※本記事は、株式会社カナミックネットワーク の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、超高齢社会における地域包括ケアをクラウドで支えることを経営理念とし、医療・介護・健康情報等のICTプラットフォームを提供しています。患者・家族が質の高い医療・介護サービスを受け、全国民の健康寿命延伸を図るためのヘルスケアプラットフォームを構築し、付加価値の高いサービスを展開しています。
単体従業員数は68名、連結従業員数は310名です。セグメントは医療・介護クラウドプラットフォーム事業、健康寿命延伸事業、ソリューション開発事業の3つです。
主な国内グループ会社は、アーバンフィット(健康寿命延伸事業)、Ruby開発(ソリューション開発事業)などです。
同社グループは、2024年11月29日付でシンガポールのITコンサルティング企業であるTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの全株式を取得し、完全子会社としました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
カナミックネットワークは、医療・介護分野のクラウドプラットフォーム事業を展開しており、社会貢献性の高い領域で事業を推進しています。同社グループは、従業員一人ひとりの働きがいや成長を重視し、多様な働き方を推進する環境整備に力を入れています。このような背景から、安定性と成長性を兼ね備えた環境で働くことが期待されます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
カナミックネットワークでは、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も7年を超えています。このことから、比較的落ち着いた年齢構成で、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,648,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.7年 |
| 平均年齢 | 43.4歳 |
| 単体従業員数 | 68人 |
| 連結従業員数 | 310人 |
| 単体のグループ内比率 | 21.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
カナミックネットワークは、医療・介護・健康分野におけるプラットフォーム事業において、人的資本を最も重要な経営資源と位置づけています。同社グループは、持続的な成長と社員のWell-being実現の両立を目標に掲げ、人財戦略を推進しています。
人財マネジメントにおいては、社員一人ひとりが心身ともに健康で、働きがいや成長を実感しながら挑戦し続けられる風土の醸成を重視しています。賃金規程や昇進・昇給、採用基準において男女間の差を設けておらず、公正な評価制度を目指しています。
具体的には、超過勤務時間の削減や効率的な働き方を実現する就業制度の充実といった働き方改革に取り組んでいます。また、多様な働き方を志向し、エンゲージメント向上と生産性向上を目指すとともに、育児休業相談窓口の設置や啓蒙活動を通じて、育児休業を取得しやすい環境整備にも努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。賃金差異の主な原因は、上位役職者の少なさや女性の平均勤続年数が男性より短いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 60.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 60.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
カナミックネットワークは、超高齢社会における地域包括ケアをクラウドで支えることを経営理念とし、医療・介護・健康情報に関するICTプラットフォームを提供しています。患者や家族が質の高い医療・介護サービスを受けられるよう、情報共有、コミュニケーション、利活用を促進する事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、医療・介護・健康分野における情報共有プラットフォームおよびヘルスケアプラットフォームの構築を目的とした事業を主軸としています。これに付帯する業務として、フィットネスジム運営を通じた健康寿命延伸サービスや、Webサービスの企画・開発、各種システム開発も手掛けています。同社グループの収益モデルは、主力サービスであるカナミッククラウドサービスがストックビジネスをメインとしている点が特徴です。
医療・介護クラウドプラットフォーム事業
この事業では、超高齢社会に求められる地域包括ケアシステムの実現に寄与するため、地方自治体や医師会、介護サービス事業者向けの多職種間連携を可能にする地域連携型のクラウドサービスを提供しています。収益は、カナミッククラウドサービスによる継続的な顧客からの利用料、医療介護従事者向けのインターネット広告配信やホームページ作成サービス、大口顧客向けのカスタマイズ開発などから得ています。運営は、カナミックネットワークが行っています。
健康寿命延伸事業
この事業は、24時間営業のフィットネスジムの運営およびフランチャイズ展開を通じて、健康寿命延伸に資するサービスを提供しています。今後は運動に加え、食・栄養の提供やコミュニティ活動の場の提供も予定しています。収益は、フィットネスジムの運営およびフランチャイズ展開によるサービス提供から得ています。運営は、アーバンフィットが行っています。
ソリューション開発事業
この事業では、Ruby言語を用いたWebサービスの企画・開発や、企業の販売管理・在庫管理・会計管理などのバックエンドシステムの導入コンサルティングおよびメンテナンスサービスを提供しています。収益は、Webサービス企画・開発や導入コンサルティング、メンテナンスサービスの提供から得ています。運営は、Ruby開発、THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD、康納美克(大連)科技有限公司が行っています。
同社グループの売上高は、本邦以外への外部顧客への売上高がないため、国内事業が中心となっています。また、損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客は存在せず、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 医療・介護クラウドプラットフォーム事業 | 33.6億円 | 35.8億円 |
| 健康寿命延伸事業 | 11.3億円 | 11.9億円 |
| ソリューション開発事業 | 5.1億円 | 7.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向で推移しています。特に当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてが前期から増加となりました。これは、主力サービスであるカナミッククラウドサービスや健康寿命延伸サービス、ソリューション開発事業の売上高増加が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 20.8億円 | 25.0億円 | 37.5億円 | 50.1億円 | 55.0億円 |
| 経常利益 | 8.3億円 | 9.8億円 | 11.1億円 | 14.5億円 | 16.1億円 |
| 経常利益率 | 39.9% | 39.2% | 29.5% | 28.9% | 29.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.8億円 | 6.9億円 | 7.6億円 | 9.2億円 | 11.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 12.08 | 14.45 | 16.08 | 19.38 | 23.42 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいとなっています。これらの数値は、同社グループの事業規模拡大に伴う従業員数の増加と、利益成長のバランスを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.9百万円 | 17.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.2百万円 | 5.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
カナミックネットワークは、本業で安定した資金を生み出し、事業拡大のための投資も継続的に行っています。財務基盤は堅固であり、将来に向けた成長投資も進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から見て、安定性が高い状態です。自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、ROEも平均を大きく上回る水準で推移しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながる要素となっています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.3億円 | 46.5億円 |
| 自己資本比率 | 62.1% | 71.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 26.2% | 26.2% |
| 現金及び預金 | 34.3億円 | 33.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を獲得し、その資金を成長のための投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローはプラスで推移しており、本業が順調に資金を生み出していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローは、連結子会社の取得や有形固定資産、無形固定資産への投資により資金を使用しています。
この結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状態です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより資金を使用しています。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を基盤としつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.1億円 | 12.9億円 |
| 投資CF | △3.4億円 | △7.4億円 |
| 財務CF | △6.1億円 | △6.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.7億円 | 5.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、介護保険制度の改正による影響を強く受ける事業環境にあります。介護保険法や介護報酬の改正が行われた場合、適時なシステム開発が必要となるほか、市場の停滞・縮小や寡占化、廃業の増加といった市場動向の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、カナミッククラウドサービスへの依存度が高い事業構造となっています。主要サービスであるカナミッククラウドサービスが顧客のニーズと乖離した場合や、競合他社に対する優位性を喪失した場合、同社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは従業員数が310名と小規模な組織であり、内部管理体制もそれに合わせたものとなっています。今後の事業成長には、システムの付加価値増加に対応できる人材の確保と育成が不可欠であり、人員採用などが適切に行えなかった場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
カナミックネットワークは、医療・介護ネットワーク業界の先駆者として、社会貢献と持続的な成長を目指す企業です。お客様のネットワークに深く根差し、共に発展していくことを重視する文化を持っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「大地に根を張り、常に大きく成長し続ける樹」のように、お客様のネットワークに根付き、共に発展し続けることを経営の基本方針としています。医療・介護ネットワーク業界の先駆者として常に最善を尽くすことを掲げています。
「「人生を抱きしめるクラウド」で人と社会に貢献する」というビジョンの実現を目指しており、これが同社グループの企業の存在意義とされています。また、「超高齢社会の地域包括ケアをクラウドで支える」ことを経営理念としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、グループのミッション(企業使命)、ビジョン(事業展望)及びバリュー(共有価値観)をサステナビリティに関する取り組みの基本的な方針としています。公正で透明性の高い経営に取り組み、株主や顧客、取引先、社会、従業員といったステークホルダーとの良好な関係構築を重視しています。
持続的な社会の実現には「人財」がカギであると考えており、会社と従業員が対等な関係で互いに刺激し合い、高め合えるように社員一人ひとりを大切にしています。個々の力(ポテンシャル)を最大限に引き出し、挑戦し学習し続ける組織を実現し、持続的な競争力を生み出すことを目指しています。
社員一人ひとりが心身ともに健康で、働き甲斐や成長実感を持ちながら挑戦し続ける風土の醸成を経営戦略の重点施策としています。多様な働き方を志向し、エンゲージメント向上と生産性の向上を目指す方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、個人情報保護を含む情報管理を経営の重要課題と認識しており、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの整備を通じて情報管理体制の強化を図っています。また、サービス提供に係るシステム稼働の安定性確保も重要な課題であり、継続的な安定運用のためシステム基盤の強化に取り組んでいます。
継続的な成長を支える事業基盤の確立に向けて、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制のさらなる強化も重要な課題です。事業拡大に伴い、業務の適切性、財務報告の信頼性、コンプライアンス体制の強化に努めています。
継続的成長のためには優秀な人材の採用と育成が重要であると考えており、営業所の新設や介護保険制度等の改正に対応したシステム開発に必要な人員の確保と育成に注力していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
カナミックネットワークの経営体制は、取締役会と監査役会を中心に構成されています。社外役員が経営の監視機能を担い、透明性と公平性を確保する体制が整えられています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主はSHOであり、代表取締役社長の山本拓真氏をはじめとする創業家関係者が上位株主として名を連ねています。創業家およびその関連会社が主要な株主として同社の資本構成を支えている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SHO | 28.82% |
| 山本 拓真 | 14.09% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.96% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.82% |
| CACEIS BANK/QUINTET LUXEMBOURG SUB AC / UCITS CUSTOMERS ACCOUNT | 3.93% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は山本拓真氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 拓真 | 代表取締役 社長 | 2000年4月 富士通システムソリューションズ入社。2005年5月 同社入社、常務取締役。2014年9月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 山本 洋子 | 代表取締役 副会長 | 1992年6月 希望社入社。2002年10月 同社入社、取締役副社長。2014年9月 同社代表取締役副会長より現職。 |
| 山本 景士 | 取締役副社長 企画制作部部長 | 2005年4月 アマナイメージズ入社。2008年11月 同社入社。2024年12月 同社取締役副社長企画制作部部長より現職。 |
| 山本 稔 | 取締役会長 | 2000年10月 同社設立、代表取締役社長。2007年1月 同社取締役会長より現職。 |
| 石川 竜太 | 取締役 開発部部長 | 1995年4月 日本コンピュータ開発入社。2001年7月 富士通システムソリューションズ入社。2014年2月 同社取締役開発部部長より現職。 |
| 若林 賢也 | 取締役 管理部部長 | 1999年6月 SFCG入社。2007年6月 アイフィスジャパン入社。2018年12月 同社取締役管理部部長より現職。 |
社外取締役は、垣添忠生氏(公益財団法人日本対がん協会会長・日本テレビホールディングス取締役)、二川一男氏(元厚生労働事務次官・東レ取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会、監査役会、指名委員会に準ずる任意機関、報酬委員会に準ずる任意機関で企業統治体制を構成しています。社外取締役は、長年の企業経営に基づく見識から経営監視を行い、指名・報酬委員会に準ずる機関を通じて客観性・透明性を確保する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬(金銭報酬)と自社株報酬(非金銭報酬)を基本としています。社外取締役には固定報酬のみが支給されます。業績に連動して報酬額が変動する業績連動型報酬は採用されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 2.1億円 | 34.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 5.2百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 28百万円 | 5.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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