※本記事は、株式会社AViC の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
AViCは、デジタルマーケティング事業を主軸に展開しています。同社グループは、インターネット広告サービスとSEOコンサルティングサービスを提供し、クライアントの多様なマーケティングニーズに応えています。
単体従業員数は72名、連結従業員数は91名です。同社グループの事業セグメントはデジタルマーケティング事業の1つです。
主な国内グループ会社は、FACT、リアレーション.2(SNSマーケティング事業等)、ASYマーケティングなどです。
直近では、株式会社リアレーションを連結子会社化したことにより、グループ全体の従業員数が増加し、事業規模が拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社AViCはデジタルマーケティング事業を展開しており、成長フェーズにある企業です。給与水準や働き方については、事業特性や企業規模に応じた特徴が見られます。従業員の平均年齢や勤続年数からは、若く活気のある組織であることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が比較的若く、勤続年数も短い傾向にあります。これは、成長企業ならではの活発な人材流動性や、新しい人材の積極的な採用を示していると考えられます。若手社員が中心となって事業を推進している組織であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,790,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.83年 |
| 平均年齢 | 29.7歳 |
| 単体従業員数 | 72人 |
| 連結従業員数 | 91人 |
| 単体のグループ内比率 | 79.1% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長と事業価値向上のために、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。多様な優秀な人材の採用、育成、そして働きやすい社内環境の整備に努めています。
具体的には、実務スキルの習得と向上を目指した社内研修制度の充実を図っています。また、従業員の多様な価値観やライフステージに合わせた生産性の高い働き方を実現するため、柔軟な仕組みを構築しています。
フレックスタイム制の導入や、入社時に有給休暇を20日付与するなど、働き方の柔軟性を高める取り組みを進めています。これにより、様々なライフステージにある人材が活躍できる職場環境の整備に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。連結子会社も同様に公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の比率 | 38.1% |
| 女性の管理職比率 | 6.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
AViCは、デジタルマーケティング事業を展開しており、クライアントのインターネットを用いた販促・マーケティング活動を支援しています。同社グループは、インターネット広告とSEOコンサルティングの2つのサービスを主軸として収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、デジタルマーケティング事業の単一セグメントとして事業を展開しています。主なサービスはインターネット広告とSEOコンサルティングです。インターネット広告サービスでは、検索連動型広告、ディスプレイ広告、インフィード広告といった運用型広告を提供しています。メディア運営会社から広告枠を仕入れ、クライアントへのコンサルティングを通じて広告枠を販売し、媒体費とコンサルティング手数料を収受するほか、クリエイティブ制作も手掛けています。
SEOコンサルティングサービスでは、検索結果画面での検索順位上昇を目指し、対策キーワードの選定、現状・競合分析に基づく戦略立案、Webサイト構造の最適化、施策実行による成果シミュレーションの提示、Webサイト内記事ページの企画・制作を行っています。これらのサービスを通じて、主にコンサルティング手数料や記事コンテンツ制作料を収受しています。運用型広告は運用者のスキルによって広告効果に差が出やすく、SEOコンサルティングは戦略設計の難易度が高い市場特性があります。同社グループは自社開発ツールとPDCAサイクルに基づいた高品質なサービス提供により、クライアントのデジタルマーケティング成功を支援しています。
同社グループは本邦以外の外部顧客への売上がなく、海外比率や為替リスクに関する言及はありません。特定の顧客である株式会社ADKデジタル・コミュニケーションズへの売上高は、当連結会計年度において同社グループの総売上高の割合を占めています。サービス区分別の販売実績を見ると、当連結会計年度ではインターネット広告の販売高が前期から大きく増加し、SEOコンサルティングも増加しています。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| インターネット広告 | 1兆1,391億円 | 1兆8,494億円 |
| SEOコンサルティング | 7,957億円 | 8,315億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近2期間で売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも、前期から大きく増加しています。これは、デジタルマーケティング業界の需要の高まりと、同社グループの営業体制強化による業容拡大が要因となっています。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 19.3億円 | 26.8億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 4.4億円 | 7.3億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 22.8% | 27.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 3.1億円 | 5.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 50.56 | 87.18 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期から当期にかけて増加傾向にあります。これは、受注案件の採算性確保や業務委託の活用、従業員の能力開発、自社開発ツールの活用などにより、生産性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.5百万円 | 29.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.9百万円 | 8.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
AViCグループの財務状況は、安定した経営基盤と成長への投資余力があることを示しています。本業で着実に利益を生み出し、将来に向けた投資も行われています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
AViCグループの財務基盤は、高い自己資本比率とROEを示しており、安定性がうかがえます。自己資本比率は当期で58.5%となっており、プライム市場の平均と比較しても高い水準です。ROE(自己資本利益率)も当期27.7%と、プライム市場平均を大きく上回る水準で推移しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営の安定性につながる要素です。これらの財務指標は、同社グループが堅実な経営を行っていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与えると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.7億円 | 23.6億円 |
| 自己資本比率 | 62.6% | 58.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 19.9% | 27.7% |
| 現金及び預金 | 12.4億円 | 21.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
AViCグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資も積極的に行っている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは当期に6.7億円の増加となり、前期の3.2億円から大きく増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは当期に△1.7億円の減少となりました。前期は0百万円の増加でしたが、当期は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が主な要因となっています。フリーキャッシュフローは当期に4.9億円のプラスであり、本業で得た資金を投資に充てた後も手元に資金が残る優良な状態です。
財務活動によるキャッシュフローは当期に3.7億円の増加となりました。これは長期借入れによる収入が主な要因です。これらのキャッシュフローの状況から、同社グループは本業で安定した収益を確保しつつ、将来の成長に向けた投資も積極的に行っていることがうかがえます。この資金の流れは、同社グループの持続的な成長と、それに伴う雇用や給与の安定性につながるものと考えられます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.2億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | 0百万円 | △1.7億円 |
| 財務CF | 1.5億円 | 3.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.2億円 | 4.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
AViCグループは、インターネット広告市場の景気変動や広告主の広告戦略の影響を受けやすい傾向があります。また、インターネット広告業界には多数の競合他社が存在し、今後も新規参入企業が増加することが予想されています。競争が激化した場合には、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
AViCグループは、デジタルマーケティング事業において優秀な人材が事業価値を生み出す源泉と考えており、その確保と育成に注力しています。しかし、優秀な人材の確保が困難になったり、社外に流出したりする場合には、競争力の低下や事業拡大に支障を来たす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
AViCは、クライアントとビジネスが共に成長し、社会に新たな価値観をもたらすことを目指す企業です。ここでは、同社グループがどのような理念を持ち、どのような企業風土を大切にしているのかをご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
AViCは、「Team AViC がビジネスドライバーとなり、世の中に新たな景色を創る」をミッションとして掲げています。このミッションは、クライアントとAViCのビジネスが共にドライブし、その価値が産業や市場に広く浸透することによって、人々の生活や社会に新たな視点や価値観をもたらし、世の中に新たな景色を広げることを目的としています。同社グループは、高い品質のサービス提供、業界最高水準の売上高成長率、高い事業生産性を再現性をもって実現することにこだわった経営を行っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
AViCは、人材を最も重要な経営資源と位置付け、多様性に富んだ優秀な人材の採用と育成、社内環境整備に努めています。同社独自の呼称である「イネーブルメント・プロジェクト」は、従業員の能力を項目化・言語化し、計画的かつ早期の育成を実現する取り組みを指します。社員一人ひとりがやりがいを感じて働ける職場環境・仕組みづくり、多様性を尊重した人材の活用・育成に積極的に取り組んでいます。具体的には、フレックスタイム制や入社時の有給休暇20日付与など、働き方の柔軟性を充実させ、様々なライフステージの人材が活躍できる環境整備を進めています。また、代表自ら考えを発信する場や従業員間の交流機会を増やすことで、社内コミュニケーションの活性化も図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
AViCは、優先的に対処すべき課題として、サービス品質の維持・持続的な向上を挙げています。これには、適切な人員配置や自社開発ツールの継続的な開発、人材の採用と育成が重要であると考えています。また、人材の採用と育成も重点テーマの一つです。新卒採用の強化、未経験社員の早期戦力化に向けた研修制度の充実、人事評価制度のブラッシュアップを推進しています。さらに、コーポレート・ガバナンス体制の強化も重要な課題です。内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化、リスク管理の徹底、コンプライアンス体制の強化、迅速な情報開示の充実に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
AViCは、監査等委員会設置会社として、社外取締役が過半数を占める監査等委員会を設置し、取締役会の監督機能の強化を図っています。また、経営の意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化のため、執行役員制度を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
AViCの株主構成を見ると、代表取締役社長である市原創吾氏が、ミダス投資事業有限責任組合を通じて筆頭株主となっています。また、岩田匡平氏も同様の組合を通じて上位株主として名を連ねています。
このように、創業者が上位株主として経営を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合 | 34.40% |
| 岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合 | 22.30% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 10.03% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は市原創吾氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 市原 創吾 | 代表取締役社長 | 2009年4月サイバーエージェント入社。2018年3月同社入社、代表取締役社長に就任。2023年10月FACT取締役、2025年5月リアレーション取締役、2025年6月ASYマーケティング取締役より現職。 |
| 笹野 誠 | 取締役CFO | 2010年4月みずほフィナンシャルグループ入社。2020年1月同社入社、CFO就任、同年2月取締役CFOに就任。2023年10月FACT取締役、2024年1月艾唯克(海南)傳媒科技有限公司董事、2024年5月ADK AViC パフォーマンスデザイン取締役、2025年5月リアレーション取締役、2025年6月ASYマーケティング取締役より現職。 |
社外取締役は、安生あづさ氏(あんじょう会計事務所代表・常勤監査等委員)、山元雄太氏(山元法律事務所代表・監査等委員)、長利一心氏(スカイマティクス取締役CFO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は5名の取締役で構成され、うち3名が社外取締役である監査等委員です。これにより、独立した立場からの経営監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
AViCの役員報酬は、固定報酬である基本報酬のみで構成されています。個々の取締役の基本報酬は、同業他社の水準や業績、従業員給与との均衡を考慮し、各取締役に求められる職責と能力を総合的に勘案して決定されています。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額の範囲内で協議により決定されています。
同社グループの役員報酬等の総額は55.3百万円であり、対象となる役員の合計人数は7名です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 36百万円 | 18.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.9百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、長利一心氏については、取締役在任期間分と監査等委員である取締役在任期間分が「社外役員」の総額と員数に含めて記載されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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