※本記事は、シェアリングテクノロジー株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
シェアリングテクノロジーは、『暮らしのお困りごと』事業を展開しています。ポータルサイト『生活110番』や専門性の高いバーティカルメディアサイトを運営し、ユーザーと全国の加盟店をマッチングするサービスを提供しています。約150ジャンルのサービスを取り扱い、日常生活の多様な困りごとを解決しています。
単体従業員数は163名、連結従業員数は229名です。セグメントは『暮らしのお困りごと』事業の1つです。
主な国内グループ会社は、アズサポート.3などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シェアリングテクノロジーは、「暮らしのお困りごと」を解決する事業を展開しており、従業員数は連結で229名、単体で163名となっています。平均年齢が31.0歳と比較的若く、平均勤続年数も4.3年であることから、活気のある組織であることがうかがえます。同社グループは、従業員の成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が4.3年、平均年齢が31.0歳となっており、比較的若年層の従業員が多く活躍している傾向が見られます。単体従業員数が連結従業員数の約7割を占めており、同社がグループの中核的な役割を担っていることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,954,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.3年 |
| 平均年齢 | 31.0歳 |
| 単体従業員数 | 163人 |
| 連結従業員数 | 229人 |
| 単体のグループ内比率 | 71.2% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シェアリングテクノロジーは、「新たな仕組みで、安心な暮らしを、」というミッションのもと、サステナビリティの取り組みを重視しています。企業価値の向上と社会的責任を果たすため、事業サービスと企業体としての両面から活動を推進しています。
同社グループは、従業員の資質の向上と能力開発を通じて、企業の発展と社会への貢献を目指しています。従業員のキャリア形成に即した配置や雇用管理にも配慮し、ジェンダー平等を含む平等な働く機会の提供に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金差異について、属性(職種、役職)が同じ男女労働者間での賃金の差異はありません。パート・有期労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人数を基に平均年間賃金を算出しています。算定に該当する従業員が在籍していない場合、「―」と記載しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 27.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 75.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シェアリングテクノロジーは、「暮らしのお困りごと」事業を展開しています。ポータルサイト「生活110番」や専門性の高いバーティカルメディアサイトを運営し、ユーザーと全国の加盟店をマッチングさせるサービスを提供しています。
同社グループは、24時間365日稼働のコールセンターでユーザーからの問い合わせを受け付け、ニーズに合った加盟店を紹介しています。収益は、加盟店からユーザーへのサービス提供完了時に発生する「成果報酬型」や、ユーザー紹介時に報酬を得る「紹介報酬型」などから得ています。
また、同社グループは、代理人取引売上と本人取引売上を主な収益源としています。日常生活で突発的に発生するトラブルや季節ごとのニーズに対応しており、景気変動に比較的左右されにくい事業特性を持っています。
自社開発システム「Mover」を活用し、加盟店との案件管理を効率化することで、質の高いサービス提供と優良加盟店の継続利用につなげています。少子高齢化の進展に伴う高齢者の「暮らしのお困りごと」需要の増加も、今後の事業拡大につながるものと考えています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上収益は一貫して増加傾向にあります。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、過去に損失を計上した期もありましたが、その後は順調に増加し、安定した利益を確保しています。
特に直近の連結会計年度では、売上収益と営業利益が前年同期に比べて増加しました。一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益はわずかに減少する結果となっています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 35.3億円 | 44.3億円 | 62.3億円 | 75.0億円 | 85.8億円 |
| 税引前利益 | △11.5億円 | 3.9億円 | 12.4億円 | 17.9億円 | 20.7億円 |
| 税引前利益率 | △32.6% | 8.8% | 19.8% | 23.9% | 24.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | △11.2億円 | 4.7億円 | 13.2億円 | 14.7億円 | 14.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △51.83 | 21.88 | 60.43 | 64.17 | 60.30 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの収益と利益の推移を見ると、前期と比較して減少傾向にあります。これは、従業員数の増加に対して、売上収益や営業利益の伸びが相対的に緩やかであったことを示しています。
従業員1人あたりの指標は、組織全体の効率性や生産性を測る上で重要な要素です。これらの数値の変動は、今後の事業戦略や人材配置の方向性を検討する上での参考となります。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 43.4百万円 | 37.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 10.3百万円 | 9.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シェアリングテクノロジーグループは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業の成長に向けた投資も継続しています。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも影響を与える重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性がうかがえます。自己資本比率は非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準にあり、またROEもプライム市場平均を大きく上回っています。手元資金も増加傾向にあり、不況時への耐性も高い状態です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 38.9億円 | 51.6億円 |
| 自己資本比率 | 61.6% | 69.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 48.3% | 31.2% |
| 現金及び現金同等物 | 41.1億円 | 54.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期から減少したものの、引き続きプラスを維持しており、税引前利益の計上や営業債権及びその他の債権の減少が主な要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加し、前期に比べて減少(支出の増加)となりました。財務活動によるキャッシュフローは、新株予約権の行使による収入があった一方で、自己株式の取得、配当金の支払い、リース負債の返済による支出があり、前期の増加から減少に転じています。フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 22.7億円 | 19.8億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | △3.7億円 |
| 財務CF | 0百万円 | △2.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 22.6億円 | 16.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネットビジネス業界の技術革新の速さや市場環境の変化に迅速に対応する必要があるとしています。また、『暮らしのお困りごと』市場の拡大に伴う新規参入企業の増加や既存競合企業との競争激化もリスクとして認識しています。
一部のサービスジャンルでは、季節変動性の高い売上収益が全体に一定程度の割合を占める状況も存在します。天候不順や異常気象の発生により、想定通りの問い合わせ件数を獲得できない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大を進める上で優秀な人材の確保、育成、そして人材流出を防止するための環境整備を重要な課題と捉えています。必要な人材を必要な時期に十分に確保できない場合や、有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受ける可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シェアリングテクノロジーは、「新たな仕組みで、安心な暮らしを、」というミッションを掲げ、人々の「お困りごと」を解決し、安心できる社会の実現を目指しています。テクノロジーとネットワークを駆使し、社会に貢献する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
シェアリングテクノロジーグループは、「新たな仕組みで、安心な暮らしを、」をミッションとして掲げています。これは、「お困りごと」が発生した際に、少しでも早く安心していただくこと、そして同社グループのサービスがあることで「お困りごと」が起きても大丈夫だと安心して暮らせる世界を目指すものです。このミッションの達成状況を判断する上で、売上収益を重要な指標と考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、すべての人々にとって安心に暮らせる社会の実現を目指し、サービス利用者および提携事業者(加盟店)の満足度向上を基本方針としています。組織運営においては、ジェンダー平等を含む平等な働く機会の提供に努めています。従業員の資質の向上と能力開発を推進し、企業の発展、社会的信用の増大、社会への貢献を目指しています。また、従業員のキャリア形成に即した配置や雇用管理にも配慮しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後のさらなる事業拡大に向けて、内部管理体制の強化に取り組んでいます。各種業務の標準化と効率化を徹底し、事業基盤の確立を図るため、内部統制グループを中心に、従業員への業務フローやコンプライアンスの周知徹底を進めています。
また、優秀な人材の確保と組織体制の強化も重要なテーマです。同社グループの成長フェーズに沿った組織体制を構築するため、継続的な採用活動を通じて企業理念や風土に合った人材の登用を進めています。教育体制の整備を通じて人材の定着と能力の底上げを図り、自社施工の取り組みにおいては、施工人材の確保と育成にも努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シェアリングテクノロジーは、監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会が業務執行の監督・監査を行っています。これにより、経営の透明性と効率性の向上を図る体制が構築されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シェアリングテクノロジーの株主構成を見ると、筆頭株主は海外の機関投資家であり、その他にも複数の信託銀行が上位に名を連ねています。これは、同社グループの資本が国内外の機関投資家や信託銀行によって幅広く支えられていることを示しています。特定の創業家や事業会社が上位を占める形ではなく、多様な投資家層に支えられた資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) | 14.84% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.89% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.57% |
なお、前事業年度末に主要株主であった野村證券は当事業年度末では主要株主ではなくなり、AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLCが新たに主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは片山善隆氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 片山 善隆 | 代表取締役CEO | 2008年三井住友銀行入行後、高木製作所、アイシン・エィ・ダブリュ(現アイシン)を経て、2018年同社入社。執行役員、取締役COOを歴任し、2023年アズサポート代表取締役就任。2025年12月より同社代表取締役CEOに就任し現職。 |
| 森吉 寛裕 | 取締役会長 | 2014年ジャフコ(現ジャフコ グループ)入社。2018年同社入社後、取締役CFO、代表取締役共同経営者、代表取締役CEOを歴任。2025年12月より同社取締役会長に就任し現職。 |
| 植田 栄作 | 取締役 | 2010年同社入社。2018年8月より同社取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、淺井啓雄氏(淺井啓雄公認会計士・税理士事務所代表・カルテットコミュニケーションズ社外監査役・監査等委員)、善利友一氏(弁護士法人Zenos代表社員・ピアズ社外監査役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が2名選任されています。これにより、独立・公正な立場から取締役の職務執行に対する監視機能が強化されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シェアリングテクノロジーの役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬である役員賞与で構成されています。役員賞与は売上収益や営業利益を軸とした業績を反映する金銭報酬であり、事業年度ごとの業績向上への意識を高めることを目的としています。また、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対しては、有償ストック・オプションも発行されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 37.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.8百万円 |
同社グループの役員報酬総額は117百万円であり、報酬支給対象の役員は合計4名です。
個人別報酬が開示されている役員はいません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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