※本記事は、株式会社ニーズウェル の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、独立系の情報サービス企業として、技術革新の激しい情報サービス産業において情報サービス事業を営んでいます。業務系システム開発、IT基盤、ソリューションの3つのサービスラインを通じて、顧客のニーズに応じたサービスを提供しています。
単体従業員数は538名、連結従業員数は597名です。同社グループの事業セグメントは情報サービス事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)零壱製作(ICT事業、MVNO事業)、(連結子会社)ビー・オー・スタジオ、(連結子会社)コムソフトなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニーズウェルは、情報サービス事業を主軸とする企業です。同社グループでは、従業員の成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を把握することができます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ニーズウェルは、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、若手社員がキャリアを築きながら定着している傾向があることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,886,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.5年 |
| 平均年齢 | 35.1歳 |
| 単体従業員数 | 538人 |
| 連結従業員数 | 597人 |
| 単体のグループ内比率 | 90.1% |
退職給付制度
同社は、確定拠出年金制度を採用しています。一部の子会社では、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型制度を有しています。
退職給付制度の適用範囲は、提出会社および一部の子会社です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「生産性向上による高収益化、そして残業低減、高給与、高賞与及びワークライフバランスの実現」を経営方針に掲げています。人材を最も重要な資本と認識し、人的資本の価値向上を目指しています。
新卒採用に加え、社員への能力開発機会提供としての教育・研修を重視しています。ベースアップの実施など、優秀な人材の確保や従業員エンゲージメント向上にも取り組んでいます。
具体的には、先端技術やDXに対応するための多様な技術研修、自律的行動を高める階層別研修を実施しています。ダブルジョブ制度や社内FA制度の活用により、適材適所の人事配置と組織総合力の向上を図っています。
社員の健康を重視し、長時間労働の抑制、有給休暇取得の促進、ワークライフバランスの実現、テレワーク・サテライトワークの推進など、健康経営に積極的に取り組んでいます。多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場づくりを推進しており、女性活躍推進やワークライフバランスに関する制度拡充、制度を活用しやすい社内風土の醸成にも努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異は、主に男女間の管理職比率、雇用形態の差異、勤務時間が短い女性労働者が多いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 40.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 118.4% |
指標及び目標
この指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率 | 29.7% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニーズウェルは、独立系の情報サービス企業として、技術革新の進む情報サービス産業において、顧客のニーズに応じたシステム開発やIT基盤構築、ソリューション提供を行っています。幅広い分野で培ったノウハウを活かし、経済社会への貢献を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、情報サービス事業およびこれに付帯する業務を単一セグメントとして展開しています。エンドユーザーからの直接受託や、システムインテグレータ・メーカー経由での企業向けシステム構築など、顧客システムの開発・保守を通じて収益を上げています。契約形態としては受託開発と社員派遣があり、開発の一部を協力会社に委託することもあります。
サービスラインは「業務系システム開発」「IT基盤」「ソリューション」の三つで構成されています。業務系システム開発では、金融、物流、通信、流通、サービス、建設・建機など多岐にわたる分野で、システムの企画立案から保守・運用までライフサイクル全般に関与しています。特にメインフレームやオフコン等のレガシーシステムから新プラットフォームへの移行需要に対応するマイグレーションサービスに強みを持っています。
IT基盤サービスでは、ハードウェアやネットワークを含む総合的なICT環境を提供し、複雑化するシステム基盤やソフトウェアの品質確保、効率的な運用を支援しています。ソフトウェアテストやITサポートを通じて、企業のIT人材不足解消にも貢献しています。ソリューションサービスでは、情報セキュリティ対策、RPAやクラウドを活用した業務効率化、AI技術によるDX推進、金融系システム開発で培ったノウハウを活かした金融ソリューションなどを提供しています。独自のソリューション製品や他社製品の活用、機器・ライセンス販売も行い、顧客のビジネス目的に合わせた最適なサービスを提供しています。
当連結会計年度のサービスライン別の売上高を見ると、業務系システム開発が最も大きな割合を占めており、前期と比較して増加しました。ソリューションは前期から大きく増加し、IT基盤は減少しています。主要な顧客としては、当期は明治安田システムテクノロジーが、前期はキヤノンITソリューションズと東芝デジタルソリューションズがそれぞれ一定の割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 合 計 | 9兆5,492億円 | 10兆329億円 |
| 業務系システム開発 | 6兆3,204億円 | 6兆5,498億円 |
| ソリューション | 1兆5,424億円 | 2兆472億円 |
| IT基盤 | 1兆6,864億円 | 1兆4,359億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近3期にわたり増加傾向にあります。当連結会計年度においては、売上高は前期から増加しました。一方で、営業利益と経常利益は前期から減少しています。これは、株主優待制度の費用計上により販売費及び一般管理費が増加したことが主な要因となっています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期は減少しましたが、当期は増加に転じています。これは投資有価証券の売却による特別利益の計上が影響しています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 87.6億円 | 95.5億円 | 100億円 |
| 経常利益 | - | - | 11.4億円 | 12.1億円 | 11.7億円 |
| 経常利益率 | - | - | 13.0% | 12.7% | 11.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 8.4億円 | 8.1億円 | 8.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 21.32 | 21.15 | 23.42 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しており、従業員1人あたり営業利益は横ばいとなっています。これは、従業員一人ひとりの売上貢献度が高まっていることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.5百万円 | 16.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.9百万円 | 1.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ニーズウェルは、安定した財務基盤を築き、本業で着実に資金を生み出している状況です。事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金も厚く確保されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループは、高い自己資本比率とROE(自己資本利益率)を維持しており、強固な財務体質を示しています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性がうかがえます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 42.3億円 | 47.7億円 |
| 自己資本比率 | 74.6% | 73.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 20.4% | 19.8% |
| 現金及び預金 | 21.0億円 | 27.6億円 |
自己資本比率は当期73.1%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準です。ROE(自己資本利益率)も当期19.8%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準を示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローはプラスで推移しており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュ・フローもプラスに転じており、投資有価証券の売却による収入が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いや長期借入金の返済によりマイナスとなっていますが、フリーキャッシュ・フローはプラスを維持しており、事業の成長と安定性を両立していることがうかがえます。このような資金の流れは、事業の持続的な成長を支え、雇用や給与の安定性にもつながるものとなっています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.5億円 | 8.0億円 |
| 投資CF | △2.9億円 | 2.2億円 |
| 財務CF | △4.8億円 | △3.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.5億円 | 10.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内企業のIT投資動向に一定の影響を受けるため、経済情勢の変化や国内景気低迷による顧客のIT投資意欲減退が、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報サービス産業における競合他社との競争激化や、技術革新への対応が遅れた場合にも、受注減少等により財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の獲得・育成が計画通りに進まない場合、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニーズウェルは、お客様満足と社会貢献を経営理念に掲げ、社員の成長と働きがいを重視する情報サービス企業です。技術革新が加速するIT業界において、多様なサービスラインを展開し、持続的な成長を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は、「お客様満足を実現し「広く経済社会に貢献し続ける」」ことです。また、経営規範として「社会有用の人材として社員を育成すること」を掲げています。
経営理念に賛同する社員が結集し、全社員のパートナーシップを基盤として、技術革新や技術向上に取り組んでいます。これにより、企業規模の拡大と就業ステージの拡大を図り、自己研鑽の機会を創造することを目指しています。社員が働き甲斐や幸せを感じながら就労できる環境づくりを進めている会社です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、お客様満足と社会貢献を経営理念とし、社員のパートナーシップを基盤とした企業風土を大切にしています。社員が働き甲斐や幸せを感じながら就労し、「社会有用の人材」として成長することを経営規範としています。
サステナビリティに関する戦略として、「生産性向上による高収益化、そして残業低減、高給与、高賞与及びワークライフバランスの実現」を経営方針に掲げています。人材を最も重要な資本と認識し、多様な人材が働き甲斐をもって活躍できる職場づくりを推進している会社です。
女性活躍推進や労働力の多様性、機会均等への取り組みを進めています。ワークライフバランスに関する制度の拡充や、制度を活用しやすい社内風土の醸成にも積極的に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業規模拡大に向けた「人材の確保」を重要な課題としています。新卒・キャリア採用の強化に加え、優秀なパートナーの安定的な調達を図っています。
従業員のモチベーション向上や働き甲斐のある職場を実現するため、ダブルジョブ制度、社内FA制度、職場復帰支援制度、奨学金補助制度等の取り組みを進めています。また、「ESG、SDGsへの取組み」も重点テーマの一つです。
事業戦略にSDGsやESG、CSRの視点を取り入れ、IT企業として雇用の創出や産業基盤の確立、技術革新に挑んでいます。働き甲斐やジェンダー平等の推進、IT教育の普及、地域のスポーツ支援といった活動を通じて、サステナブルな社会を支える取り組みも行っています。
さらに、「内部管理体制の強化」も継続的な成長のための重要な課題と認識しており、コンプライアンス体制、リスク管理体制、情報管理体制の強化に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ニーズウェルは監査役会設置会社として、取締役会と監査役会を中心に経営の監督と意思決定を行っています。2025年12月23日開催予定の定時株主総会で承認されれば、監査等委員会設置会社へ移行する予定です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ニーズウェルの筆頭株主は事業会社であるオーディーシーであり、同社グループの資本構成において大きな割合を占めています。また、ニーズウェル従業員持株会も上位株主として名を連ねており、従業員による株式保有も特徴の一つです。上位株主には複数の個人株主も含まれています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| オーディーシー | 36.52% |
| ニーズウェル従業員持株会 | 3.32% |
| 佐藤 辰弥 | 2.32% |
| 橋本 美奈子 | 2.32% |
| キヤノンITソリューションズ | 1.59% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
ニーズウェルの役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は松岡元氏が務めています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松岡 元 | 代表取締役社長 | 2002年4月コムシス入社、2006年4月同社入社。2021年12月同社取締役執行役員、2023年12月同社取締役専務執行役員。2025年7月より同社代表取締役社長現職。 |
| 船津 浩三 | 取締役 会長 | 1970年4月日立製作所入社。2004年6月サイバーコム代表取締役会長、2016年12月同社代表取締役社長。2025年7月より同社取締役会長現職。 |
| 田畑 更二 | 取締役 常務執行役員 管理部門担当兼営業部門担当兼営業部長 | 1999年4月アトラクス入社、2006年9月同社入社。2022年12月同社取締役執行役員、2023年12月同社取締役常務執行役員。2024年10月より現職。 |
| 新井 千波 | 取締役 執行役員 関係会社担当兼財務経理部担当兼経営企画部長 | 1990年4月北海道銀行入行、2017年6月同社入社。2023年12月同社取締役執行役員。2024年7月より現職。 |
社外取締役は、柳川洋輝氏(エス・イー・シー・ハイテック顧問)、安岡護氏(みずほリサーチ&テクノロジーズ社外取締役)、寺内信夫氏(EMテクノロジー研究所代表取締役)です。
ニーズウェルは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会、会計監査人を設置しています。社外取締役が取締役会の監督機能を担い、社外監査役が独立した立場から監査活動を行うことで、経営監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ニーズウェルの役員報酬は、金銭による固定報酬、業績連動報酬(役員賞与)、および譲渡制限付株式で構成されています。業績連動報酬は事業計画の達成状況を指標とし、譲渡制限付株式は株主との価値共有と企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。監査役の報酬は金銭による固定報酬のみです。
なお、上記は当事業年度の実績であり、取締役の報酬等の総額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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