※本記事は、株式会社ミラタップ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ミラタップは、住宅設備機器や建築資材のEC販売を主軸としています。建築のプロから一般消費者まで「ワンプライス」で提供し、全国8拠点のショールームで内装提案も行っています。また、住宅事業では建売・注文住宅、リノベーション、デザイン性の高い住宅設計サービスも展開しています。
単体従業員数は289名、連結従業員数も289名です。セグメントは住設・建材EC事業、住宅事業の2つです。
ミラタップは、住宅設備機器や建築資材のEC販売を主たる業務とし、住宅事業では建売住宅、注文住宅、リノベーション、デザイン性の高い住宅設計サービスを展開しています。
2025年9月に株式会社ベストブライトの全株式を譲渡したため、同社はミラタップの連結子会社から除外されました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ミラタップは、人々のくらしに関わる事業を展開しており、その給与水準や働き方は、事業特性を反映した環境となっています。従業員の定着や成長を重視する姿勢が見られ、多様な働き方を支援する制度も導入されています。ここでは、同社の給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が30代後半、平均勤続年数が5年台半ばとなっており、比較的若手から中堅層が中心となって活躍している傾向が見られます。人材の定着を促しつつ、新たな人材も積極的に受け入れている状況がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,852,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.5年 |
| 平均年齢 | 37.3歳 |
| 単体従業員数 | 289人 |
| 連結従業員数 | 289人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社は、従業員の退職給付制度として確定拠出年金制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
当連結会計年度における確定拠出制度への要拠出額は66百万円、前連結会計年度は58百万円となっています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ミラタップは、「世界の人々の『くらし』で最も必要とされる企業集団を目指します」という長期ビジョンのもと、人的資本戦略を重要な経営戦略の一つとして位置づけています。目指す企業文化・組織風土の確立、高い事業成長率を実現するための優秀な人材の獲得・育成、セクショナリズムの廃止と協働関係の構築を中期的な取り組みテーマとして掲げています。
人材マネジメント方針として、人材育成とチームワーク醸成への強い関心、チャレンジの推奨、フィードバックの重視、実績と行動による評価、愛社精神を持つ人への敬意、視座の高いリーダー人材の育成、多様な価値観の尊重を掲げています。
また、社内環境整備にも力を入れており、フレックスタイム制度、半日有給休暇制度、在宅勤務制度、プレミアムフライデーなどを導入し、柔軟な働き方を実現しています。残業時間の抑制や有給休暇の取得推奨、社内部活動等を通じて、従業員が心身ともに充実し、能力を存分に発揮できる環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.7% |
多様性・登用
同社は、人材の育成に関する方針について、中期的な目標を設定しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ミラタップは、住宅設備機器や建築資材のEC販売を主軸とし、住宅事業も展開する企業です。顧客との契約から生じる収益を主な収入源としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、住宅関連の二つの事業セグメントを展開しています。主力である住設・建材EC事業では、既存顧客の購入単価上昇により増収となりましたが、社名変更に伴うドメイン変更の影響で新規顧客の獲得に課題が見られました。一方、海外では新規進出国での販売代理店契約締結やショールーム開設など、将来の成長に向けた基盤作りを進めています。住宅事業では、厳しい市場環境の中で建売住宅の販売に苦戦しつつも、新サービス「ASOLIE セレクトプラン」の提供を開始し、SUVACO事業やリノベりす事業との連携強化にも取り組んでいます。
同社グループの収益は、主に商品代金や工事請負契約、不動産売買契約に基づくものです。また、付与したポイントの利用による収益も発生しています。海外での事業展開も進めていますが、売上高の大部分は国内の外部顧客によるものであり、海外売上高の比率は低い水準です。特定の顧客への収益集中も見られ、当連結会計年度においては渡辺パイプ株式会社が住設・建材EC事業において一定の割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 住設・建材EC事業 | 145億円 | 151億円 |
| 住宅事業 | 16.1億円 | 16.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。しかし、直近の当連結会計年度では、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益が損失に転じました。これは、認知度拡大と集客強化のための広告宣伝費の増加、本社移転や倉庫移転に伴う一時的な費用、さらには関係会社整理損や貸倒引当金繰入額といった特別損失が主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっており、一時的な費用が本業のキャッシュ創出力にも影響を与えている状況です。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 133億円 | 155億円 | 161億円 | 167億円 |
| 経常利益 | - | 9.4億円 | 10.4億円 | 8.0億円 | △2.9億円 |
| 経常利益率 | - | 7.1% | 6.7% | 4.9% | △1.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 6.1億円 | 5.3億円 | 6.4億円 | △4.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 33.40 | 28.39 | 34.63 | △24.55 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、2024年9月期から2025年9月期にかけてわずかに減少しました。また、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期のプラスから当期はマイナスに転じています。これは、広告宣伝費の増加や本社・倉庫移転費用、関係会社整理損などの一時的な費用が営業利益に影響を与えたためと考えられます。これらの数値は、組織全体の効率性や収益体質を測る上で重要な指標となります。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 58.8百万円 | 57.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | △1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ミラタップは、事業拡大に向けた投資を積極的に行っているフェーズにあります。本業での資金創出力の改善と投資の収益化が今後の課題となる可能性があります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から減少傾向にあり、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準となっています。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスに転じており、収益性の改善が求められる状況です。手元資金は減少していますが、今後の事業展開に必要な流動性を確保するための取り組みが重要となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 35.7億円 | 29.0億円 |
| 自己資本比率 | 36.8% | 30.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 19.8% | -14.6% |
| 現金及び預金 | 20.4億円 | 13.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の資金獲得から一転して使用となりました。これは主に、棚卸資産の減少額や関係会社整理損を計上した一方で、税金等調整前当期純損失を計上したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や関係会社株式の売却による支出が増加し、前期に比べて使用額が拡大しています。
この結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは、前期のプラスから当期はマイナスに転じました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いがあり、前期の資金使用から当期は資金獲得となっています。これは、事業拡大に向けた投資フェーズにあることを示唆していますが、本業での資金創出力の改善が今後の課題となる可能性があります。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.4億円 | △0.6億円 |
| 投資CF | △4.2億円 | △7.3億円 |
| 財務CF | △4.0億円 | 55百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.2億円 | △7.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要事業である住設・建材EC事業では、インターネット市場の拡大により競合企業の増加が考えられています。また、同社グループの商品はミニマリズムを特徴としており、他社によるデザインの模倣やコンセプトの流用により競争力が低下するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大に応じて必要な人員を適時に補充し、運営体制の充実を図る方針です。しかし、人員補充の遅れや優秀な人材の流出により、業務運営に支障をきたす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ミラタップは、「くらしを楽しく、美しく。」を経営理念に掲げ、人々のくらしをより良いものにすることを目指しています。インターネット通信販売を通じて、高品質な商品を適正価格で提供し、建築・住宅市場の活性化に貢献しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ミラタップは、「くらしを楽しく、美しく。」を経営理念とし、人々のくらしをより良いものにしたいという普遍的な願いを実現することを経営の基本方針としています。住宅設備機器・建築資材のインターネット通信販売により、複雑な流通プロセスを簡素化し、販売価格の不明瞭さを撤廃しています。高品質な商品を適正価格で提供することで、消費者がフェアに商品選択できる市場を作り出すことを目指しています。最終的には、世界の人々のくらしで最も必要とされる企業集団となることをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、持続可能な社会への貢献と継続的な事業成長のため、人的資本戦略を重要な経営戦略と位置づけています。目指す企業文化・組織風土の定義と確立、高い事業成長率を実現するための優秀な人材の獲得・育成、セクショナリズムの廃止と協働関係の構築を中期的な取り組みテーマとしています。人材マネジメント方針として、人材育成とチームワーク醸成に強い関心を払い、チャレンジを推奨し、フィードバックを大切にする姿勢を掲げています。実績と具体的行動によって評価し、愛社精神を持つ人に敬意を払い、視座の高いリーダー人材の育成と多様な価値観を認めることを重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、さらなる成長を支える経営管理体制の強化を重点課題としています。具体的には、コーポレートガバナンスの強化と、人的資本戦略による理念浸透、マネジメント力の向上、優秀人材の育成を進めています。また、組織体制の強化も課題であり、事業拡大に応じて必要な人員を適時に補充し、内部管理体制の一層の充実を図る方針です。社内研修制度など育成面の充実を通じて、従業員一人ひとりの能力を十分に生かす取り組みを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ミラタップは、社外取締役3名を含む5名の取締役で構成される取締役会と、全員が社外監査役である3名の監査役で構成される監査役会を設置しています。これにより、経営の監督機能と透明性の確保に努める体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ミラタップの株主構成を見ると、筆頭株主は山根良太氏であり、代表取締役社長である山根太郎氏も上位株主の一人です。創業家と関連会社が上位に名を連ねており、特定の株主グループが同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山根 良太 | 11.40% |
| 山根 太郎 | 9.70% |
| ジェイアンドエルデザイン | 9.40% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は山根太郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山根 太郎 | 代表取締役社長 | 2008年伊藤忠商事株式会社入社後、2014年同社入社。同年代表取締役社長に就任し、現在に至ります。株式会社グッドニュース、株式会社オンデックの社外取締役も務めています。 |
| 津﨑 宏一 | 取締役副社長 | 1998年株式会社間組(現:株式会社安藤・間)入社、2003年株式会社ユーエスシー(現:株式会社レスター)入社。2016年同社入社後、取締役管理部長兼経営企画部長兼人事部長、取締役副社長を歴任し、2023年より取締役副社長マーケティング部長を務めています。 |
| 財部 友希 | 取締役 | 1998年ケンコーコム株式会社入社後、ビーウィズ株式会社、株式会社COOTY代表取締役、イケア・ジャパン株式会社、アクセンチュア株式会社、株式会社Catch代表取締役などを経て、2023年より同社取締役に就任しています。株式会社グラッドキューブ専務取締役も務めています。 |
社外取締役は、小菅正伸氏(学校法人啓明学院常任理事)、出口治明氏(立命館アジア太平洋大学名誉教授)、財部友希氏(株式会社グラッドキューブ専務取締役)です。
ミラタップは監査役会設置会社であり、社外取締役3名と全員が社外監査役である3名の監査役を選任することで、経営の監督機能と透明性の確保を図っています。社外役員は、専門的知識や幅広い見識に基づき、経営の客観性・中立性を高める役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ミラタップの役員報酬は、金銭報酬と非金銭報酬で構成されています。社外取締役には原則として固定報酬のみが支給され、社外取締役を除く取締役には月例の固定報酬に加え、企業価値向上へのインセンティブとして譲渡制限付株式が非金銭報酬として付与されます。報酬の種類ごとの比率は、非金銭報酬の活用を重視し、全体の8割程度を上限として決定する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 2.5億円 | 1.23億円 |
| 社外役員 | 6名 | 21百万円 | 3.6百万円 |
同社役員全体の報酬総額は2億6,775万円であり、対象となる役員は8名です。
個人別報酬が開示されている役員は、山根太郎氏(1.55億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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