【平均年収649万円】アンビスホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収649万円】アンビスホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

アンビスホールディングスは、アンビス、明日の医療などを傘下に持つ持株会社です。医療依存度の高い方向け有料老人ホーム「医心館」の運営を主軸にホスピス事業を展開し、総合医療支援事業にも参入しています。グループ連結従業員数は5,135名で、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社アンビスホールディングス の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アンビスホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は142名、グループ連結従業員数は5,135名です。

同社グループは、連結子会社3社で構成される持株会社です。医療依存度が高い方々を対象とした有料老人ホーム「医心館」の運営を主軸に、訪問看護や訪問介護などのサービスを一体的に提供するホスピス事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、アンビス、明日の医療、ミドリなどです。

同社グループは、2025年2月に株式会社ミドリを買収し完全子会社化しました。また、医心館事業で培ったノウハウを活かし、総合医療支援事業にも本格的に参入しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アンビスホールディングスは持株会社であり、医心館事業を主軸とする同社グループは、医療・介護分野で事業を展開しています。人材を最大の資産と捉え、多様なバックグラウンドを持つ従業員が生き生きと働ける環境づくりに注力していることが特徴です。個々の能力を最大限に引き出し、働きがいのある職場を目指す方針が示されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若年層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長機会を求める方が活躍しやすい環境であると考えられます。事業拡大に伴う採用数の増加も、このような傾向に影響している可能性があります。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 6,493,000円
平均勤続年数 2.2年
平均年齢 37.2歳
単体従業員数 142人
連結従業員数 5,135人
単体のグループ内比率 2.8%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。この制度は国内の同社及び連結子会社を対象としています。退職一時金制度も設けられていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は65百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材を最大の資産と位置付け、国際基準にのっとった人権への配慮を経営の基盤としています。多様なバックグラウンドを持つ個々人を尊重し、すべての従業員が働きやすく、働きがいのある、多様性に富んだ職場を整備することを目指しています。

具体的な取り組みとして、ケアの質を維持・向上するための研修や勉強会、担当業務や職階に応じた各種教育研修を実施しています。また、必要な資格取得に向けた受講料や受験料の補助も行い、従業員の能力向上を支援しています。

入職者に対しては、オリエンテーションやOJT、事業所研修を通じてスムーズな立ち上がりをサポートしています。看護管理者向けには、管理者教育プログラムや多職種教育研修、管理者ミーティング、電話・Webによるフォロー体制を整備し、専門性の高い人材の育成にも力を入れています。

働きやすい環境づくりの一環として、リモートワーク制やフレックスタイム制を活用したワークライフバランスの確保、従業員の声を聞くためのアンケートや面談といったフォロー体制の整備も進められています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社アンビス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 77.3%
男性労働者の育児休業取得率 15.1%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 100.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規労働者) 102.7%
労働者の男女の賃金の差異(非正規労働者) 117.6%

人的資本・多様性


同社グループは、2030年までに経営会議での女性比率50%を目標としています。

指標 数値
経営会議での女性比率目標 50.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アンビスホールディングスは、医療依存度の高い方々を対象としたホスピス事業を主軸に、地域医療の課題解決に取り組む企業です。持株会社としてグループ全体の戦略を統括し、連結子会社が具体的な事業運営を担っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、持株会社であるアンビスホールディングスと3つの連結子会社で構成されています。中核事業は、連結子会社であるアンビスが運営する有料老人ホーム「医心館」を中心としたホスピス事業です。医心館事業では、がん末期状態の方や人工呼吸器を装着されている方など、医療依存度が高い方を積極的に受け入れ、終末期における充実した看護ケアを提供しています。

具体的には、医心館事業所内において訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、障害者を対象とした居宅介護といった各種サービスを提供しています。同社グループは、医心館の開設戦略の企画から協力医療機関の獲得、顧客営業先の開拓、集客・サービス提供状況の分析、適正運営の確保、診療・介護報酬請求、債権管理、物品調達までを一貫してサポートするビジネスモデルを構築しています。

医心館事業の収益は、主に社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会等の審査支払機関から得る医療保険報酬と介護保険報酬、そして入居者から収受する家賃、管理費、食費等の保険適用外売上による三階建構造で構成されています。特に医療保険報酬と介護保険報酬が収益の大部分を占めています。医心館は全国に展開しており、2025年9月末日現在で130事業所を運営しています。

同社グループの事業は医心館事業の単一セグメントであり、海外での売上高はありません。主要な顧客としては、神奈川県国民健康保険団体連合会、東京都国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金が挙げられます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。しかし、直近の連結会計年度においては、売上高は増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少となりました。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 153億円 231億円 320億円 425億円 492億円
経常利益 37.8億円 60.6億円 85.4億円 106億円 63.4億円
経常利益率 24.6% 26.3% 26.7% 24.8% 12.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 26.3億円 42.8億円 63.1億円 74.4億円 36.6億円
1株当たり当期純利益(円) 28.08 44.03 64.44 75.86 37.52

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、事業規模の拡大に伴う従業員数の増加と、直近の利益水準の変化が影響していると考えられます。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 10.5百万円 9.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.6百万円 1.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を稼ぎ出しつつ、将来に向けた成長投資を積極的に行っている段階にあることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した状態を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から低下したものの、プライム市場平均を上回る水準を維持しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保していることがうかがえます。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 332億円 361億円
自己資本比率 46.3% 43.0%
ROE(自己資本利益率) 24.9% 10.6%
現金及び預金 88.7億円 108億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の営業活動で資金を稼ぎ出している状況です。当期は前期に比べて営業活動による資金の獲得は減少しています。これは主に法人税等の支払いや売上債権の増加があった一方で、税金等調整前当期純利益や減価償却費が資金増加に寄与したためです。

投資活動では、新規事業所の開設に伴う有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入により、継続して資金を支出しています。当期は前期に比べて投資活動による支出は減少しました。これは事業拡大のための積極的な投資が続いていることを示しています。

財務活動では、新規事業所開設に伴う長期借入れや短期借入金の純増により資金を調達しており、当期は前期よりも資金獲得が増加しています。営業活動で得た資金を上回る投資活動を行っているため、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、同社グループが成長フェーズにあり、事業拡大のための投資を積極的に行っている状況を反映していると言えます。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 74.8億円 60.3億円
投資CF △168.3億円 △104.3億円
財務CF 60.8億円 63.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △93.4億円 △44.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業は、医療保険制度や介護保険制度の法的規制を受けており、売上高の約9割を保険収入に依存する収益構造となっています。これらの制度改定や報酬の再設定が経営に不利な内容となった場合、業績や財政状況に影響を与える可能性があります。

また、事業所単位で各種指定等を受ける必要があり、許認可が取り消された場合には、その事業所の介護報酬等が請求できなくなるほか、新規事業所の開設禁止や既存事業所の更新拒否により、事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、事業規模の拡大と安定的な運営のために、適切な人材の確保、育成、管理が重要であると認識しています。医療・介護業界における慢性的な人材不足と求人競争の激化は、事業の根幹に関わるリスクとして挙げられています。万が一、必要な人材を確保できない場合には、既存事業所のサービス提供規模縮小や新規事業所の開設遅延が生じ、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アンビスホールディングスは、医療やヘルスケア分野において、仕組みのイノベーションを通じて社会課題の解決と利益創出を目指す企業です。人々の暮らしに医療を還し、地域医療のプラットフォームとなることを志向しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの社名「アンビス」は、Ambitious Vision(大志ある未来像)の造語です。医療やヘルスケアの進歩に貢献し、その恩恵を多くの人々が享受できる社会の実現を目指しています。

「世界で最もエキサイティングな医療・ヘルスケアカンパニーへ」をビジョンに掲げ、医心館事業に続く新たな事業を創生し、100年続くカンパニーを目指しています。目下の事業ミッションは「医療過疎地の医療課題をビジネスの力で解決すること」であり、今後は総合医療カンパニーへの変貌を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、サイエンスやテクノロジーではなく、仕組みをイノベーションすることで社会課題を解決し、利益をあげることを実現するという考え方を大切にしています。サステナビリティ経営を推進し、企業活動と社会貢献の両立を目指しています。

特に「ひとりひとりが生き生きと働ける職場の実現」をマテリアリティ(重要課題)の一つとしています。多様なバックグラウンドを持つ個々人を尊重し、障がいのある人の直接雇用や経営会議での女性比率目標設定を通じて、平等な機会を提供しています。また、リモートワーク制やフレックスタイム制の活用、従業員の声を聞くフォロー体制、資格取得補助など、働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、医療過疎地をはじめとした地域の医療を強化再生するプラットフォーマーとして、安定的かつ持続的な成長を目指しています。このために、既存の医心館事業を一層深耕し、業務効率の改善、人材の採用や教育に注力する方針です。

対処すべき課題として、サステナビリティ経営の推進を掲げ、社会への継続的な貢献と企業価値向上の両立を目指しています。また、医心館事業の持続的成長と運営基盤の強化においては、運営品質や人材育成、地域医療機関との連携強化といった質的成長を重視しています。さらに、医心館事業で培ったノウハウと人材を活かし、医療支援事業にも積極的に取り組むことで、事業ポートフォリオの基本方針と見直しを進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社アンビスホールディングスは、監査役会設置会社として企業統治体制を構築しています。迅速な意思決定と柔軟な業務執行を可能にするため、経営会議や指名報酬委員会といった任意の機関も設置されています。また、経営体制とガバナンス強化を目的として、社外取締役を招聘し、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を確保しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


株式会社IDEA Capitalは、同社代表取締役柴原慶一氏の資産管理会社であり、筆頭株主となっています。同社代表取締役の柴原慶一氏も大株主として名を連ねており、創業家が関連会社を通じて上位株主を占める資本構成です。これにより、特定の株主グループが同社グループの経営に強い影響力を持つ体制となっています。

株主名 持株比率
IDEA Capital 52.97%
柴原 慶一 8.74%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.52%
BNP PARIBAS SINGAPORE /2S/JASDEC/MAYBANK CLT ASET 30E-0B 1.88%
東京短資 1.20%


なお、Capital Research and Management Companyは2024年2月29日現在で4,563,851株(4.65%)を、Polar Capital LLPは2025年2月6日現在で3,951,403株(4.03%)を所有している旨が報告されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役CEOは柴原慶一氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
柴原 慶一 代表取締役 CEO 2013年8月社会福祉法人感謝の心設立理事長、2013年9月医療法人福慈会継承理事長、2013年9月同社設立代表取締役、2016年10月同社設立代表取締役CEOより現職。
税田 紘輔 取締役 2013年4月NTT東日本関東病院入職、2015年4月東京大学医学部附属病院入職、2016年4月新東京病院入職、2017年4月国立がん研究センター中央病院入職、2019年4月東京大学医学部附属病院入職、2023年6月同社医療部第一部長、2025年12月同社取締役より現職。
山口 真吾 取締役 2005年1月弁護士法人ITJ法律事務所入所、2006年12月CSK証券サービス入社、2013年12月ゼネラル入社、2018年4月同社入社事業支援部部長、2019年12月同社取締役管理本部本部長より現職。


社外取締役は、牛込伸隆氏(東京窯業代表取締役社長)、山田剛史氏(Link-U Technologies取締役CTO)、本多則惠氏(元厚生労働省大臣官房審議官)、西山正徳氏(国際医療戦略研究所代表取締役)です。

同社は、会社法上の機関設計として監査役会設置会社を採用しています。社外取締役及び社外監査役を選任することで、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう設計されています。固定報酬としての基本報酬に加え、業績向上へのインセンティブを高めるため、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬により構成されています。監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑み、基本報酬のみが支払われる方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 60百万円 30.0百万円
社外取締役 3名 28百万円 9.3百万円
社外監査役 4名 16百万円 4.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。