コラントッテ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

コラントッテ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース市場に上場する同社は、家庭用磁気治療器「Colantotte」等の開発・販売を主力事業としています。第28期は、EC部門や直営店が好調に推移したほか、インバウンド需要も取り込み、売上高は前期比16.4%増、当期純利益は29.7%増となり、過去最高益を更新しました。


※本記事は、株式会社コラントッテ の有価証券報告書(第28期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. コラントッテってどんな会社?


家庭用磁気治療器「Colantotte」ブランドを中心に、健康関連製品の製造・販売を行う医療機器メーカーです。

(1) 会社概要


同社は1997年にアーク・クエストとして設立され、1999年に磁気健康ギア「Colantotte」の販売を開始しました。2015年に現社名へ商号変更し、ブランドと社名を統一しています。2017年には緊急時連絡サービス「CSS」を開始しました。2021年に東京証券取引所マザーズへ上場し、2022年の市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行しています。

2025年9月30日時点の従業員数は単体で104名です。筆頭株主は代表取締役社長の資産管理会社であるアーク・クエストで39.67%を保有し、第2位は代表取締役社長の小松克已氏で17.59%を保有しており、創業家が過半数の株式を保有しています。

氏名 持株比率
アーク・クエスト 39.59%
小松克已 17.59%
特定有価証券信託受託者SMBC信託銀行 8.79%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性2名の計9名で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は小松克已氏が務めています。取締役9名のうち4名が社外取締役であり、社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
小松克已 代表取締役社長 1975年近畿建設入社。1997年アーク・クエスト(現同社)設立、代表取締役就任。2004年より現職。
小松由美子 専務取締役マーケティング統括本部管掌 1997年アーク・クエスト(現同社)設立、代表取締役就任。2005年取締役事業本部長、2022年専務取締役を経て2024年4月より現職。
森田仁 取締役生産統括本部長 1984年ワールド入社、同社米国法人社長等を歴任。2010年同社入社、営業統括本部長。2015年取締役就任、2024年12月より現職。
井阪義昭 取締役最高財務責任者 1983年PALTAC入社。千趣会執行役員、ワタベウェディング取締役等を歴任。2019年同社入社、管理統括本部副本部長。2024年10月より現職。
六藤広平 取締役(常勤監査等委員) 1985年ワールド入社。2012年同社入社、開発・製造部長。2021年取締役就任、生産統括本部長を経て2024年12月より現職。


社外取締役は、清水俊順(弁護士)、柳堀泰志(公認会計士・税理士)、礒川祐二(公認会計士・税理士)、藤岡亜紀(司法書士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「コラントッテ事業」および「CSS事業」を展開しています。

コラントッテ事業


家庭用磁気治療器「Colantotte」ブランドを中心に、ネックレス、ウェア、サポーター等を一般消費者向けに提供しています。独自技術「N極S極交互配列」により磁力を広範囲に影響させ、血行改善・こりの緩和を促す点が特徴です。販売チャネルは国内卸売、海外卸売、ECサイト、直営店舗に分類されます。

収益は、製品販売による代金として、販売代理店、小売店、一般消費者から受け取ります。卸売はスポーツ用品店や家電量販店等への販売、EC部門は自社サイトやモールでの直販、リテール部門は直営店での対面販売を行います。運営は主に同社が行い、製造は外部委託しています。

CSS事業


緊急時連絡サービス「CSS(コラントッテ・セーフティ・システム)」を提供しています。会員が緊急時に家族等へ連絡できない状況でも、登録された情報を基に管理センターが迅速に連絡を行うサービスです。独居高齢者や認知症患者などの生活不安解消を目的としています。

収益は、会員からの会費やサービス提供先からの利用料等から構成される継続課金モデルです。事業規模拡大に向け、明治安田生命保険相互会社の保険加入者へのサービス提供なども開始しています。運営は同社が行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は毎期増加を続けており、着実な成長傾向にあります。利益面においても、経常利益、当期純利益ともに増加基調を維持しており、利益率も高い水準で推移しています。特に直近の第28期では売上高、利益ともに過去最高を更新しました。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 38億円 47億円 54億円 59億円 69億円
経常利益 6.3億円 10億円 10億円 15億円 18億円
利益率(%) 16.8% 20.5% 19.0% 25.2% 26.4%
当期純利益 4.2億円 6.1億円 6.5億円 10億円 13億円

(2) 損益計算書


売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益も順調に拡大しています。売上総利益率は高い水準を維持しており、営業利益率も前期より向上しています。販管費は増加しているものの、売上高の伸びがそれを上回り、収益性がさらに高まっています。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 59億円 69億円
売上総利益 40億円 47億円
売上総利益率(%) 66.7% 67.3%
営業利益 15億円 18億円
営業利益率(%) 25.2% 26.2%


販売費及び一般管理費のうち、支払手数料が7.3億円(構成比25.7%)、給料及び手当が4.2億円(同14.6%)を占めています。また、製造原価においては材料費が19億円(構成比76.2%)と大半を占めています。

(3) セグメント収益


※データ欠損のため省略

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業活動によるキャッシュ・フローはプラスで推移しており、本業で稼いだ資金を新規出店やシステム投資などの投資活動に充てています。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払い等によりマイナスとなっており、営業利益で投資と株主還元を賄う健全な財務状態と言えます。

項目 2024年9月期 2025年9月期
営業CF 8.8億円 10億円
投資CF -7.4億円 -3.0億円
財務CF -1.8億円 -2.7億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は28.6%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は76.9%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「本気の笑顔の実現」を経営理念に掲げています。また、「人々に、健やかで幸せな人生を実感できる製品・サービスを提供し、“本気の笑顔”にあふれた社会の実現に貢献していく」というミッションのもと、QOL(生活の質)向上に資する分野を事業領域と捉え、社会的価値と企業価値の最大化に取り組んでいます。

(2) 企業文化


同社は「今日も、笑顔のそばにいる。」をスローガンとして掲げています。また、企業倫理行動憲章を制定し、「同社を支えてくださる人々に感謝をし、正しい行動を心掛けます」といった行動規範のもと、法令遵守の徹底と健全で透明性の高い経営を目指す文化を持っています。

(3) 経営計画・目標


同社は、継続的な事業拡大及び持続的な利益成長の観点から、以下の指標を重要な経営指標として設定し、企業価値向上に努めています。

* 売上高成長率
* 売上高営業利益率
* EC売上高構成比

(4) 成長戦略と重点施策


QOL向上に貢献できるブランドとしての認知度向上と、複数の収益源構築を目指しています。特に「Colantotte」ブランドの強化、EC売上比率の向上、女性向け新ブランド「Lierrey」の育成、および緊急時連絡サービス「CSS」の会員獲得に注力しています。また、海外展開を重要なテーマと位置づけ、グローバル化を推進しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、多様な人材が組織の中核を担うことが持続的成長に不可欠と考え、年齢・国籍・性別を問わず優秀な人材を採用し育成する方針です。公平な人事評価や各種研修に加え、ノー残業デーや時差出勤制度の導入など、安全で働きやすい社内環境の整備にも注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 44.1歳 7.1年 6,069,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 11.8%
男性育児休業取得率 75.0%
男女賃金差異(全労働者) -
男女賃金差異(正規雇用) -
男女賃金差異(非正規雇用) -


※労働者の男女の賃金の差異につきましては、女性活躍推進法の公表項目として選択しなかったため、記載を省略しております。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 特定製品への依存について


同社の売上高の約8割はネックレス類が占めており、特に「コラントッテTAO」シリーズへの依存度が高くなっています。新製品開発や製品展開の多角化を進めていますが、競合製品の出現や消費者の嗜好変化により主力製品の売上が減少した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競合について


健康関連市場において競合他社との競争が激化しています。同社は新製品開発やマーケティング活動により差別化を図っていますが、これらの取り組みが成果を上げられない場合や、他社による魅力的な製品の出現により顧客が減少した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 製造委託先について


同社は製造工場を持たないファブレス生産を行っており、製造を外部に委託しています。委託先の分散化を進めていますが、委託先における急な契約変更、品質問題、経営不振、自然災害など予期せぬ事態が発生した場合、製品の安定供給が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 許認可等について


同社が取り扱う家庭用磁気治療器は管理医療機器であり、製造販売にあたって各種許認可や法的規制を受けています。法令遵守を徹底していますが、法改正や規制強化による対応費用の発生、あるいは万が一許認可の取消し等が生じた場合には、事業活動に支障をきたす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。