みらいワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

みらいワークス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場。プロフェッショナル人材事業を主軸に、地方創生事業やソリューション事業を展開。直近の業績は連結決算への移行に伴い売上高111億円超と拡大傾向にある一方、営業人員不足等の影響もあり利益成長は課題。プロ人材登録数は9万人を超える。


※本記事は、株式会社みらいワークス の有価証券報告書(第14期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. みらいワークスってどんな会社?


プロフェッショナル人材に特化したビジネスマッチングサービスを展開。フリーランス支援や地方副業、スタートアップ支援など多様な働き方を推進する企業です。

(1) 会社概要


2012年に設立し、プロフェッショナル人材マッチングサービス『FreeConsultant.jp』を開始しました。2017年に東証マザーズへ上場し、2019年には地方副業プラットフォーム『Skill Shift』を開始するなど事業を拡大。2025年にはGreenroomを子会社化しています。

同社グループの連結従業員数は193名(単体193名)です。筆頭株主は創業者で代表取締役社長の岡本祥治氏であり、安定的な経営基盤を持っています。第2位株主は資産管理業務を行う信託銀行、第3位は大手ネット証券会社です。

氏名 持株比率
岡本祥治 53.59%
日本カストディ銀行(信託口) 3.29%
楽天証券 2.39%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は岡本祥治氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
岡本祥治 代表取締役社長 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)を経て、2012年に同社を設立し代表取締役社長に就任。2025年現在、同社代表取締役社長として経営を牽引する。
池田真樹子 取締役コーポレート部長 落合公認会計士事務所、グローバル・ブレインなどを経て2015年に同社入社。経営企画部長、取締役経営管理部長などを歴任し、2023年10月より現職。


社外取締役は、中田康雄(元カルビー代表取締役社長兼CEO)、相澤利彦(元エーエム・ピーエム・ジャパン代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「プロフェッショナル人材事業」の単一セグメントですが、事業内容は主に「プロフェッショナル人材事業」「地方創生事業」「ソリューション事業」の3つに分類されます。

**(1) プロフェッショナル人材事業**
高スキルなフリーランスやプロフェッショナル人材を、DX推進や経営課題解決を目指す顧客企業にマッチングするサービスです。主な顧客は金融、製造、情報通信などの事業会社です。

収益は、顧客企業から受け取る業務委託料や人材紹介手数料から得ています。運営は主にみらいワークスが行っています。

**(2) 地方創生事業**
都市部のプロフェッショナル人材を地方企業の副業や転職としてマッチングし、地方創生を支援する事業です。『Skill Shift』などのプラットフォームを提供しています。

収益は、地方企業や自治体からの利用料や手数料から構成されています。運営は主に同社が行っています。

**(3) ソリューション事業**
蓄積されたノウハウを活用し、実践型リスキリング支援やオープンイノベーション推進、サステナビリティ経営支援などを行う事業です。

収益は、企業や自治体から受託するプロジェクトの業務委託費などが主な源泉です。運営は同社および連結子会社のGreenroomなどが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


表示期間において、売上高は着実に拡大しています。特に直近の第14期は売上高111億円を超え、事業規模の拡大が進んでいます。利益面では、経常利益率が2%台後半で推移しており、安定した黒字を維持しています。

項目 2023年9月期 2025年9月期
売上収益(または売上高) 84億円 111億円
経常利益 3億円 3億円
利益率(%) 3.0% 2.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.3億円 0.9億円

(2) 損益計算書


第14期(2025年9月期)の連結損益計算書です。売上総利益率は25.5%となっています。

項目 2025年9月期
売上高 111億円
売上総利益 28億円
売上総利益率(%) 25.5%
営業利益 3億円
営業利益率(%) 2.6%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当が10億円(構成比38%)、業務委託費が4億円(同15%)を占めています。

(3) セグメント収益


同社はプロフェッショナル人材事業の単一セグメントであるため、セグメント別の詳細な増減分析はありませんが、全体の売上高は前期比で増加傾向にあります。

区分 売上(2024年9月期) 売上(2025年9月期)
プロフェッショナル人材事業 - 111億円
連結(合計) - 111億円


※第14期より連結決算を作成しているため、前期比較データはありません。

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがマイナスの「健全型」です。本業で稼いだ現金を、将来のための投資や借入返済に充てている健全な状態と言えます。

項目 2025年9月期
営業CF 1.2億円
投資CF -1.6億円
財務CF -0.9億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は7.0%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は42.1%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「日本のみらいの為に挑戦する人を増やす」というミッションを掲げています。また、中長期的なビジョンとして「プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する」を掲げ、個人が活躍できる環境整備や社会課題の解決を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、社員の行動指針として「みらイズム」を定めています。具体的には「挑戦」「主体性」「チームワーク」「変化」「持続的な関係」の5つを行動の柱とし、プロフェッショナルとして成果を出し続けるための行動様式として実践することを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、売上総利益の最大化を目指し、「大手企業売上高」「大手企業取引社数」「プロフェッショナル人材の登録者数」「契約数」などを重要指標(KPI)としています。

* 2026年9月期 売上高:130億円
* 2026年9月期 営業利益:6億円

(4) 成長戦略と重点施策


同社は「プロフェッショナル人材事業」「地方創生事業」「ソリューション事業」を3本の柱とし、事業拡大を図ります。特に、売上高3,000億円以上の大手企業の開拓・深耕や、AI活用・DX推進による業務効率化とマッチング精度の向上、営業人員の採用・育成に注力する方針です。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、ミッション・ビジョンに共感し、行動指針「みらイズム」を実践できる人材を採用・育成する方針です。また、社員自身もプロフェッショナルとして、ライスワーク(生活の糧)とライフワーク(自己実現)を一致させ、本気の挑戦ができる環境づくりを推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 36.6歳 2.6年 6,313,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 11.4%


同社は公表義務の対象ではないため、有報には男性育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) プロフェッショナル人材の確保


事業拡大には優秀なプロフェッショナル人材の継続的な確保が不可欠です。フリーランス人材との接点強化やコミュニケーションによる囲い込みが進まない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制への対応


労働者派遣法や職業安定法などの法的規制を受けて事業を行っています。法令違反による許可の取り消しや業務停止命令、または法改正により事業運営に不利な影響が生じた場合、業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) 新規参入と競合激化


成長市場であるため、国内外の競合他社の参入により競争が激化する可能性があります。価格競争の激化や案件獲得の失敗などが生じた場合、同社の市場シェアや収益性に影響を及ぼすリスクがあります。

(4) システムトラブルの発生


Webサービスを主軸としているため、サーバーやシステムのトラブルによりサービスが停止する可能性があります。障害の発生は社会的信用の低下や機会損失を招き、業績に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。