※本記事は、株式会社FUNDINNO の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
FUNDINNOは、未上場企業エクイティプラットフォーム事業を展開しています。同社グループは、プライマリー、グロース、セカンダリーの3つの領域を通じて、リスクマネーの循環サイクルを創出しています。
単体従業員数は121名、連結従業員数は124名です。同社グループは未上場企業エクイティプラットフォーム事業の単一セグメントで事業を展開しています。
| 名称 | 主要な事業の内容 |
|---|---|
| FUNDINNO GROWTH | 人材紹介事業 |
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
FUNDINNOは、未上場企業エクイティプラットフォーム事業を展開しており、スタートアップエコシステムの発展に貢献しています。比較的小規模な組織でありながら、専門性の高い事業領域で成長を目指す環境が特徴です。従業員の働き方については、柔軟な制度を取り入れながら、コミュニケーションを重視した環境整備を進めていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
FUNDINNOでは、平均年齢が30代後半であり、比較的若い年齢層の従業員が中心となって事業を推進している傾向が見られます。平均勤続年数は短めであり、事業の成長フェーズにおいて、新しい人材が積極的に加わっている状況がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,738,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 |
| 平均年齢 | 39.9歳 |
| 単体従業員数 | 121人 |
| 連結従業員数 | 124人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.6% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
FUNDINNOは、「フェアに挑戦できる、未来を創る。」というビジョンの達成に向けて、事業と組織の成長を支える人材戦略を掲げています。プロフェッショナルの集合体として常に価値を創出し続けるため、人事制度を導入しています。金融商品を扱う企業として、法令遵守や高い倫理観、コンプライアンス意識を持つ多様な人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。
求める人物像として「社会課題への挑戦」「チームワーク・リスペクト」「責任感・自走」を掲げ、人材採用や人事評価の判断軸としています。教育・研修プログラムでは、証券外務員の資格取得支援や、毎月のコンプライアンス・情報管理研修を実施し、専門性と倫理観の向上を図っています。人事評価は年2回実施され、会社や事業の戦略的目標と連動した個人目標設定を通じて、全社で統一された役割レベルの達成と拡大を目指しています。
キャリアパスにおいては、一定の等級以上で管理貢献(Management Contributor)と個人貢献(Individual Contributor)の選択肢を設けており、多様な専門性を持つ従業員が活躍できる環境を整備しています。また、社内環境整備として、2024年1月のオフィス移転に伴い、週3日の出社を基本とし、フリーアドレスやフリースペースの導入によりコミュニケーションを促進しています。フレックスタイム制や裁量労働制も導入し、従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を支援しています。2024年6月からは従業員サーベイを定期的に実施し、従業員のコンディション変化を早期に捉え、改善策を検討・実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
FUNDINNOは、未上場企業のエクイティプラットフォーム事業を展開し、スタートアップへのリスクマネーの供給と、投資家への多様な投資機会の提供を通じて、リスクマネーの循環サイクルを創出しています。未上場株式市場における資金調達や流動性確保の課題解決に取り組んでいます。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「未上場企業エクイティプラットフォーム事業」の単一セグメントで事業を展開しています。この事業は「プライマリー領域」「グロース領域」「セカンダリー領域」の三つの領域から構成されており、それぞれ異なるサービスを提供しています。
プライマリー領域では、投資家からスタートアップへの資金供給とスタートアップの資金調達を支援しています。「FUNDINNO」は国内初の株式投資型クラウドファンディングサービスであり、多くの個人投資家から少額の資金を調達するアーリーステージのスタートアップに利用されています。また、「FUNDINNO PLUS+」は特定投資家と大型資金調達を行うスタートアップを繋ぐサービスで、比較的規模の大きいミドル・レイターステージのスタートアップのニーズに応えています。当連結会計年度においては、プライマリー領域が同社グループの営業収益の大部分を占めており、特に「FUNDINNO PLUS+」が大きく伸長し、収益拡大に貢献しています。
グロース領域では、スタートアップの成長段階をサポートするサービスを提供しています。「FUNDOOR」はスタートアップの株主管理・経営管理をサポートするSaaS型プラットフォームであり、株主名簿や株主総会、取締役会などのDX化を支援しています。また、「FUNDINNO GROWTH」はCxO人材などの採用支援サービスを提供し、スタートアップの人材採用ニーズに応えています。
セカンダリー領域は、スタートアップへ投資した株主の投資回収機会を提供するサービスです。「FUNDINNO MARKET」はオンラインで未上場株式の売買ができるプラットフォームであり、投資家に新しい投資回収手段と未上場株式の買付機会を提供しています。さらに、「FUNDINNO MARKET PLUS+」は未上場株式の大口の相対取引を支援し、流動性ニーズに応えています。
同社グループの営業収益は主に国内の外部顧客からのものであり、海外比率は低い傾向にあります。また、当連結会計年度においては、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去3期の業績を見ると、営業収益は継続的に増加しています。特に当連結会計年度は前期から大きく伸長しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期までは損失を計上していましたが、当連結会計年度において黒字に転換しています。前期の損失には、ソフトウエア及びのれんに係る減損損失といった一時的な要因も含まれていました。営業活動によるキャッシュ・フローは当連結会計年度に獲得に転じており、本業でのキャッシュ創出力が改善していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | - | - | 6.0億円 | 11.8億円 | 25.0億円 |
| 経常利益 | - | - | △14.3億円 | △10.8億円 | 2.1億円 |
| 経常利益率 | - | - | △238.2% | △90.8% | 8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | △14.3億円 | △14.2億円 | 4.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | △78.04 | △65.98 | 17.35 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの営業収益と営業利益は、当連結会計年度において前期から大きく改善しています。従業員1人あたり営業収益は前期の10.3百万円から当期は20.2百万円に増加し、従業員1人あたり営業利益も前期の△9.2百万円から当期は1.7百万円と黒字に転換しました。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質が強化され、組織全体の生産性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 10.3百万円 | 20.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △9.2百万円 | 1.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、未上場株式市場の課題解決と拡大に貢献する事業を展開しています。財務の安定性については、成長投資フェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢に確保されている状況です。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して低い水準となっています。しかし、自己資本比率はプライム市場平均を大きく上回る水準を示しています。手元資金も増加傾向にあり、不況時への耐性も一定程度あると考えられます。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 42.7億円 | 48.4億円 |
| 自己資本比率 | 92.5% | 89.2% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 8.7% |
| 現金及び預金 | 39.5億円 | 45.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において資金を獲得しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や未払消費税等の増減による収入があったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは、データ基盤強化のための業務システム導入や自社サービスのソフトウェア開発などの無形固定資産の取得による支出があり、資金を使用しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、第三者割当増資に伴う株式の発行による収入があり、資金を獲得しました。フリーキャッシュ・フローは当連結会計年度においてプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。これは、同社グループが事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、資金繰りに無理がない状態を示していると言えます。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △8.3億円 | 4.0億円 |
| 投資CF | △1.4億円 | △0.3億円 |
| 財務CF | 13.3億円 | 1.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △9.7億円 | 3.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、経済情勢の悪化等に伴う株式市場の低迷や縮小により、資金調達を行う株式発行体の減少や投資家の投資意欲の減退が起こる可能性があります。これにより、プラットフォームの利用が減少し、各種手数料収入が減少するおそれがあります。また、未上場企業への株式投資サービス市場における競合他社や類似サービスの増加により、競争力が維持できない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の事業拡大のため、優秀な人材の確保及び育成が重要な経営課題であると認識しています。事業計画に沿った人材採用や効果的な人材育成等が計画どおりに進まない場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
FUNDINNOは、「フェアに挑戦できる、未来を創る。」という存在価値を掲げ、未上場企業エクイティプラットフォームの運営を通じて、金融市場の変革と社会貢献を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「フェアに挑戦できる、未来を創る。」を存在価値(why)としています。その実現のため、「カネ・ヒト・情報へフェアにアクセスできるプラットフォームを創る」ことに取り組んでいます。
中期的には「未上場株式市場の民主化」を、中長期的には「金融市場をDXでリプレイス」を行うことを目指しています(what)。これらを通じて企業価値の最大化を図り、社会に貢献していくことを経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、人材採用や人事評価の判断軸として「求める人物像」を定めています。具体的には、「社会課題への挑戦(対社会)」としてビジョンに共感し実現に向けて挑戦できること、が挙げられます。
また、「チームワーク・リスペクト(対関係者)」としてステークホルダーを相互にリスペクトし、チームとして目標達成に向けて行動できること、そして「責任感・自走(対自分)」として役割に責任を持ち自ら考えて行動できることを重視しています。金融商品を扱う企業として、高い倫理観とコンプライアンス意識も求められています。
キャリアパスにおいては、会社や事業の戦略的目標達成に向けたリーダーシップを発揮する「管理貢献(Management Contributor)」と、自身のスキルや専門知識を活かして業務を遂行する「個人貢献(Individual Contributor)」の二つの道が設けられています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業の継続的な発展のために、リスク管理やコンプライアンス体制の継続的な強化を重要な課題と認識しています。リスク管理委員会、コンプライアンス推進委員会、情報セキュリティ管理委員会の各委員会により、複合的に体制強化に取り組んでいます。
また、優秀な人材の確保とAIの活用も重点テーマです。経営戦略や事業運営を遂行するため、専門的な知識や経験を備えた人材の採用と既存社員の能力向上に取り組んでいます。AIなどの活用による業務効率化や省力化も推進していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
FUNDINNOは、取締役会、監査役及び監査役会、会計監査人を設置し、企業統治体制の強化を図っています。業務執行に対する取締役会の監督と、監査役及び監査役会による適法性監査の二重チェック機能を持つ監査役会設置会社です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は、代表取締役CEO柴原祐喜氏と代表取締役COO大浦学氏が共同で設立した資産管理会社であるJCCです。上位株主には個人株主も複数名を占めており、創業者関連の株主が経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| JCC | 20.80% |
| 松井 宏記 | 4.94% |
| 平石 智紀 | 3.75% |
| i-Lab5号投資事業有限責任組合 | 3.65% |
| 岡三証券グループ | 2.71% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは柴原祐喜氏、代表取締役COOは大浦学氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 柴原 祐喜 | 代表取締役 CEO | 2012年5月EDENZFEEL設立代表取締役。2015年11月同社(旧日本クラウドキャピタル)設立代表取締役CEO。2022年4月JCC設立代表取締役より現職。 |
| 大浦 学 | 代表取締役 COO | 2012年5月EDENZFEEL設立取締役。2015年11月同社(旧日本クラウドキャピタル)設立代表取締役COO。2022年4月JCC設立代表取締役より現職。 |
| 二又 浩 | 取締役 | 1978年4月八千代證券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。2011年6月MUSビジネスサービス監査役。2016年1月同社(旧日本クラウドキャピタル)取締役より現職。 |
| 布施 知芳 | 取締役 レギュレーション本部長 | 2004年7月監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所。2018年7月同社(旧日本クラウドキャピタル)入社執行役員。2019年1月同社取締役より現職。 |
| 喜多 宏介 | 取締役 プライマリー事業本部長 | 2002年4月日本システムディベロプメント(現NSD)入社。2005年10月大和証券入社。2006年9月フィードフォース(現フィードフォースグループ)入社。2012年9月同社取締役。2023年1月同社入社執行役員。2026年1月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、守屋実氏(守屋実事務所代表取締役)、森亮介氏(GO執行役員CFO・指名・報酬委員会委員長)、山岸英樹氏(FWD生命保険代表取締役社長兼CEO兼CDO)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役及び監査役会による適法性監査の二重チェック機能を持つ体制を採用しています。社外取締役3名を選任し、客観的・中立的な立場で経営全般の監視・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループは、短期的な成果だけでなく、中長期的な事業成長と企業価値向上を重視した報酬制度を基本方針としています。報酬は、役職ごとの職責や責任範囲に応じて決定される基本報酬と、中長期的な業績拡大を目指す株式報酬(ストックオプション)で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 56百万円 | 11.3百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 16百万円 | 3.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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