【平均年収435万円】キャリア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収435万円】キャリア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

同社は、高齢化社会における労働力不足の解消を目指し、グループ各社とともに高齢化社会型人材サービスを展開しています。連結従業員数は355名です。直近の業績は、売上高が減少し、経常損失および当期純損失を計上しました。


目次

※本記事は、株式会社キャリア の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、「高齢化社会型人材サービス」を展開しており、高齢化社会における労働力不足の解消と、高齢者向けサービスの安定供給を目指しています。アクティブシニアの雇用を創出するシニアワーク事業と、看護師や介護士などの人材を供給するシニアケア事業を通じて、社会課題の解決に取り組んでいます。

単体従業員数は335名、連結従業員数は355名です。セグメントは高齢化社会型人材サービスの1つです。

主な国内グループ会社は、ジョブコラボ、ウェルネスキャリアサポート、プレニチュード(HRテック事業)などです。

同社は、連結子会社であった株式会社キューボグループおよび株式会社キューボを吸収合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社キャリアは、高齢化社会型人材サービスを主軸とする企業です。グロース市場に上場しており、事業の成長とともに、従業員の働き方やキャリア形成にも注目が集まります。同社グループでは、人材の確保と育成に重点を置き、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は比較的若い年齢層の従業員で構成されており、平均勤続年数も短めである傾向が見られます。これは、事業の成長フェーズや業界特性を反映している可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 4,354,000円
平均勤続年数 2.2年
平均年齢 30.4歳
単体従業員数 335人
連結従業員数 355人
単体のグループ内比率 94.4%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します」という経営理念を掲げています。この理念に基づき、持続的な成長を実現する上で最も重要な経営資源である人材の確保と育成に重点を置いています。採用の強化と定着率の向上が不可欠であると考え、週に1度の人事戦略会議を設け、組織体制の整備や施策の実施に取り組んでいます。

既存社員の定着率向上のため、働く環境の整備と従業員との対話の促進を進めています。労働安全については、従業員の健康維持と災害防止に全力で努める方針です。各事業所で安全衛生に関する事項の確認や連絡調整を行い、月に1度開催される安全衛生委員会で状況共有と改善を継続的に行っています。

人材育成においては、経営戦略と連動した人材戦略に基づき、「当社独自のソリューション提案」能力と「寄り添う姿勢」を高めることを重視しています。行動指針として「自分らしさ × 変化を楽しむ × 成長と当事者意識 × ビジネスの力で社会貢献」というValueを掲げ、働きやすい環境や社員の成長を支える制度、コミュニケーションを高める仕組みなどを整備しています。年齢、国籍、性別等区別なく、雇用、昇進、異動、報酬、研修等の機会を公平に提供し、ハラスメントのない安全で健康に配慮した職場の実現に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 25.2%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 93.4%

多様性・登用


提出会社単体の指標であり、連結グループ全体を対象としたものではありません。

指標 2030年度目標 実績(当事業年度)
管理職に占める女性労働者の割合 30.0% 25.2%
労働者の男女の賃金の差異 90.0% 73.6%

育児・介護支援


提出会社単体の指標であり、連結グループ全体を対象としたものではありません。

指標 2030年度目標 実績(当事業年度)
男性労働者の育児休業取得率 3.0% 0.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キャリアは、高齢化社会における労働力不足と高齢者向けサービス供給の課題解決を目指し、「高齢化社会型人材サービス」を展開しています。このサービスを通じて、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、働く意欲のある55歳以上の「アクティブシニア」の雇用を創造するシニアワーク事業と、介護サービスを支える看護師や介護士の人材を供給するシニアケア事業を主軸としています。全国に営業拠点を設け、人材派遣、人材紹介、業務請負、紹介予定派遣などの人材サービスを提供しています。

シニアワーク事業では、顧客の業務フローを分析・細分化し、シニアに対応可能な業務を抽出することで、アクティブシニアの就労機会を創出しています。これにより、顧客は採用コストの低減や業務効率化を実現し、同社グループはノウハウを蓄積しています。収益は、主に人材派遣、人材紹介、業務請負から得ています。

シニアケア事業では、介護・保育施設向けに看護師、介護士、保育士などの有資格者の人材派遣、人材紹介、紹介予定派遣、訪問介護事業を行っています。高齢化社会の進展に伴う介護人材の不足に対応し、労働力不足の解消に貢献しています。収益は、主に人材派遣、人材紹介、訪問介護事業から得ています。

同社グループは「高齢化社会型人材サービス」の単一セグメントとして事業を展開しており、海外の外部顧客への売上高はありません。また、特定の顧客への売上集中もありません。直近の業績では、主力事業の売上高減少に加え、将来成長に向けた広告宣伝費やDX投資による販管費の増加が、売上高の減少と利益の損失に繋がっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながら推移していましたが、直近の当期は減少に転じました。利益面では、当期に経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。

営業活動によるキャッシュ・フローも当期は資金を使用する結果となりました。これは、主力事業の売上高減少に加え、将来の成長を見据えた広告宣伝費やDX投資といった販売費及び一般管理費の増加が主な要因となっています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 142億円 163億円 178億円 167億円 149億円
経常利益 4.8億円 3.7億円 6.0億円 4.0億円 △23百万円
経常利益率 3.4% 2.2% 3.4% 2.4% △0.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 69百万円 2.0億円 3.8億円 2.5億円 △1.5億円
1株当たり当期純利益(円) 8.10 23.00 44.53 29.37 △17.66

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少し、当期は損失を計上する結果となりました。

これらの指標の減少は、売上高の減少と販管費の増加が影響しており、直近の生産性トレンドとしては効率性が低下している状況を示しています。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 52.7百万円 42.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.4百万円 △0.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業の資金流出と投資活動による資金使用が見られます。現在の財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から減少傾向にあり、当期は41.1%となっています。これは非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスに転じており、前期のプラスから変化が見られます。手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、当期は18.6億円となっています。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な情報となります。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 20.0億円 18.3億円
自己資本比率 44.7% 41.1%
ROE(自己資本利益率) 13.0% -8.0%
現金及び預金 21.5億円 18.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期のキャッシュフローを見ると、本業の営業活動による資金は△15百万円の流出となりました。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や未払費用の減少、法人税等の支払額が生じたことによるものです。投資活動による資金は△3.3億円の流出となっており、主に有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が要因となっています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△3.5億円の流出を示しています。財務活動による資金は57百万円の獲得となっており、長期借入金の借入による収入があった一方で、短期借入金の減少や配当金の支払額が生じています。これらの資金の流れは、同社グループが事業の再構築や将来に向けた投資を行いつつも、本業での資金創出が課題となっている状況を示しており、今後の事業成長と雇用安定性を見極める上で注目すべき点です。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF △91百万円 △15百万円
投資CF △21百万円 △3.3億円
財務CF △4.8億円 57百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1.1億円 △3.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、人材サービス業界における競争激化のリスクを認識しています。参入が容易なため多数の競合他社が存在し、価格競争による収益性悪化の可能性があります。また、人材サービス業界は社会情勢や景気動向、雇用情勢の影響を受けやすく、人材獲得コストの急激な上昇や最低賃金高騰、診療報酬・介護報酬改定に伴う賃金上昇要請が業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、優良なシニアスタッフや看護師、介護士等の専門スタッフの確保が困難になるリスクを認識しています。また、事業規模の拡大や人員増加に対して、内部管理体制が適時適切に対応できない場合、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キャリアは、高齢化社会における社会課題解決を目指し、人材サービスを通じて人々の生きがいと社会貢献を支援する企業です。従業員一人ひとりの成長と多様な働き方を尊重する企業風土を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」という企業理念を掲げています。我が国における労働人口の減少による人手不足の解消と、高齢者が必要とするサービスが継続的に供給される社会の実現を課題と捉えています。

同社グループは、展開する「高齢化社会型人材サービス」を通じて、これらの課題解決を目指しています。サステナビリティに関するミッションとして、「意欲あるシニアへの就労機会の創造」と「医療・介護市場への人材提供」の二つを実現することに取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、行動指針(Value)として「自分らしさ × 変化を楽しむ × 成長と当事者意識 × ビジネスの力で社会貢献」を掲げています。このValueに基づき、働きやすい環境、社員の成長を支える制度、社員や部署間のコミュニケーションを高める仕組みなどを整備しています。

年齢、国籍、性別等区別することなく、雇用、昇進、異動、報酬、研修等の機会を公平に提供しています。従業員が能力を最大限に発揮し、生き生きと働ける環境づくりに努め、ハラスメントのない安全で健康に配慮した職場の実現に取り組んでいます。また、経営戦略と連動した人材戦略に基づき、「当社独自のソリューション提案」能力を高め、全ての人に対して「寄り添う姿勢」を大切にしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、シニア人材の就業機会拡大を喫緊の課題と認識しており、フレックスタイム、短時間・短日数勤務、テレワークといった多様で柔軟な働き方の推進が不可欠であると考えています。AIやデータを活用したマッチング機能の抜本的な強化や、政府が推進するリカレント・リスキリング教育の充実を通じて、シニア層の円滑な就業を戦略的に支援しています。

人材サービス業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化の急速な進展に対応するため、AIなどの先進技術を活用し、高い生産性を実現する人材サービスの開発や、業務フロー全体のDX化を抜本的に推進することを最重要課題としています。また、少子高齢化や働き方改革といった経営環境の構造的な変化に対応するため、人材サービス以外のシニア市場向けサービスやヘルスケア領域等においても、常に新規事業へのトライアルと戦略的な投資を継続する必要があると考えています。

企業規模の拡大に伴うガバナンスの強化と生産性向上も課題としており、スマートな社内システムを構築することでヒューマンエラーが起きない体制の構築を目指しています。システムに依存できる業務はシステムに変更し、人が行うべき業務により集中できるよう日々改善を行っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


キャリアは、経営の効率性、健全性、透明性を高め、長期的な株主価値向上を目指すコーポレート・ガバナンスを基本方針としています。同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役を多く含む構成となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


キャリアの株主構成を見ると、代表取締役会長兼社長である川嶋一郎氏が筆頭株主となっています。同氏が過半数の株式を保有しており、経営に対する強い影響力を持っていることがうかがえます。その他、SBI証券などの金融機関や、水谷桂子氏のような個人株主、複数の事業会社が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
川嶋 一郎 50.30%
SBI証券 9.37%
水谷 桂子 3.45%
楽天証券共有口 2.75%
JPモルガン証券 2.00%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役会長兼社長は川嶋一郎氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
川嶋 一郎 代表取締役会長兼社長 2001年2月に株式会社ザッパラスに入社後、2007年10月にBH株式会社を設立し代表取締役に就任。2009年4月に同社を設立し代表取締役に就任し、2018年12月より代表取締役会長兼社長より現職。
蒲原 翔太 取締役 2009年4月に株式会社キャリアマートに入社後、同年10月に同社に入社。メディカル事業部長、執行役員を経て、2013年10月に取締役に就任。2023年12月より同社取締役より現職。
竹上 雅彦 取締役 2001年4月にグッドウィル・グループ株式会社に入社。ワンサードキャリア株式会社取締役、株式会社ブレイブ取締役などを経て、2018年12月に同社取締役に就任。2024年12月より同社取締役より現職。


社外取締役は、池田脩太郎氏(株式会社リクルート販促領域プロダクトマネジメント室室長)、岩見和磨氏(菅尾・岩見法律事務所代表・監査等委員会委員長)、舘充保氏(設楽・阪本法律事務所弁護士)、山本和成氏(山本和成公認会計士・税理士事務所所長)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員である取締役を取締役会の構成員とすることで、監督機能の強化を図っています。社外取締役は、業務執行の妥当性や適法性を客観的に評価・是正し、経営の透明性を高める重要な役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


キャリアの役員報酬は、確定金額報酬である基本報酬と、非金銭報酬等(株式報酬)を主な構成要素としています。また、事業年度ごとの業績指標(KPI)の達成度に応じた業績連動報酬も導入されており、株主利益と連動したインセンティブ設計がなされています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 91百万円 30.2百万円
社外役員 4名 30百万円 7.6百万円


なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、取締役に対する非金銭報酬等の内訳は株式報酬です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。