※本記事は、株式会社ピアズ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ピアズグループは、連結子会社3社で構成され、コンサルティング事業を主軸としています。通信業界を中心とした企業の販売チャネル支援、店舗運営のDX推進、AI技術を活用した人材育成支援などを展開しています。
単体従業員数は413名、連結従業員数は413名です。セグメントはコンサルティング事業の1つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)2Links(貸事務所業、事務代行業)、(連結子会社)Qualiagramなどです。
ピアズグループは、SES事業の譲受による開発体制の内製化や、不採算のリモートワークボックス事業の売却を行いました。また、オンライン接客サービス強化のため「bellFace」事業を取得しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ピアズは、コンサルティング事業を主軸に、先端技術の社会実装を通じて社会の豊かさを実現することを目指しています。同社グループでは、持続的な成長を支える人材を最も重要な経営資源と位置づけ、その育成と働きやすい環境づくりに力を入れています。ここでは、同社グループの給与水準や働き方の特徴、人材戦略について詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ピアズでは、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数から見ても、活気ある環境でキャリアを築いている傾向がうかがえます。同社はコンサルティング事業を主要な事業としており、専門性を活かして成長できる機会が豊富にあると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,719,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.2年 |
| 平均年齢 | 31.7歳 |
| 単体従業員数 | 413人 |
| 連結従業員数 | 413人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ピアズグループは、「いつかの未来を、いつもの日々に~New Normal Acceleration」をパーパスに掲げ、先端技術の社会実装を通じて社会の豊かさを実現することを目指しています。この目標達成のため、持続的な成長と企業価値向上を実現する上で、人材を最も重要な経営資源と認識しています。
そのため、人材の採用と育成を重視しており、人材の確保や教育体制、各種制度の整備について、今後具体的に検討し取り組んでいく方針です。現時点ではサステナビリティに関する基本方針や具体的な指標・目標は策定中であり、今後検討を進めていくとしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。各指標は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 43.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 77.9% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ピアズは、コンサルティング事業を主要な事業として展開しています。同社グループは、既存事業の基盤強化と新たな事業領域への投資を通じて、持続的な成長を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ピアズは、コンサルティング事業の単一セグメントで事業を展開しています。提供するサービスは、セールスプロモーション、オンライン接客/セールス、AIボーディングの3つに分けられます。同社グループは、通信業界を中心とした販売チャネルを総合的に支援するセールスプロモーションサービスを提供しています。
また、店舗運営のノウハウを活かし、省人化・無人化を実現するデジタル・トランスフォーメーションを支援するオンライン接客/セールスも手掛けています。接客のオンライン化だけでなく、接客データの収集・分析を通じて応対品質の平準化を支援するシステムの開発も行っています。さらに、移動体通信業界で培った経験とAI技術を融合させ、販売領域における包括的な人材育成支援サービスであるAIボーディングを提供しています。
同社グループの収益は、コンサルティングやその他のサービスによるフロー型の収益と、オンライン接客サービスや長期人材派遣などによるストック型の収益から得られています。当連結会計年度においては、ストック型収益が前期から増加し、フロー型収益は減少する傾向にあります。主要な顧客として株式会社NTTドコモへの売上高が大きな割合を占めており、当連結会計年度ではその割合が前期から増加しています。海外の外部顧客への売上高はなく、事業は国内に集中しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にありましたが、当連結会計年度では前期から減少に転じています。一方で、営業利益と経常利益は当連結会計年度において前期から増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度では前期から減少する結果となりました。
特に、第21期には親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。当連結会計年度においては、不採算事業の売却による事業売却益の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は業績予想を上回る結果となりました。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 31.3億円 | 37.9億円 | 56.3億円 | 62.1億円 | 61.0億円 |
| 経常利益 | 1.4億円 | 74百万円 | 4.1億円 | 4.5億円 | 5.0億円 |
| 経常利益率 | 4.4% | 2.0% | 7.2% | 7.3% | 8.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 52百万円 | △98百万円 | 3.2億円 | 5.9億円 | 4.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 5.74 | △10.58 | 34.75 | 61.22 | 47.08 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加する傾向にあります。これらの指標の増加は、同社グループがコスト構造の見直しや粗利の高い案件への注力、開発体制の内製化を進めた結果、組織全体の生産性が向上していることを示唆しています。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 11.6百万円 | 14.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 1.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ピアズの経営の安定性について、財務基盤、キャッシュフロー、そして事業リスクの観点から見ていきます。同社グループがどのような状況にあるのか、具体的なデータに基づいて確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ピアズの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の厚みから安定していることがうかがえます。自己資本比率は61.9%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準を示しています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、安定した経営基盤を構築していることを示しています。
ROE(自己資本利益率)は15.4%であり、プライム市場平均の9.4%を上回っています。これは、効率的に利益を生み出す力が高いことを示しています。手元資金である現金及び預金は17.6億円を確保しており、事業運営に必要な流動性を十分に保持している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 28.7億円 | 27.6億円 |
| 自己資本比率 | 63.6% | 61.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 22.4% | 15.4% |
| 現金及び預金 | 19.6億円 | 17.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ピアズのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、健全な財務活動を行っている状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは7.0億円の収入となり、前連結会計年度の4.7億円の収入から増加しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△51百万円の支出となり、前連結会計年度の△1.2億円の支出から減少しています。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったものの、貸付金の回収による収入が増加したことによるものです。営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローは6.5億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金で投資を賄えている優良な状態です。
財務活動によるキャッシュフローは△8.5億円の支出となり、前連結会計年度の△6.7億円の支出から増加しています。これは主に、自己株式の取得や長期借入金の返済による支出があったためです。これらのキャッシュフローの状況から、同社グループは本業で安定した資金を創出し、健全な投資と財務活動を通じて持続的な成長を目指していることがうかがえ、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.7億円 | 7.0億円 |
| 投資CF | △1.2億円 | △51百万円 |
| 財務CF | △6.7億円 | △8.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.6億円 | 6.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要事業は通信業界に特化しており、技術革新や市場環境の変化に迅速に対応できない場合、事業存続や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、NTTドコモグループへの売上高依存度が高く、2025年9月期には63.6%となっています。同グループとの取引条件の変更や取引高の大幅な減少が生じた場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大に応じた十分な人材の確保が進まない場合や、人材の社外流出等により、今後の事業展開及び業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。特定の人材に過度に依存しないよう、組織体制の整備・強化と優秀な人材の確保・育成に努めている状況です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ピアズは、どのような価値観や文化を大切にし、どのような組織を目指している会社なのでしょうか。同社グループの経営方針やサステナビリティに関する考え方から、その企業風土を見ていきます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ピアズグループは、「いつかの未来を、いつもの日々に~New Normal Acceleration」をパーパスに掲げています。同社グループは、コンシューマとの顧客接点を持つ企業に対し、実用性の高い技術を活用して販売現場の生産性を高めるコンサルティングサービスを展開しています。
事業を通じて「先端技術の社会実装」を行い、社会の豊かさを実現することを目指しています。そのため、革新的な取り組みを模索し、積極的に様々な提案を行っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ピアズグループは、パーパスの実現に向けて革新的な取り組みを模索し、積極的に様々な提案を行うことを重視しています。同社グループは、事業を推進すること自体がサステナビリティに貢献しうると認識しています。
持続的な成長と企業価値向上を実現する上で、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。人材の採用と育成を重視しており、教育体制や各種制度の整備に今後取り組んでいく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ピアズグループは、パーパスの実現に向けて、組織体制の強化を重点課題の一つとしています。事業環境の変化に適切に対応できる組織体制の強化が急務であると認識しており、経営基盤の安定化とグループの経営効率を高めるため、適宜組織体制を見直しています。
人材育成を中心とした組織強化を図り、M&Aや資本・業務提携も視野に入れながら、グループ全体の競争力向上を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ピアズは監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会が会社の機関として機能しています。取締役会と監査役会が連携し、経営の意思決定と監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ピアズの筆頭株主は株式会社3-SHINEであり、同社グループの代表取締役社長である桑野隆司氏の資産管理会社です。また、桑野隆司氏個人や吉井雅己氏も上位株主として名を連ねています。このように、創業家やその関連会社が上位株主として同社グループを支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社3-SHINE | 45.44% |
| 桑野 隆司 | 2.66% |
| 吉井 雅己 | 2.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は桑野隆司氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 桑野 隆司 | 代表取締役 社長 | 2001年4月有限会社ビークー入社。2005年1月有限会社ピアズ(現同社)代表取締役社長就任。2016年7月株式会社3-SHINE代表取締役社長就任より現職。 |
| 栗田 智代 (現姓:大澤) | 取締役 | 2005年4月株式会社大垣共立銀行入行。2009年1月同社入社。2020年12月同社取締役就任より現職。 |
| 吉井 雅己 | 取締役 | 1998年8月株式会社コスモテレコム入社。2008年11月同社入社。2024年12月同社取締役就任より現職。 |
| 児玉 英司 | 取締役 | 2007年4月株式会社SBI証券入社。2020年1月株式会社ボールキャピタル設立代表取締役就任。2024年12月同社取締役就任より現職。 |
ピアズは監査役会設置会社です。取締役会は業務執行の決定と取締役の職務執行を監督する権限を有しています。監査役会は、取締役の職務執行を監査し、経営監視機能の客観性及び中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬について、会社の経営成績や個人の貢献度、期待される役割を考慮した報酬体系を基本方針としています。金銭報酬は月例の固定報酬とし、非金銭報酬として中長期的な企業価値向上を目的としたストックオプションを付与しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 56百万円 | 18.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | - | 0百万円 | - |
| 社外役員 | 6名 | 14百万円 | 2.4百万円 |
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