【平均年収946万円】PRISM BioLab 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収946万円】PRISM BioLab 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

PRISM BioLabは、独自の「PepMetics技術」を基盤に、新たな医薬品の研究開発を行う創薬事業を展開しています。製薬会社との提携や共同研究を通じて収益を得るビジネスモデルで、直近の業績は増収となり、損失額は縮小しました。単体従業員数は35名です。


目次

※本記事は、株式会社PRISM BioLab の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


PRISM BioLabは、これまで創薬が困難とされてきた標的を創薬可能にする「PepMetics技術」を基盤に、新たな医薬品の研究開発に取り組む創薬事業を展開しています。製薬会社との提携や共同研究、導出を通じて収益を得るビジネスモデルです。

同社の単体従業員数は35名です。事業セグメントは創薬事業の単一セグメントとなっています。

同社は、独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」を活用し、自社で創薬標的を選定してプログラムを創出する自社開発事業と、大手製薬会社の創薬標的に同社の技術を利用してプログラムを創出する共同開発事業の二つのビジネスモデルを並行して展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社PRISM BioLabは、創薬事業に特化した研究開発型の企業です。同社では、優秀な研究者が連携し、革新を生み出し続けることを重視する企業文化が特徴です。従業員一人ひとりが能力を発揮できるよう、働きやすい環境づくりにも力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、創薬研究という専門性の高い分野で事業を展開しており、従業員の平均年齢は比較的高めとなっています。一方で、平均勤続年数は短めであり、新しい人材が加わりながら組織が形成されている段階にあることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 9,460,000円
平均勤続年数 2.0年
平均年齢 45.0歳
単体従業員数 35人
連結従業員数 -


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、創薬基盤であるPepMetics技術の継続的な改良と発展を経営の基盤と位置づけています。この技術を支える人材の確保と育成、そして研究環境を中心とした社内環境の整備が、成長戦略を実現するための重要な源泉であると考えています。

成長戦略に沿った人員計画を立て、採用と育成のための活動を積極的に行っています。経営と社員の密接なコミュニケーションを通じて、優秀な人材がモチベーションを高く保ちながら研究に取り組める環境づくりに努めています。

人事制度としては、就業規則、給与規程、人事考課規程を整備し、公正かつ客観的な評価を行うことを基本方針としています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


PRISM BioLabは、これまで創薬が困難とされてきた標的を対象に、独自の創薬基盤技術「PepMetics技術」を活用して新薬開発に取り組んでいます。治療法のなかった病気を治療することを目指し、新たな創薬パラダイムを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、独自の「PepMetics技術」を基盤とした医薬品の研究開発を行い、製薬会社等との提携、共同研究、導出を通じて収益を得る創薬事業を展開しています。この事業は、自社開発事業と共同開発事業の二つのビジネスモデルを並行して進めることで、限られたリソースで多くの創薬プログラムを生み出し、技術の発展とノウハウの蓄積による相乗効果も追求しています。

自社開発事業では、同社が創薬標的を選定し、ヒット化合物の創出から臨床候補化合物への最適化、非臨床試験を進めながら開発パートナーとなる製薬会社を探し、導出を行います。このモデルは先行投資が必要なハイリスク・ハイリターンの性質を持ち、プログラムの進捗に応じてアップフロント、マイルストン、ロイヤリティの収入を得ます。共同開発事業では、大手製薬会社の創薬標的に同社の技術を利用してプログラムを創出するか、同社がヒット化合物を見出して大手製薬会社と共にプログラムを展開します。こちらは同社側の投資が少なく、アップフロント、共同研究収入、マイルストン、ロイヤリティといった安定的な早期収益化が見込めることが特徴です。

同社の売上高は、海外での取引も含まれており、特に米国からの売上高が最も大きな割合を占めています。また、特定の顧客への売上集中が見られ、Eli Lilly and Companyが当事業年度の販売高の77.3%を、小野薬品工業株式会社が16.2%を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高が前期から大きく増加しました。一方で、営業損失、経常損失、当期純損失は継続していますが、その損失額は前期と比較して縮小する傾向にあります。営業活動によるキャッシュ・フローは前期の獲得から当事業年度は支出に転じました。これは主に、契約負債の減少や当期純損失の計上、減損損失の計上などが影響しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


PRISM BioLabの財務状況は、転職を検討する上で重要な情報です。ここでは、同社の財務基盤と資金の流れ、そして事業リスクについて解説します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


自己資本比率やROEは、企業の財務健全性や収益性を示す重要な指標です。手元資金の状況は、不況時の耐性や事業継続能力を測る上で注目されます。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で役立つ情報となります。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


キャッシュフローは、同社が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を調達し、使用しているかを示します。本業で安定的に資金を生み出しているか、将来に向けた投資を積極的に行っているか、あるいは資金調達に依存しているかといった状況は、同社の成長性や雇用安定性を判断する上で重要な要素となります。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社は、必要なタイミングまたは適切な条件で資金を確保できなかった場合、事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があると認識しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


医薬品開発は研究開始から承認まで長期間を要し、多額の研究開発投資が必要ですが、製品化の成功確率は著しく低い状況です。医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発の延長や中止をする可能性があります。

また、同社の収益構造は、製薬企業等との導出契約に基づく契約一時金、マイルストン収入、ロイヤリティ収入が基本モデルです。医薬品等の開発期間は長期間に及び、製薬企業等からの収入は研究や開発の進捗に大きく左右される傾向があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社は従業員50名未満の小規模体制となっており、事業活動は代表取締役や研究開発部長をはじめとする少数の主要な人材に強く依存しています。優秀な人材の確保と育成が順調に進まない場合や人材の流出が生じた場合、事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


PRISM BioLabは、独自の創薬基盤技術「PepMetics技術」を核に、治療法のなかった病気の治療を目指す企業です。社会、従業員、環境のサステナビリティを重視し、整合性を持った経営を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社はPepMetics技術によって「創薬不可能」だった標的を「創薬可能」にし、治療法のなかった病気を治療することを使命としています。独自の創薬基盤技術を拠り所とし、その有用性を証明すると共に、この技術において業界をリードし、競争力を維持し続けることを重要な経営課題としています。

経営の基本理念として、優秀な研究者が薬を創り出すという同じ目的に向かって連携し、公平に議論し、革新を生み出し続けることが創薬事業の継続的な発展にとって最も重要であると位置づけています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社では、従業員の採用、教育、登用において、人種、性別、年齢に関わらず創薬研究にかかる能力、意欲と実績を基準に判断しています。従業員の安全衛生並びに健康に配慮し、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりに努めています。

優秀な人材がモチベーションを持って研究に取り組める環境整備を重視しており、経営と社員の密接なコミュニケーションを図っています。また、成功及び導出の可能性が高いプログラムに資源を優先的に配分することを重視する方針です。プログラムを始める際には明確な目標と期限を定め、想定外の状況が発生した場合には中止することもあります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、ライセンスアウト契約先と密にコミュニケーションを図りつつ、臨床試験の進捗状況の確認やアドバイス等を行い、共同して適切に進捗するように尽力しています。自社プログラムに加えて、新規プログラムを毎年開始することにより、確度の高いプログラムに優先的に資源を集中し、新たなプログラムを継続して創出することを目指しています。

研究開発を進めるため、多様な人材の採用及び育成を強化する仕組みの構築に取り組んでいます。共同開発事業の拡大に向けたプロモーション活動の効率化を図るため、自社ウェブサイトの充実化、営業体制の効率化及び強化に努めています。また、より創薬基盤の価値を向上させるために有用性を示す技術開発も引き続き行う必要があるとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は3名の取締役で構成されており、経営の意思決定と監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、複数の投資事業有限責任組合が上位に名を連ねています。筆頭株主はDBJキャピタル投資事業有限責任組合であり、次いでWMグロース3号投資事業有限責任組合、大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合が続きます。複数の機関投資家によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 15.83%
WMグロース3号投資事業有限責任組合 9.98%
大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合 9.76%


なお、前事業年度末において主要株主であったWMグロース3号投資事業有限責任組合は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役は竹原大氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
竹原 大 代表取締役 1986年4月 ㈱リクルート入社。2007年10月 ザイオソフト㈱常務執行役員CFO兼社長室長。2011年5月 PRISM BioLab㈱(現同社)執行役員CFO。2016年12月 同社代表取締役より現職。
朴 煕万 取締役研究開発部長 2000年10月 ノバルティスファーマ㈱入社。2008年9月 NIBR Inc入社。2011年10月 ラクオリア創薬㈱入社。2022年1月 同社取締役研究開発部長より現職。


社外取締役は、古島ひろみ氏(一色法律事務所・外国法共同事業パートナー)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は弁護士としての豊富な法的知見に基づき、事業運営や新薬開発における法的助言をはじめとした経営全般に関する提言を通じて、経営監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、世間水準や経営内容、従業員給与とのバランスを考慮して決定されています。取締役の報酬は、ヘルスケア関連上場企業の平均年収を参考に職責に応じた調整を行い、取締役会で決定されています。原則として役員報酬のみですが、会社の業績に応じて取締役に対して役員賞与を支給する場合があります。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 84百万円 21.0百万円
社外役員 5名 29百万円 5.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

個人別報酬が開示されている役員はいません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。