※本記事は、株式会社リアルゲイト の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月11日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
リアルゲイトは、スモールオフィスやシェアオフィスなどのフレキシブルワークプレイスを提供する不動産事業を展開しています。プロパティマネジメント、マスターリース、設計・施工請負、物件保有、販売用不動産の売却といった多様なビジネスモデルを通じて、不動産に付加価値を付与し収益性を向上させています。
単体従業員数は93名です。同社はフレキシブルワークプレイス事業の単一セグメントで事業を展開しています。
リアルゲイトのビジネスモデルは、マスターリースや物件保有によるテナントからの賃料収入、プロパティマネジメントによるオーナーからの運営委託フィーといったストック型収入が主軸です。これに加えて、設計・施工請負契約の受託や販売用不動産の売却によるフロー型収入も積み上げています。
リアルゲイトは2021年7月にサイバーエージェントグループ入りし、2023年6月には東京証券取引所グロース市場に上場しました。これにより、再生物件保有モデルやキャピタルゲインモデルといった新たな収益構造を確立しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
リアルゲイトは、フレキシブルワークプレイス事業を展開しており、不動産にクリエイティブな価値を付加することで、多様な働き方を支援しています。このような事業特性から、従業員の専門性や創造性が重視される環境がうかがえます。給与水準や働き方に関する具体的なデータは、以下の詳細で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
リアルゲイトでは、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的若手が多く、新しい環境でキャリアを築く機会が豊富にある傾向が見られます。専門性を活かしながら成長していくことが期待される職場環境と言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,979,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.4年 |
| 平均年齢 | 33.8歳 |
| 単体従業員数 | 93人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
リアルゲイトは、人材を競争力の源泉であり、持続的な企業価値向上に最も重要な経営資源と位置づけています。そのため、サステナビリティ関連項目の中でも特に人的資本を重視する方針です。
組織に不足するスキルや専門性の獲得を社員に促し、その成果をキャリアプランや報酬に反映できるよう人事制度を構築しています。具体的には、一級建築士や宅地建物取引士などの資格取得に対する手厚い資格制度や、人事考課制度における詳細な目標設定とフィードバックを実施しています。
人材の多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備を重点テーマとしています。OJTや上長との定期的な面談に加え、社内外講師を招いた研修を通じて全社的なスキルアップと業務知識の獲得を図っています。また、性別や年齢に関わらず多様な人材が活躍できる環境を整備し、新卒採用に加えて即戦力となる中途採用も積極的に行っています。働きやすい職場環境の創出のため、自律的キャリア形成を支援する社内公募による異動制度や副業制度も整備されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
リアルゲイトは、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
指標及び目標
一人当たり営業利益は、期末時点における「営業利益÷従業員数」により算出され、従業員数は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載した基準によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 生産性(一人当たり営業利益※)当初目標 | 2027年9月期 15.0百万円 |
| 生産性(一人当たり営業利益※)実績(当事業年度) | 2025年9月期 11.2百万円 |
| 生産性(一人当たり営業利益※)新目標 | 2028年9月期 22.0百万円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
リアルゲイトは、フレキシブルワークプレイス事業を展開しています。スモールオフィスやシェアオフィスといった柔軟な働き方に対応する空間を提供することで、不動産に新たな価値を付与し、収益性を向上させるビジネスモデルです。
同社の収益構造は、プロパティマネジメント契約による手数料収入、マスターリース契約による賃料収入、設計・施工請負契約による請負収入、自社保有物件からの賃料収入、そして販売用不動産の売却益という多様な形態で構成されています。物件運営を通じて継続的に得られる収入を基盤としつつ、物件運営に付随する設計・施工請負契約の受託や販売用不動産の売却による収入も積み上げています。
同社は、築年数の経過したビルを中心に一括借り上げや購入を行い、リノベーションによって物件の価値を高めています。オフィス需要と収益性を考慮し、東京都心部(渋谷区、港区、目黒区)に事業エリアを集中させるドミナント戦略を採用することで、効率的な運営と管理を実現しています。入居テナントは、区画専有面積50㎡未満のスモールオフィスが多く、情報サービス業などの若い会社が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社は、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調にある経済環境の中で事業を展開しています。オフィス賃貸業界ではオフィス需要が堅調に推移しており、特に同社が強みを持つ渋谷エリアでは高稼働率を維持し、賃料も上昇傾向にあります。
既存運営物件の高稼働率を維持し、安定的な収入を積み上げるとともに、新規物件のリーシングも好調に推移しました。収益性の高い保有物件の増加により、営業利益率も向上しています。積極的な先行投資費用を負担しつつも、営業利益は大きく成長し、過去最高の営業利益を達成しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
このセクションで参照すべき1人あたりの収益性・生産性に関する具体的な数値は開示されていません。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている段階です。財務の健全性を保ちながら、事業拡大を目指す現在の状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、当期で15.8%、前期で17.1%となっています。プライム市場の非製造業平均24.2%と比較すると、やや低い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は当期で16.7%、前期で14.0%を示しており、プライム市場平均9.4%を上回る水準です。現金及び預金等は当期末で9.5億円となっています。これらの財務状況は、事業拡大のための投資を積極的に行っている同社の現状を示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 27.1億円 | 33.5億円 |
| 自己資本比率 | 17.1% | 15.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.0% | 16.7% |
| 現金及び預金等 | - | 9.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローは35.6億円のプラスとなりました。これは主に税引前当期純利益の計上や販売用不動産の売却によるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは79.3億円のマイナスとなっています。これは主に有形固定資産の取得による支出が大きかったためです。財務活動によるキャッシュフローは41.8億円のプラスであり、新規物件取得のための長期借入れによる収入が主な要因です。
フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っていることがわかります。この資金の流れは、同社が事業拡大のために積極的な先行投資を行っていることを示しており、将来的な成長への期待が持てる一方で、現時点では資金を外部から調達し、投資に回している状況です。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △13.3億円 | 35.6億円 |
| 投資CF | △33.8億円 | △79.3億円 |
| 財務CF | 38.8億円 | 41.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △47.2億円 | △43.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社のフレキシブルワークプレイス事業は、景気の後退や金利の上昇、税制改正などが業績に影響を及ぼす可能性があります。特にスタートアップ企業やベンチャー企業等の中小企業が主要テナントであるため、需要は景気動向に左右されやすい傾向があります。
また、大手不動産デベロッパーや不動産再生会社等によるオフィス事業への参入が増えており、競争激化により同社の優位性確保が難しくなる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は従業員一人あたりの業務領域が広汎に亘ることがあり、不動産業界の競争激化の中で事業拡大を図るためには、専門的なスキルを持つスペシャリスト性や全体を統括できるゼネラリスト性を兼ね備えた人材の確保が重要であるとしています。人材の確保や育成が適切に行えなかった場合、今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リアルゲイトは、「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げ、不動産を通じて豊かな街づくりに貢献することを目指しています。同社は、都心部の築古ビルに新たな価値を創造する事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
リアルゲイトは、「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げています。同社は、フレキシブルワークプレイス事業を通じて、都心部の築古ビルにリノベーションで付加価値を与え、不動産価値の最大化を目指しています。質の良いクリエイティブなオフィスを提供することで、自由な働き方を支援し、豊かな街づくりに貢献するというビジョンを持っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
リアルゲイトは、人材を競争力の源泉であり、持続的な企業価値向上のための最も重要な経営資源と位置づけ、特に人的資本を重視しています。同社は、性別や年齢に関係なく多様な人材が意欲をもって活躍できる環境と仕組みを整備し、活力ある組織の構築を推進しています。また、従業員の働きやすさを重視し、自律的なキャリア形成を支援する社内公募による異動制度や副業制度を整備していることも、同社のカルチャーを形成する要素となっています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
リアルゲイトは、事業上及び財務上の対処すべき課題として、組織・ガバナンス体制の強化を挙げています。具体的には、業法違反等のリスク低減のため、規定人数を超えた有資格者の設置やコンプライアンス研修等の社員教育を実施し、社外役員による牽制体制を通じてガバナンス体制を強化しています。また、社員研修・教育制度の充実化と人材確保も重点テーマです。優秀な人材の継続的な確保と育成、社内教育制度の拡充、管理職層の育成強化を通じて、事業拡大に対応する組織体制の整備を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
リアルゲイトは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担っています。独立性の高い社外役員を複数選任することで、経営の透明性と健全性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
リアルゲイトの筆頭株主は事業会社であるサイバーエージェントであり、同社が過半数を超える株式を保有しています。創業者の岩本裕氏も上位株主として名を連ねており、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| サイバーエージェント | 63.74% |
| 岩本 裕 | 5.97% |
| 田端 信太郎 | 2.09% |
| 山内 一志 | 1.69% |
| 鷲田 真一 | 1.39% |
「単元未満株式」欄の普通株式には、同社所有の自己株式40株が含まれております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役は岩本裕氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岩本 裕 | 代表取締役 | 五洋建設、大京、プロパストを経て、2009年8月より同社代表取締役。 |
| 黒川 亮 | 取締役 | ミブコーポレーション入社後、2018年4月同社入社。企画営業部統括部長、執行役員を経て、2024年12月より同社取締役、2025年10月より同社事業本部長。 |
| 菊池 史哉 | 取締役 | 新日本監査法人入社後、2020年3月同社入社。経理部長、執行役員を経て、2024年12月より同社取締役、2025年10月より同社管理本部長。 |
| 中山 豪 | 取締役 | 住友商事、サイバーエージェントを経て、2003年12月よりサイバーエージェント取締役。マクアケ取締役、サイバーエージェント専務執行役員を兼任し、2021年7月より同社取締役。 |
社外取締役は、仙仁登氏(アイザワ証券社外監査役)、田中渓氏(Alpha Advisory日本不動産投資責任者)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の基本方針や重要な業務執行を決定し、監査役会が職務執行を監査する体制です。独立性の高い社外取締役2名と社外監査役3名が選任されており、経営の客観性と中立性の確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、株主総会で決議された総額の限度内で代表取締役が決定しています。報酬は固定の基本報酬に加え、役員賞与と譲渡制限付株式で構成されており、業績や個人の貢献度を反映する仕組みとなっています。監査役の報酬は監査役会の協議によって決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.3億円 | 25.9百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 23百万円 | 4.5百万円 |
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