東京都競馬の転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

東京都競馬の転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

東京都競馬の2025年12月期決算は、営業利益が前期比10.7%増と好調。14年連続過去最高のSPAT4に加え、750億円規模の投資を行う新中期経営計画が始動しました。変革期を迎える同社で「空間創造」を担う専門職の需要が急増しています。転職希望者がどの事業でどんな役割を担えるのか整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

中期経営計画2030を策定し、750億円規模の空間創造投資を推進する

2026年度を初年度とする新中期経営計画「the 1st Furlong」を公表しました。2030年度までに合計約750億円の投資を計画しており、都心型エンターテインメント競馬場の創造やアリーナ整備の検討など、従来の公営競技の枠を超えた「まちづくり企業」への変革を目指します。新たな人事制度の確立も掲げられており、キャリア採用の機会拡大が期待されます。

インターネット投票「SPAT4」が牽引し、14年連続で過去最高売上を更新する

地方競馬インターネット投票システム「SPAT4」の年間馬券売上高が14年連続で過去最高を更新しました。2025年12月期は前期比6.6%増の5,558億円に達しており、安定した収益基盤としてグループの成長を支えています。デジタルプラットフォームの強化は今後も継続される方針であり、IT・システム領域の専門人材にとって活躍の場が広がっています。

新規施設の通期稼働により、不動産・サービス分野の収益力が大幅に向上する

前年に稼働を開始した「習志野茜浜2号倉庫」や「ウィラ大井2号館」、劇場「シアターH」が通期で収益に寄与しました。これにより、倉庫賃貸事業の利益は前期比15.0%増、サービス事業の利益は同57.9%増と飛躍的な成長を遂げています。公営競技に依存しない多角的な事業展開が実を結んでおり、アセットマネジメントや施設管理の経験者にとって魅力的な環境です。

1 連結業績ハイライト

2025年12月期は、主力事業の堅調な推移と新規施設の貢献により、売上高・各利益ともに前期を上回る増収増益を達成しました。
連結損益計算書(前期比較)

出典:2025年12月期 決算説明資料 P.3

売上高 41,758百万円 +3.3%
営業利益 15,414百万円 +10.7%
純利益 10,461百万円 +7.8%

売上高は、インターネット投票「SPAT4」に関連する収入や倉庫賃貸収入の増加により、前期比3.3%増となりました。利益面では、前年に発生した不動産取得税の一時的な負担が解消されたことや、効率的な費用運用により売上原価が抑制され、営業利益は2ケタ成長となる10.7%増を記録しています。

2025年度の通期実績は、期初予想を上回る形で着地しており、業績進捗は極めて順調と評価できます。自己資本比率も75.3%と高水準を維持しており、新中期経営計画で掲げた積極的な成長投資に向けた財務基盤は盤石です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主力である公営競技のDX化と、不動産事業の多角化が両輪となって収益を押し上げています。
セグメント別業績(前期比較)

出典:2025年12月期 決算説明資料 P.10

公営競技事業

【事業内容】大井競馬場の賃貸、インターネット投票システム「SPAT4」の運営、伊勢崎オートレース場の賃貸などを展開。

【業績推移】売上高 29,694百万円(+3.6%)、セグメント利益 12,180百万円(+9.4%)と増収増益を達成。

【注目ポイント】SPAT4の好調が続いており、システム更新やアプリの新機能追加が奏功しています。今後はAIを活用した情報発信や、次世代システムの構築を予定しており、ITエンジニアやデータアナリストの専門性が強く求められています。

注目職種:システム開発、インフラエンジニア、マーケティング企画

遊園地事業

【事業内容】「東京サマーランド」の運営を中心に、アウトドア施設やゴルフ練習場を提供。

【業績推移】売上高 3,783百万円(-1.1%)、セグメント利益 475百万円(-11.1%)と減益の結果に。

【注目ポイント】酷暑の影響で入場者数は減少したものの、価格改定や新アトラクション導入により客単価が向上しています。ターゲットを絞ったプロモーションや、体験価値を高める企画立案ができるサービス・レジャー業界出身者の力が不可欠です。

注目職種:販促プロモーション、施設運営、イベント企画

倉庫賃貸事業

【事業内容】「東京倉庫」にて勝島、平和島、習志野地区に物流拠点を展開し、一棟貸しやマルチテナント型で提供。

【業績推移】売上高 6,094百万円(+4.7%)、セグメント利益 3,998百万円(+15.0%)と大幅な増益を記録。

【注目ポイント】習志野エリアの新規倉庫がフル稼働し、利益率向上に貢献しています。不動産ポテンシャルの最大化を掲げ、既存施設の建替えや新規投資も検討されているため、不動産開発や法人営業のスペシャリストにとってのチャンスです。

注目職種:アセットマネジメント、不動産開発、リーシング営業

サービス事業

【事業内容】「ウィラ大井」等の商業施設やオフィスビルの管理、空調設備工事サービス(株式会社タック)を提供。

【業績推移】売上高 2,372百万円(+3.9%)、セグメント利益 343百万円(+57.9%)と利益が急増

【注目ポイント】商業施設と劇場の順調な稼働が収益を押し上げました。まちづくりプロジェクトの中核として、多様なアセットの管理運営が必要となるため、プロパティマネジメントや技術系職種の需要が高まっています。

注目職種:プロパティマネージャー、施工管理、施設管理

3 今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画2030が始動。2026年12月期も増収増益を見込み、空間創造企業への投資を加速させます。
中期経営計画2030の概要

出典:2025年12月期 決算説明資料 P.22

2026年12月期の業績予想は、売上高425億円、営業利益158億円とさらなる成長を見込んでいます。新中期経営計画では「空間創造」を軸に、5年間で750億円という巨額の投資を実行する方針です。

質疑応答資料によると、投資の重点項目として大井競馬場の再整備だけでなく、ベイエリアの象徴となるアリーナ整備の検討や、資産ポテンシャルの最大化に向けた建替え計画などが挙げられています。これらの大規模プロジェクトを完遂するため、「新たな事業の展開を見据えた人材の確保・育成」を人材戦略の柱として明記しており、今後プロフェッショナル人材の採用が一段と強化されることは間違いありません。成長を支えるための新たな人事制度の確立も進められており、キャリア入社者にとっても納得感の高い待遇が期待できる状況です。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は今、単なる競馬場運営会社から、ベイエリアの魅力を創出する「空間創造企業」へと大きく舵を切っています。750億円の投資を伴う「まちづくりプロジェクト」に当事者として関われる点は、他社にはない大きな魅力です。「安定した収益基盤の上で、ダイナミックな新規事業や大規模開発に挑戦したい」という軸で志望動機を構成すると、経営戦略と強く合致するでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「中期経営計画で掲げられているアリーナ整備計画において、採用職種が果たすべき具体的な役割や期待されるミッションは何でしょうか?」
  • 「空間創造企業への変革にあたり、新たな人事制度ではどのようなスキルや成果が特に高く評価されるようになりますか?」
  • 「SPAT4のさらなる進化に向け、システム部門と事業部門がどのように連携し、新たな体験価値を創造しようとしているのかお聞かせください。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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先輩社員の勢いに負けずに仕事をしていきたい

モチベーションは保って仕事ができているので良い会社だと思う。先輩社員の勢いに負けずに仕事をしていきたいと思える会社。

(20代後半・営業アシスタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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つまづくことがあると抜け出すのは大変

モチベーションを高く保って仕事に取り組めている時期は順調だが、なにかつまづくことがあると、そこから抜け出すのは大変に感じるときがある。

(20代後半・営業アシスタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 東京都競馬株式会社 2025年12月期 決算説明資料
  • 東京都競馬株式会社 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 中期経営計画「未来の空間創造プロジェクト the 1st Furlong」概要資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。