0 編集部が注目した重点ポイント
① 機電・IT領域を分割し、エイセブグループの統合で事業を拡大する
2025年7月(2026年6月期)より、経営実態に合わせて従来の「機電・IT領域」を「機電」と「IT」に分割しました。さらに2025年10月には、自動車開発の専門事務や実験支援に強みを持つエイセブホールディングスを子会社化。機電領域でのキャリア機会が大きく広がっており、エンジニアとしての専門性を高めたい求職者にとって大きな追い風となっています。
② 製造・軽作業領域から撤退し、エンジニア領域へ経営資源を集中する
事業ポートフォリオの再編を断行し、2025年3月に英国事業を売却したほか、国内製造や海外軽作業領域からも順次撤退しています。これにより、利益率の高いエンジニア領域へ特化した事業構造へと進化しました。未経験からの育成だけでなく、高年次エンジニアの待遇改善にも注力しており、長期的なキャリア形成が可能な環境が整いつつあります。
③ 自己株式の消却と増配により、資本効率と還元姿勢を強化する
2026年2月に100万株の自己株式消却を実施し、1株当たりの価値向上(EPS成長)を追求しています。また、今期の年間配当は前期比10円増の85円を予定。ROE(自己資本利益率)長期目標20%を掲げ、健全な財務基盤を維持しながら積極的なM&Aと人的資本への投資を両立させる姿勢を鮮明にしています。
1 連結業績ハイライト
出典:FY26 Q2 決算説明資料 P.2
※事業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費(雇用調整助成金や減損損失などの特別項目を除いた、事業の経常的な実力を示す独自指標)
2026年6月期の中間決算は、売上収益が前年同期比17.3%減となりましたが、これは前期に実施した英国事業の売却に伴う剥落が主因です。一方で、エンジニア領域では着実な成長が続いており、売上総利益率は3.2ポイント上昇して27.7%へ改善しました。採用費の抑制や効率的なコストマネジメントにより、営業利益ベースでは増益を確保しています。 通期予想に対する営業利益の進捗率は54.9%に達しており、中間期として計画通り順調な進捗を見せています。下期に向けた体質改善施策の効果が期待されており、目標達成に向けた基盤は強固です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:FY26 Q2 決算説明資料 P.8
機電領域
事業内容:自動車、航空機、半導体装置などの開発・設計分野における派遣および業務請負事業。実務会社:ビーネックステクノロジーズ、エイセブプラスなど。
業績推移:売上高は32,638百万円(前年同期比+9.2%)。エイセブグループの新規連結(2025年10月〜)により増収を達成しました。
注目ポイント:防衛・航空機分野が政策支援を背景に堅調。従来の未経験者採用に加え、経験者採用を強化したことで在籍人数が過去最高の9,341名に到達。特に自動車開発の上流工程から実験・認証まで幅広く手がける体制が整い、専門スキルを持つ人材の需要が急増しています。
IT領域
事業内容:ITインフラ(クラウド)、システム開発の設計・構築・運用保守。実務会社:オープンアップITエンジニア、オープンアップシステムなど。
業績推移:売上高は20,520百万円(前年同期比+0.0%)。営業体制の再構築途上により、稼働人数を調整しながら体質改善を指向しています。
注目ポイント:DX需要は継続しているものの、生成AI普及による開発業務の効率化に対応するため、高付加価値スキル(AWS/Azure等のクラウド)の習得を推進。2Q後半から採用を再開しており、資格取得を通じたキャリアアップを志向する層には絶好の機会となっています。
建設領域
事業内容:建築・土木現場での施工管理技術者およびCADオペレーター派遣。実務会社:夢真、アイアール。
業績推移:売上高は29,329百万円(前年同期比+6.5%)。2024年10月に連結化したアイアール社の寄与が大きく、規模が拡大しています。
注目ポイント:「2024年問題」に伴う残業規制の定着により、人員確保ニーズが高水準で推移。処遇改善による価格転嫁が進み、契約単価も上昇傾向にあります。組織統合による生産性向上と退職率の低減が課題ですが、業界シェアNo.1の基盤は求職者にとっての安心材料です。
海外領域
事業内容:アジア(中国、インドネシア、ベトナム)における人材サービス。実務会社:PT OPENUP INDONESIAなど。
業績推移:売上高は334百万円。英国事業売却(2025年3月)により、前年比で大幅な規模縮小となっています。
注目ポイント:不採算事業を切り離し、今後は成長性の高いアジア市場での技術者派遣・紹介にリソースを集中。規模は小さいながらも、黒字化に向けた効率的な事業運営を追求するフェーズにあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:FY26 Q2 決算説明資料 P.27
グループは現在、中長期的な飛躍を見据えた「投資期」の最終局面にあります。今後は、内勤社員が技術社員に寄り添う「伴走モデル」を強化し、キャリアアップを支援することでリテンション(定着率)を高める戦略です。また、エンジニア領域への特化により、利益率10〜15%の高収益構造への転換を急いでいます。 採用においては、単なる数合わせではなく、顧客企業への転職をも支援する独自のビジネスモデルを加速。質疑応答でも示唆されている通り、積極的なM&Aを継続検討しており、グループ全体のポートフォリオ拡充に伴うポストや職種の多様化が見込まれます。
4 求職者へのアドバイス
「エンジニアを使い捨てにせず、キャリアを共に作る」というエンジニア・ファーストの姿勢に共感を示すのが有効です。特に、顧客企業への転職実績(年間657名)をポジティブに捉え、自らの長期的なスキルアップの場として同社を志望していることを伝えると、採用意図と合致しやすくなります。
- 「エイセブグループの統合により、自動車開発の上流工程での案件がどのように増えているか教えてください。」
- 「資格取得支援が充実していますが、ハイエンドなクラウド案件への配属に向けた、具体的なステップアップの事例を教えていただけますか?」
- 「伴走モデルを具体化するために、内勤サポートスタッフと技術社員の間でどのようなコミュニケーションが行われていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
コミュニケーション能力がつく
コミュニケーション能力、察する力は否が応でもつく。本人が持つ性格は変えられないが、振る舞いは圧倒的に変わる。
(20代後半・ルートセールス・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社オープンアップグループ 2026年6月期 第2四半期 決算説明資料
- 株式会社オープンアップグループ 2026年6月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)



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