※本記事は、株式会社フォーシーズHD の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フォーシーズHDは持株会社であり、単体従業員数は88名、グループ連結従業員数は92名です。
同社グループは、連結子会社3社を中心に、通販事業、卸売事業、リテール事業、コンサルティング事業を展開しています。化粧品や健康食品、アロマ関連商品の販売から、太陽光発電設備や蓄電池設備のコンサルティングまで多岐にわたる事業を手掛けています。
主な国内グループ会社は、HACCPジャパン(コンサルティング事業)、iiy(通販事業)などです。
リテール事業では不採算店舗の計画閉店を進め、コンサルティング事業では再生可能エネルギー事業へのシフトと新子会社設立による事業拡大を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フォーシーズHDグループは、持株会社としてグループ全体の人材マネジメント方針を策定し、多様な人材の活躍を後押しし、ワークライフバランスを重視する姿勢が見られます。社員の能力開発や働き方の選択肢を増やすことに注力しており、グループ全体で持続的な成長を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が45.1歳、平均勤続年数が7.8年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と一定の定着傾向が見られます。多様な働き方を支援する制度も導入されており、長期的なキャリア形成を支援する環境が整えられています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,568,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.8年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 88人 |
| 連結従業員数 | 92人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フォーシーズHDグループは、「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」を企業理念に掲げ、「顧客を創造し、大切にすることで社会貢献する」という4つのCを社名に込めています。同社グループは、”美と健康””生活における癒し”を事業領域とし、社会の持続可能な発展に貢献することを目指しています。
人材戦略においては、「人材育成とワークライフバランス」を重点テーマとしています。社員の能力発揮を後押しするため、新入社員研修や外部研修、資格取得支援といった学びの機会を提供しています。
また、多様な人材の活躍を推進しており、性別・国籍・障害の有無を問わない採用や、グローバル人材・障害者の雇用拡大を進めています。シニア人材の活用として65歳定年制や70歳までの再雇用制度を整備し、育児・介護と就業の両立支援のための休暇や短時間勤務制度、在宅勤務、時差出勤など、多様な働き方を実現する制度を導入しています。男性社員の育児休業活用も支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。賃金差異の主たる要因は、男女の管理職比率の差異によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 63.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 59.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 70.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 84.4% |
育児・介護支援
育児・介護休業復職率は、女性活躍推進法に基づき算出されており、パートタイマーの従業員の育児休業取得分は除いて計算されています。
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 育児・介護休業復職率 | 100.0% | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
月平均所定外労働時間は、パートタイマーの従業員を除外して算出されています。
| 指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
|---|---|---|
| 月平均所定外労働時間 | 10時間以内 | 6.3時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フォーシーズHDは、化粧品や健康食品、アロマ関連商品の通信販売、卸売、小売を主軸とし、近年は再生可能エネルギー関連のコンサルティング事業も展開する持株会社です。同社グループは、多様な事業を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、通販事業、卸売事業、リテール事業、コンサルティング事業の4つの報告セグメントで事業を展開しています。各セグメントは、それぞれの営業スタイル特性に合わせた施策を積極的に推進しています。
通販事業
化粧品、健康食品、フェムケア商品の通信販売を主な事業としています。収益は、社内コールセンターによる電話販売とEC販売から得ています。運営は、当社およびiiyが行っています。当連結会計年度においては、積極的な広告配信による商品の認知度・ブランディング強化に先行投資を行い、売上高は前年同期を上回りましたが、セグメント利益は前年同期を下回りました。
卸売事業
化粧品、健康食品、アロマ関連商品等の卸販売を主な事業としています。収益は、国内外の小売店や卸業者への商品供給から得ています。運営は、当社が行っています。当連結会計年度においては、国内外での販路拡大施策を強化し、マーケティングを強化しながら売上を順調に拡大しています。
リテール事業
アロマおよび雑貨の小売を主な事業としています。収益は、「AROMA BLOOM」店舗での商品販売から得ています。運営は、当社が行っています。当連結会計年度においては、戦略的な不採算店舗の撤退を進め、営業損失の縮小を図っています。新規顧客獲得強化やリピート率向上、原価率と人件費率の改善により、利益体質の改善を目指しています。
コンサルティング事業
太陽光発電設備および系統用蓄電池設備における権利等の販売(設備設置等に係るコンサルティングを含む)や衛生関連商品の販売等を主な事業としています。収益は、再生可能エネルギー事業における設備等の販売やコンサルティングサービスから得ています。運営は、当社およびファンタスティックフォー第1号合同会社、HACCPジャパンが行っています。当連結会計年度においては、再生可能エネルギー事業へのリソースシフトにより売上高は大幅に増加しましたが、事業譲受によるのれん償却費用や業務委託費用が先行して発生したため、セグメント利益は予測から大きく落ち込む結果となりました。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年9月期) | 売上高(2025年9月期) |
|---|---|---|
| 通販事業 | 10.6億円 | 12.0億円 |
| 卸売事業 | 5.2億円 | 6.1億円 |
| リテール事業 | 6.4億円 | 4.8億円 |
| コンサルティング事業 | 30百万円 | 1.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近の当連結会計年度では増加しています。一方で、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続しており、当連結会計年度の経常損失は前年同期よりも悪化しました。親会社株主に帰属する当期純損失は前年同期から改善しています。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期よりも使用された資金が増加しています。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上、棚卸資産の増加、前受金の減少などによるものです。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 24.7億円 | 23.2億円 | 21.4億円 | 22.6億円 | 24.4億円 |
| 経常利益 | △1.5億円 | △1.2億円 | △2.2億円 | △1.3億円 | △2.1億円 |
| 経常利益率 | △6.1% | △5.0% | △10.2% | △5.7% | △8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.8億円 | △1.6億円 | △2.7億円 | △2.7億円 | △2.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △24.94 | △21.76 | △35.29 | △31.27 | △23.64 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して当期は増加しています。これは、売上高の増加と連結従業員数の減少が影響していると考えられます。従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期と比較して当期は悪化しています。これは、営業損失の拡大が影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 22.4百万円 | 26.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △1.2百万円 | △1.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社フォーシーズHDは、財務の安定性において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる状況にあります。資金水準の低下が課題となっており、今後の動向が注目されます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
フォーシーズHDの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から当期にかけて上昇傾向にあります。当期の自己資本比率は55.1%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。しかし、ROE(自己資本利益率)は当期もマイナスであり、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び預金は減少傾向にあり、不況時の耐性については注意が必要です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 11.7億円 | 16.6億円 |
| 自己資本比率 | 51.0% | 55.1% |
| ROE(自己資本利益率) | △32.4% | △17.3% |
| 現金及び預金 | 8.4億円 | 4.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
フォーシーズHDのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期も前期に引き続きマイナスとなっています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上や棚卸資産の増加、前受金の減少などが要因です。投資活動によるキャッシュフローも、無形固定資産の取得や事業譲受による支出が大きく、当期は前期よりも大幅なマイナスとなりました。
その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期もマイナスで推移しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入れや株式の発行による収入によりプラスとなっていますが、資金水準の低下が継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況にあるとされています。この資金繰りの状況は、今後の事業運営におけるコスト削減圧力や、雇用・給与の安定性に影響を及ぼす可能性があります。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △3.6億円 | △7.1億円 |
| 投資CF | △50百万円 | △5.7億円 |
| 財務CF | 7.1億円 | 9.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.1億円 | △12.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
フォーシーズHDは、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる状況にあります。当連結会計年度において営業損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、資金水準の低下が課題となっています。同社グループは営業黒字とプラスのキャッシュフロー達成に向けた対応策を進めていますが、現時点では不確実性が残るとされています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、特定の取引先への依存による業績への影響リスクを認識しています。当該取引先への売上が減少した場合や取引関係に変化が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、再生可能エネルギー事業においては、太陽光発電所及び蓄電所の売却スケジュールが予定通り進まない可能性や、売却先との価格条件によって売上及び利益が変動するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、店舗において多数のパート就業者を雇用しており、社会保険加入義務化の適用基準拡大等の法改正の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。法令遵守を第一に、人件費コントロールのノウハウ構築を進める方針です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フォーシーズHDは、「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」という企業理念を掲げています。顧客を創造し、大切にすることで社会貢献を目指すという価値観を社名に込めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フォーシーズHDは、「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」ことを企業理念としています。同社グループは、この理念を実現し続けることを基本的な経営方針としています。社名のフォーシーズ(4Cs)には、「顧客(Customer)を創造(Creation)し、顧客を大切(Cherish)にすることで社会貢献(Contribution)する」という想いが込められています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念の実現に向け、社名のHDに「Harmonious Development(環境・人と調和して発展していく会社)」と「HAZUMUをDailyに(はずむライフスタイルのある毎日を)」という意味を込めています。同社グループに関わる全ての人に感動を提供し、多くの人を幸せにすることを会社の中心に置いて事業を進めています。
サステナビリティに関する考え方として、“商品の環境への配慮”と“人材教育とワークライフバランス”を目指しています。人材採用においては、性別や国籍、障害の有無等に関わらず多様な人材の活躍機会を創出し、様々な価値観を相互に理解し認め合う職場環境を醸成しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、2023年12月より新経営体制となり、既存事業の強化と新規事業の推進に取り組んでいます。
現状、統一的なサステナビリティに関する基本的な方針は策定されていませんが、今後は基本的な方針の整備を行い、実効的な監督機能の一層の向上を目指しています。
また、同社グループは継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していますが、当該事象の解消または改善に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フォーシーズHDは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役、監査役会により取締役の職務執行の監視・監督を行っています。同社グループは経営の透明性を高めるため、リスク管理体制の強化や経営効率の改善に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フォーシーズHDの株主構成を見ると、筆頭株主は個人株主であり、上位には海外の証券会社名義や有限責任事業組合が名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つといった記述は確認できません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 井 康彦 | 11.95% |
| SCBHK AC-CHINA GALAXY INTERNATIONAL SECURITIES(HONG KONG)CO.,LIMITED CLIENT ACCOUNT(常任代理人 三菱UFJ銀行) | 9.47% |
| ネットプライス有限責任事業組合 | 9.18% |
なお、2025年11月28日付の臨時報告書(主要株主の異動)にて、前事業年度末において主要株主であったGOLD PACIFIC GLOBAL LIMITEDは主要株主でなくなったと記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は寺田智美氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 寺田 智美 | 代表取締役社長 | 1993年近藤税理士事務所に入所後、2010年ティーナインに入社。2017年CLEAR代表取締役、2019年ミヤビインターナショナル監査役、2020年ピザニスタトウキョウ代表取締役を歴任。2023年12月より同社代表取締役社長に就任し現職。 |
| 松野 博彦 | 代表取締役副社長 | 2000年山田債権回収管理総合事務所に入所後、司法書士法人ふなざき総合事務所を経て、2013年ミュゼプラチナムに入社し取締役を経験。TKマネジメント代表取締役などを歴任し、2024年12月より同社代表取締役副社長に就任し現職。 |
| 浦 太介 | 取締役CFO | 2000年東日本電信電話に入社後、Izanamiを経て、トニカル代表社員、ライトエステイト代表社員を歴任。2024年10月より同社業務管掌顧問、同年12月より同社取締役CFOに就任し現職。 |
社外取締役は、立川光昭氏(エムグループホールディングスアンドキャピタル執行役員)、神谷将史氏(神谷・大久保綜合法律事務所代表弁護士)、寺前卓氏(MARYSOL代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役および社外監査役が取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フォーシーズHDの役員報酬は、現状は固定報酬のみで構成されています。今後は、経営方針の実現に向けたインセンティブとして、固定報酬に加えて業績連動賞与および譲渡制限付株式報酬を導入する方針です。報酬水準は外部機関の客観的なデータや同業他社の水準を参考に毎年検証されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 37百万円 | 7.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 10百万円 | 2.0百万円 |
同社の役員報酬等の総額は57百万円であり、対象となる役員の合計は11名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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