※本記事は、ニッポンインシュア株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ニッポンインシュアは、家賃債務保証サービスを中核とする保証事業を展開しています。高齢化社会に対応した介護費債務保証や入院費債務保証も提供しており、その他事業としてコインランドリーやフィットネスクラブの運営も行っています。
ニッポンインシュアの単体従業員数は118名です。セグメントは保証事業、その他、全社(共通)の3つです。
ニッポンインシュアは、賃貸住宅の家賃債務保証サービスを中核に、介護費債務保証サービスや入院費債務保証サービスを展開しています。また、フランチャイズに加盟しコインランドリーやフィットネスクラブの運営も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ニッポンインシュアは、従業員の物心両面の幸せを追求し、人と地域社会の進歩発展に貢献するという経営理念を掲げています。同社では、経済的な安定と自己実現を通じた心の豊かさを重視しており、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数は比較的短めとなっています。これは、若手人材の活躍や、組織の成長に伴う新たな人材の積極的な採用が進んでいる傾向を示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,817,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 37.0歳 |
| 単体従業員数 | 118人 |
同社は、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を設けています。同社は、確定給付型の制度として退職金規程に基づく退職一時金制度を設けており、給付額の一部を特定退職金共済制度からの給付金で充当しています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ニッポンインシュアは、全従業員の物心両面の幸せを追求し、人と地域社会の進歩発展に貢献するという経営理念を掲げています。経済的な安定と自己実現を通じた心の豊かさを追求することで、企業価値の向上と持続的な社会貢献を目指しており、社会課題に対峙し、ステークホルダーと共に社会構造を変革することで、より良い社会の実現と自社の持続的な成長を目指しています。
人的資本に関する取り組みとして、「社員教育の実施」と「多様な人材の活躍機会の創出」を重点テーマとしています。社員教育では、OJTの開発や社外研修の実施に加え、次世代リーダー育成のため、従業員が希望する教育費用を同社が負担し、自己啓発やスキルアップを推進しています。
多様な人材の活躍機会の創出においては、育児・介護と就業の両立支援として休暇や短時間勤務制度、時差出勤、長期休暇など、多様な働き方を実現する制度を整備しています。また、男性、女性、外国籍の方や中途採用者を含めた多様な人材の採用を通じて、様々な価値観を相互に理解し認め合う職場環境の醸成に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 38.4% |
指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 38.4% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ニッポンインシュアは、主に保証事業を展開しており、賃貸住宅の家賃債務保証サービスを中核としています。その他にも、コインランドリーやフィットネスクラブの運営も手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ニッポンインシュアは、保証事業を主軸に多角的なサービスを提供しています。この事業では、賃貸住宅における家賃債務保証サービスを中核としています。高齢化などの社会問題に対応するため、介護費債務保証サービスや入院費債務保証サービスも展開しています。
家賃債務保証サービスでは、入居者の連帯保証人の役割を担い、不動産管理会社を通じて申し込みを受け付けます。入居者の属性情報に基づき審査を行い、保証委託契約を締結します。収益は、入居者から受領する初回保証料と年ごとの更新保証料から得ています。
同社は、住居用、事業用、駐車場・コンテナ用の多彩な保証プランを提供しています。入居者が家賃を滞納した際には、同社が不動産管理会社に代位弁済を行います。これにより、不動産管理会社は安定した家賃収入を確保でき、入居者は連帯保証人を立てる必要がなくなります。
また、同社は独自開発した契約管理クラウドシステム「Cloud Insure」を提供しており、不動産管理会社の業務負担軽減と効率改善に貢献しています。このシステムにより、契約書のダウンロードや必要書類のアップロードが容易になり、顧客情報管理や代位弁済請求、支払明細書発行も可能です。
介護費債務保証サービスでは、介護施設のサービス利用者と保証委託契約を締結し、利用者の連帯保証人となります。介護施設利用費などの滞納リスクを同社が引き受けることで、介護施設運営会社は安心して施設経営に専念できます。収益は、入所者から受領する初回保証料と更新保証料から得ています。
入院費債務保証サービスでは、入院患者との間で保証委託契約を締結し、入院費の未納リスクを引き受けます。これにより、入院患者は連帯保証人を探す必要が不要となり、医療機関は未収金リスクを低減し、回収業務の負担を軽減できます。収益は、医療機関より受領する保証委託料から得ています。
保証事業の他にも、同社は「その他」の事業としてランドリーサービスとフィットネスサービスを展開しています。ランドリーサービスでは、WASHハウス株式会社のフランチャイズに加盟し、福岡県内でコインランドリーを運営しています。無人店舗運営が可能なIoT型ランドリー機器を使用し、24時間管理カメラで店舗をモニター管理しています。
フィットネスサービスでは、株式会社カーブスジャパンのフランチャイズに加盟し、福岡県内で女性専用のフィットネスクラブ「女性だけの30分健康体操教室カーブス」を運営しています。お客様一人ひとりに合わせたサポート体制を強化し、新規会員の獲得にも積極的に取り組んでいます。同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外事業は展開していません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務の安定性という観点から、本業で得た資金を元手に事業活動を行っています。資金の流れを見ると、事業の成長に向けた投資も継続している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した状態を示しています。手元資金も確保されており、事業運営の安定性につながると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 43.0% | 46.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 24.6億円 | 27.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが383百万円の収入となり、前期から増加しています。これは主に税引前当期純利益の計上や貸倒引当金、前受収益の増加によるものです。本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローは△65百万円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に無形固定資産の取得による支出が要因となっています。事業の成長に向けた投資を継続していることがうかがえます。
財務活動によるキャッシュフローは△19百万円の支出となり、前期の収入から支出に転換しました。これは主に配当金の支払いによるものです。結果として、フリーキャッシュフローは319百万円の収入となり、本業で得た資金が投資を上回る状況を示しています。このキャッシュフローの状況は、同社が安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も行いつつ、資金的な余力を確保していることを示しており、雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 197百万円 | 383百万円 |
| 投資CF | △59百万円 | △65百万円 |
| 財務CF | 593百万円 | △19百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 137百万円 | 319百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の主力サービスである家賃債務保証は、賃貸不動産市況の動向に影響を受ける可能性があります。また、家賃保証業界は参入障壁が低く、競争が激化するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は今後の事業拡大のために、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しています。必要な人材を確保できない場合や育成が十分に寄与しない場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ニッポンインシュアは、特定の経営理念とビジョンを掲げ、その実現に向けて事業を展開しています。同社は、従業員の幸福と社会貢献を両立させる企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ニッポンインシュアは、「全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に人と地域社会の進歩発展に貢献する」という経営理念を掲げています。同社のミッションは、連帯保証人制度に代わる機関保証の普及を実現し、多くの方へ快適な住環境を提供することです。中長期的には、基幹ビジネスである家賃債務保証サービスの新たな商品開発や既存商圏のシェア拡大、新規商圏への展開を進めています。さらに、家賃債務保証サービスで培ったノウハウを活かし、介護・医療分野での保証商品拡大も図っていく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ニッポンインシュアは、「全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に人と地域社会の進歩発展に貢献する」という経営理念を企業文化の基盤としています。同社は、経済的な安定と自己実現を通じた心の豊かさを追求し、企業価値の向上と持続的な社会貢献を目指しています。ガバナンスにおいては、ステークホルダーとの良好な関係構築を重視し、経営の健全性と透明性の確保に努めています。
コンプライアンス経営を徹底し、最適な経営管理体制の構築を通じて、コーポレート・ガバナンスの継続的な強化を図っています。人材面では、従業員の能力を最大限に発揮できるようOJT開発や社外研修を実施し、次世代リーダー育成のための教育環境を提供しています。多様な働き方を実現する制度として、育児・介護と就業の両立支援や時差出勤、長期休暇制度を導入し、多様な人材が活躍できる職場環境の醸成に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ニッポンインシュアは、連帯保証人制度に代わる機関保証の普及を実現するというミッションを推進するため、いくつかの重点課題に取り組んでいます。その一つとして、優秀な人材の確保と教育研修の実施を挙げています。企業間の人材獲得競争が激化する中で、社員一人ひとりの付加価値を高めることが重要であると考えています。
採用後も教育研修の機会と内容を充実させ、同社の企業理念と経営方針を理解し、成長を支える社員の育成を行っていく方針です。また、IT化の推進も重点課題であり、業務効率の向上とコスト削減、顧客の利便性向上、リスク管理強化、回収率向上に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、取締役会及び監査役会を基軸としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。継続的な事業成長を通じてステークホルダーや地域社会に貢献することを目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、豊島不動産が筆頭株主となっています。上位には事業会社が複数名を連ねており、安定した資本基盤を形成していることがうかがえます。特定の株主グループが上位に名を連ねる傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 豊島不動産 | 10.70% |
| Mサポート | 10.62% |
| サンコー管理 | 10.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は坂本真也氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 坂本 真也 | 代表取締役社長 | 1998年4月㈱三好不動産入社、2014年10月同社スマイルプラザ事業部部長、2015年10月同社賃貸管理部部長、2018年10月同社へ出向兼代表取締役社長より現職。 |
| 竹村 洋一 | 専務取締役兼管理事業部長 | 2009年9月㈱三好不動産入社、2009年9月㈱エム・サポート(現同社)へ出向、2011年8月㈱エム・サポート(現同社)へ転籍、2018年10月同社取締役管理事業部長、2023年12月同社専務取締役兼管理事業部長より現職。 |
| 德岡 拓郎 | 取締役兼営業事業部長 | 2010年7月㈱三好不動産入社、2010年7月㈱エム・サポート(現同社)へ出向、2011年8月㈱エム・サポート(現同社)へ転籍、2018年10月同社取締役営業事業部長より現職。 |
社外取締役は、兼田康文氏(兼田公認会計士税理士事務所代表)、北原正氏(社会保険労務士法人COMMITMENT代表社員)です。社外監査役は、中川真紀氏(中川真紀税理士事務所代表)、橋本道成氏(弁護士法人如水法律事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を基軸としたコーポレート・ガバナンス体制を採用しています。社外取締役および社外監査役は、独立的な立場で経営の監督や監査を行い、内部統制の強化と企業価値向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬制を採用しています。これは、優秀な人材の確保と経営意欲の向上、経営責任の明確化を目的としています。報酬額は、職務内容や貢献度を総合的に勘案し、取締役会または監査役会で決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 75百万円 | 24.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.7百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.3百万円 |
なお、退職慰労金は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額を記載しています。
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