【平均年収645万円】クリングルファーマ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収645万円】クリングルファーマ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

クリングルファーマは、難治性疾患の治療薬研究開発を目指す大学発バイオベンチャーです。少数精鋭の体制で、医薬品製造販売承認取得を目指し開発を進めています。直近の業績は減収となり、研究開発費の増加により損失が拡大しています。


目次

※本記事は、クリングルファーマ株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


クリングルファーマは、難治性疾患の治療薬研究開発を目指す大学発バイオベンチャーです。HGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を主軸に、自社での医薬品製造販売承認取得を目指し、開発を進めています。

同社の単体従業員数は17名です。事業セグメントは医薬品開発事業の単一セグメントとなっています。

クリングルファーマは、医薬品製造販売承認申請を自社で行うことを基本方針としています。原薬および製剤の製造は外部の製造受託機関に委託し、販売は医薬品卸売販売業者との提携によりサプライチェーンを構築しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


クリングルファーマは、医薬品の研究開発を本業とする企業です。少数精鋭の体制で、専門性の高い業務に集中できる環境がうかがえます。従業員の働き方や給与水準について、具体的なデータからその特徴を見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が比較的高めである一方で、平均勤続年数は短めとなっています。これは、経験豊富な人材が中途で多く入社している可能性や、特定のプロジェクトやフェーズに合わせた人材構成となっている可能性を示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 6,446,000円
平均勤続年数 2.1年
平均年齢 49.9歳
単体従業員数 17人
連結従業員数 -
単体のグループ内比率 -


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


クリングルファーマは、「難治性疾患治療薬の研究開発を通じた社会貢献」を企業理念とし、本業である医薬品の研究開発を通じて社会課題解決を目指しています。同社は、人材の増強と組織の強化を重要な経営課題と位置づけ、人材を持続的な成長の基盤と捉えています。

人材育成および社内環境整備の基本方針として、「組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を通じた創薬イノベーションの実現に向けた従業員の成長支援と、強固で長期的なパートナーシップ構築」を掲げています。従業員の「ポテンシャルの最大発揮」と「ポテンシャルの伸長」を重視した取り組みを進めています。

具体的には、働き方改革としてフルフレックスタイム勤務制度やリモートワーク体制を導入し、柔軟な働き方を推進しています。また、ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョンの推進や、ストックオプション制度の導入によるウェルビーイングの向上にも注力しています。従業員の成長支援としては、社内外の機会を捉えた社員教育を実施し、専門性の向上を支援する方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性のパート・有期労働者は在籍しておりません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 25.0%
男性労働者の育児休業等取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 91.5%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 93.9%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


クリングルファーマは、難治性疾患に対する治療薬の研究開発を目指す大学発のバイオベンチャーです。HGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を基盤とした医薬品開発を推進しており、自社での医薬品製造販売承認申請を基本方針としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、症例数が少なく、原因不明で、治療法が確立されていない難治性疾患の治療薬開発に特化しています。医薬品開発事業の単一セグメントで事業を展開しており、基礎研究から非臨床試験、臨床試験、承認申請、販売、そして適応拡大までの一連のプロセスを推進しています。

開発においては、大学との共同研究を通じて専門的な知見を活用し、成功確率を高めるよう基礎研究を進めています。非臨床試験や製造は、開発業務受託機関や製造受託機関の専門技術を活用し、公的資金も活用することで経済的リスクを低減しています。臨床試験では、難治性疾患の専門的な知見を集積し、小規模で成功確度の高い評価項目を策定して実施しています。

販売については、難治性疾患の治療が高度医療機関で行われるため、大規模な流通販売網は不要であり、医薬品卸売販売業者との提携によりサプライチェーンを構築しています。これにより、販売コストを削減し、高い売上総利益率を継続的に得ることを目指しています。脊髄損傷急性期を対象とした製品のサプライチェーンは、丸石製薬と東邦ホールディングスとの提携により構築されています。

同社の収益は、主にクラリス・バイオセラピューティクス社からのLicense and Supply Agreementに基づく技術アクセスフィー収入によって得られています。当事業年度の販売実績はすべて同社に対するものであり、地域別では米国からの収益が大部分を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高が前期から減少傾向にあり、営業損失、経常損失、当期純損失がいずれも前期から拡大しています。これは、難治性疾患治療薬の研究開発に経営資源を集中しているため、研究開発費が増加していることが主な要因です。医薬品開発事業は、製品化に至るまでの先行投資が大きく、開発段階では損失を計上する傾向があります。


■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社は医薬品開発事業の単一セグメントであり、従業員数は17人です。平均年齢は49.9歳、平均勤続年数は2.1年となっています。平均年間給与は6,446千円です。

従業員1人あたりの売上高や当期純利益に関する具体的な数値は開示されていません。同社は現在、複数のパイプラインの開発を進めており、特に脊髄損傷急性期の開発に優先的に資金を充当しています。事業の黒字化を早期に達成するため、主要なパイプラインの開発進捗に注力する方針です。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、医薬品開発を先行投資するビジネスモデルのため、継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっています。資金繰りの余裕度が低下している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤を見ると、純資産は前期から減少しており、自己資本比率も低下しています。手元資金である現金及び現金同等物も前期から減少している状況です。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 21.1億円 13.1億円
自己資本比率 76.5% 63.0%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び現金同等物 18.2億円 9.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが前期に引き続き支出となっています。これは主に税引前当期純損失の計上や前渡金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローも定期預金の預入による支出があり、支出が継続しています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行により収入となっていますが、前期と比較すると大幅に減少しています。事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは、前期に引き続きマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。この資金の流れは、同社が研究開発型の創薬バイオベンチャー企業として、事業の黒字化を目指し、研究開発に資金を投じている段階であることを示しています。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF △6.6億円 △7.6億円
投資CF △1.2億円 △1.5億円
財務CF 8.4億円 0.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △7.8億円 △9.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社は、継続的な営業損失の発生及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスを計上していることに加え、主要パイプラインの承認申請時期が延期となった影響等により、資金繰りの余裕度が低下している状況です。この状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、医薬品開発において開発中パイプラインの不確実性や開発の遅延、将来収益の不確実性といったリスクを抱えています。また、当事業年度の販売実績はクラリス・バイオセラピューティクス社への技術アクセスフィー収入のみであり、特定顧客への依存が見られます。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、取締役7名、監査役3名、従業員17名という小規模な組織体制で事業を運営しています。今後の事業展開を見据えた人員拡充を計画していますが、計画どおりの人材採用が行われない場合、研究開発活動の遅延や内部管理体制の構築に支障が生じる可能性があります。また、代表取締役社長や特定の従業員への依存度が高いこともリスクとして認識されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


クリングルファーマは、難治性疾患治療薬の研究開発を通じて社会貢献を目指すバイオベンチャーです。ここでは、同社がどのような価値観を持ち、どのような企業風土を大切にしているかをご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は、「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し社会に貢献すること」を企業理念としています。組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考えています。

希少疾患を主な対象疾患とし、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社開発により自社で医薬品製造販売承認を取得することを基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、企業理念に基づき、本業である医薬品の研究開発を通じて社会課題を解決し、産業や社会の発展に貢献することを目指しています。人材の増強と組織の強化を重要な経営課題と捉え、人材が持続的な成長を支える基盤であるとの認識のもと、人的資本の拡充に積極的に取り組んでいます。

人材育成および社内環境整備に関する基本方針として、「組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を通じた創薬イノベーションの実現に向けて従業員の成長を支援し、従業員との間に強固で長期にわたるパートナーシップを構築すること」を掲げています。具体的には、従業員の「ポテンシャルの最大発揮」に向けた取り組みとして、フルフレックスタイム勤務制度の導入、リモートワーク体制の構築、ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョンの推進、ストックオプション制度の導入を進めています。また、「ポテンシャルの伸長」に向けた取り組みとして、社内外の機会をとらえた社員教育による成長支援を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は創薬バイオベンチャーとして、難治性疾患を対象とした組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を行い、医薬品として実用化すべく事業を推進しています。医薬品としての事業化には多額の資金と長い時間を要する特性があるため、継続的な営業損失を計上している状況です。

このような事業環境下で、同社は以下の点を対処すべき課題として取り組んでいます。進行パイプラインの開発促進、新たなパイプラインの開発、原薬の量産・供給体制の確立、そして財務体質の強化です。特に、グローバルでの必要量増大に対応し、全世界での安定供給を目指すための原薬量産体制の強化は重要なテーマとなっています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は、企業価値・株主価値の最大化と経営の透明性・公正性向上を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。2018年12月21日より監査役会設置会社に移行し、業務執行と監査機能の分断により牽制機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は日本全薬工業であり、事業会社が上位株主として名を連ねています。日本全薬工業は同社の主要な取引先でもあり、同社の経営に株主としての意見を反映させる役割も担っています。

株主名 持株比率
日本全薬工業 7.14%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 510643 3.52%
CYBERDYNE 2.85%
山田 哲夫 2.52%
野村證券 1.74%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は安達喜一氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
安達 喜一 代表取締役社長 Purdue University, IN, U.S.A. Postdoctoral Research Associate、Paradigm Genetics, Inc., NC, U.S.A. Research Scientist、㈱三井物産戦略研究所バイオテクノロジーセンター主任研究員を経て、2004年4月同社入社。2016年12月より現職。
村上 浩一 取締役 経営管理部長 ㈱日本リクルートセンター(現㈱リクルート)入社、㈱フレックス取締役、㈱アドバンスクリエイト取締役常務執行役員などを経て、2021年12月同社入社。取締役経営管理部長より現職。
早田 大真 取締役 医薬開発部長 兼薬事部長 2004年5月同社入社。医薬開発部マネージャー、シニアマネージャー、医薬開発部長を経て、2022年12月同社取締役医薬開発部長に就任。2023年8月より現職。
茅野 善行 取締役 信頼性保証部長 和研薬㈱入社、岡山大鵬薬品㈱を経て、2019年4月同社入社。医薬開発部マネージャー、シニアマネージャー、信頼性保証部長を経て、2023年12月より現職。
友保 昌拓 取締役 雪印乳業㈱(現雪印メグミルク㈱)入社、中外製薬㈱、㈱UFJキャピタル(現三菱UFJキャピタル㈱)を経て、2015年9月㈱友保総合研究所設立代表取締役。2016年12月より同社取締役。


社外取締役は、吉野公一郎氏(カルナバイオサイエンス代表取締役社長)、福井真人氏(ゼノジェンファーマ代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役会による監査を通じて、経営の透明性・公正性を確保しています。社外取締役は客観的な立場から経営に知見を反映させ、社外監査役は独立した立場から職務執行を監査しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、取締役の金銭報酬限度額を年額80百万円以内と定めています。また、2024年12月20日の定時株主総会決議により、ストックオプション報酬を廃止し、譲渡制限付株式付与のための報酬として年額100百万円以内、発行株式総数年100,000株以内と定めています。監査役の報酬限度額は年額20百万円以内です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 83百万円 16.5百万円
社外役員 6名 20百万円 3.3百万円


なお、非金銭報酬等として取締役に対して、ストックオプション付与及び譲渡制限付株式報酬を支給しています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。