※本記事は、BCC株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
BCCは、IT営業アウトソーシング事業、ヘルスケアビジネス事業、その他の事業を展開しています。大手IT企業への営業支援や中小企業へのITソリューション提供、高齢者向け介護レクリエーションの普及、ヘルスケア関連施設の運営受託などを手掛けています。
同社の単体従業員数は242名です。セグメントはIT営業アウトソーシング事業、ヘルスケアビジネス事業、その他の3つです。
BCCは、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会、グッドデジタル株式会社の非連結子会社2社とともに、IT営業アウトソーシング事業、ヘルスケアビジネス事業、その他の事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
BCCはIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業を展開しており、人材を重要な経営資源と位置付けています。従業員の「働きがい」「働きやすさ」「成長の喜び」の向上を目指し、人事制度や人材育成の仕組みを構築しています。特に女性従業員の比率が7割を超えているため、女性の活躍を重視した環境整備にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
BCCは平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活気のある組織であることがうかがえます。中途採用を積極的に行い、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,537,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.1年 |
| 平均年齢 | 31.1歳 |
| 単体従業員数 | 242人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
BCCは「ヒトが活きるBusiness Creative」をコーポレートメッセージに掲げ、人材を重要な経営資源と位置付けています。従業員の「働きがい」「働きやすさ」「成長の喜び」の向上を目指し、人事制度や人材育成の仕組みを構築しています。
具体的には、スキルアップ・キャリア形成支援、マネジメント人材の育成、教育部門の強化といった施策を推進しています。また、福利厚生の整備・拡充や対面コミュニケーションの活性・強化を通じて、働きやすい環境づくりにも注力しています。成長度合いを測り、喜びを感じられる人事評価制度・給与体系の改定も進めています。
女性従業員の比率が7割を超えているため、女性の活躍が持続的な成長を支える上で重要であると認識しています。管理職への登用やライフステージに合わせた勤務体制の整備を進め、多様性確保に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、IT営業アウトソーシング事業の契約社員とヘルスケアビジネス事業のアルバイト社員の賃金体系が異なるためと説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 28.6% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 74.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 64.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
BCCは、IT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業を主軸に、その他の事業も展開しています。同社グループは、大手IT企業とのネットワークと、高齢者向け介護レクリエーションのプラットフォームを強みとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、IT業界とヘルスケア分野という異なる領域で事業を展開し、収益を上げています。IT営業アウトソーシング事業では、大手IT企業の営業支援や中小企業向けのソリューション提供を通じて、安定的な収益源を確保しています。一方、ヘルスケアビジネス事業では、高齢者向けサービスの提供やヘルスケア分野への企業支援を通じて、社会課題の解決にも貢献しています。また、特定の顧客への売上集中が見られます。海外での売上高は開示されていません。
IT営業アウトソーシング事業
当事業は、大手IT企業への営業アウトソーシングサービスと、中小企業向けのソリューション提供で構成されています。大手IT企業の営業部門を強化・補完するため、営業人材の派遣や業務請負を行っています。収益は、営業支援サービスやIT機器の販売、通信ネットワークの提供から得ています。運営は、同社が行っています。
ヘルスケアビジネス事業
当事業は、ヘルスケア関連施設の運営受託や、ヘルスケア分野への新規参入・事業拡大を目指す企業への支援、介護レクリエーションの普及活動を行っています。高齢者向けの介護レクリエーション素材を提供するWebサイト「介護レク広場」の運営や、「レクリエーション介護士」の資格制度運営も手掛けています。収益は、施設運営受託料、市場調査・プロモーション支援料、講座手数料や研修費から得ています。運営は、同社及び一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が行っています。
その他の事業
当事業は、中小事業者や起業家の育成支援、クラウドサービス「bizcre」を活用した企業の経営支援、そしてIT営業職へのキャリア形成支援やリスキリング、転職支援サービス「Merry Mew」の提供によるリスキリング事業で構成されています。収益は、育成支援サービスやクラウドサービスの利用料、キャリア支援サービスから得ています。運営は、同社及びグッドデジタルが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| IT営業アウトソーシング事業 | 12.3億円 | 12.9億円 |
| ヘルスケアビジネス事業 | 1.6億円 | 1.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は増加傾向にあります。しかし、利益面では営業損失、経常損失、当期純損失を計上しており、前期から損失が拡大しました。営業活動によるキャッシュ・フローは減少しており、投資活動によるキャッシュ・フローも減少しています。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入れにより増加しました。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、BCCの現在地を見ていきます。同社は本業での資金創出に課題を抱えつつも、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
BCCの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤を示しています。手元資金である現金及び預金等も増加傾向にあり、不況時の耐性も一定程度確保されている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6.4億円 | 5.7億円 |
| 自己資本比率 | 70.6% | 55.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 5.8億円 | 6.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
BCCのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に△94百万円の減少となりました。これは主に税引前当期純損失の計上や売上債権の増加などが影響しています。投資活動によるキャッシュフローも△56百万円の減少となっており、投資有価証券の取得や事業譲受、有形・無形固定資産の取得など、将来に向けた投資が行われている状況です。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△150百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入が主な要因となり、172百万円の増加を示しています。これは、事業運営や投資に必要な資金を借入れによって調達している状況を反映しています。
全体として、BCCは本業での資金創出が課題となっており、積極的な投資を借入れで賄っている状況です。この資金の流れは、今後の事業成長に向けた投資フェーズにあることを示しており、入社後の成長機会に繋がる可能性がありますが、同時に財務状況の推移を注視する必要があることを示しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △36百万円 | △94百万円 |
| 投資CF | △27百万円 | △56百万円 |
| 財務CF | △2百万円 | 172百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △64百万円 | △150百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
BCCの主要事業であるIT営業アウトソーシング事業は大手IT企業向け、ヘルスケアビジネス事業は介護施設向けにサービスを提供しています。顧客企業の経営環境の変化に伴う投資ニーズの変動が、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、人材派遣サービス産業における企業間競争の激化や、IT営業派遣市場への他企業の参入により、同社のサービスが市場に受け入れられない場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
BCCは事業拡大のため、継続して優秀な人材の確保・育成が必要であると認識しています。必要な人材の獲得が適時にできない場合や、人材が大量に社外流出してしまった場合、あるいは人材育成が計画どおりに進捗しない場合には、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
BCCは、IT営業アウトソーシングとヘルスケアビジネスを両軸に、社会の変革に貢献することを目指しています。企業理念である「創造・誠実・躍進」を掲げ、持続的な成長と社会貢献を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
BCCは「創造・誠実・躍進」を企業理念として掲げています。同社はIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の拡大を通じて、ヘルスケアDXによる新たな製品・サービスを創出することを目指しています。個人の健康状態に合わせた予防や治療を行い、健康寿命が延伸できる社会の実現に取り組む方針です。また、IT業界におけるリーディングカンパニーとして顧客基盤の確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
BCCは企業理念「創造・誠実・躍進」のもと、「ヒトが活きるBusiness Creative」をコーポレートメッセージとして掲げています。同社は既存事業の成長と新たなビジネスの創造を重視しており、人材を重要な経営資源と位置付けています。従業員の「働きがい」「働きやすさ」「成長の喜び」の向上を目指し、人事制度や人材育成の仕組みを構築しています。
特に女性従業員の活躍を重視しており、管理職への登用やライフステージに合わせた勤務体制の整備を進めています。年齢、性別、国籍を問わず、意欲と能力のある従業員が平等に管理職登用機会を得られるような人事制度の整備を進める方針です。強い組織の構築と事業規模の拡大により、強固な経営基盤の確立を目指すカルチャーがあります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
BCCは、持続的な成長のために継続的な事業投資を重要な課題としています。IT営業アウトソーシング事業においては、人材育成強化と組織力の向上が課題です。具体的には、人材の確保と育成の強化、教育部門の組織力向上を通じて、IT営業人材を増加させ、組織の拡大と向上を図っています。
また、従業員のエンゲージメントを高め、生産性の向上や職場を活性化するためのリテンション施策の実行も重点テーマです。採用活動、教育、キャリア形成を包括した人事戦略に基づき、離職率の低下を目指しています。経営基盤の安定化と経営効率を高めるため、人材育成を中心とした組織体制の強化も推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担っています。社外役員を積極的に登用し、客観的な視点を取り入れたガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
BCCの株主構成を見ると、代表取締役社長である伊藤一彦氏が筆頭株主であり、同氏を含む創業家関係者や同社の役員が上位に名を連ねています。また、BCC社員持株会も大株主の一つとなっています。これにより、経営陣や従業員が同社の株式を保有し、経営に深く関与している資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊藤一彦 | 24.30% |
| 日本証券金融 | 6.50% |
| 山上 豊 | 5.89% |
| プラス | 5.39% |
| BCC社員持株会 | 5.06% |
(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は伊藤一彦氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 伊藤 一彦 | 代表取締役社長 | 2002年3月営業創造株式会社設立、同代表取締役社長、2014年1月同社設立、同代表取締役社長、2016年9月同社代表取締役社長より現職。 |
| 岡林 靖朗 | 取締役副社長 管理本部長 | 2006年4月営業創造株式会社入社、同管理本部長、2014年1月同社取締役、同管理本部長、2022年12月同社取締役副社長より現職。 |
| 安原 弘之 | 専務取締役 事業統括本部長兼コーポレート推進本部長 | 2005年2月営業創造株式会社入社、2014年1月同社取締役、2019年10月同社専務取締役、2024年10月同社コーポレート推進本部長より現職。 |
| 小出 契太 | 取締役 コーポレート推進本部長代理 | 2007年11月営業創造株式会社入社、2016年9月同社執行役員、2021年12月同社取締役、2024年10月同社コーポレート推進本部長代理より現職。 |
社外取締役は、江越博昭氏(元経済産業省局長)、松嶋依子氏(弁護士・愛眼監査役)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、社外取締役2名と社外監査役2名を選任することで、客観的かつ中立的な視点を取り入れた企業統治体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対しては固定報酬である基本報酬と、中長期的な企業価値向上を目的とした譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は固定報酬のみです。監査役の報酬は、常勤・非常勤の別や業務分担を考慮し、監査役会で決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 53百万円 | 13.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 9.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員はいないため、個人別の開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。