※本記事は、株式会社Schoo の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Schooは、「世の中から卒業をなくす」をミッションに、学びや教育を起点とした事業を展開しています。主力は法人向けオンライン研修「Schoo for Business」で、個人向け学習サービスや高等教育機関向けプラットフォームも提供しています。
単体従業員数は191名です。同社は、大人の学び事業の単一セグメントで事業を展開しています。
Schooは、社会人の「学び手」向けに法人向け研修サービス「Schoo for Business」や個人向け学習サービス「Schoo for Personal」を提供しています。また、高等教育機関・社会人教育事業者の「教え手」向けには学習管理プラットフォームサービス「Schoo Swing」を提供しています。
同社は2025年より、大企業向けの組織変革コンサルティングサービス「Enterprise Drive」の本格展開を開始しました。これにより、従来のオンライン研修提供に加え、人材育成や組織変革の実行支援へとサービス領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Schooは、「世の中から卒業をなくす」というミッションを掲げ、学びを起点とした社会課題解決を目指しています。人材を最も重要な資本と位置づけ、「学び続ける組織」として従業員の成長を支援する環境が特徴です。多様な働き方を尊重し、柔軟な勤務制度を通じて従業員が安心して活躍できる環境づくりを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が36.2歳、平均勤続年数が2.8年となっています。比較的若い年齢層の従業員が多く、組織全体として活発な成長フェーズにあることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,510,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 36.2歳 |
| 単体従業員数 | 191人 |
| 連結従業員数 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Schooは、「世の中から卒業をなくす」というミッションの実現に向け、行動規範「Laboratory #105」を掲げています。まだ世の中にない価値を生み出し続ける「研究所」として、人材を最も重要な資本と位置づけています。社会課題を解決する発明を生み出し、従業員一人ひとりのキャリア実現のため、人材の確保・育成と多様な人材が活躍できる環境整備を基本方針としています。
同社は「学び続ける組織」を目指し、企業内大学「Schooユニバーシティ」を設置し、社員が自ら学びを選択できる機会を提供しています。また、9,000本以上のSchooコンテンツの無料受講や、社員が講師となる社内勉強会「Schoo Swing」を通じて、学びを起点としたつながりを強化し、継続的な人材育成に取り組んでいます。
さらに、「とらわれない働き方」を重視し、多様な人材が活躍できる社内環境の整備を進めています。具体的には、フレックス勤務、時短勤務、在宅勤務、育児休業取得などを促進し、性別や年齢、国籍、障がいに関わらず、やりがいを持って働ける組織づくりを推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金制度・体系において性別による差異はなく、男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 87.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 177.0% |
多様性・登用
管理職に占める女性労働者の割合は、2028年9月期までに40%とする数値目標が掲げられています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 177.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給取得率 | 64.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Schooは、「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと、学びや教育を起点とした事業を展開しています。社会人向けのオンライン学習サービスと、高等教育機関・社会人教育事業者向けの学習管理プラットフォームを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
Schooは、社会人の「学び手」と高等教育機関・社会人教育事業者の「教え手」の双方にサービスを提供しています。主力は法人向け研修サービス「Schoo for Business」であり、同社売上高の大部分を占めています。このサービスは、自律型人材を育成するオンライン研修を提供し、多くの法人企業に導入されています。
また、個人向けには『一生、学べる学校』をコンセプトとしたオンライン学習サービス「Schoo for Personal」を提供しています。生放送授業での双方向コミュニケーションが特徴で、無料のオープン会員と有料のプレミアム会員があります。さらに、高等教育機関・社会人教育事業者向けには、クラウドベースの学習管理プラットフォームサービス「Schoo Swing」を提供しており、多くの高等教育機関等で導入実績があります。
同社は、創業以来蓄積してきた豊富な学習コンテンツと、その企画・制作・配信ノウハウを強みとしています。コンテンツは「時代にリンクした学び」をテーマに、「ビジネス基礎力」「デジタルリテラシー」「デザイン力」「AI時代の人間力」「リベラルアーツ」の5つの学習領域を定義し、新しい学びを開発しています。2025年からは、大企業を対象とした組織変革コンサルティングサービス「Enterprise Drive」の本格展開も開始し、サービス提供領域を拡大しています。収益は主にこれらのサービスの利用料や初期費用、コンサルティングサービスから得ています。同社の売上高は本邦の外部顧客への売上高が大部分を占めており、国内市場が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前事業年度から増加し、営業利益と経常利益も大幅に増加しました。一方で、当期純利益は減少しています。これは、社会人教育市場の堅調なニーズを背景に、新規顧客獲得や既存顧客の取引拡大に向けた施策を推進した結果と考えられます。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの生産性を示す指標は、当期と前期の比較データがありません。しかし、同社は事業拡大に向けた組織拡充のため、当期中に従業員が24名増加しています。これは、将来的な成長を見据えた積極的な人材投資を行っている状況を示しています。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Schooは、財務基盤の強化と事業成長のための投資を両立させながら、安定した経営状況を築いています。資金の流れを見ると、本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も積極的に行っていることがわかります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
Schooの自己資本比率は当期で大きく向上しており、前期と比較して高い水準を示しています。これは東京証券取引所プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準であり、財務基盤が安定していることを示しています。手元資金である現金及び現金同等物は当期末に増加しており、不測の事態への耐性も確保されている状況です。このような財務状況は、同社が安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤があることを示しています。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 650百万円 | 1,855百万円 |
| 自己資本比率 | 26.9% | 53.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 2,045百万円 | 2,946百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
Schooのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期にプラスとなりました。これは税引前当期純利益の計上や未払金の増加などが主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、ソフトウエアの機能追加やスタジオ移転に伴う有形固定資産の取得などにより、マイナスとなっています。
フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で得た資金を成長投資に充てつつも、手元に資金が残る健全な状態を示しています。財務活動によるキャッシュフローは、株式の発行による収入が大きく寄与し、プラスとなりました。これらの資金の流れから、同社は本業で安定的に資金を生み出し、将来の成長に向けた投資を積極的に行いながらも、財務基盤を強化していることがわかります。この状況は、同社の事業が安定的に成長していることを示しており、従業員にとって安心して働ける環境の維持につながる基盤があることを示しています。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 115百万円 | 249百万円 |
| 投資CF | △20百万円 | △135百万円 |
| 財務CF | 27百万円 | 787百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 95百万円 | 114百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は社会人教育市場において、多くの企業が参入する競争環境にあります。将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者が新たに参入し、競争が激化する可能性があります。また、同社の売上はオンライン学習サービス「Schoo」とその関連サービスで構成されており、単一事業であることのリスクも認識しています。当該市場の成長が鈍化した場合や事業環境の変化に対応できない場合、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、継続的な事業拡大のために優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しています。必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、事業運営や拡大に支障が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Schooは、「学び」を起点に社会課題の解決を目指し、すべての人が学び続けられる社会の実現を追求する会社です。独自の価値観と行動規範を大切にし、持続的な成長と社会貢献を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「世の中から卒業をなくす」というミッションを掲げています。これは、学びを通じて社会が抱える課題の解決を加速させ、すべての人が学び続けられる世界を創ることを使命としています。
ビジョンには「あたたかい革命」が起こり続ける社会を残すことを掲げています。「誰かを想い、何かを変えるために頑張ること」を「あたたかい革命」と定義し、学びを通じたイノベーション創出を目指しています。
また、社会人教育市場において「社会人教育の第一想起」を獲得し、リーディングカンパニーの地位確立を目指して事業を展開しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社はミッション実現のため、Philosophy(行動規範)として「Laboratory #105」を掲げています。これは「まだ世の中にない価値を生み出し続ける『研究所』である」という精神を大切にするものです。
他社の模倣ではなく、「Schooだからこそ」の価値を発明し続けることを目指しています。そのために最も重要な資本は人材であると考えています。
社会課題を解決できる発明を生み出し続ける組織として、また従業員一人ひとりが目指すキャリアを実現できるよう、多様な人材が安心して活躍できる環境の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、今後の事業拡大と収益基盤の確立に向けて「優秀な人材の確保及び育成」を重要な課題としています。ミッションに共感する人材の採用と、研修制度の充実による既存社員の能力向上を推進しています。
また、「知名度の向上」も重点テーマの一つです。社会人教育市場でのリーディングカンパニーの地位確立や、優秀な人材の採用・確保に寄与するため、適切な広告活動を推進する方針です。
さらに、「情報管理体制の強化」にも取り組んでいます。顧客情報や個人情報の厳正な管理のため、社内規程の整備・運用徹底、社内研修の実施、関連社内システムのセキュリティ強化を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、会社法上の機関として取締役会と監査役会を設置しています。効率的な経営と経営監視機能の確保を目指し、社内取締役と専門知識を持つ社外取締役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である森健志郎氏です。また、第2位には池原諒平氏が名を連ねており、創業者が上位株主として同社の経営を支えていることがうかがえます。その他、機関投資家も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 森 健志郎 | 19.28% |
| 池原 諒平 | 13.53% |
| IF GROWTH OPPORTUNITY FUND 1 , L.P | 6.90% |
| BIG2号投資事業有限責任組合 | 5.88% |
| あおぞらHYBRID2号投資事業有限責任組合 | 3.88% |
2025年6月18日付の臨時報告書(主要株主の異動)にてお知らせのとおり、前事業年度末において主要株主でなかった池原諒平氏は、当事業年度末現在では主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は森健志郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 森健志郎 | 代表取締役社長 | 2009年4月株式会社リクルートメディアコミュニケーションズ(現:株式会社リクルート)に入社。2011年10月に同社を設立し、代表取締役社長より現職。 |
| 古瀬康介 | 取締役 事業本部本部長 | 2000年4月日本電気株式会社に入社後、株式会社リクルート等を経て、2018年4月同社に入社し執行役員に就任。2018年11月より同社取締役、2023年4月より事業本部本部長より現職。 |
| 中西勇介 | 取締役 管理本部本部長 | 2003年4月株式会社白元に入社後、金融機関や複数企業での勤務を経て、2020年7月同社に入社し執行役員に就任。2021年9月より同社取締役、2022年6月より管理本部本部長より現職。 |
社外取締役は、和田圭祐氏(インキュベイトファンド代表パートナー)、保科剛氏(キャナルベンチャーズ代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会がそれぞれの役割を果たすことで牽制機能を強化しています。社外取締役は、豊富な経験と幅広い見識に基づき、経営の客観性・中立性の確保と意思決定の合理性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員報酬の公正性、透明性、客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として報酬委員会を設置しています。役員報酬は、それぞれの役割に応じた月例の固定報酬として、基本報酬のみが支給される体系となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 64百万円 | 21.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.5百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 3.1百万円 |
個人別報酬が開示されている役員はいません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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