※本記事は、株式会社マリオン の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
マリオンは、首都圏を中心に全国主要都市で単身世帯向け賃貸不動産を所有し、賃貸サービスを提供しています。また、不動産賃料を原資としたクラウドファンディング型不動産証券化商品も手掛けています。
マリオンの単体従業員数は20名です。同社事業は不動産賃貸関連サービスの単一セグメントです。
マリオンは、首都圏を中心に全国の主要都市で居住者向け賃貸不動産を所有し、不動産賃貸サービス、不動産証券化サービス、不動産売買を一体的に展開しています。
マリオンは、2024年11月1日の法改正に伴い、不動産特定共同事業契約に基づく権利をブロックチェーン技術でトークン化した「不特法ST」の発行体としての事業に特化する方針です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マリオンは不動産賃貸関連サービスを主軸とする企業です。少数精鋭の組織体制で、従業員一人ひとりの専門性が重視される環境がうかがえます。給与水準や働き方については、データから読み取れる傾向を以下に示します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的年齢層が高く、一定の勤続年数を持つ従業員が多い傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成や安定した環境で働くことを志向する方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,111,202円 |
| 平均勤続年数 | 7.8年 |
| 平均年齢 | 51.3歳 |
| 単体従業員数 | 20人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
マリオンは、サステナビリティ経営の一環として、人財の育成と安全で快適な職場環境の実現を重要な経営課題と位置付けています。経営理念である「人間愛に基づいて行動し、人にやさしい・地球にもやさしい社会を創造します」のもと、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
人財育成においては、人事基本方針に基づき、個人目標管理、職務評価、能力評価からなる人事評価制度を運営しています。また、研修体制、OJT推進、自己啓発支援などの施策を通じて、従業員の成長を支援しています。
同社は、Equality Act Japanによる「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」に賛同し、従業員の個性の尊重と多様性の確保を人事運営の基本方針としています。職場環境の整備も重要施策であり、リモートワークの推進や超過勤務の抑制など、従業員個々の状況に応じた快適な環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
パート・有期労働者の男女賃金差異は、女性のみのため算出不能です。男性労働者の育児休業等取得率は、出産時の特別休暇付与および産後の有給休暇取得の推奨により、これに基づく休暇等の取得率は100%となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 8.3% |
| 男性労働者の育児休業等取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | - |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社マリオンは、首都圏を中心に全国の主要都市で単身世帯向け賃貸不動産を所有し、不動産賃貸関連サービスを提供しています。同社は、不動産賃貸事業を基盤としつつ、不動産証券化サービスを通じて投資家向けの金融商品も展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
マリオンは、首都圏を中心に全国の主要都市において、単身世帯向けの賃貸不動産を所有しています。同社は、賃貸不動産の賃料収入を証券化する投資家向け不動産証券化サービスを提供しており、2004年以降「マリオンボンド」として展開しています。
2015年からはクラウドファンディング型の「サラリーマンボンド」、2019年5月からはインターネットで取引を完結できる「i-Bond」も販売しています。同社の事業は不動産賃貸関連サービスの単一セグメントであり、賃貸不動産の仕入れから賃料収入の獲得、不動産売却までの一連のライフサイクルを通じて収益を確保しています。
具体的には、不動産賃貸サービス、不動産証券化サービス、不動産売買の3つの事業内容で構成されています。直近の事業年度では、不動産売買が売上高の大部分を占めており、前期と比較して大きく増加しました。不動産証券化サービスも前期から増加傾向にあります。一方、不動産賃貸サービスは前期からわずかに減少しました。特定の顧客への販売実績として、株式会社アーキテクト・ディベロッパーへの販売が全体の約半分を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の事業年度において、同社の売上高は前期から増加しました。営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ前期と比較して増加傾向を示しています。利益率は前期から改善しており、全体として、同社の業績は堅調に推移していることがうかがえます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社の現在地を端的に示します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤について、自己資本比率やROE、手元資金の厚みは、企業の安定性や成長性を示す重要な指標です。これらの指標は、不況時の耐性や将来への投資余力を測る上で役立ち、入社後の雇用や給与の安定性にも関わります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動を通じた資金の流れを示しています。これらの資金の流れを把握することで、同社が本業でどれだけ資金を生み出し、将来に向けてどのような投資を行い、どのように資金を調達・返済しているかを理解できます。これは、同社の安定性や成長性、ひいては雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向、金融機関の貸出姿勢、税制改正等の経済市況や人口動態変化の影響を受けやすく、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、不動産業界には大手企業やJ-REITを含む事業者が多数存在しており、優良賃貸不動産の仕入れ等において事業者間での競合が存在します。事業者間での競合は、賃貸不動産の投資利回りの悪化を招き、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は従業員20名の小規模組織であり、業務が特定の個人に依存する場合があります。今後の業務拡大に見合った適切な組織体制の構築が課題となる可能性があります。事業拡大に応じた人材の採用や育成が十分に進まない場合、事業運営に制約が生じ、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マリオンは「人間愛」を経営理念の根幹に据え、人にやさしく、地球にもやさしい社会の創造を目指しています。不動産サービスを通じて、持続可能な社会への貢献を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
マリオンは「私たちは、人間愛に基づき行動し、人にやさしい、地球にもやさしい社会を創造します」を経営理念に掲げています。中期経営計画におけるビジョンとしては、「不動産のサービスで、サステナブルな社会に貢献する」ことを目指しています。この理念を具体化するため、居住用を中心とした賃貸不動産による安定的な事業基盤を確保しています。不動産証券化商品を生成し、住に関連したサービスを通じて社会に貢献することで、企業価値の向上とステークホルダーの期待に応えることを方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は経営理念である「人間愛に基づき行動し、人にやさしい、地球にもやさしい社会を創造します」をサステナビリティ基本方針としても掲げています。環境問題への取り組み、安心安全な暮らしと社会貢献、個性豊かな人財の育成と快適な職場環境の実現、ステークホルダーとの対話を重視する価値観があります。人権尊重経営を徹底するため「人権方針」を制定し、従業員の個性の尊重と多様性の確保を人事運営の基本方針としています。リモートワークや超過勤務の抑制など、個々の状況に応じた快適な職場環境の整備にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は持続的な成長と株主価値向上に向け、いくつかの経営課題を認識しています。内部統制とコーポレート・ガバナンスの強化を継続的な課題とし、コンプライアンスを重視した企業経営を推進しています。また、組織的な事業運営を支える人財の育成と確保を経営戦略の重要課題と位置づけ、施策を実施しています。不動産クラウドファンディングからセキュリティトークンへの進展を見据え、商品力及びサービス内容の継続的強化と拡充にも取り組んでいます。不動産証券化商品の適切な情報開示と利便性向上も重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
マリオンは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と外部視点からの経営監査を重視したガバナンス体制を構築しています。社外取締役を複数名選任し、経営の健全性・効率性及び透明性の維持向上に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
マリオンの株主構成を見ると、代表取締役社長である福田敬司氏が筆頭株主となっています。その他、SBIホールディングスや公益財団法人マリオン財団といった事業会社や関連団体が上位に名を連ねており、特定の株主グループが経営を支える特徴が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 福田敬司 | 36.43% |
| SBIホールディングス | 12.25% |
| 公益財団法人マリオン財団 | 9.02% |
| 西川勝子 | 5.88% |
| ベルーナ | 5.74% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は福田敬司氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 福田 敬司 | 代表取締役 社長 | 1986年11月同社設立、代表取締役社長。2010年7月一般社団法人ホンジン・ホールディングス代表理事。2019年6月М1代表取締役。2021年10月公益財団法人マリオン財団代表理事。2022年10月同社代表取締役社長、コンプライアンス部担当、内部監査部担当より現職。 |
| 飛田 明彦 | 取締役 営業本部長 アセットマネジメント部長 | 2009年4月同社入社 営業部投資事業課課長。2016年12月同社取締役 営業部長。2022年7月同社取締役 営業本部担当、営業本部長、アセットマネジメント部長より現職。 |
| 武藤 亮一 | 取締役 経営企画部長 ミドルオフィス部長 サステナビリティ委員会委員長 | 2020年7月同社入社。2020年10月同社営業管理部長。2022年12月同社取締役 経営企画部長、ミドルオフィス部長、サステナビリティ委員会委員長より現職。 |
| 宮原 正徳 | 取締役 経営管理本部長 経営管理部長 | 1991年4月株式会社第一勧業銀行(現:株式会社みずほ銀行)入行。2019年4月同行江戸川橋支店長。2023年1月同社入社 経営管理部長。2023年12月同社取締役 経営管理本部担当、経営管理本部長、経営管理部長より現職。 |
社外取締役は、山田源氏(山田源経営会計事務所代表)、増岡健司氏(医療法人社団MEDIQOL理事長)、鎌田昭良氏(元防衛省大臣官房長・監査等委員)、和田佳久氏(東京FAIRWAY法律事務所代表弁護士・監査等委員)です。
マリオンは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化を図っています。社外取締役4名を選任し、外部の視点からの経営監査機能を有効に機能させています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
マリオンの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。報酬は固定報酬である基本報酬、役員賞与、そしてストック・オプションによって構成されており、各役員の職責や実績・成果を考慮して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 65百万円 | 16.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 8百万円 | 1.6百万円 |
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