわる事業を展開しています。主にソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセス、サイバーセキュリティ、その他の5つの業務区分でサービスを提供しています。
ソーシャルサポートは、ソーシャルWEBサービスにおける投稿監視、風評調査、カスタマーサポート、eKYCサービスなどを提供しており、同社グループの最も大きな収益源となっています。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートやFintech関連サービスでの本人確認業務が伸長し、新規顧客の売上高も増加しました。収益は主に目視件数や対応件数に応じた課金から得ています。
ゲームサポートでは、ゲーム会社に対するカスタマーサポート、デバッグ、ローカライズサービスなどを提供しています。当連結会計年度においては、家庭用ゲームやPCゲームの大型案件を受注したものの、売上高が想定を下回り、既存顧客の売上減少を吸収できずに減収となりました。
アド・プロセスは、インターネット広告審査業務や運用代行業務を提供しています。広告関連業務で新規顧客の売上高が伸長した一方で、広告審査業務の新規顧客売上が伸び悩み、減収となりました。
サイバーセキュリティ事業では、脆弱性診断、WAF(Web Application Firewall)の開発・販売、コンサルティングサービスなどを提供しています。クラウド型WAFやコンサルティングサービスが伸長し、事業責任者や営業責任者の採用による体制強化も進め、新規顧客の売上高が増加しました。
その他として、主にハードウェアに対するデバッグ業務を提供しています。当連結会計年度においては、新規開拓に努めたものの減収となりました。
同社グループの売上高は日本国内が大部分を占めていますが、シンガポールやその他の地域からも収益を得ています。また、特定の顧客への売上集中が見られ、株式会社メルカリやTikTok Pte. Ltd.が主要な取引先となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績推移を見ると、売上高は第26期をピークに直近2期は減少傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、第25期をピークに直近3期は減少傾向で推移しています。
当連結会計年度においては、ソーシャルサポートの大型案件の減収幅が想定を上回ったことや、ゲームサポートの大型案件の売上高が想定を下回ったことが減収の要因となりました。また、大型案件開始に向けた人材獲得・育成コストの先行や、処理能力向上のためのセンター移転コストが生じたことにより、減益となっています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 99.3億円 | 118億円 | 119億円 | 114億円 | 113億円 |
| 経常利益 | 20.4億円 | 23.1億円 | 18.1億円 | 17.1億円 | 15.3億円 |
| 経常利益率 | 20.5% | 19.7% | 15.2% | 15.0% | 13.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.9億円 | 16.9億円 | 12.3億円 | 10.6億円 | 9.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 107.44 | 168.38 | 122.74 | 92.08 | 81.52 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高と営業利益の推移は、組織全体の生産性を示す指標となります。これらの数値は、同社グループの収益体質や組織の効率化の傾向を把握する上で参考となります。
当連結会計年度における従業員1人あたり売上高は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しています。これは、業績トレンドで述べられた大型案件の減収や、人材獲得・育成、センター移転にかかるコストが影響している可能性があります。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 28.3百万円 | 26.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.2百万円 | 3.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
イー・ガーディアンの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、堅実な経営基盤を築いていることを示しています。手元資金も厚く、安定した事業運営が期待できる状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
イー・ガーディアンは、高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いていることがわかります。これは、非製造業のプライム市場平均と比較しても非常に高い水準を示しています。また、手元資金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性がうかがえます。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、自己資本の厚みは雇用や給与の安定性につながる要素と言えます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 114億円 | 121億円 |
| 自己資本比率 | 85.4% | 87.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.3% | 8.0% |
| 現金及び預金 | 104億円 | 110億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
イー・ガーディアンのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上があったものの、法人税等の支払額により前期から減少しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得、差入保証金の差入による支出が増加し、前期よりも支出が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより前期から支出が増加しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローは前期から減少しているものの、依然としてプラスを維持しています。これは、本業で安定的に資金を生み出し、事業に必要な投資を行いつつも、手元に余剰資金を確保できている状態を示しています。この資金状況は、入社後の雇用や給与の安定性、そして将来的な成長への投資余力があることを示唆しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.4億円 | 10.5億円 |
| 投資CF | △0.5億円 | △1.2億円 |
| 財務CF | 29.6億円 | △3.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 16.9億円 | 9.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、特定の取引先への依存リスクを認識しています。インターネットセキュリティ事業において、TikTok Pte. Ltd.と株式会社メルカリへの販売実績が高い割合を占めており、これら取引先の事業方針や動向が同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネットセキュリティ市場における競合激化のリスクも挙げられています。国内外の多数の事業者が参入する可能性があり、競争が激化した場合には、価格の下落や受注の喪失により業績に影響が出る可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大に伴う優秀な人材の確保と育成を重要な課題として認識しています。市場の拡大と競争激化により、競合他社との人材獲得競争が激化し、人材の流出や確保に支障をきたす可能性がリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イー・ガーディアンは、「We Guard All」を経営理念に掲げ、インターネット社会の安心・安全を守ることを使命としています。多様なサービス展開を通じて、すべての利用者に価値を提供することを目指す会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「We Guard All」を経営理念としています。主力のインターネット投稿監視やカスタマーサポートに加え、広告審査やサイバーセキュリティなど、様々なサービスを展開しています。これらのサービスを通じて、すべての利用者に安心と安全を提供することを目指しています。
今後は事業領域を広げ、総合ネットセキュリティ企業としてさらなる飛躍を遂げることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長のために、優秀な人材の確保と育成を重視しています。高品質なサービス提供と顧客満足度向上を目指し、多様な人材が活躍できる環境づくりに努めています。
また、コーポレート・ガバナンスの意識向上も重要な価値観としています。経営の健全性と透明性を高め、徹底したコンプライアンス重視の意識を浸透させることで、内部管理体制の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業価値向上のための対処すべき課題として、人材の確保と育成を挙げています。労働人口の減少や高スキル人材の不足に対応するため、積極的な採用活動と、階層別研修や資格支援制度を通じたスキル向上、正社員登用制度や職場環境改善による定着促進に取り組んでいます。
また、業容拡大を支えるため、システム及びセキュリティの更なる強化も重点テーマです。技術開発と運用体制の確立、社内システムの安定稼動、セキュリティ強化、そして必要なシステム投資を着実に進めています。事業領域の拡大も課題であり、サイバーセキュリティ事業の基盤強化やM&Aを活用した事業規模の拡大、新サービスの提供に積極的に取り組む方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
イー・ガーディアンは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の健全性・透明性確保を重視しています。独立性の高い社外取締役が監査等委員を務め、任意の指名・報酬委員会や特別委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
イー・ガーディアンの筆頭株主は事業会社であるチェンジホールディングスです。代表取締役社長である高谷康久氏も上位株主の一人として名を連ねており、安定した経営基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| チェンジホールディングス | 49.70% |
| 高谷 康久 | 5.63% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.37% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.62% |
| 溝辺 裕 | 1.02% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長最高経営責任者は高谷康久氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 高谷 康久 | 代表取締役社長 最高経営責任者 | 1993年ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社入社、1995年京セラ株式会社入社。2005年同社事業部長、2006年同社代表取締役社長兼最高経営責任者就任より現職。 |
| 佐藤 伸 | 常務取締役 最高執行責任者 最高財務責任者 営業部管掌 アカウントリレーション部管掌 総務部・経理部・人事部 管掌 情報システム部管掌 | 1995年日本債券信用銀行入行、2002年監査法人トーマツ入所。2005年公認会計士登録。2024年同社取締役就任、2025年同社常務取締役兼最高執行責任者兼最高財務責任者就任より現職。 |
| 堤 雄太郎 | 取締役 EGテスティングサービス株式会社代表取締役 | 2016年イー・ガーディアン株式会社入社。2020年EGテスティングサービス株式会社取締役就任。2024年同社取締役就任、2025年EGテスティングサービス株式会社代表取締役就任より現職。 |
| 福留 大士 | 取締役 | 1998年アンダーセンコンサルティング入社。2003年チェンジ(現チェンジホールディングス)設立代表取締役COO就任。2023年同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、楠美雅堂氏(楠美雅堂公認会計士事務所代表・常勤監査等委員)、峯尾商衡氏(峯尾会計事務所代表・監査等委員)、河村尚氏(和田倉門法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。独立性の高い社外取締役が監査等委員を務め、取締役の職務執行の監査を通じて経営の健全性と透明性を確保しています。また、任意の指名・報酬委員会を設置し、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
イー・ガーディアンの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬を組み合わせた体系です。中長期的な企業価値向上と株主利益の追求を重視し、業績連動報酬は連結営業利益を指標としています。また、株式交付信託制度による非金銭報酬も導入されており、監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.6百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 16百万円 | 5.4百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。また、取締役(監査等委員を除く)の支給員数には無報酬の取締役1名を除いています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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