※本記事は、株式会社Sapeet の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Sapeetは「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、AIと3D技術を強みとするExpert AI事業を展開しています。専門家の知見を再現・サポートする「Expert AI」を中核に、顧客ニーズに合わせたAIソリューションと、SaaS型AIプロダクト「カルティ」を提供しています。
単体従業員数は53名です。同社はExpert AI事業の単一セグメントで事業を展開しています。
Sapeetは、AI及び3D技術を基盤としたExpert AI事業を中核に、AIソリューションとAIプロダクトの提供を単体で行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Sapeetは、「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、Expert AI事業を展開しています。同社は、人の身体性・精神性・行動をデータとロジックに基づき分析・可視化する技術を開発し、社会に貢献することを目指しています。人材の獲得と育成を重視し、従業員のエンゲージメント向上と成長を支援する仕組みづくりに注力している会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
Sapeetでは、従業員の平均年齢が30代半ばであり、比較的若い年齢層で構成されています。平均勤続年数は短めですが、これは事業の成長フェーズや人材の流動性を示す可能性があります。同社は、ミッション達成に向けた行動指針を定め、エンゲージメントを高める施策や目標管理にOKRを活用するなど、人材の定着と成長を支援する文化を醸成しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,949,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.5年 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 単体従業員数 | 53人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Sapeetは、「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、その実現のために「人材の獲得と育成」を重要な経営課題と位置づけています。同社は、役職員のあるべき姿を体現するための行動指針を設定し、企業文化の醸成に取り組んでいます。
従業員のエンゲージメントを高める施策として、定期的なエンゲージメント測定や、信頼関係の構築・成長支援・諸問題の早期把握を目的とした1on1を実施しています。また、社内の目標管理にはOKR(Objectives and Key Results)を活用しており、個人およびチーム単位で高い目標達成を目指すとともに、進捗共有を通じて社内の一体感醸成にも寄与しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社Sapeetは、「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、AIと3D技術を強みとするExpert AI事業を展開しています。人の身体性・精神性・行動をデータとロジックに基づき分析・可視化し、その技術を簡単に利用できる仕組みを開発し続けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、AIや3Dに関する技術を中核とし、画像認識、自然言語処理、機械学習、深層学習といったAI技術に注力しています。直近では、LLMや生成AIの活用も進めています。これらの技術と専門家との協同により蓄積したナレッジをもとにした「Expert AI」を中核として、顧客企業のニーズに合わせたサービスを提供しています。Expert AIは、専門家のナレッジを再現・サポートし、コア業務の価値を増幅・拡張することを目的としています。
同社のExpert AI事業は、「AIソリューション」と「AIプロダクト」の二つの形でサービスを提供しています。AIソリューションでは、同社が保有するAIや3D等の技術をもとにしたアルゴリズムモジュールを顧客ごとにカスタマイズし、プロダクト開発・コンサルティングといった様々なフェーズでサービスを提供しています。特に、各種AIエージェントの開発に注力しており、営業AIエージェント、インサイト創出AIエージェント、ナレッジ整備エージェントを開発し、汎用的な機能を集めた営業AIエージェントα版もリリースしています。戦略策定から保守運用・ライセンス提供まで一気通貫で対応することで、短期・中期的な収益だけでなく、保守運用やライセンス収入といった長期間にわたる安定的な収益獲得も可能となっています。AIソリューションにおける上位10プロジェクトの平均受注単価は、取引先企業規模の拡大や案件規模の拡大により上昇傾向にあります。継続率は前期の高水準と比較して低下したものの、一定水準は維持しています。
AIプロダクトは、「カルティ」のブランドで主にSaaSによりサービスを提供しています。Expert AIにより接客・商談現場におけるばらつきを解消し、お客様とのコミュニケーションのAI・DX化を実現するクラウドサービスです。現在、「シセイカルテ」「マルチカルテ」「カルティロープレ」の3サービスを主力としています。これらのサービスは単体での利用だけでなく、複数プロダクトを組み合わせた提案も行っています。一般的なSaaSとは異なり、個社ごとのカスタマイズ提供も可能としています。中長期的には、ウェルネス業界の店舗DXを一気通貫でサポートするオールインワンSaaSとしてのポジション確立を目指しています。AIプロダクトの総アカウント数は増加しており、解約率は前期と比較して上昇しています。AIプロダクトは、サービス開始まで一定の開発期間が必要ですが、サービス開始後は契約期間において安定的な収益が獲得できるストック型のモデルとなっています。
「シセイカルテ」は、AI姿勢・可動域・歩行分析といった姿勢分析を主な機能としたコミュニケーション支援ツールで、整体院、接骨院、鍼灸院、フィットネス、歯科医院などを主なターゲットとしています。「マルチカルテ」は、顧客情報、施術記録、トレーニング記録、接客記録など、すべての項目をノーコードで自由にカスタマイズ可能なカルテサービスです。シセイカルテとのセット利用が多いですが、単体でも提供しており、カルテを利用する幅広い業種がターゲットとなります。「カルティロープレ」は、AIソリューションで実績のあるAIロープレをSaaS型サービスとして提供するもので、営業・接客をはじめとする様々なテーマや課題に合わせたトレーニングを提供し、IT・情報通信、小売、金融など幅広い業種に提供範囲を拡大しています。
同社の販売実績において、株式会社Innovation Studioへの売上高が全体の1割を超えています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の当事業年度における経営成績は、売上高が増加しました。AIソリューションにおける既存プロジェクトの進捗・拡大や新規プロジェクトの獲得、AIプロダクトにおけるアカウント数の増加や新サービスの提供開始が寄与しました。
売上原価は増加しましたが、売上総利益は増加しました。販売費及び一般管理費は、事業拡大のための先行投資や新規上場関連の費用増加により増加しました。
営業利益は、売上高の増加により固定費が吸収され、黒字に転換しました。経常利益も、営業外費用にスポット的な費用を計上したものの、黒字に転換しました。当期純利益も、特別損失を計上したものの、黒字に転換しました。先行投資を継続しながらも、損益分岐点を上回り、各段階利益は黒字化しています。
| 項目 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | - | - |
| 経常利益 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動で得た資金を成長のための投資に充てている状況です。財務基盤の厚みや資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は前期から大きく上昇し、プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準にあります。ROEも当期はプラスに転じ、収益性が改善している状況です。手元資金は前期から減少していますが、事業活動に必要な資金は確保されています。これらの財務状況は、同社の安定した事業運営を支える基盤となっています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 37.1% | 83.4% |
| ROE(自己資本利益率) | △17.3% | 14.2% |
| 現金及び預金等 | 220百万円 | 213百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期の営業活動によるキャッシュ・フローは増加し、税引前当期純利益の計上によりプラスとなりました。これは本業で資金を生み出している状況を示しています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、ソフトウエアの取得やオフィスの備品、業務で使用するPCの取得に伴う支出により、引き続きマイナスとなっています。これは将来の成長に向けた積極的な投資が行われていることを示唆しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入があった一方で、短期借入金の返済も行われたため、前期と比較して増加幅は縮小しています。結果としてフリーキャッシュ・フローはマイナスであり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △32百万円 | 46百万円 |
| 投資CF | △100百万円 | △103百万円 |
| 財務CF | 195百万円 | 50百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △132百万円 | △57百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、上位取引先3社で売上高全体の26.9%を占めており、AIプロダクトでは「シセイカルテ」が売上高の約8割を占める状況です。特定の取引先やサービスへの依存度が高いことは、事業運営上のリスクとなる可能性があります。また、AI/ウェルネス関連領域は成長性が高く多くの企業が参入しているため、競争力の低下が事業に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は持続的な高成長のために優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しています。しかし、求める水準の人材確保や育成が計画通りに進まない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Sapeetは「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げ、AI技術を通じて人々のポテンシャルを解放し、心身豊かになれる世界を目指しています。データとロジックに基づき、人と社会の最適な触れ合いを追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Sapeetは「ひとを科学し、寄り添いをつくる」をミッションに掲げています。同社は、人の身体性・精神性・行動をデータとロジックに基づき分析・可視化し、その技術を簡単に利用できる仕組みを開発し続けることを目指しています。これにより、人と社会がより最適な状態で触れ合い、人のポテンシャルを解放したり、生活の質を高めたりして、心身豊かになれる世界をつくることを実現しようとしています。短期・中期においては「デスクレスワーカーのエンパワーメント」と「ウェルネスデータの分析・可視化による健康寿命の延伸」に取り組む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
Sapeetはミッション達成のための行動指針を設定し、役職員のあるべき姿を体現する具体的な行動規範としています。同社へのエンゲージメントを高める施策として、定期的なエンゲージメント測定や、信頼関係の構築・成長支援・諸問題の早期把握等を目的とした1on1を実施しています。社内の目標管理にはOKR(Objectives and Key Results)を活用しており、個人単位及びチーム単位でOKRを設定して業務に取り組んでいます。個人・チームのOKRの進捗や取り組みを社内に共有することで、社内の一体感醸成にも寄与しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
Sapeetは、持続的な成長のために開発体制の強化を課題としています。優秀な人材の確保や技術的な知見・ノウハウ獲得、社内での活用仕組み構築に努めています。また、営業体制の強化も重要視しており、優秀な営業人材の積極的な採用と営業管理体制の効率化を進めています。事業規模拡大を支える内部管理体制の強化、および個人情報や顧客の機密情報を扱う情報管理体制の強化も重要な課題です。さらに、蓄積したデータの利活用を進め、Expert AIの強化や新たなビジネス展開を目指しつつ、慎重な情報取り扱いにも配慮しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、株主総会、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置する機関設計を採用しています。取締役会は経営の迅速性と機動性を確保し、取締役間の相互監視と監査等委員会による監査を通じて、業務の適法性や適正性を担保する仕組みとなっています。監査等委員会は3名の社外取締役で構成され、独立した外部からの視点でチェック機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はPKSHA Technologyであり、代表取締役社長である築山英治氏も上位株主の一人です。日本テレビホールディングスも主要な株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| PKSHA Technology | 35.97% |
| 築山 英治 | 19.72% |
| 日本テレビホールディングス | 13.70% |
| 村上 大昌 | 2.11% |
| 楽天証券 | 1.38% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は築山英治氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 築山 英治 | 代表取締役社長 | 2016年3月 同社設立 代表取締役社長就任より現職。 |
| 尾形 友里恵(戸籍名:広部 友里恵) | 取締役AI・DX事業本部長 | 2015年4月 日本アイ・ビー・エム株式会社入社。2018年10月 同社入社。2021年12月 同社取締役就任。2022年10月 同社取締役AI・DX事業本部長就任より現職。 |
| 佐藤 琢治 | 取締役経営管理本部長 | 2007年3月 いちよし証券株式会社入社。2022年6月 同社入社 経営管理本部長就任。2022年10月 同社取締役経営管理本部長就任より現職。 |
社外取締役は、前山義一氏(アクアイグニス・マエダ代表取締役・常勤監査等委員)、竹村純也氏(やまなみ監査法人社員・監査等委員)、三浦千絵氏(五木田・三浦法律事務所入所・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。監査等委員会は3名の社外取締役で構成され、独立した視点から業務の適法性や適正性を監査する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員報酬の決定において公正性・透明性・客観性を重視し、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を設置しています。取締役の報酬は月例の金銭報酬のみで構成されており、個々の地位や職責、同社の業績、従業員の給与水準などを総合的に考慮して決定されています。業績連動報酬に該当するものは設定されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 30百万円 | 10.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.2百万円 |
役員報酬の総額は37.1百万円で、対象となる役員は合計6名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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