※本記事は、太洋物産株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
太洋物産は、内外物資の輸出入および国内取引を主要業務としています。同社グループは、非連結子会社1社と関連会社2社で構成されており、中国での食用砂糖製造販売や輸出入業務、国内販売、産業機材製造販売などを展開しています。
単体従業員数は31名です。セグメントは食料部、農産部、中国開拓部、生活産業部の4つです。
国内においては太洋物産が内外物資の輸出入、国内取引を主要業務としています。
当事業年度より報告セグメントの区分を変更しており、前事業年度の数値も変更後のセグメント区分に組み替えて比較分析されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
太洋物産は、生活者の生活の質の向上に貢献する専門商社として、多様な人材の確保と育成に力を入れています。社員が長く安心して働けるよう、働きやすい環境づくりにも取り組んでいることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長めであることから、人材の定着が進んでいる傾向が見られます。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,087,000円 |
| 平均勤続年数 | 12年11ヶ月 |
| 平均年齢 | 45歳9ヶ月 |
| 単体従業員数 | 31人 |
同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を設けており、国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は145百万円、年金資産は169百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、生活者の生活の質の向上に貢献する価値創造を目指し、特定地域や分野で能力を発揮できる専門商社となることを目標としています。この成長戦略を実現するためには、多様な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。
働きやすい職場環境を目指し、社員がワークライフバランスを実現しやすいフレックスタイム制度を導入しています。また、役職員の優秀な人材を対象としたストック・オプション制度も導入されています。人材育成及び社内環境整備に関する方針として、人材確保のための各種制度の整備に加え、社内外の機会を捉えた社員教育をさらに進めていく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
太洋物産は、内外物資の輸出入および国内取引を主要業務とする専門商社です。食料品、農産品、中国関連の取引、生活産業関連の製品など、多岐にわたる分野で事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、食料部、農産部、中国開拓部、生活産業部の4つの事業セグメントを通じて収益を得ています。これらのセグメントは、それぞれ異なる商材や地域に特化しており、多様な顧客ニーズに対応しています。特に食料部と中国開拓部が事業規模を大きく占めています。
海外での取引も活発で、中国をはじめとするアジア地域からの収益が事業全体に占める割合は高くなっています。特定の取引先への売上集中も見られ、事業構造の特徴の一つとなっています。
食料部
外食産業向けの牛肉や輸入・国産鶏肉、タイ産の加工食品などを取り扱っています。収益は、これらの食料品の国内外での販売から得ています。当事業年度では、国産鶏肉やタイ産加工食品の取引拡大により、売上高と利益が増加しました。
農産部
緑豆や蕎麦などの農産品を取り扱っています。収益は、これらの農産品の販売から得ています。運営は、太洋物産科技(煙台)有限公司、上海太洋栄光商業有限公司が行っています。当事業年度は、蕎麦の取引が伸び悩み、売上高と利益が減少しました。
中国開拓部
中国向けの輸出取引や三国間取引を主要な業務としています。収益は、中国関連の貿易取引から得ています。運営は、太洋物産科技(煙台)有限公司、上海太洋栄光商業有限公司、徐州太鵬工程機械有限公司が行っています。当事業年度は、販売体制の変更により売上高と利益が減少しました。
生活産業部
輸入豚肉や化学品などを取り扱っています。収益は、これらの生活産業関連製品の販売から得ています。当事業年度は、輸入豚肉の新規商材提案が奏功し、売上高と利益が増加しました。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 食料部 | 72.2億円 | 88.1億円 |
| 中国開拓部 | 70.3億円 | 59.9億円 |
| 農産部 | 30.2億円 | 27.7億円 |
| 生活産業部 | 14.9億円 | 20.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、営業利益、経常利益、税引前当期純利益は減少傾向を示しています。売上高の増加は事業活動の拡大を示していますが、利益面では変動が見られます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動や投資活動における資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。資金の動きを通じて、同社の安定性や将来に向けた取り組みの方向性を読み解くことが可能です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率や手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は、企業の安定性を示す重要な指標の一つです。手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動や事業環境の変化に対応する能力を示します。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で参考となる情報です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.0億円 | 9.9億円 |
| 自己資本比率 | 10.1% | 11.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 3.5億円 | 2.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の動きを示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の増加や仕入債務の減少などにより資金を使用する状況となりました。投資活動によるキャッシュフローも、有形固定資産の取得による支出があり、資金を使用しています。一方で、財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の増加により資金を得ています。これらの資金の流れは、同社が事業運営や投資に資金を充てつつ、借入によって資金を調達している状況を表しています。このような資金繰りの状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で注目すべき点となります。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 51百万円 | △5.6億円 |
| 投資CF | △20百万円 | △5百万円 |
| 財務CF | △3.6億円 | 4.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 31百万円 | △5.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、輸出・輸入取引を行っていることから、主要国の景気動向や諸情勢、特に中国の景気や金融政策の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、取扱商品には市況性の高いものが多く、自然災害や異常気象、投機資金の流入などによって需給関係が大きく変動し、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は少人数で業務を遂行しているため、有能な人材の確保と育成ができなかった場合、業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
太洋物産は、生活者の生活の質の向上に貢献する価値創造を目指し、特定地域や分野で能力を発揮できる専門商社となることを目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値向上を両立させることを重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「生活者の生活の質の向上に貢献する価値の創造」を経営基本方針としています。企業活動の活性化と経営基盤の強化を通じて、多様な付加価値を創造し、特定地域や分野で能力を発揮できる専門商社となることを目目指しています。
株主重視の経営推進の観点から企業価値を高めるため、利益率の向上を目標としています。売上高を重視することからの脱却を図り、高付加価値商品の提供による収益基盤の強化を推進する方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、生活者の生活の質の向上に貢献する価値創造を目指し、企業活動に従事しています。社員全体が持続的な未来を目指し、社会課題を機敏に捉え、全てのステークホルダーの期待に応えるソリューション提供に努めることを重視しています。
サステナブルな食の未来の実現と企業価値向上を目標としています。成長戦略の実現には多様な人材の確保と育成が不可欠と考え、働きやすい職場環境を目指し、ワークライフバランスを実現しやすいフレックスタイム制度やストック・オプション制度を導入しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、世界経済の不透明感や景気後退リスクに対し、事業上の課題としてリスク最小化に取り組んでいます。「量より質」を重視し、資金効率と利益率の高い商品の取捨選択を図り、販売強化を進めています。
具体的には、農産品の取扱拡充や外食産業の海外出店サポート拡充による安定的な利益獲得を目指しています。また、国産鶏肉等の国内取引拡大による資金効率の向上、越境ECや中国事業の拡充、ラーメンブランドの海外展開といった新規事業の強化も重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む5名で構成されています。これにより、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は海外法人であるORCHID PLUS PTE.LTD.です。また、上位株主には株式会社エビス商事や複数の個人株主、特に「桑畑」姓の個人が複数名を占めています。これにより、特定の個人や関連会社が同社の資本構成に一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ORCHID PLUS PTE.LTD. | 9.77% |
| エビス商事 | 7.04% |
| 桑畑 夏美 | 5.75% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松島伸介氏が務めています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松島 伸介 | 代表取締役 社長 | 1994年4月 高木証券株式会社入社、1996年10月 株式会社アプラス入社、2000年1月 フレックス株式会社入社、2022年3月 同社代表取締役社長より現職。2023年6月 太洋物産科技(煙台)有限公司総経理より現職。 |
| 姜 偉 | 取 締 役 | 1985年12月 同社入社、2006年4月 北京駐在事務所長、2012年11月 上海太洋栄光商業有限公司董事長、2016年12月 取締役より現職。2023年6月 太洋物産科技(煙台)有限公司董事長より現職。 |
社外取締役は、横山友之氏(横山経営会計事務所代表・公認会計士・税理士・監査等委員)、大下良仁氏(善国寺坂法律事務所弁護士・元裁判官・監査等委員)、上楽裕三氏(中小企業ファイナンシャルアドバイザリー代表取締役・公認会計士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が取締役会における議決権を持つことで、取締役会の監督機能強化と企業価値向上を目指しています。独立した立場で経営の監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、月例の固定報酬である基本報酬と、長期的なインセンティブとしてのストック・オプション制度を導入しています。短期的な業績に連動する報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 19百万円 | 9.5百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 3.1百万円 |
同社の役員報酬の総額は28百万円であり、対象となる役員の総数は5名です。
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