※本記事は、株式会社ROXX の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ROXXは、テクノロジーを活用してノンデスクワーカーの正社員化と所得向上を目指すHR Techカンパニーです。同社は、ノンデスクワーカーに特化した転職プラットフォーム「Zキャリア」を運営しています。
単体従業員数は305名です。同社はHR tech事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ROXXは、ノンデスクワーカーに特化した転職プラットフォーム「Zキャリア」を運営しており、求人企業は無料で求人掲載ができ、採用決定時に成果報酬が発生するビジネスモデルです。
2025年9月30日をもって、back check事業を新設分割したback check株式会社の全株式をエン株式会社に譲渡しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ROXXはHR Tech事業を展開しており、テクノロジーを通じて社会課題の解決を目指す企業です。若手社員が多く活躍しており、活気ある環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の社員が中心となっており、平均勤続年数も短めであることから、新しい人材が積極的に加わり、組織が常に変化・成長している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,606,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.0年 |
| 平均年齢 | 29.7歳 |
| 単体従業員数 | 305人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ROXXは「時代の転換点を創る」というミッションを掲げ、テクノロジーを活用してノンデスクワーカーの正社員化と所得向上を推進するHR Techカンパニーとして、日本の労働問題解消に貢献することを目指しています。どのような境遇の個人でも安定した生活と自己実現につながるキャリアを創り出せる社会の実現を追求しています。
同社では、ミッション達成のために3つのバリュー(ROCK, BAND, SHOW)と行動指針を設定し、その浸透を図っています。これらは人事評価制度の評価項目や採用基準に組み込まれているほか、入社時研修や行動指針に特化した研修を通じて徹底されています。行動指針評価の可視化や部署ごとの強化ポイント設定・教育プラン策定サイクルを回すことで、バリューの浸透を促進しています。
また、変化の激しい経営環境に対応し、全社横断での事業シナジーを追求するため、役職別にリーダーシップやマネジメント力を高める研修プログラムを実施しています。具体的には、「ROXXカフェ(経営メンバーによる社内勉強会)」、「ROXXアカデミー(人事によるスキル研修)」、「マネージャー育成プロジェクト」といった能力開発プログラムを展開し、役職員間の強固な人間関係構築と事業環境への共通理解を深めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、男性労働者の育児休業取得率は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 70.6% |
| 労働者の男女賃金差異(全労働者) | 70.0% |
| 労働者の男女賃金差異(うち正規雇用労働者) | 71.1% |
| 労働者の男女賃金差異(うちパート・有期労働者) | 183.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ROXXは「時代の転換点を創る」をミッションに掲げ、テクノロジーを活用したHR Techカンパニーです。ノンデスクワーカーの正社員化を推進し、所得向上を目指す事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社はHR tech事業の単一セグメントで事業を展開しています。主力サービスは、ノンデスクワーカーに特化した転職プラットフォーム「Zキャリア」です。このプラットフォームは、正社員を希望する求職者、未経験人材の採用に積極的な求人企業、そしてマッチングを担う人材紹介会社の三者をつなぐ役割を担っています。
Zキャリアは、求人企業が無料で求人情報を掲載でき、求職者の入社が決定した場合に成果報酬が発生するモデルを採用しています。また、求人企業はZキャリアを通じて全国の小規模人材紹介会社(パートナー紹介会社)に求人情報を解放し、多くのノンデスクワーカーの紹介を受けることが可能です。パートナー紹介会社からは月額利用料を収受する収益構造も有しています。
同社は、求職者集客やAIを活用したプロダクト開発の強化に注力しています。特に「AI面接官」は、求職者が24時間365日スマートフォンで面接を受けられるようにすることで、求人企業の採用担当者の工数削減に貢献しています。過去にはオンライン完結型リファレンス/コンプライアンスチェックサービス「back check」も運営していましたが、当事業年度においてback check事業を新設分割により設立したback check株式会社に承継し、その全株式をエン株式会社へ譲渡しました。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外比率は存在しません。また、総売上高に対する特定の販売先への売上高割合が低いことから、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は増加傾向にあります。一方で、営業損失と経常損失は継続している状況です。当期純利益は増加に転じましたが、これは関係会社株式の売却に伴う特別利益の計上が主な要因となっています。
キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動による資金の減少が続いています。投資活動による資金は、関係会社株式の売却による収入により増加しました。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業拡大に向けた投資を継続しており、財務基盤の強化と成長の両立を目指しています。現在の資金の流れや財務状況から、同社の経営の安定性を確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は当期で34.8%となり、前期の24.5%から増加しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して同程度から上回る水準です。ROE(自己資本利益率)は当期で73.5%と高い水準を示しており、収益性が向上していることがうかがえます。手元資金である現金及び預金等は当期に40.3億円となり、前期から増加しています。これらの財務状況は、同社が事業運営に必要な資金を確保し、安定した経営基盤を築いていることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 24.5% | 34.8% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 73.5% |
| 現金及び預金等 | 25.9億円 | 40.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期の営業活動によるキャッシュフローは10.2億円の減少となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上や関係会社株式売却益の計上がある一方で、取引増加に伴う売上債権の増加額などが影響しています。投資活動によるキャッシュフローは16.7億円の増加となり、これは主に関係会社株式の売却による収入があったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは7.9億円の増加となり、長期借入れによる収入が主な要因です。これらの結果、フリーキャッシュフローは6.5億円のプラスとなっています。営業活動によるキャッシュフローは減少していますが、事業拡大に向けた投資を継続している状況です。同社は成長フェーズにあり、事業の拡大と資金調達をバランス良く進めていることがうかがえ、今後の事業成長とそれに伴う雇用機会の創出が期待されます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △6.1億円 | △10.2億円 |
| 投資CF | △56百万円 | 16.7億円 |
| 財務CF | 24.8億円 | 7.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.6億円 | 6.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が事業を展開する人材採用市場では、多数の競合他社が存在しており、競争が激化する可能性があります。また、同社はノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム「Zキャリア」を中核サービスと位置付けており、売上高に占める依存度が高い状況です。新規サービスの拡充が計画通りに進まない場合、Zキャリアの売上高の変動が同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、継続的な事業拡大や新規事業の推進のため、優秀な人材の確保、育成及び定着を最も重要であると認識しています。しかし、求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営や新規事業の拡大に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ROXXは「時代の転換点を創る」というミッションを掲げ、テクノロジーの力で日本の労働問題の解消を目指すHR Techカンパニーです。ノンデスクワーカーの正社員化と所得向上を推進し、社会貢献を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ROXXは「時代の転換点を創る」をミッションとしています。テクノロジーを活用し、ノンデスクワーカーの正社員化を推進することで、所得向上を目指すHR Techカンパニーです。日本の労働問題を解消し、社会に貢献していくことを経営方針としています。
同社は、どのような境遇や環境の個人であっても、自らの努力次第で安定した生活や自己実現につながるキャリアを創り出せる社会の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社はミッション達成のために、3つのバリューと行動指針を設定しています。これらは「ROCK」「BAND」「SHOW」です。
「ROCK」は固定観念に囚われず、自らが正しいことを全力で証明する姿勢を指します。「BAND」は互いに欠けている部分を補い、一人ではなし得ない大きな成果を生み出すことを意味します。そして「SHOW」は、あらゆる状況においても変化を恐れず、常にベストパフォーマンスを発揮することを求めています。
これらのバリューと行動指針は、人事評価制度や採用基準、入社時研修、各種行動指針に特化した研修に組み込まれ、組織全体への浸透が図られています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中長期的な経営戦略を達成するため、いくつかの課題に取り組んでいます。転職支援の属人性を解消するため、AIを含む最新テクノロジーを活用し、転職支援の均一化や生産性改善を目指しています。
組織体制の整備も重要な課題であり、優秀な人材の採用と能力開発プログラムを通じた従業員への研修、働きやすい環境や人事制度の拡充を進めています。また、情報管理体制の強化として、個人情報保護を徹底し、ISO27001(ISMS)やプライバシーマークの取得、社内研修を実施しています。
内部管理体制の強化にも注力しており、経営上のリスク管理や定期的な内部監査によるコンプライアンス体制の強化、コーポレート・ガバナンス機能の充実を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社として、取締役会が経営の意思決定と業務執行を担い、監査役会が独立した立場で監査を行う体制を構築しています。これにより、経営の透明性と効率性の向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役の中嶋汰朗氏です。その他、信託銀行や事業会社が上位株主として名を連ねています。創業者が筆頭株主として経営を支える一方で、複数の事業会社や機関投資家も主要な株主として同社の資本構成を形成していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中嶋 汰朗 | 16.63% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.38% |
| パーソルキャリア | 6.05% |
| 山田 浩輝 | 4.88% |
| KxShareHW投資事業有限責任組合 | 4.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.6%です。代表取締役は中嶋汰朗氏が務めています。社外取締役比率は100.0%です。
社外取締役は、杉山全功氏(元ザッパラス代表取締役社長)、福留大士氏(チェンジホールディングス代表取締役兼執行役員社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の意思決定と、監査役会による独立した監査機能を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。社外取締役は、企業経営者としての豊富な経験と高い見識に基づき、経営の監督とガバナンスの充実に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、現金による固定報酬を基本としています。取締役の報酬額は、前年度の業績や貢献度に基づき代表取締役が報酬案を作成し、社外取締役および監査役の意見を踏まえて取締役会で決定されます。業績連動報酬制度は採用されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 26百万円 | 12.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 21百万円 | 4.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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