ブリッジコンサルティンググループ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ブリッジコンサルティンググループ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場。公認会計士等のプロフェッショナル人材をデータベース化し、企業の経営課題解決を支援するプロシェアリング事業を展開しています。第14期は売上高が前期比11.0%増の22億円と伸長した一方、人材採用等の投資により経常利益は同11.6%減の2億円となりました。


※本記事は、ブリッジコンサルティンググループ株式会社 の有価証券報告書(第14期、自 2024年10月1日 至 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ブリッジコンサルティンググループってどんな会社?


公認会計士を中心としたプロフェッショナル人材の知見をシェアするプラットフォーム「会計士.job」を運営し、企業の経営管理課題を解決する会社です。

(1) 会社概要


同社は2011年に設立され、経営管理コンサルティングサービスを開始しました。2019年には公認会計士のワーキングプラットフォーム「会計士.job」をリリースし、基盤を強化しています。2022年にTOKYO PRO Marketへ上場した後、2023年には東証グロース市場へ上場を果たしました。2024年には人材紹介サービス等を行う子会社を設立し、事業領域を拡大しています。

現在の従業員数は連結72名、単体66名です。大株主の構成は、筆頭株主が創業者であり代表取締役の宮崎良一氏、第2位が同氏の資産管理会社、第3位がベンチャーキャピタルとなっています。経営陣が株式の過半数を保有しており、安定したオーナーシップのもとで経営が行われています。

氏名 持株比率
宮崎 良一 26.23%
GOOD ONE PARTNERS合同会社 20.00%
WMグロース4号投資事業有限責任組合 9.65%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役は宮崎良一氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
宮崎 良一 代表取締役 2006年監査法人トーマツ入所。2011年10月に同社を設立し代表取締役に就任。Casa監査役を兼任。
田中 智行 取締役 2004年中央青山監査法人入所。オーナーズブレイン、有限責任監査法人トーマツを経て2015年同社入社。2025年10月よりコンサルティング事業本部本部長。
伊東 心 取締役 2006年新日本監査法人入所。シリコンスタジオを経て2017年同社入社。IPO支援事業部等を歴任し、2025年10月よりコーポレート戦略本部本部長。


社外取締役は、徳永康雄(WMパートナーズ代表取締役社長)、大友潤(パーソルビジネスプロセスデザイン取締役執行役員)、山田琴江(クックビズ監査役)、土谷祐三郎(サイバーソリューションズ執行役員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「公認会計士事業」および「HR事業」を展開しています。

(1) 公認会計士事業


ワーキングプラットフォーム「会計士.job」に登録する公認会計士等のプロフェッショナル人材を活用し、企業の経営管理課題を解決するサービスです。具体的には、IPO(新規上場)支援、リスクマネジメント(内部統制・監査)、決算開示等のアカウンティングサービス、M&A関連のファイナンシャルアドバイザリーなどを提供しています。

収益は、クライアント企業から受け取るコンサルティングフィーや業務委託料が中心です。プロジェクトごとに社内コンサルタントと登録パートナー会計士がチームを組み、実務支援を行います。運営は主にブリッジコンサルティンググループが行っています。

(2) HR事業


企業の成長に不可欠な人材組織の構築を支援するサービスです。人事・採用領域に特化したコンサルティングやスキルシェアリング、および経営管理体制の強化に必要なCFOや管理部長クラスのハイクラス人材を紹介するプロフェッショナル人材紹介サービスを提供しています。

収益は、クライアントからのコンサルティング料や、人材紹介の成功報酬などです。運営は、採用実務支援等を担う株式会社BridgeResourceStrategyと、人材紹介を行う株式会社Bridge Executive Searchが担当しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


2024年9月期から2025年9月期の業績を見ると、売上高は順調に拡大傾向にあります。一方で、利益面では経常利益および当期純利益ともに減少しており、利益率は低下しています。事業拡大に伴う投資や体制強化が進む中で、増収減益のトレンドとなっています。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 20.2億円 22.4億円
経常利益 2.3億円 2.0億円
利益率(%) 11.5% 9.1%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.7億円 1.5億円

(2) 損益計算書


売上高は増加していますが、売上総利益率はほぼ横ばいで推移しています。営業利益率は低下しており、販管費の増加が利益を圧迫している様子がうかがえます。売上拡大に対してコストコントロールが課題となっている可能性があります。

項目 2024年9月期 2025年9月期
売上高 20.2億円 22.4億円
売上総利益 10.9億円 12.0億円
売上総利益率(%) 54.0% 53.6%
営業利益 2.3億円 2.0億円
営業利益率(%) 11.5% 9.0%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が4.3億円(構成比43%)、賞与引当金繰入額が1.0億円(同10%)を占めています。売上原価については、外注費が10.0億円(構成比96%)を占めており、パートナー会計士への報酬が主なコストとなっています。

(3) セグメント収益


公認会計士事業は、IPO支援やリスクマネジメント等の需要増により増収となりました。HR事業も前期比でプラス成長を維持しています。主力事業である公認会計士事業が全社売上の大半を占めており、安定した成長を牽引しています。

区分 売上(2024年9月期) 売上(2025年9月期)
公認会計士事業 18.8億円 21.0億円
HR事業 1.4億円 1.4億円
連結(合計) 20.2億円 22.4億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持していますが、前期に比べると縮小しています。投資活動と財務活動はマイナスとなっており、営業で得た資金を投資や借入返済に充てる「健全型」のキャッシュ・フロー構造となっています。

項目 2024年9月期 2025年9月期
営業CF 1.9億円 0.3億円
投資CF -0.2億円 -0.5億円
財務CF 0.6億円 -1.3億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.4%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は74.8%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「幸せの懸け橋に~人と企業を成長へ導く存在であり続ける~」というグループ・ビジョンを掲げています。また、「公認会計士の経験・知見・想いを集約し、最適配分するプラットフォームを創る」をコーポレートミッションとし、経営支援プラットフォーマーとして企業の持続的成長を支えることを目指しています。

(2) 企業文化


同社は、人材を最も重要な経営資源と捉え、社員一人ひとりの可能性を引き出すことを重視しています。個人のビジョンと会社のビジョンがつながることで共に成長していくという考えのもと、多様な人材の維持・育成や働きやすい職場づくりを推進しています。また、サステナビリティに関しては、「成長すること」を幸せのひとつの在り方と定義しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、継続的な成長を実現するビジネスモデルのKPIとして、「会計士.job」の登録者数および稼働者数、クライアント数、クライアント当たり売上高、契約継続率を設定しモニタリングしています。また、2030年9月期に売上高100億円を目指すことを宣言しており、企業の成長支援を通じて自社も成長することを目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、主力である公認会計士事業において、「会計士.job」の機能改善によるマッチングの効率化や、これまでのIPO準備会社に加え、上場企業や中堅企業への支援拡大を進めています。また、業務資本提携先との連携や新規チャネル開拓、M&A業界の発展を目的としたコミュニティ運営などを通じ、受注の安定性と継続性の向上を図っています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、サービスの継続的な改善や新規ニーズへの対応のため、優秀なコンサルタントの確保が不可欠と考えています。採用市場の変化を捉えた手法の多様化や、社内研修によるナレッジ共有を進めるとともに、リモートワークやフレックス制度などの柔軟な勤務制度、従業員持株会制度などを通じて、多様な人材が定着・活躍できる環境整備に取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年9月期 38.6歳 3.0年 7,983,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 社内人材の採用について


クライアントからの需要増に応え、サービスを拡大するためには、優秀な社内コンサルタントの採用・育成が重要です。しかし、人材獲得競争により計画通りに採用が進まない場合や、優秀な人材が流出した場合、競争力の低下や事業拡大の制約となり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 「会計士.job」の登録会員数の増加について


事業拡大には、「会計士.job」の会員数を増やし、パートナー会計士の稼働を確保することが不可欠です。会員数の増加が計画通り進まず、適切な人材をアサインできない場合、競争力低下やサービスレベルの低下を招き、経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 情報セキュリティリスクについて


プロシェアリング事業において、クライアントの機密情報や個人情報を多く扱います。情報管理を徹底していますが、不測の事態により情報漏洩が発生した場合、社会的信用の失墜や対応費用の発生により、財政状態および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。