※本記事は、
株式会社くふうカンパニーホールディングス
(旧会社名 株式会社くふうカンパニー)
の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
くふうカンパニーホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は50名、グループ連結従業員数は549名です。
同社グループは、主に毎日の暮らし事業、ライフイベント事業、投資・インキュベーション事業を展開しています。連結子会社16社及び持分法非適用関連会社1社で構成されています。
主な国内グループ会社は、くふうカンパニー(毎日の暮らし事業)、くふう住まいコンサルティング(ライフイベント事業)などです。
くふうカンパニーホールディングスは、2024年12月31日付で商号を「くふうカンパニーホールディングス」に変更しました。また、毎日の暮らし事業を構成するロコガイドとくふうAIスタジオを統合し、「くふうカンパニー」としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、ユーザーファーストの視点を持ち、社会の課題解決に貢献する企業として、サステナビリティへの取り組みを重視しています。多様な人材の活躍と成長を後押しすることを重要な経営課題と捉え、働きやすい環境づくりと挑戦を促す風土醸成を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代後半であり、比較的若い年齢層で構成されています。平均勤続年数は2年台と短めであり、人材の流動性が高い傾向にあることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,590,596円 |
| 平均勤続年数 | 2.3年 |
| 平均年齢 | 37.2歳 |
| 単体従業員数 | 50人 |
| 連結従業員数 | 549人 |
| 単体のグループ内比率 | 9.1% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「ユーザーファースト」なサービス提供の継続には、多様な考えを持つ人材の活躍と成長が不可欠であると考えています。各従業員が自立と自律を意識し、健康的にやりがいを持って働ける職場環境が、事業の持続的な発展に繋がると認識しています。
そのため、多様な価値観を尊重し、働き方を選択できる制度や環境づくりに取り組んでいます。また、「失敗を恐れず挑戦することで、飛躍的に成長できる組織」の風土醸成にも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員比率 | 55% |
| 女性管理職比率 | 22% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
くふうカンパニーホールディングスは、「毎日の暮らし」と「ライフイベント」の領域において、生活者の利便性や豊かさを追求するサービスを提供しています。情報格差の解消や主体的な意思決定を支援する価値提供を目指し、多岐にわたる事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に毎日の暮らし事業、ライフイベント事業、投資・インキュベーション事業の3つのセグメントで構成されています。これらの事業を通じて、ユーザーの生活に密着したサービスを提供し、収益を上げています。
毎日の暮らし事業
この事業は、主にチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」やオンライン家計簿サービス「Zaim」などの日常生活領域に関するサービスを提供しています。
収益は、有料掲載店舗の開拓や新規業態の開拓に注力することで得ています。運営は、株式会社くふうカンパニーが行っています。当連結会計年度において、売上高は前期から減少しましたが、営業利益は増加しました。
ライフイベント事業
この事業は、住まいFC事業、住まい相談事業、ウェディング事業など、住まい領域及び結婚領域に関するサービスで構成されています。
収益は、リノベーションや規格住宅等の商材の多様化、相談カウンターの出店強化、カジュアルウェディング領域への注力によって得ています。運営は、株式会社くふう住まいコンサルティング、株式会社アールプラスDM、株式会社くふう住まい、株式会社くふうウェディング、その他子会社3社が行っています。当連結会計年度において、売上高は前期から減少しましたが、営業利益は増加しました。
投資・インキュベーション事業
この事業は、子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」や富裕層向けコンサルティングサービス、地域情報メディア・サービス、スポーツ型アミューズメントパーク施設運営などの事業子会社、および投資事業で構成されています。
収益は、投資先の企業価値向上を通じたキャピタルゲインや、各事業子会社の業績改善によって得ています。運営は、株式会社キッズスター、株式会社Seven Signatures International、株式会社くふうしずおか、株式会社ゴールドエッグス、株式会社くふうキャピタル、その他子会社3社、および同社が行っています。当連結会計年度において、売上高および営業利益は前期から減少しました。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| ライフイベント事業 | 91.5億円 | 85.2億円 |
| 投資・インキュベーション事業 | 36.3億円 | 29.1億円 |
| 毎日の暮らし事業 | 27.6億円 | 26.9億円 |
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。また、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しており、当連結会計年度は前期から減少しました。経常利益は前期からわずかに増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は当連結会計年度に損失を計上しています。この純損失は、主に減損損失といった非現金項目が影響していると説明されています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは当連結会計年度に増加しており、本業でのキャッシュ創出力は維持している傾向が見られます。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 186億円 | 205億円 | 155億円 | 141億円 |
| 経常利益 | - | 14.8億円 | 17.4億円 | 5.0億円 | 5.0億円 |
| 経常利益率 | - | 7.9% | 8.5% | 3.2% | 3.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 4.5億円 | 5.5億円 | 3.1億円 | △23.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 7.80 | 9.56 | 5.15 | △39.26 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期からわずかに減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。これは、当連結会計年度の売上高および営業利益の減少が影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 26.3百万円 | 25.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動と投資活動を通じて資金を創出し、財務基盤の安定化を図っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、前期から大きく変化しています。手元資金である現金及び預金は、前期からわずかに減少している状況です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 122億円 | 96.3億円 |
| 自己資本比率 | 56.8% | 48.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.0% | △25.1% |
| 現金及び預金 | 75.0億円 | 74.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に増加に転じました。これは主に、減損損失やのれん償却額、減価償却費があった一方、税金等調整前当期純損失や営業投資有価証券の増加があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出があり、減少しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済による支出があり、減少しています。結果として、フリーキャッシュ・フローは当期にプラスに転じており、事業活動で得た資金が投資活動の支出を上回る状況となっています。これは、同社グループが本業で資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、資金を確保している状態を示しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2.0億円 | 9.1億円 |
| 投資CF | △5.0億円 | △8.4億円 |
| 財務CF | △11.9億円 | △1.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.9億円 | 0.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を展開するインターネット業界では、ユーザーニーズの変化が非常に早く、機動的な対応が求められます。対応が遅れた場合、ユーザー数の減少により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、各事業領域には複数の競合相手が存在しており、競合他社との差別化が十分に確立できない場合、競争激化によるユーザー流出やコスト増加のリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、安定的な成長のために高い意欲を持った優秀な人材の確保が必要であると考えています。特に高度な技術スキルを有する人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
くふうカンパニーホールディングスは、生活者の「暮らし」と「ライフイベント」を支援するサービスを提供しています。ユーザーファーストを徹底し、社会の課題解決を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は“「くふう」で暮らしにひらめきを”です。毎日の暮らしとライフイベントにおいて、生活者であるユーザーにとっての利便性や豊かさを最優先に考えています。
情報格差の解消や利便性の高いサービスづくりに取り組むとともに、ユーザーの主体的な意思決定や行動に繋がる価値提供を目指しています。社会変化や生活者の行動変容を踏まえた新たな課題に向き合い、AI技術をサービス開発に活用することで、ユーザーの暮らしを豊かにするより良いサービスを提供していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「ユーザーファースト」を徹底したサービスづくりに注力しています。多様な人材の活躍と成長を後押しすることを重視しており、多様な考えを持つ人材が活躍し、成長していくことが重要であると考えています。
各々が自立と自律を常に意識し、健康的な生活を送り、やりがいをもって働ける職場であることを目指しています。多様な価値観を尊重しあい、働き方を選択できる制度や環境づくりに取り組んでいます。
また、「失敗を恐れず挑戦することで、飛躍的に成長できる組織」の風土醸成を図っています。サステナビリティに関する課題への対応を重要な経営課題と認識し、サステナビリティ委員会を設置しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、生活者であるユーザーに対して「毎日の暮らし」から「ライフイベント」までのあらゆるシーンを網羅的に支援していくことを目指しています。個々のユーザーの生活圏や地域社会に最適化した情報やサービスを提供していくことを重要な課題としています。
そのため、グループのブランドの確立、グループ内におけるサービス連携の強化、グループ全体のデータ活用基盤の整備に取り組んでいます。AI技術を有効活用し、グループサービスにおいて蓄積されたデータの解析やデータソリューションの開発等、サービス強化に繋がるデータ活用基盤の整備を進めています。
また、事業パートナー向けサービスの付加価値向上、そして経営者・起業家の積極的な採用及び育成も重点項目としています。優秀な経営者、起業家人材の獲得と育成に取り組み、グループ経営力の強化に注力することで、新たな価値提供と企業価値向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
くふうカンパニーホールディングスは、指名委員会等設置会社として、経営の監督機能と業務執行機能を分離した体制を構築しています。取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
くふうカンパニーホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は個人であり、創業者が上位に名を連ねる特徴があります。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 穐田 誉輝 | 65.10% |
| 閑歳 孝子 | 2.39% |
| OCEAN | 1.24% |
| くふうカンパニーホールディングス従業員持株会 | 0.89% |
| 楽天証券 | 0.69% |
(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表執行役 収益事業、 投資事業管掌は穐田誉輝氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 穐田 誉輝 | 取締役兼代表執行役 | ㈱日本合同ファイナンス入社後、㈱カカクコム代表取締役、クックパッド㈱代表執行役などを歴任。2021年10月より同社取締役兼代表執行役より現職。 |
| 菅間 淳 | 取締役兼執行役 | 山一證券㈱入社後、プライスウォーターハウスコンサルタント㈱、メリルリンチ証券などを経て、クックパッド㈱執行役。2021年10月より同社取締役兼執行役より現職。 |
社外取締役は、熊坂賢次氏(慶應義塾大学環境情報学部名誉教授・取締役会議長・指名委員会議長・報酬委員会議長)、橋岡宏成氏(ヴァスコ・ダ・ガマ法律会計事務所パートナー弁護士・監査委員会議長)、清水千弘氏(一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科教授)、本間浩輔氏(公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル代表理事)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、業務執行と監督機能を分離しています。取締役会は社外取締役が過半数を占め、全員が独立役員として指定されており、経営の透明性と公正性を確保する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
くふうカンパニーホールディングスでは、取締役及び執行役の報酬方針を報酬委員会で決定しています。報酬は月額固定報酬を基本とし、執行役を兼務しない取締役も月額固定報酬が支給されています。業績連動報酬や退職慰労金は設定されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 執行役 | 6名 | 1.5億円 | 25.5百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 24百万円 | 6.0百万円 |
なお、取締役と執行役の兼任者の数及び報酬は、執行役に含めて記載されています。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。