※本記事は、株式会社Faber Company の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Faber Companyグループは、デジタルマーケティングを通じて企業の目標達成、事業成長、ビジネス変革を支援しています。AI技術を中核とする自動化ツール群と、人材・教育・コンサルティングといったリソース群を提供し、デジタルマーケティングの生産性向上に貢献しています。
単体従業員数は80名、連結従業員数は100名です。報告セグメントは「ミエルカ事業」の1つです。
主な国内グループ会社は、so.la(ミエルカ事業)などです。
Faber Companyは、2025年1月31日付で株式会社so.laの全株式を取得し、子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Faber Companyは、デジタルマーケティング事業を展開する企業です。従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的若く、活気のある環境がうかがえます。同社グループは、優秀な人材の確保と育成、そして働きやすい社内環境の整備を重視しており、従業員一人ひとりの成長を支援する取り組みを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が4.0年、平均年齢が33.5歳となっており、比較的若い人材が活躍している傾向が見られます。従業員数は単体で80人、連結で100人であり、グループ全体の中核を担う存在であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,570,681円 |
| 平均勤続年数 | 4.0年 |
| 平均年齢 | 33.5歳 |
| 単体従業員数 | 80人 |
| 連結従業員数 | 100人 |
| 単体のグループ内比率 | 80.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Faber Companyは、優秀な人材の確保と育成、社内環境の整備を成長戦略を実現するための源泉と考えています。従業員が持つ才能や潜在能力を最大限に引き出すことに注力しており、公平な議論を通じて革新を生み出し続けることを目指しています。
具体的には、同社が持つ価値観や強み、行動を整理した「DNAマップ」を活用した採用・育成活動を行っています。人材の評価・教育制度の整備を進めることで、優秀な人材の定着と既存人材の能力向上に努めています。
また、経営者と従業員の密接なコミュニケーションを図るため、月1回の全社会議や、従業員とマネージャーによる定期的な1on1面談を推進しています。これらの取り組みを通じて、従業員が自身のセルフイメージを高め、自己成長の意欲や組織への貢献意識を高めることができる環境づくりに力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載が省略されています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
Faber Companyグループは、デジタルマーケティングを通じて企業の目標達成、事業成長、ビジネス変革を支援する企業です。「辺境の知から“マーケティングゼロ”を実現する」というパーパスのもと、人工知能(AI)技術を活用した自動化ツール群と、人材・教育・コンサルティングからなるリソース群を提供しています。
主力サービスには、Webサイトへの流入最大化を支援する「ミエルカSEO」、UI/UX改善によるコンバージョン最大化を支援する「ミエルカヒートマップ」、Googleマップ等を用いた店舗集客を最大化する「ローカルミエルカ」があります。また、即戦力となるフリーランスや副業のデジタルマーケティング人材を企業に提供する「ミエルカコネクト」や、特に高い専門性が求められる課題に対応するソリューションサービスも展開しています。
同社グループは、これらの豊富なサービスラインナップにより、企業のデジタルマーケティング活動のワンストップソリューションを目指しています。多様なサービスを通じて得られる膨大なデータをAI技術で解析・活用し、利用企業への提供価値の最大化を図ることで収益を得ています。同社グループの事業は国内が中心であり、特定の外部顧客に売上が集中することはありません。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| デジタルマーケティング自動化ツール | 1兆3,640億円 | 1兆4,417億円 |
| デジタルマーケティングリソース | 9,400億円 | 1兆1,102億円 |
| その他 | 132億円 | 90.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
Faber Companyグループの業績は、過去数期にわたり着実に成長を続けています。売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しており、堅調な推移となっています。特に直近の会計年度では、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ前年同期から大きく伸びています。これは、デジタルマーケティング市場の堅調な伸長と、同社グループのサービス改善や販売活動の強化が寄与しているものと考えられます。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 20.0億円 | 21.8億円 | 23.2億円 | 25.6億円 |
| 経常利益 | - | 3.1億円 | 3.1億円 | 3.1億円 | 3.8億円 |
| 経常利益率 | - | 15.6% | 14.2% | 13.4% | 14.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 2.1億円 | 2.1億円 | 2.2億円 | 2.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 86.70 | 89.26 | 89.34 | 96.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
Faber Companyグループの生産性を見ると、従業員1人あたりの売上高は前期からほぼ横ばいで推移しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これは、組織体制強化のための人件費増加や販売促進費の増加がありつつも、売上総利益の伸長が寄与しているためと考えられます。従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向は、事業の効率性が高まっていることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.7百万円 | 25.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.7百万円 | 3.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。これにより、事業の成長フェーズにあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は82.7%となっており、前期の82.0%からわずかに増加しています。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準を示しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。
ROE(自己資本利益率)は当期11.8%で、前期の11.9%からほぼ横ばいです。プライム市場平均の9.4%を上回る水準であり、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金は21.2億円を確保しており、前期の23.0億円から減少しています。これは、事業運営における安定性や不測の事態への対応力を示す指標となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 21.1億円 | 23.8億円 |
| 自己資本比率 | 82.0% | 82.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.9% | 11.8% |
| 現金及び預金 | 23.0億円 | 21.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは2.1億円のプラスとなりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加によるものです。一方で、売上債権の増加や法人税等の支払いにより資金が減少しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは△3.8億円のマイナスとなりました。これは主に投資有価証券の取得による支出や、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは該当事項がありません。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△1.7億円のマイナスとなっています。本業で得た資金を上回る投資を行っており、事業拡大に向けた積極的な投資フェーズにあることが示されています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.2億円 | 2.1億円 |
| 投資CF | △1百万円 | △3.8億円 |
| 財務CF | 2.7億円 | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.2億円 | △1.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、デジタルマーケティング市場の規模拡大に伴う競合の増加をリスクとして認識しています。十分な差別化や機能向上ができなかった場合、経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、生成AIの急速な普及など、技術革新のスピードが速い市場環境において、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合、競争力が低下するリスクがあるとしています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大に伴い、事業開発力やマネジメント能力、営業人材、デジタルマーケティングやシステム開発のスキルを持つ人材、コーポレート人材など、網羅的な職種での人材採用が必要であると認識しています。インターネット関連ビジネスにおける人材流動性の高さから、求める人材が確保できなかった場合や優秀な既存人材が流出した場合、経営戦略の遂行や経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があるとしています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Faber Companyは、「辺境の知から“マーケティングゼロ”を実現する」というパーパスを掲げ、デジタルマーケティングを中核とした事業展開を通じて、企業のマーケティング活動の変革を目指しています。優秀な人材の確保と育成、そして働きやすい社内環境の整備を重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Faber Companyグループは、「辺境の知から“マーケティングゼロ”を実現する」というパーパス(同社グループの存在意義)を掲げています。これは、「マーケティングをやらないと、どんなにいいものでも届かない」という現状から、「マーケティングをやらなくても、いいものは届く」という、売り手と買い手の境界線が存在しない世界の実現を目指すものです。
同社グループは、デジタルマーケティングを中核とした事業開発の連鎖を構築し、企業のマーケティング活動の変革を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
Faber Companyは、同社が持つ価値観・強み・行動を「DNAマップ」として整理し、これを利用した採用・育成活動を通じて企業文化を醸成しています。全社研修や昇格時の研修により、価値観の共有を継続的に行っています。
また、同社はデジタルマーケティングの高度専門人材を「職人」と呼称し、「職人会議」の実施を通じて後進の育成にも努めています。従業員の才能や潜在能力の見極めと最大化に注力し、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりに努めています。
さらに、経営者と従業員の密接なコミュニケーションを図るため、月1回の全社会議や、従業員とマネージャーとの定期的な1on1面談を推進しています。これにより、従業員の仕事満足度や健康状態に配慮し、目標達成を支援する文化があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
Faber Companyグループは、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保と育成の強化を重要な課題としています。知名度の向上や教育の充実を図り、長期的にやりがいを感じて働ける職場環境の整備を進めるとともに、新卒採用を含む積極的な採用活動を継続する方針です。
また、継続的な成長を維持するため、内部管理体制の強化にも取り組んでいます。事業規模や成長ステージに合わせたコーポレート機能の拡充、リスク管理、内部監査によるコンプライアンス体制の強化、コーポレート・ガバナンス機能の充実を進めています。
情報セキュリティ体制の更なる整備も重点テーマであり、ISO/IEC27001:2022の認証取得に加え、社内規程の適切な運用や役職員のリテラシー向上、内部監査を通じて強化を図っています。さらに、同社グループおよびサービスの認知度・ブランド力向上に向けた積極的な販売促進活動や、新規事業の開拓と育成にも取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Faber Companyは、経営の健全性と透明性を高め、持続的な企業価値の拡大を目指し、迅速かつ効率的な経営管理体制の構築に努めています。取締役会は社外取締役を多く含む構成となっており、任意の指名・報酬諮問委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は、代表取締役執行役員Founder古澤暢央氏の資産管理会社であるさくらキャピタルです。古澤暢央氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が同社グループの資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| さくらキャピタル | 45.68% |
| 古澤 暢央 | 7.15% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 5.07% |
(注)発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役は稲次正樹氏が務めています。社外取締役比率は71.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 稲次 正樹 | 代表取締役 | 1998年4月株式会社アミューズ入社。株式会社大広、株式会社サイバーエージェント等を経て、2011年4月同社取締役、同年7月同社取締役社長に就任。2018年11月より同社代表取締役を務めています。 |
| 古澤 暢央 | 代表取締役 執行役員 Founder | 1999年9月株式会社光通信入社。ぷらっとホーム株式会社を経て、2005年10月に有限会社セルフデザイン(現同社)を設立し代表取締役に就任。Faber Vietnam Co., Ltd.代表取締役、さくらキャピタル代表取締役も務めています。 |
社外取締役は、石坂茂氏(株式会社IBJ 代表取締役社長)、中川隆氏(SBIホールディングス株式会社 取締役副社長)、本橋信之氏(オスカーテクノロジー株式会社 管理部長兼内部監査室長・常勤監査等委員)、根本鮎子氏(アクアシス法律事務所 マネージングパートナー・監査等委員)、高橋龍徳氏(日比谷総合会計事務所設立代表パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を選択しています。監査等委員である取締役が議決権を保有し、独立性を確保した取締役会の運営ができる体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で定められた報酬総額の範囲内で決定されています。監査等委員ではない取締役の報酬は取締役会決議により、監査等委員である取締役の報酬は監査等委員会の決議により決定される仕組みです。また、役員報酬の妥当性と決定プロセスの公正性を確保するため、社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会が設置されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 76百万円 | 12.7百万円 |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 10百万円 | 4.8百万円 |
なお、人数および総額は事業年度中に報酬の支給対象となったものであり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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