※本記事は、株式会社ケイ・ウノ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ケイ・ウノは、ジュエリーおよび時計の製造販売を主たる業務とする企業です。同社グループは「オーダーメイドでお客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」というパーパスを掲げ、オーダーメイドのジュエリーや時計を提供しています。デザインから製造・販売までを一貫して行う事業モデルが特徴です。
単体従業員数は512名、連結従業員数は578名です。同社グループの事業セグメントは製造小売事業の単一です。
主な国内グループ会社は、ユートレジャー(ジュエリー及び時計の小売事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ケイ・ウノは、ジュエリーの製造小売事業を展開しており、職人を多く抱える企業です。同社グループでは、従業員が長く活躍できるよう、多様な働き方を支援する制度を導入し、働きやすい環境づくりに力を入れています。給与水準や働き方の具体的な状況は、以下の詳細データから確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が30代前半と比較的若く、平均勤続年数も10年近くに及ぶことから、若手社員が定着し、キャリアを築いている傾向が見られます。従業員が長く働き続けられる環境が整備されていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,042,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.5年 |
| 平均年齢 | 32.8歳 |
| 単体従業員数 | 512人 |
| 連結従業員数 | 578人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.6% |
同社及び株式会社ユートレジャーは退職給付制度を設けていません。一方、U-International Factory Co., Ltd.には解雇手当等の支給制度があり、退職給付債務の算定に簡便法を適用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中長期的な企業価値向上の観点から、人的資本関連を含むサステナビリティを重要な経営課題と認識しています。人材の育成と社内環境整備に関する方針として、多様な働き方で能力を発揮できる体制を整えています。
具体的には、女性だけでなく男性の育児休業取得の推進、時短勤務、リモートワークの運用、各種教育プログラムや定期的なフォローアップを実施しています。特に時短勤務においては、法定の育児短時間勤務を超えて個人の状況に合わせた勤務体系を選択できる「オーダーメイド勤務制度」を導入し、効率よく成果を出せる多様な働き方を支援しています。女性活躍の機会を尊重し、公平な機会提供と多様な働き方、キャリア形成を選択できる取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 84.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ケイ・ウノは、ジュエリーと時計の製造販売を主たる業務とする同社グループの中核企業です。お客様一人ひとりのニーズに合わせたオーダーメイドを強みとし、特別な感動と喜びを提供することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「製造小売事業」の単一セグメントで事業を展開しており、オーダーメイドのジュエリーや時計の製造販売を主力としています。デザイナーがお客様の目の前でデザインを描くフルオーダーメイドから、既存デザインへのカスタマイズまで、幅広いサービスを提供しています。また、すぐに使える既製品も取り扱っています。
収益は、ジュエリー、時計、その他の製品販売から得ています。当連結会計年度においては、ジュエリーが最も大きな収益源であり、次いでその他、時計と続いています。同社グループはデザインから製造、販売までを自社で一貫して行う製販一貫体制を採用しており、高品質なオーダーメイドビジネスを全国で展開しています。
ブライダルジュエリーをきっかけに、ファッションジュエリーやリフォームジュエリーへとお客様のライフステージに合わせた提案を行い、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目指しています。ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とのライセンス契約に基づき、ディズニーキャラクターを用いたジュエリーを展開するほか、アニメやゲーム等のキャラクタージュエリーブランド「U-TREASURE」も手掛けています。さらに、一般消費者向けのオーダーメイドで培った技術を活かし、法人向けのODM生産も行っています。地域別では日本が最大の収益源であり、アジア地域からも収益を得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、この数年間で増加傾向にあります。当連結会計年度においても、キャラクター商品の売上高増加や中国本土への新規展開による卸事業の拡大が寄与し、売上高は前期から増加しました。
一方で、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において前期から減少しました。これは、地金価格の急騰による原材料費の上昇、働きやすさ向上を目的とした人事施策に伴う人件費の増加、広告宣伝費の重点的投下などが主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期に使用に転じ、投資活動によるキャッシュ・フローは継続して使用しています。財務活動によるキャッシュ・フローは当期に獲得に転じました。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 58.2億円 | 61.7億円 | 66.6億円 | 70.0億円 |
| 経常利益 | - | 26百万円 | 1.7億円 | 2.3億円 | 76百万円 |
| 経常利益率 | - | 0.5% | 2.7% | 3.5% | 1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 34百万円 | 80百万円 | 1.7億円 | 23百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 35.90 | 85.09 | 176.13 | 21.87 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期からわずかに減少しました。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少しています。これらの指標は、同社グループの事業規模に対する生産性や収益体質の変化を示すものです。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.2百万円 | 12.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.5百万円 | 0.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ケイ・ウノの財務状況は、自己資本比率が改善し、手元資金も確保されています。一方で、営業活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、成長投資フェーズにあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から改善し、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準となっています。ROE(自己資本利益率)は前期から減少していますが、これは当期純利益の減少によるものです。手元資金である現金及び預金は前期とほぼ同水準を維持しており、事業運営に必要な資金は確保されている状況です。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 10.2億円 | 12.7億円 |
| 自己資本比率 | 23.2% | 28.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.6% | 2.0% |
| 現金及び預金 | 10.2億円 | 10.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、前期の資金獲得から一転して資金を使用する結果となりました。これは主に、法人税等の支払額や棚卸資産の増加額が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加したことで、前期よりも使用した資金が増加しています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入や株式の発行による収入があった一方で、長期借入金の返済による支出もあり、全体としては資金を得る結果となりました。フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることが示されています。この状況は、将来に向けた事業拡大への意欲を示しており、事業拡大が雇用や給与の安定に寄与する方向性を示しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 351百万円 | △44百万円 |
| 投資CF | △73百万円 | △140百万円 |
| 財務CF | △237百万円 | 192百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 278百万円 | △184百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ブライダルジュエリーによる売上高がグループ売上高全体の約7割を占めています。少子化・晩婚化の進行により国内ブライダルジュエリー市場が縮小した場合、業績に影響を与える可能性があります。
また、金・白金をはじめとした貴金属やダイヤモンド等、価格に為替相場や国際的な市況の影響を受けやすい原材料を使用しています。原材料価格がさらに上昇し、販売価格に完全に転嫁できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、質の高い人材の育成・確保が十分に出来ず、適正な人員配置が困難になった場合、業績に影響を与える可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ケイ・ウノは、オーダーメイドジュエリーを通じてお客様に特別な感動と喜びを届けることを追求している企業です。同社グループがどのような価値観を大切にし、どのような未来を目指しているのかをご紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「オーダーメイドでお客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」というパーパスを掲げています。このパーパスのもと、「オーダーメイドの新しい文化を創る」というビジョンを実現することを目指しています。ジュエリーを中心にオーダーメイドのビジネスモデルを構築し、「お客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」という経営理念を基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、気候変動関連や人的資本関連を含めたサステナビリティを極めて重要な経営課題と認識しています。サステナビリティ推進担当部署が定期的に取締役会へ報告を行い、組織内での連携強化につなげています。
人材の多様性・育成を重視し、様々な人材が多様な働き方で能力を発揮できるよう、男性の育休取得推進、時短勤務、リモートワークの運用、各種教育プログラム、定期的なフォローアップを実施しています。個人の状況に合わせた勤務体系を選択できる「オーダーメイド勤務制度」を導入し、多様な働き方やキャリア形成を推進しています。
環境面では、製造過程での水質汚濁防止や大気汚染防止、貴金属のリサイクルに努めています。また、紛争ダイヤモンドに関与しない公正な取引を行うための世界的な枠組みの推進にも賛同しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき課題として、優秀な人材の確保及び育成を挙げています。従業員の定着率を高めるための人事制度の整備及び教育の強化に努め、積極的に活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでいます。
また、コーポレート・ガバナンス機能の強化も重要な課題と認識しており、全てのステークホルダーから信頼される企業となるよう、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ケイ・ウノは、取締役会設置会社であり、監査等委員会設置会社です。同社グループは、取締役会と監査等委員会の強化を通じて、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ケイ・ウノの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社秀吉です。上位株主には、久野新太郎氏や久野栄太氏といった個人株主が複数名を占めています。これらの株主は同社の経営に一定の影響力を持つものと見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社秀吉 | 37.90% |
| 久野新太郎 | 11.00% |
| 久野栄太 | 10.70% |
| ケイ・ウノ社員持株会 | 9.70% |
| 青木興一 | 4.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役CEOは青木興一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 青木 興一 | 代表取締役CEO | プリモ・ジャパン株式会社執行役員、同社製造本部長、同社クリエイティブ本部長、同社取締役クリエイティブ本部長、株式会社ユートレジャー取締役副社長を経て、同社代表取締役CEOより現職。 |
| 伊藤 崇史 | 取締役COO兼執行役員 | 同社販売部長、同社営業企画部長、株式会社ユートレジャー代表取締役社長、同社取締役営業部長、同社取締役販売本部長、同社代表取締役社長を経て、同社取締役COO兼執行役員より現職。 |
| 渡沼 和則 | 取締役CAO兼執行役員 | 株式会社データトレード取締役、同社販売部長、同社取締役販売部長、株式会社ユートレジャー取締役、同社取締役商品部長、同社取締役管理本部長兼商品部長、同社取締役管理本部長を経て、同社取締役CAO兼執行役員より現職。 |
社外取締役は、星野一郎氏(弁護士法人オールスター代表社員・監査等委員)、山岡誓子氏(株式会社八幡製鋲所取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。社外監査等委員2名が監査等委員会を構成し、専門的な知見に基づき経営の監視・監査体制を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ケイ・ウノの役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)に対しては金銭による月例の固定報酬が基本です。業績が著しく向上した場合には、業績連動報酬として金銭報酬(賞与)が支払われることがあります。また、非金銭報酬としてストックオプションも導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 45百万円 | 14.9百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.5百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 7百万円 | 3.3百万円 |
同社の役員報酬等の総額は59.0百万円であり、対象となる役員の総数は6名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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