0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高が初の1,000億円を突破し、受注高も前年比16.2%増と過去最高を更新する
2025年12月期において、連結売上高は初の1,000億円の大台に乗りました。特筆すべきは受注高で、前年比+153億円(16.2%増)の1,097億円に達しており、将来の業績拡大に向けた強力な足掛かりを築いています。国内外ともに需要が堅調で、建設コンサルタントとしての市場地位をさらに強固にしています。
② 成長分野の売上が大幅伸長し、事業ポートフォリオの変革が着実に進展する
中期経営計画2027の初年度として、コア事業以外の「成長分野」が躍進しました。特に、発注者を支援するCM/PM事業は前年比45.2%増と急速に拡大しており、エネルギーや情報提供サービスを含めた成長3分野すべてで計画を達成。従来の設計・調査に留まらない、多角的なキャリア機会が創出されています。
③ 技術者数が単体で1,752名まで増加し、DXによる生産性向上体制を強化する
持続的な成長に向けて「人」への投資を加速させています。単体の技術者数は前年から約100名増加し、2027年目標の1,940名に向けて順調に推移。また、3次元設計支援システムの機能向上により図面作成時間を約6割削減するなど、労働負荷低減と高品質化を両立する環境整備が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:第63期(2025年)決算報告 P.5
当期の業績は、売上高が前期比3.4%増となり、中期経営計画の目標であった1,000億円を前倒しで達成しました。受注高は10%近い計画比プラスとなっており、国内の地方自治体や民間、成長分野の寄与が目立ちます。利益面では、海外事業における契約時期の遅れに伴う稼働率低下や、人的資本投資に伴う販管費の増加により、営業利益は前期比で微減となりました。
通期予想に対する進捗状況については、売上高が計画達成率101.0%、受注高が109.7%に達しており、極めて順調な推移と言えます。利益面では計画をわずかに下回りましたが、将来の成長に向けた積極的な投資の結果であり、2026年以降の収益性改善に期待がかかります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:第63期(2025年)決算報告 P.25
国内建設コンサルティング事業
事業内容:河川・ダム等の流域・国土分野、道路・都市計画等の交通・都市分野、環境アセスメント、施工管理等の建設マネジメントを提供。
業績推移:売上高 69,724百万円(前年比+4.2%)、セグメント利益 8,611百万円(前年同水準)。
注目ポイント:コア事業である河川分野での強みを堅持しつつ、「成長分野」への人材シフトが加速しています。特にCM/PM(コンストラクション・マネジメント等)事業が急成長しており、民間活用の増大や自治体の職員不足を背景にニーズが拡大中。PPP/PFI等の官民連携案件も好調で、マネジメント能力を持つ専門人材が強く求められています。
海外建設コンサルティング事業
事業内容:東南アジア等でのODA案件を担うCTIIと、英国・欧州・豪州で建築・土木設計を展開するWaterman社によるグローバル展開。
業績推移:売上高 31,313百万円(前年比+1.9%)、セグメント利益 543百万円(前年比-29.7%)。
注目ポイント:CTIIで大型案件の受注が相次ぎ、受注高は前期比30.0%増と急拡大しています。利益面では英国のインフレや政権交代による財政政策の影響を受けましたが、受注残高は積み上がっており、2026年以降の増益に向けた土台はできています。グローバルな社会基盤整備に関わりたい技術者には最適な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:第63期(2025年)決算報告 P.37
2026年12月期の連結業績予想は、売上高1,050億円(前期比+3.9%)、営業利益105億円(前期比+14.9%)を見込んでおり、2桁の営業増益を計画しています。国内では「第1次国土強靱化実施中期計画」が閣議決定され、防災・減災対策予算が前年を上回る見込みであり、良好な事業環境が継続します。
採用においては、人的資本投資の強化が継続される点が注目です。2027年までの技術者数目標達成に向けて積極的な採用が進められるほか、エンゲージメントの向上を重点テーマに掲げ、労働負荷低減と質的成長の両立が図られます。特に、AIを日常業務に組み込む「プロセス革新」を推進しており、テクノロジーを活用して建設コンサルタントの働き方を変えたい人材にとって、挑戦しがいのあるフェーズです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は今、売上高1,000億円企業の壁を突破し、次のステージへ進化する過渡期にあります。従来の「河川のCTI」という強みをベースにしながらも、CM/PM事業やエネルギー分野といった成長領域へリソースを大胆にシフトしています。「安定した経営基盤の上で、新しいインフラソリューションに挑戦したい」という動機や、「DXや3D設計を通じて、業界全体の生産性向上に寄与したい」という想いは、同社の戦略と極めて高い親和性があります。
面接での逆質問例
- 「成長分野として急速に拡大しているCM/PM事業において、中途採用者に最も期待される役割やスキルは何ですか?」
- 「3次元設計支援システムの導入により図面作成時間が大幅削減されたとのことですが、それにより生まれた時間をどのようにクリエイティブな提案活動に活用していますか?」
- 「2026年度計画の重点課題である海外事業の収益性向上に向けて、現地の若手・中堅技術者にはどのような連携が求められていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
業績が好調でベースアップが毎年されている
給料水準は他社に比べ良いです。資格手当も業界トップだと思います。新しい資格にたいしたても申請すれば手当がつく場合があります。技術士については、他分野をとると50万もらえます。近年は、業績が好調でベースアップが毎年されています。
(30代前半・建設コンサルタント・男性}) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社建設技術研究所 第63期(2025年)決算報告 / 中期経営計画2027の進捗状況(2026年2月13日公表)
- 株式会社建設技術研究所 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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