【平均年収545万円】KLASS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収545万円】KLASS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

KLASSは、職人技術の自動化・省力化ノウハウを活かし、幅広い産業機器の製造やソリューション&ネットワーク事業を展開しています。連結従業員数は約290名で、直近の業績は減収ながらも利益は大幅に増加しました。


目次

※本記事は、KLASS株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


KLASSは、プロフェッショナル、コンシューマ、インダストリー、ニュー・インダストリーの4つのセグメントで多岐にわたる事業を展開しています。職人技術の自動化・省力化のノウハウを活かし、幅広い産業機器の製造に対応できる体制を構築しています。

単体従業員数は283名、連結従業員数は293名です。セグメントはプロフェッショナル、コンシューマ、インダストリー、ニュー・インダストリーの4つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)ROSECCなどです。

同社グループは、当期より2.4次産業型企業を目指す推進役として、ソリューション&ネットワーク事業を新たに開始しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


KLASSは、プロフェッショナル、コンシューマ、インダストリーといった多様なセグメントを展開しており、幅広い事業領域を持つ企業です。同社グループの働き方は、従業員の定着を重視しつつ、多様な働き方を支援する方針が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


KLASSでは、従業員の平均勤続年数が長く、安定したキャリアを築ける環境がうかがえます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な人材が多数在籍していることが示唆されます。

項目 数値
平均年間給与 5,450,793円
平均勤続年数 18.5年
平均年齢 43.3歳
単体従業員数 283人
連結従業員数 293人
単体のグループ内比率 96.6%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は9.7億円、年金資産は7.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


KLASSグループは、「Mission」として「人を想う」技術で産業を変え、「まだないもの」をつくり世界の人々の暮らしを支え、日本の「残すべき文化」を未来につなぐことを掲げています。このMissionに基づき、「サステナビリティ基本方針」を策定し、事業を通じて「人」「社会」「環境」に貢献する方針です。

特に「人」への取り組みとして、ダイバーシティの実現を重視しています。女性従業員数の増加や、在宅勤務、時短勤務、時間単位有休などの柔軟な働き方を推進しています。育児休業の取得推進にも力を入れており、男性の育児休業取得も積極的に支援しています。

また、キャリア形成支援として、資格手当や教育制度の充実、キャリア申告制度の運用を行っています。ヘルスケア面では健康診断メニューの充実を図り、次世代育成として大学生・高校生向けの仕事体験・見学プログラムも提供しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.9%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 66.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 30.6%

ダイバーシティの実現

指標 目標 実績
採用した従業員に占める女性の割合 20.0%以上 45.5%
全従業員に占める在宅勤務、時短勤務、時間単位有休などの利用者数 30.0%以上 50.5%
女性育児休業取得率 100.0%の維持 100.0%
男性育児休業取得率 30.0%以上 100.0%
女性育児休業平均取得期間 12か月以上 307日
男性育児休業平均取得期間 2週間以上 21.7日
営業職・製造職・研究開発職における女性社員の採用 1名以上 3名

キャリア形成

指標 目標 実績
対象資格の取得者数 3名 4名
キャリア申告制度をきっかけとした異動・昇格の実績 1名 1名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


KLASSは、プロフェッショナル、コンシューマ、インダストリー、ニュー・インダストリーの4つのセグメントで多岐にわたる事業を展開しています。それぞれのセグメントが異なる市場と顧客層を持ち、幅広いニーズに応えるビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、職人技術の自動化・省力化のノウハウを活かし、多様な産業機器やサービスを提供しています。新商品開発にも注力し、マーケットニーズを捉えた製品やサービスの提供を通じて収益を上げています。国内市場が主要な顧客基盤となっており、海外への売上高は連結損益計算書の90%未満となっています。

プロフェッショナル

インテリア事業、畳事業、ソリューション&ネットワーク事業で構成されています。内装施工業者や畳店向けに、自動壁紙糊付機などのインテリア内装施工機器、畳製造装置、クラウドシステムサービス「Goolip」などを提供しています。収益は、これらの機器や資材、サービスの販売から得ています。

コンシューマ

BtoCビジネスに位置づけられ、コンシューマ事業、ソーラー・エネルギー事業、売電事業で構成されています。葬祭用畳や柔道畳などの特殊機能畳の販売、一般家庭向け畳替え・襖替え工事の仲介、産業用・家庭用ソーラー発電システムや蓄電池の販売、リフォーム工事、自社発電所での売電事業を行っています。収益は、特殊機能畳の販売や工事仲介、ソーラー発電システムの販売施工、売電から得ています。

インダストリー

産業機器事業と食品機器事業で構成されています。二次電池製造装置をはじめとする各種産業用機械を顧客の要求仕様に基づいて設計・開発・製造しています。また、味噌汁やうどん・そば等に対応するマルチディスペンサーなどの厨房用食品機器を自社開発し、フードサービスチェーン等に販売しています。収益は、オーダーメイドの産業用機器や厨房用食品機器の製造・販売から得ています。

ニュー・インダストリー

子会社であるROSECCが担当するセグメントです。自動車業界を中心に、ウォータージェット技術やロボット技術を活かした各種自動化システムの企画・開発・販売を行っています。収益は、これらの自動化システムの提供から得ています。運営は、株式会社ROSECCが行っています。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
プロフェッショナル 66.9億円 67.5億円
インダストリー 17.2億円 12.3億円
ニュー・インダストリー 6.6億円 8.4億円
コンシューマ 7.1億円 7.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で緩やかな変動を見せています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、変動が大きい傾向にありますが、直近の当連結会計年度では前期を大幅に上回る結果となりました。これは、前年度のマイナス要因が解消されつつあることが影響しています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 91.7億円 96.6億円 98.9億円 97.8億円 95.7億円
経常利益 2.7億円 1.9億円 2.8億円 1.1億円 2.5億円
経常利益率 3.0% 2.0% 2.9% 1.1% 2.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.9億円 1.4億円 1.0億円 76百万円 1.7億円
1株当たり当期純利益(円) 35.16 26.60 18.98 14.15 32.12

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しています。また、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく向上しており、組織全体の収益性が改善している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示唆しています。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 32.6百万円 32.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.4百万円 0.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を稼ぎ出し、将来に向けた投資も行いながら、手元に余剰資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は31.4%であり、前期から増加しています。これはプライム市場の製造業平均と比較すると低い水準ですが、非製造業平均よりは高い水準です。ROE(自己資本利益率)は5.8%で、前期から改善傾向にあります。手元資金である現金及び預金は13.1億円となっており、財務基盤の安定性を示しています。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 29.3億円 30.7億円
自己資本比率 29.0% 31.4%
ROE(自己資本利益率) 2.6% 5.8%
現金及び預金 14.8億円 13.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは4.0億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少が要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは△1.1億円の減少となり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは△4.6億円の減少となり、短期借入金や長期借入金の返済、自己株式の取得による支出が影響しています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは2.9億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を行い、なお余剰資金を確保している状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続しつつ、将来に向けた投資も行っていることを示しています。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 7.1億円 4.0億円
投資CF △1.6億円 △1.1億円
財務CF △2.8億円 △4.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.4億円 2.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、プロフェッショナルセグメントの畳事業やインテリア事業において、新設住宅着工戸数の増減やリフォーム工事の動向による国内需要減退のリスクを認識しています。また、インテリア内装施工機器や畳製造装置の市場で確固たる地位を築いていますが、競合製品の品質向上等により製品の優位性が維持できない場合には、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、代表取締役社長である頃安雅樹氏への依存度が高い状況です。経営方針や経営戦略の立案・決定において重要な役割を担っており、同氏の業務遂行が困難になった場合には、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


KLASSは、社名変更を機に理念体系を再構築し、技術力と無形財を活かした「2.4次産業型企業」への変革を目指しています。サステナビリティへの貢献も重視し、人と社会と環境に貢献する企業活動を推進しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


KLASSは、令和5年10月1日に社名を変更し、Statement(つなぐ。ツクル。)、Mission(存在意義)、Belief(経営理念)、Value(行動指針)の理念体系を再構築しました。同社グループの「Mission」は、「人を想う」技術で産業を変え、「まだないもの」で人々の暮らしを支え、日本の「残すべき文化」を未来につなぐという3つの使命で、人と社会と環境に貢献することです。

また、長年培った技術力と無形財を活かし、ハードだけでなくソフト・サービスの提供事業を成長させる「2.4次産業型企業」への展開を目指しています。これは新社名KLASSのSS(Solution Service)の趣旨にもかなうものです。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


KLASSは、新社名・新経営理念、新コーポレートロゴマークの内外への浸透を図り、全社的なブランディング戦略の強化とデザイン経営の実現に取り組んでいます。

「真似はされても真似するな」という信念に基づいた「オンリーワン製品」の開発を目指しており、技術者の育成や自由度の高い研究開発体制の構築を進めています。

サステナビリティへの貢献として、「人」への取り組みでは、女性従業員数の増加や在宅勤務・時短勤務・時間単位有休の利用者増加、育児休業取得の推進など、ダイバーシティの実現に注力しています。

また、資格手当・教育制度の充実やキャリア申告制度の運用を通じて、社員の能力向上と組織力の強化を図る方針です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経営環境と優先的に対処すべき課題として、組織・文化・人材に関わる複数のテーマを認識しています。

経営体制の充実では、人材の多様化を進め、充実した審議体制を整備しています。執行役員制度の導入により、事業推進と社内連携強化、経営層の人材育成にも努めています。

経営理念の徹底、内部監査、監査等委員会監査、ISOの充実も課題としており、企業行動規範や内部統制システム基本方針、コンプライアンスの重要性を周知徹底しています。

人材育成においては、人事考課制度の刷新、タレントマネジメント委員会の設置、研修教育体制の充実、キャリア・プランの作成等、人事戦略の強化により人材の育成と活力向上を図る方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


KLASSは、効率的かつ公正で透明性の高い経営と経営監視機能の強化を重視し、コーポレート・ガバナンスの充実を最優先課題としています。同社グループは、取締役会と監査等委員会のほか、経営会議やRM(リスクマネジメント)委員会などの内部統制システムを整備しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


KLASSの株主構成を見ると、創業家が上位株主として名を連ね、経営基盤を支えていることがうかがえます。筆頭株主は頃安憲司氏であり、複数の創業家関係者が上位に位置しています。

株主名 持株比率
頃安 憲司 26.03%
頃安 英毅 9.27%
大阪中小企業投資育成 6.49%
頃安 雅樹 5.05%
KLASS従業員持株会 5.04%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は頃安雅樹氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
頃安 雅樹 代表取締役 社長 昭和55年4月 科学技術庁入庁、昭和63年11月 同社入社、平成11年10月 同社代表取締役社長より現職。
前川 良一 常務取締役 コンシューマ事業部長兼 ソリューション&ネットワーク 事業部長兼畳事業部管掌 昭和56年4月 財団法人関西情報センター入所、平成元年6月 同社入社、令和6年10月 同社常務取締役コンシューマ事業部長兼ソリューション&ネットワーク事業部長兼畳事業部管掌より現職。
曽谷 雅俊 常務取締役 管理本部長兼社長室長 昭和55年4月 株式会社兵庫相互銀行入行、平成11年4月 同社入社、令和2年12月 同社常務取締役管理本部長兼社長室長より現職。
矢野 太 取締役 研究開発本部長兼産業機器事業部長兼食品機器事業部管掌 昭和58年4月 川鉄鉄構工業株式会社入社、平成2年8月 同社入社、令和元年12月 同社取締役研究開発本部長兼産業機器事業部長兼食品機器事業部管掌より現職。
佐用 善彦 取締役 インテリア事業部長兼 営業管理本部長 昭和61年3月 同社入社、令和5年10月 同社取締役インテリア事業部長兼営業管理本部長より現職。
頃安 憲司 取締役 総合企画室長兼 人事部管掌 平成27年4月 同社入社、令和5年10月 同社取締役総合企画室長兼人事部管掌より現職。


社外取締役は、中木照雄氏(元協立テストシステム株式会社取締役社長・監査等委員)、菅原正雄氏(元ユー・コミュニティーホテル株式会社代表取締役社長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員が経営の意思決定に加わることで、監査・監督機能の強化を図っています。監査等委員会は3名の監査等委員である取締役で構成され、うち2名が独立役員である社外取締役です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


KLASSの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は固定報酬としての基本報酬と業績連動報酬で構成され、監督機能を担う監査等委員である取締役には基本報酬のみが支払われます。



「退職慰労金」は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額であり、「業績連動報酬」は当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。