※本記事は、株式会社ピー・ビーシステムズ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ピー・ビーシステムズは、企業の基幹システムをクラウド化するセキュアクラウドシステム事業と、特殊な映像技術で空間を仮想化するエモーショナルシステム事業を展開しています。クラウド市場の成長とサイバーセキュリティの重要性が高まる中、ハイブリッドクラウド基盤の提案や独自のセキュリティサービスを提供しています。
単体従業員数は73名です。セグメントはセキュアクラウドシステム事業、エモーショナルシステム事業の2つです。
ピー・ビーシステムズは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」と、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」を直接展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ピー・ビーシステムズは、クラウド基盤を活用した技術サービスを提供する企業です。同社は、社員の成長支援と多様な働き方が可能な環境整備に力を入れており、専門性の高い技術者を育成する方針を示しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が42.8歳、平均勤続年数が7.6年となっています。このデータからは、一定の経験を持つ従業員が在籍し、中長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,112,395円 |
| 平均勤続年数 | 7.6年 |
| 平均年齢 | 42.8歳 |
| 単体従業員数 | 73人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ピー・ビーシステムズは、企業活動に不可欠な業務システムのセキュリティ強化とレジリエンス向上を目指し、クラウド基盤を活用した技術サービスを提供しています。同社は、社員の成長を支援し、優秀な人材の採用を推進するため、多様な働き方が可能な環境整備と教育制度の充実に力を入れています。
採用においては、新卒と中途採用を組み合わせたバランスの取れた体系を構築し、人財開発部の拡充や採用チャネルの拡大、リファラル採用やアルムナイ採用を積極的に活用する方針です。育成面では、資格手当制度や教育訓練制度を強化し、キャリアに応じた研修を実施しています。
また、セキュアクラウドシステム事業の技術開発拠点である「エンジニアハビタット」を増床し、高スキル技術者の育成を促進しています。小型のクラウド基盤構築を通じたOJT機会を確保することで、短期間で多くのシステム構築の経験を積み、急速にスキルを向上できる環境です。経験が浅いエンジニアでも短い期間で実践的な経験を積むことが可能です。働きやすい環境整備として、テレワークの継続活用や、デュアルモニター・大画面モニターの利用推奨も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象ではありませんが、各法の規定に基づき算出したデータを開示しています。当事業年度中に配偶者が出産した男性労働者は1名です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 200.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 84.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 52.1% |
指標及び目標
テレワーク可能な社員の比率の対象者にパート社員は含んでいません。男性社員の育児休業取得率の詳細は、従業員の状況に記載のとおりです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンジニア、セールスエンジニア数 | 53名 |
| テレワーク可能な社員の比率 | 100.0% |
| 女性社員の比率 | 27.4% |
| 男性社員の育児休業取得率 | 200.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ピー・ビーシステムズは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」と、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」の二つのセグメントで事業を展開しています。同社は、企業のデジタル変革(DX)を支援するITソリューションと、没入感のあるVR体験を提供するエンターテイメント技術を両輪としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ピー・ビーシステムズは、企業のITインフラを支えるクラウド技術と、革新的な映像体験を提供するVR技術を核としたビジネスを展開しています。同社の事業は、企業の生産性向上と新たな顧客体験の創出という、異なる側面から社会に価値を提供しています。
セキュアクラウドシステム事業
この事業は、同社が創業間もない時期から取り組む主力事業です。仮想化技術を基盤とするプライベートクラウドを中心に、SaaSやパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドの構築を支援しています。サイバーセキュリティ対策や製造業のスマートファクトリー化支援も手掛けており、企業のDX実現を支えるプラットフォーム、プロダクツ、カスタマイザーの3つの区分で包括的なサービスを提供しています。
収益は、ハイブリッドクラウド基盤の提案、サイバーセキュリティ対策、スマートファクトリー化支援、仮想化環境に特化した製品販売、老朽システム刷新や業務ロジックのプログラミング、データベース構築などのサービスから得ています。
エモーショナルシステム事業
この事業では、VR装置であるMetaWalkers®の開発・製造販売と、既存設備をVR空間に変貌させる高品質映像投影サービスMetaAnywhere®の技術開発、製造販売、イベント運営サービスを中心に行っています。企業・自治体向けメタバースの構築サービスも提供しており、VRゴーグルを使用しない体験共有型VR装置や、場所を選ばずに映像体験を届けられる空間演出ソリューションを展開しています。
収益は、VR装置や映像投影サービスの提供、イベント運営、そしてMetaWalkers®やMetaAnywhere®で上映するコンテンツ制作から得ています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| セキュアクラウドシステム事業 | 30.6億円 | 25.5億円 |
| エモーショナルシステム事業 | 48百万円 | 81百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前事業年度から減少する結果となりました。これは、主力であるセキュアクラウドシステム事業において中規模案件の積み上げが計画通りに進捗しなかったことや、利益率の高いハードウェア・ソフトウェア販売案件が低調に推移したことが影響しています。一方で、積極的な人財増強やエンジニア拠点の増床といった投資活動に伴い、売上原価や販売費及び一般管理費が増加したことも、利益の減少に繋がっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ピー・ビーシステムズの従業員1人あたりの売上高および当期純利益については、参照できるデータがありません。しかし、同社は持続的な成長に向けた基盤固めとして、人財の増強やエンジニア拠点の増床に積極的に投資を行っています。このような投資は、将来的な生産性向上や収益力強化に繋がる可能性があります。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ピー・ビーシステムズは、持続的な成長に向けた基盤固めと投資を加速する段階にあります。本業で得た資金を将来への投資に充てている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ピー・ビーシステムズの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から増加し、当期は63.4%となっています。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から減少しましたが、当期は7.4%です。手元資金である現金及び現金同等物は前期から減少しましたが、当期は4.8億円を確保しています。これらの財務状況は、事業運営の安定性を示す要素となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 14.4億円 | 11.5億円 |
| 自己資本比率 | 50.0% | 63.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.8% | 7.4% |
| 現金及び現金同等物 | 10.1億円 | 4.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ピー・ビーシステムズのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、当期はプラスとなっています。これは主に売上債権及び契約資産の減少、買掛金の減少、税引前当期純利益の計上などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入や有形固定資産の取得などにより、前期から減少幅が拡大しマイナスとなっています。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは当期マイナスとなりました。これは本業で得た資金を将来に向けた投資に充てている状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得や配当金の支払などにより、前期から減少幅が拡大しマイナスとなっています。このような資金の流れは、同社が成長のための投資を積極的に行っていることを示しており、将来的な事業拡大への期待が持てる一方で、短期的な資金の流出が続いている状況です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 58百万円 | 191百万円 |
| 投資CF | △48百万円 | △327百万円 |
| 財務CF | △123百万円 | △393百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10百万円 | △136百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ピー・ビーシステムズは、特定の取引先への依存度に関するリスクを認識しています。エヌ・デーソフトウェア株式会社への販売実績が総販売実績の19.6%を占めており、同社からの受注動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、セキュアクラウドシステム事業において、Cloud Software Group, Inc.社のソフトウエアを活用した事業となっており、同社製品の市場訴求力低下やパートナー契約が更新できない場合、競争力低下により業績に影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、持続的な成長と技術革新に対応するため、優秀な人材の確保が不可欠であると認識しています。必要な人材が十分に確保できない場合や、現在在職中の人材が流出するような場合には、事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ピー・ビーシステムズは、「勇者たらんと。」という独自の経営理念を掲げ、顧客独自のシステム構築と社会貢献を目指す企業です。技術革新と人財育成を重視し、持続的な成長と企業価値向上に取り組んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「勇者たらんと。」という経営理念を掲げています。この理念には「一人一人の知恵と勇気と諦めない強い心」を持ち、「どんな時でも、その一歩が踏み出せるように」という思いが込められています。
顧客独自の情報システム構築の実現に強力に取り組むことを目指しており、主力事業であるセキュアクラウドシステム事業の継続的な成長と、エモーショナルシステム事業の収益力の確立により、持続的な企業価値の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「勇者たらんと。」という経営理念のもと、一人ひとりの知恵と勇気、諦めない強い心を大切にする企業風土です。株主をはじめとする全てのステークホルダーの信頼に応え、迅速かつ的確な意思決定と透明性の高い公正で効率的な経営体制の構築を重視しています。
社員の成長を支援し、優秀な人財の採用を推進するため、多様な働き方が可能な環境整備と教育制度の充実に取り組んでいます。技術者育成においては、短期間で多くのシステム構築経験を積むことで、急速なスキル向上を促すことを特長としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、2026年9月期を成長への再スタートの年と位置づけ、人財への投資を継続しています。新卒採用を中心としたセールスエンジニアをはじめとする人財の採用を加速させる方針です。
エンジニアハビタットを活用したエンジニア教育の深化や経験値の蓄積を通じて、若手の戦力化を促し、生産能力を高めることで業績の早期回復を図ることを重点テーマとしています。また、資本効率の向上も重要な課題としており、利益の積上げとバランスの取れた株主還元を行うことで、資本効率の向上に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ピー・ビーシステムズは、取締役会設置会社および監査役会設置会社であり、執行役員制度を導入しています。取締役会と監査役会が連携し、経営の効率性と透明性を高める体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ピー・ビーシステムズの株主構成を見ると、代表取締役社長である冨田和久氏が筆頭株主となっています。上位の株主には、同社の取締役である森﨑高広氏や彌永玲子氏も名を連ねており、経営陣が主要な株式を保有していることが特徴です。その他、複数の事業会社や個人株主が上位に位置しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 冨田 和久 | 16.83% |
| 森﨑 高広 | 5.09% |
| 彌永 玲子 | 4.29% |
| 山代ガス | 3.48% |
| 宮越 則和 | 2.93% |
なお、所有株式数には、同社役員持株会における各自の持分を含めた実質所有株式数が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は冨田和久氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 冨田 和久 | 代表取締役社長 | 1986年4月野村コンピュータシステム株式会社入社、1992年1月株式会社シティアスコム入社、1997年2月同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 森﨑 高広 | 取締役技術フェロー | 1990年4月株式会社日立製作所入社、1995年2月株式会社シティアスコム入社、1997年7月同社取締役、執行役員等を経て2020年12月より取締役技術フェロー現職。 |
| 彌永 玲子 | 取締役経営企画部長 | 1992年4月株式会社オービック入社、2001年1月同社入社、経理部長、執行役員等を経て2025年1月より取締役経営企画部長現職。 |
| 吉富 裕之 | 取締役製造本部長 | 1998年4月株式会社ジャスティス入社、2003年10月同社入社、営業本部営業部長、製造本部製造部長、執行役員等を経て2023年12月より取締役製造本部長現職。 |
| 諌山 大介 | 取締役営業本部長兼東京営業部長 | 2003年3月株式会社タカダインホメックス入社、2004年9月同社入社、他社勤務を経て2020年10月同社入社、執行役員等を経て2023年12月より取締役営業本部長兼東京営業部長現職。 |
社外取締役は、枇杷木秀範氏(株式会社クロスエイジ社外監査役)、坂本剛氏(株式会社ラインクロス代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営方針や重要事項の意思決定を行い、監査役会が独立した立場から監督を行う体制を採用しています。社外取締役は、社外の第三者の視点で取締役会への助言と監視を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で決議された限度額の範囲内で、会社業績や各役員の役割、貢献度を総合的に考慮し、取締役会で決定されています。業績連動報酬は含まれておらず、基本報酬が中心の報酬体系となっています。監査役の報酬も株主総会で決議された限度額内で、監査役会で協議の上決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 93百万円 | 18.7百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 9百万円 | 2.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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