※本記事は、株式会社パルマ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
パルマは、セルフストレージ(レンタル収納スペース・トランクルーム)業界のインフラとなることを目指し、ビジネスソリューション、ITソリューション、ターンキーソリューションの3つのサービスを展開しています。同社は、セルフストレージ事業者向けに業務効率化とリスク低減を支援する多様なサービスを提供しています。
単体従業員数は33名です。セグメントはビジネスソリューションサービス、ターンキーソリューションサービスの2つです。
パルマは、セルフストレージ業界のインフラとなることを目指し、ビジネスソリューションサービス、ITソリューションサービス、ターンキーソリューションサービスを自社で展開しています。
パルマは、東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更と名古屋証券取引所メイン市場への新規上場を達成し、経営基盤を強化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社パルマは、従業員の成長と多様性を重視し、働きやすい環境づくりに力を入れている企業です。人材を重要な経営資源と位置づけ、専門性の高い人材の確保と育成に注力しています。柔軟な働き方を支援する制度も導入されており、個性を活かして活躍できる職場環境が整備されている傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢と平均勤続年数から、比較的落ち着いた年齢構成と一定の定着傾向が見られます。従業員一人ひとりが長期的にキャリアを築きながら、専門性を高めていくことが期待される環境と言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,226,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.2年 |
| 平均年齢 | 39.9歳 |
| 単体従業員数 | 33人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、持続的な成長と企業価値向上のために、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。高度な専門的知識、技能、経験を持つ多様な人材の確保と育成が不可欠であるとの考えに基づき、人材戦略を推進しています。
具体的には、人事制度の改訂や研修の拡充、フレックスタイム制度の導入など、人材確保のための各種制度を整備しています。性別、年齢、国籍、人種、宗教等に関わらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、働きやすい職場環境の整備に努め、社員の成長と活躍の機会を提供することを目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
当事業年度末現在の女性従業員比率です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 73.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
パルマは、セルフストレージ(レンタル収納スペース・トランクルーム)業界に特化したサービスを提供する会社です。セルフストレージ事業のインフラとして、多岐にわたるソリューションを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、「セルフストレージ業界で必要不可欠のインフラとなり、セルフストレージ業界とともに発展する」ことを経営ビジョンに掲げています。ビジネスソリューションサービス、ITソリューションサービス、ターンキーソリューションサービスを主な事業としています。セルフストレージ事業者向けの賃料債務保証付きBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスやITソリューションサービスの受託を拡大し、契約ストックの安定的な成長を目指しています。
また、トランクルーム施設の新規投資開発や開業支援、既存運営施設の稼働率向上にも取り組み、施設の開発から運営までを一貫して支援する総合的なサービス基盤を構築しています。
ビジネスソリューションサービス
このサービスでは、セルフストレージビジネスプロセスのアウトソーシングに賃料滞納保証を付加したサービスを提供しています。具体的には、申込受付、入金管理、滞納督促、残置物撤去、物件巡回といった業務を代行しています。利用者は保証料を支払うことで保証人設定や敷金が不要となり、事業者は使用料未回収リスクの低下と業務全体の効率化を図ることができます。
収益は、契約件数や対応室数に応じた手数料、毎月の使用料回収・送金、滞納督促、残置物撤去、物件巡回などのサービス提供から得ています。前事業年度と比較して売上高は増加しています。
ターンキーソリューションサービス
このサービスでは、「Keep it」ブランドなどのセルフストレージ施設の開発販売や事業運営のコンサルティング、マスターリース(建物一括賃借)といった業務を通じて、顧客のセルフストレージ投資機会の創出を支援しています。新規の土地取得による施設建設、既存建物のセルフストレージ施設への改装、不動産仲介、リノベーション、貸地での屋外コンテナ型トランクルーム施設の提案など、多様なソリューションを提供しています。
収益は、セルフストレージ施設の開発販売、事業運営コンサルティング、マスターリースなどのサービス提供から得ています。前事業年度と比較して売上高は減少しています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上がないため、海外比率はなく、為替リスクの影響は受けません。前事業年度には特定の相手先への販売実績がありましたが、当事業年度ではその割合が減少しています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| ビジネスソリューションサービス | 13.8億円 | 14.6億円 |
| ターンキーソリューションサービス | 14.3億円 | 8.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高は前事業年度と比較して減少しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前事業年度から増加しています。これは、売上総利益の増加や投資有価証券売却益などの営業外収益の計上などが影響しているとみられます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
パルマの財務状況は、事業拡大に向けた投資が先行している段階を示しています。今後の成長戦略の遂行に向けた基盤構築を進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
パルマの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、強固な財務基盤を示しています。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、当期は前期から増加しました。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながる要素です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 23.4億円 | 24.2億円 |
| 自己資本比率 | 66.0% | 63.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.5% | 5.1% |
| 現金及び現金同等物 | 24.4億円 | 22.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
パルマの当期の営業活動によるキャッシュフローはマイナスとなりました。これは主に棚卸資産や求償債権の増加が要因となっています。本業で得た資金を運転資金に充てている状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローはプラスであり、投資有価証券の売買による収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローはプラスとなり、長期借入れによる収入が資金調達に貢献しています。
フリーキャッシュフローはマイナスであり、事業活動と投資活動を合わせた資金は流出しています。しかし、同社は十分な手元流動性を確保していると認識しており、今後の成長に向けた事業開発が先行している状況です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 94百万円 | △417百万円 |
| 投資CF | 11百万円 | 29百万円 |
| 財務CF | △320百万円 | 142百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 105百万円 | △388百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は主にセルフストレージ事業に特化したサービスを提供しており、景気動向や金利動向、不動産価格などの経済状況や社会情勢の変化に影響を受けやすい傾向があります。投資市場が低迷した場合には、施設利用者の減少や販売期間の長期化、完成在庫の増大が発生する可能性があります。
また、ターンキーソリューションサービスの売上高は不動産物件の売却金額であるため、同社全体の業績が大きく変動する可能性があります。特に四半期ごとの経営成績においては、物件売却の有無により売上高及び収益が短期的に偏る傾向を示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
パルマは、「セルフストレージ業界で必要不可欠のインフラとなり、セルフストレージ業界とともに発展する」ことを経営理念に掲げています。同社は、事業活動を通じて持続的な成長と社会的価値の創出を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
パルマは、「セルフストレージ業界で必要不可欠のインフラとなり、セルフストレージ業界とともに発展する」ことを経営理念としています。同社が提供するサービスは、国内のセルフストレージ事業を展開する企業の約6割に活用され、日本のセルフストレージ市場を支えるインフラの一つとなりつつあります。
同社は、市場への貢献度と企業価値をさらに向上させるため、業界内でのサービス利用率を高めることを目指しています。また、さまざまな投資家層や事業者が安心してセルフストレージに投資できるよう、施設運営力の向上も不可欠であると考えています。中期経営計画「改革 2027」では、ユニークなセルフストレージサービスプロバイダーとしてのコア・コンピタンスを強化・発展させ、事業成長とサスティナブルな社会の実現に貢献することをテーマとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
パルマは、環境保全、社会課題の解決、適切な企業統治を重要な経営課題と位置付けています。事業活動を通じて持続的成長と社会的価値の創出を目指す考え方です。
人材育成方針としては、性別、年齢、国籍、人種、宗教等に関わらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、働きやすい職場環境整備に努めています。社員の成長・活躍の機会を提供することを重視しています。また、事業経営においては、スピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、執行役員や事業責任者等が出席する幹部会議を原則週1回開催しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
パルマは、持続的な成長のための事業基盤強化を重要な課題としています。具体的には、顧客事業者との定期的なコミュニケーションや事業者交流会等を通じたニーズ把握、業務効率化・利便性向上に資するサービス改善に取り組んでいます。起業者向け支援機能の強化や、滞納保証、収納代行、収納物撤去といった基幹サービスの異業種展開による収益源の多角化も推進しています。
また、今後の持続的成長と効率的な運営には、業務全体のデジタル化が不可欠であると考えています。従来型の基幹システムに加え、AI・ビッグデータの活用を進め、問い合わせ対応や査定業務、収納代行業務の効率化、事業者・利用者データ管理の高度化等を図る方針です。人材の確保・育成も重点テーマであり、即戦力人材の獲得と内部人材の育成が重要であるとしています。全社員が新たなことに挑戦できる環境を整備し、中途採用と新卒採用をバランスよく行いながら組織の活性化を図っていく考えです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
パルマは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を整えています。経営の意思決定と業務執行を分離するため、執行役員制度も導入されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
パルマの株主構成を見ると、事業会社や機関投資家、そして同社の役員が上位に名を連ねています。筆頭株主は株式会社ディア・ライフであり、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ディア・ライフ | 39.29% |
| 日本郵政キャピタル | 18.92% |
| 阿部 幸広 | 3.15% |
| 山田 直樹 | 1.77% |
| 加瀬資産管理 | 1.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は木村純一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木村 純一 | 代表取締役 社長 | 2007年2月株式会社加瀬倉庫入社、2022年6月同社代表取締役、2023年6月同社入社執行役員業務推進担当、2023年12月同社代表取締役社長より現職。 |
| 阿部 幸広 | 取締役 会長 | 2004年11月株式会社ディア・ライフ設立、同社代表取締役、2009年5月同社代表取締役、2016年12月同社取締役会長より現職。 |
| 赤羽 秀行 | 取締役管理部長 | 2019年2月同社入社、同社管理部長、2021年1月同社執行役員管理部長、2022年12月同社取締役管理部長より現職。 |
| 上村 卓也 | 取締役 | 2007年1月株式会社ディア・ライフ入社、2009年5月同社取締役、2019年12月株式会社ディア・ライフ常務執行役員、2023年12月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、榎和志氏(株式会社リマネージ代表取締役社長)、斎藤聡氏(勝山高原開発株式会社代表取締役)、吉松こころ氏(株式会社HelloNews代表取締役)、後藤信秀氏(株式会社シーアールイー常務執行役員)です。社外監査役は、大森茂延氏(artience株式会社在籍)、輿水英行氏(輿水公認会計士・税理士事務所設立)、髙塚直子氏(税理士法人高塚茂木会計事務所代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役8名のうち4名が社外取締役です。また、監査役3名全員が社外監査役であり、客観的な視点と豊富な経験・知識を経営に反映し、ガバナンスの強化に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
パルマの役員報酬は、職務や責任範囲、貢献度等に基づいた固定報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬も、業務執行から独立した立場であるため固定報酬が支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 23百万円 | 5.8百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 4百万円 | 0.9百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 6百万円 | 2.0百万円 |
役員報酬の総額は32.7百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計11名です。
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