【平均年収667万円】ビジネスコーチ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収667万円】ビジネスコーチ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

ビジネスコーチは、コーチング事業を柱に、グループ各社とともに企業の人材開発を支援しています。直近期の業績は、売上高、利益ともに前期から大きく増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、ビジネスコーチ株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ビジネスコーチは、主力のコーチング事業を柱とし、クライアントの人事・組織課題をワンストップで支援する人材開発事業を主力としています。同社グループは、ビジネスコーチングを通じて企業価値向上を支援しています。

単体従業員数は59名、連結従業員数は59名です。セグメントは人材開発事業、DX事業の2つです。

主な国内グループ会社は、ビジネスコーチ、コーポレートコーチ、エグゼクティブコーチ、KDテクノロジーズなどです。

同社グループは、2025年9月30日にDX事業を営んでいたKDテクノロジーズの全株式を譲渡しました。また、当連結会計年度よりセグメント名称を「SXi事業」から「DX事業」に変更しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ビジネスコーチは、人材開発事業を専門とする企業です。少数精鋭の組織体制の中で、個々の専門性を高めながら働く環境が特徴です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の企業文化や従業員の定着傾向を読み解きます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が40代前半であり、比較的落ち着いた年齢構成となっています。平均勤続年数は3年半と、キャリアの初期段階から中堅層まで幅広い人材が活躍している傾向が見られます。専門性の高い人材開発事業において、多様な経験を持つ従業員が組織を支えていると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 6,674,000円
平均勤続年数 3.5年
平均年齢 40.2歳
単体従業員数 59人
連結従業員数 59人
単体のグループ内比率 100.0%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、ビジネスを通して社会課題の解決に貢献し、持続的な成長を目指す上で、人的資本の充実を重要な経営課題と位置付けています。組織・人材戦略を重視し、「人材力」と「組織力」の向上を重点テーマとしています。

人材戦略の特徴として、新卒採用は行わず、中途採用のみを対象とした職種別・即戦力採用を実施しています。また、人事制度には個々人の職務評価をベースとしたジョブ型人事制度を導入しており、一人ひとりの多様性を活かした育成を重視しています。

具体的な施策としては、採用においてリファラル採用の推進や多様な採用ルートの確保、データ活用による人材像の明確化を図っています。育成面では、入社時研修やOJT、コーチングスキルを活用した個別育成、サクセッションプラン、管理職向け外部コーチング、メンター1on1制度、毎月の進捗面談を必須とする人事評価制度を通じて、社員の成長を促進しています。さらに、社内報の発行、各種イベント、エンゲージメントサーベイ、Welcome Your Voice制度などを通じて、組織力の強化とエンゲージメント向上にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 20.0%
男性労働者の育児休業取得率 3.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.3%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
コーポレートコーチ株式会社、エグゼクティブコーチ株式会社、B-Connect株式会社の各連結子会社については、労働者が全員提出会社からの出向者であるため、個別の法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント


エンゲージメントスコアは、株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」の総合スコア(2025年9月実施)です。

指標 実績(2025年9月期) 目標(2026年9月期)
エンゲージメントスコア 78 pt 80 pt

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ビジネスコーチは、企業の人事・組織課題を解決するための多様なサービスを提供しています。特に、コーチングを核とした人材開発事業を主力としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、クライアントの人事・組織課題をワンストップで支援し、企業価値向上に貢献する事業を展開しています。主力のビジネスコーチングは、経営層から新入社員まで、ビジネスパーソン一人ひとりの力を最大限に引き出すアプローチで実施されるサービスです。収益は、主にコーチングサービス、研修、アセスメント、採用支援、クラウドシステム提供などから得ています。

同社グループの事業は、人材開発事業とDX事業の2つのセグメントで構成されています。本邦以外の外部顧客への売上高はなく、特定の主要顧客への収益集中もありません。

人材開発事業

人材開発事業では、クライアント企業に寄り添い、人事・組織課題の解決を通じた企業価値向上支援に取り組んでいます。ビジネスコーチングを中心に、1対1型サービス(エグゼクティブコーチング、ビジネスリーダー/ビジネスパーソンコーチング)と1対n型サービス(ビジネスコーチングプログラム)を提供しています。また、クラウドコーチングシステムやマイクロラーニングサービスも展開しています。

収益は、これらのコーチングサービス、研修、アセスメント、採用支援、クラウドシステム提供などから得ています。

DX事業

DX事業では、ITとシステムを活用し、クライアント企業の購買活動のフォローアップ等を通じた稼ぐ力とESGの両立に向けた支援を行っていました。DXに関するコンサルティング及び設計・運用サポートを通じて、生産性向上と持続可能性の高い社会の実現に貢献していました。

収益は、コスト削減コンサルティングサービスとITサービスから得ていました。コスト削減コンサルティングサービスは主に成功報酬モデルで展開されていました。なお、DX事業を営んでいたKDテクノロジーズ株式会社の全株式は、当連結会計年度末に譲渡されています。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
人材開発事業 12.9億円 15.9億円
DXServiceBusinessReportableSegmentReportableSegment 3.1億円 4.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、当連結会計年度において売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から大きく増加しました。特に営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比較して大幅な伸びを示しています。当期には、関係会社株式売却益として特別利益を計上しています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 - - - 16.0億円 20.0億円
経常利益 - - - 79百万円 1.8億円
経常利益率 - - - 4.9% 8.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - 54百万円 1.2億円
1株当たり当期純利益(円) - - - 49.02 111.53

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加する傾向にあります。これらの数値は、同社グループの事業活動における効率性が向上していることを示しています。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 27.6百万円 34.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.4百万円 2.8百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


企業の財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素です。自己資本の厚みや資金の流れから、同社グループの現在地を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ビジネスコーチの自己資本比率は76.9%となっており、プライム市場平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は16.9%で、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準です。これらの指標は、同社グループの財務基盤が安定していることを示しています。

また、現金及び預金は当期末で4.8億円を確保しており、前期の4.4億円から増加しています。手元資金の厚みは、不況時や予期せぬ事態に対する耐性となり、安定した事業運営を支える基盤となります。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 8.4億円 7.7億円
自己資本比率 50.0% 76.9%
ROE(自己資本利益率) 7.9% 16.9%
現金及び預金 4.4億円 4.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ビジネスコーチの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより資金収入となりましたが、売上債権の増加などにより前期から減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、保険積立金の解約や子会社株式の売却による収入があった一方で、無形固定資産の取得や保険積立金の積立、投資有価証券の取得による支出があり、前期の資金使用から資金収入に転じています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払いなどにより資金支出となっています。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは前期から増加し、プラスとなっています。本業で安定的に資金を生み出し、投資活動による資金収入も得られている状況は、同社グループが事業運営において資金的な余裕を持ち、将来に向けた再投資や株主還元を行う余力があることを示しています。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 1.4億円 91百万円
投資CF △1.3億円 20百万円
財務CF △1.2億円 △69百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4百万円 1.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主要顧客である大手企業における人材開発投資が景気動向や企業業績に影響を受ける可能性があると認識しています。国内外の経済環境の変動により、顧客が投資を抑制した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、大手企業向けビジネスコーチング領域において、大手コンサルティング企業等の参入が進んだ場合、競争激化により事業に影響が生じる可能性もあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの成長には、「人的資本経営のプロデューサー」として顧客の人事・組織課題を解決し変革を推進できる人材の採用・育成が不可欠であると認識しています。必要人材の確保が計画どおりに進まない場合や、主要人材の退職が発生した場合には、事業運営に影響が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ビジネスコーチは、人的資本経営支援を中核とする事業を展開し、働く人が幸せを感じられる社会の実現を目指しています。ここでは、同社グループがどのようなビジョンを掲げ、どのような企業風土を大切にしているかをご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」というパーパスを掲げています。人材開発事業をコア領域と位置付け、この領域へ経営資源を集中させることで中長期的な企業価値向上を目指しています。

「人的資本経営のプロデューサー」構想を実現し、クライアント企業のあらゆる課題解決にワンストップで対応することを目指しています。また、「実行人財の創出」を使命とし、クライアントの経営戦略と人材戦略の一体的な実行を支援することで、日本企業の人的資本経営を牽引するリーディングカンパニーとしての地位確立を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、ビジネスを通して社会課題の解決に貢献し、持続的な成長が社会の持続的な発展に貢献できる社会を目指すことをサステナビリティの考え方としています。顧客、取引先、従業員、株主、環境、社会とのエンゲージメントを重視した経営を実践しています。

人材戦略では、中途採用のみを対象とした職種別・即戦力採用を行い、個々人の職務評価をベースとしたジョブ型人事制度を導入していることが特徴です。育成においては「一流で一番」をスローガンに、OJTを中心としたコーチングスキルを活用し、個性に合わせた育成を実施しています。社内ではメンター1on1制度を活用してコーチング文化の醸成を図り、人事評価制度では毎月の進捗面談を必須としています。

社内環境整備では、エンゲージメント向上を目指し、定期的な社内報の発行や衛生委員会主催のイベント開催、エンゲージメントサーベイの実施、Welcome Your Voice制度(匿名の目安箱)による全社改善運動など、数多くの施策を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、クライアントの人的資本経営を総合的にサポートする事業体制の強化を重点課題としています。主力のコーチングサービスに加え、人材育成・評価・採用など人事全般にわたるソリューションを拡充し、ワンストップで最適な支援を提供できる体制の構築を進めています。

また、サービス提供力の増強とオペレーション体制の強化にも取り組んでいます。質の高いコーチ人材の確保・育成を継続的に推進するとともに、案件管理やスケジュール最適化を含むオペレーション体制の高度化を図っています。

さらに、コーポレートガバナンスの強化も重要な課題です。グループ全体の経営管理体制を効率的かつ機動的に運営し、法令遵守及び内部統制の強化を図っています。事業領域の拡大及び新規分野への参入を目的とした戦略的なM&Aを積極的に推進し、グループ企業間のシナジー最大化にも努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ビジネスコーチは監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しています。取締役会は、経営の意思決定と業務執行の監督を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ビジネスコーチの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社コーチ・エフであり、同社の代表取締役社長である細川馨氏が創業した会社です。また、同社の取締役副社長である橋場剛氏や代表取締役社長の細川馨氏個人も上位株主として名を連ねています。このように、創業家やその関連会社が主要な株主として同社を支えている構成となっています。

株主名 持株比率
有限会社コーチ・エフ 35.58%
橋場 剛 7.87%
細川 馨 2.65%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は細川馨氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
細川 馨 代表取締役社長 1980年セゾン生命保険株式会社(現・ジブラルタ生命保険株式会社)に入社。2003年に有限会社コーチ・エフを創業し取締役。2005年より同社代表取締役を務め、現在に至ります。
橋場 剛 取締役副社長 1997年アクセンチュア株式会社に入社。2005年より同社取締役に就任し、常務取締役、専務取締役を経て、2017年より同社取締役副社長を務め、現在に至ります。
吉田 信輔 取締役CFO兼経営管理本部長 2005年株式会社光通信に入社後、クイックウィンズ、株式会社シーアンドシーメディア等を経て、2024年同社に入社。同年10月より経営管理本部長、12月より取締役CFOを務め、現在に至ります。


社外取締役は、軒名彰氏(北洋証券代表取締役会長)、山下美砂氏(人事コンサルタント開業)、渡部昭彦氏(MBK Wellness Holdings元代表取締役社長)、三浦太氏(M'sGAパートナーズ事務所代表)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営の意思決定と業務執行の監督、監査役会による監査を実施する体制です。社外取締役は、経営戦略やコーポレート・ガバナンスに関する助言・提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ビジネスコーチの役員報酬は、担当職務、各期の業績、貢献度を総合的に考慮して決定されています。第21期事業年度においては、役員報酬は固定報酬のみで構成されています。今後は、社外取締役からの提案を受け、固定報酬と業績連動報酬を組み合わせた報酬体系の導入を検討していく方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.1億円 18.4百万円
社外役員 5名 22百万円 4.4百万円


同社役員への報酬等の総額は1億3,202万円であり、対象となる役員の合計は11名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。