【平均年収730万円】東京都競馬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収730万円】東京都競馬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

東京都競馬は、公営競技施設の賃貸・管理を主軸に、遊園地、倉庫賃貸、商業施設管理などの多角的なレジャー・不動産事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は198名で、直近の連結会計年度では増収増益となりました。


目次

※本記事は、東京都競馬株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東京都競馬は、公営競技施設の賃貸・管理を主軸に、遊園地事業、倉庫賃貸事業、商業施設やオフィスビルの管理・運営を含むサービス事業をグループ各社とともに展開しています。多角的なレジャー・不動産事業を手掛けています。

単体従業員数は110名、連結従業員数は198名です。セグメントは公営競技事業、遊園地事業、倉庫賃貸事業、サービス事業の4つです。

主な国内グループ会社は、東京プロパティサービス、東京サマーランド(遊園地事業)、東京倉庫(倉庫賃貸事業)、タック(サービス事業)、eパドック(公営競技事業)などです。

2023年1月1日付で実施された会社分割により、商業施設「ウィラ大井」は東京都競馬の連結子会社である東京プロパティサービス所有の物件となりました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東京都競馬は、公営競技事業を核に、遊園地事業や不動産賃貸事業などを展開する企業です。同社グループでは、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、長期的なキャリア形成を支援する環境づくりに注力しています。安定した事業基盤のもと、多様な働き方を尊重し、従業員の成長を後押しする方針が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の長期的な定着を重視し、安定した環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、経験豊富な人材が長く活躍している様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,303,000円
平均勤続年数 11.9年
平均年齢 37.3歳
単体従業員数 110人
連結従業員数 198人
単体のグループ内比率 55.6%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付型制度における退職給付に係る負債の期末残高は12.8億円、確定拠出制度への要拠出額は53百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「笑顔あふれる”まちづくり”を牽引する空間創造企業」の実現に向け、空間に新たな価値を付加する個性豊かな人材を最も重要な資本と位置付けています。中期経営計画2030では、「新たな価値創造人材」「専門人材」「現場運営リーダー」の確保・育成を推進し、能力発揮を促す新たな人事制度の確立と、人材の活躍を支える組織体制の構築を目指しています。

具体的には、業務内容や勤務地を限定する限定正社員制度の導入や、各事業に必要な専門的知識を備えた人材のキャリア採用を進めています。また、育児短時間勤務制度の対象範囲を小学校3年生の始期まで拡大し、有給での育児目的休暇、子の看護等休暇、介護休暇制度を整備するなど、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。今後は、育児・介護休業者の生涯収入面等に対する制度面での対応を拡充し、従業員のキャリア設計と経営戦略の整合性を図りながら、評価・報酬面での設計を見直す方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性の育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
女性管理職比率 13.6%
男女賃金差異(全労働者) 68.4%
男女賃金差異(正規雇用) 71.0%
男女賃金差異(非正規雇用) 70.0%

連結子会社の法定開示


主要事業会社の数値のみ掲載します。

▼ 子会社1

指標 数値
女性管理職比率 10.7%
男性育児休業取得率 80.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 実績 目標
デジタル人材数 7名 10名
基本デジタルスキル習得割合 37.3% 50.0%
建物・設備管理に関する専門人材数 15名 20名

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東京都競馬は、公営競技施設の賃貸・管理を主軸に、遊園地運営、物流施設の賃貸、商業施設運営など多角的な事業を展開しています。同社グループは、安定した収益基盤を持つ事業とレジャー事業を組み合わせたビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


東京都競馬グループは、主に4つの事業セグメントを通じて収益を上げています。国内景気が緩やかな回復基調にある中、全国の地方競馬における入場者数増加やインターネット投票の普及が追い風となり、同社グループの公営競技事業は堅調に推移しています。また、各セグメントにおける新施設の稼働も収益基盤の強化に貢献しています。

公営競技事業

大井競馬場や場外発売所施設、在宅投票システムなどを地方公共団体に賃貸し、公正なレースの実施を支援しています。伊勢崎オートレース場の賃貸・維持管理も行っています。収益は、施設賃貸料やシステム運営委託料などから得ています。運営は、株式会社東京プロパティサービスや株式会社eパドックが一部を担っています。

遊園地事業

総合レジャーランド「東京サマーランド」の運営を行っています。収益は、施設利用料などから得ています。運営は、株式会社東京サマーランドに委託しています。

倉庫賃貸事業

物流施設や物流用地の賃貸を行っています。収益は、賃貸料から得ています。運営は、東京倉庫株式会社が担当し、同社は賃借した施設を他社へ賃貸しています。

サービス事業

商業施設「大井競馬場前ショッピングモール ウィラ大井」の管理・運営のほか、オフィスビル管理、トランクルーム、賃貸マンション、賃貸レストランの所有・運営、空調設備の設計・施工管理などを行っています。収益は、施設賃貸料やサービス提供料などから得ています。運営は、株式会社東京プロパティサービスや株式会社タックが担当しています。

同社グループの事業はすべて国内で行われており、海外比率や為替リスクはありません。公営競技事業は、特別区競馬組合を主要な顧客としており、収益の一部が特定の顧客に集中する傾向があります。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
公営競技事業 287億円 297億円
倉庫賃貸事業 58.2億円 60.9億円
遊園地事業 37.7億円 37.3億円
サービス事業 21.9億円 22.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向を示しており、直近の連結会計年度では売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてが増加となりました。特に営業利益と経常利益は二桁の伸びを見せています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 318億円 355億円 375億円 404億円 418億円
経常利益 128億円 142億円 134億円 139億円 154億円
経常利益率 40.4% 40.0% 35.6% 34.4% 37.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 90.8億円 93.9億円 84.5億円 97.1億円 105億円
1株当たり当期純利益(円) 320.43 342.41 308.37 359.94 392.22

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期からわずかに減少しましたが、従業員1人あたり営業利益は増加しています。これは、売上高の伸び以上に利益率が改善したことを示しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが効率的な事業運営を通じて利益を創出する能力を持っていることを示唆しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 214.0百万円 210.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 73.7百万円 77.8百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


東京都競馬グループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、投資活動も賄えている状態を示しています。強固な財務基盤を維持しながら、事業を展開していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって強固な状態を示しています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回っており、安定した経営基盤があることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な収益獲得能力があることを示しています。これらの財務状況は、事業の継続性や将来の成長に向けた投資余力に繋がり、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する可能性があります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 911億円 949億円
自己資本比率 74.4% 75.3%
ROE(自己資本利益率) 10.9% 11.3%
現金及び預金 160億円 175億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当期における営業キャッシュフローは前期から増加しており、事業活動による資金創出力が堅調に推移していることがうかがえます。投資キャッシュフローはマイナスで推移しており、新施設の稼働など、将来の成長に向けた投資を継続していることが読み取れます。

その結果、営業キャッシュフローで投資活動を十分に賄い、フリーキャッシュフローはプラスを維持しています。これは、事業で得た資金を投資に回しつつも、手元に余剰資金を残せる健全な財務状態を示しており、従業員の雇用や給与の安定性、そして今後の事業成長への期待につながるものと考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 161億円 199億円
投資CF △86.3億円 △128億円
財務CF △53.6億円 △87.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 74.7億円 70.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、大井競馬場を特別区競馬組合に賃貸しており、競馬各主催者が発売する勝馬投票券を基に賃貸料を収受しています。当該競技場の開催状況によっては、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、競馬法や小型自動車競走法に基づく賃貸事業を行っており、法令等に重要な改正があった場合には、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東京都競馬は、公営競技場や遊園地などの「空間」を通じて、人々の笑顔を創造することを目指しています。公共性を重視し、安心・安全・信頼を第一に事業を展開する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「空間に思いを馳せ、人々の笑顔を創造する」という企業理念を掲げています。この理念のもと、公営競技場や遊園地などの「空間」に訪れる人々の安心・安全・信頼を第一に、公共性にも配慮した事業を展開してきました。

2035年には「笑顔あふれる“まちづくり”を牽引する空間創造企業」となることを目指しています。多角的な事業展開と誠実かつ健全な経営体制の確保を通じて、社会の発展に貢献する企業であり続けることを目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念の実現と2035年の目指す姿の達成に向け、空間に新たな価値を付加する個性豊かな人材を最も重要視しています。一人ひとりが笑顔の創造者となる企業を目指し、人的資本経営を推進しています。

また、ESGを重視した経営を実施し、独自のトリプルボトムライン「PLACE, PLANET, PEOPLE」を掲げています。これは、地球環境、従業員とその家族、そして地域社会をケアすることを意味しています。中期経営計画2030では、企業価値を高める「新たな価値創造人材」、適時適切に仕組みを変える「専門人材」、日々の事業を確実に運営する「現場運営リーダー」を求める人材像として定義しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、少子高齢化やデジタル革新といった外部環境の変化に対応し、事業環境が大きな転換期を迎えていると認識しています。これに対し、2024年に策定した「長期経営ビジョン2035」を具現化するための実行計画として、第4次中期経営計画「未来の空間創造プロジェクト the 1st Furlong」を公表しました。

この計画では、都心型エンターテインメント競馬場を核とした大井エリア(勝島)における魅力的なまちづくりを実現するための礎を築く期間と位置づけています。公営競技のさらなる振興、世界に誇れる都心型エンターテインメント競馬場の創造、そして周辺資産のポテンシャルを最大限に発揮し人が集う空間をデザインすることに注力しています。サステナビリティ推進委員会を設置し、気候変動問題や人権尊重、従業員の健康・労働環境への配慮など、様々なサステナビリティ課題への対応を推進しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東京都競馬は、取締役会と監査役制度を採用しており、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。経営の透明性、健全性、法令遵守等を重要課題と捉え、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東京都競馬の株主構成を見ると、筆頭株主は東京都であり、次いで特別区競馬組合が上位に名を連ねています。これは、同社グループが公営競技のための施設を地方公共団体に賃貸するという公共性の高い事業を中心に展開していることと関連しています。安定した経営基盤を地方公共団体が支えていることが特徴です。

株主名 持株比率
東京都 30.69%
特別区競馬組合 14.11%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.37%
UBS AG LONDON A/C IPB SEGREGATED CLIENT ACCOUNT 2.69%
日本カストディ銀行(信託口) 2.25%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役取締役社長は多羅尾光睦氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
多羅尾 光睦 代表取締役取締役社長 2012年7月東京都港湾局長、2018年7月東京都副知事、2023年3月株式会社東京サマーランド代表取締役会長、同社代表取締役社長より現職。
伊藤 昌宏 常務取締役 財務、倉庫賃貸事業部門担当 1987年4月同社入社、2017年3月同社取締役競馬事業部長、2022年3月同社常務取締役、2025年3月東京倉庫代表取締役社長より現職。
髙倉 和仁 常務取締役総務、遊園地事業、サービス事業部門担当 1989年4月同社入社、2019年3月同社取締役総務部長、2025年3月同社常務取締役、株式会社東京プロパティサービス代表取締役社長より現職。
小山 哲司 常務取締役経営企画、公営競技事業、施設整備部門担当 2012年7月東京都下水道局総務部長、2018年4月東京都下水道局長、2025年3月株式会社eパドック代表取締役社長、同社常務取締役より現職。


社外取締役は、森﨑純成氏(タスク・アドバイザーズ取締役会長・指名・報酬委員会議長)、田中秀司氏(公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団理事長・指名・報酬委員会委員)、筧悦子氏(データライブ顧問・指名・報酬委員会委員)、村田順子氏(明海大学浦安キャンパス学務部長・指名・報酬委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役8名のうち4名が社外取締役です。社外取締役は独立した客観的な立場から経営を監督し、監査役は監査活動を通じて経営の監視機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


東京都競馬の役員報酬は、基本報酬である固定報酬、一時金、そして非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬で構成されています。譲渡制限付株式報酬は、企業価値の持続的な向上へのインセンティブとして機能し、株主との価値共有を図ることを目的としています。監査役の報酬は、監査役の協議によって決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.5億円 25.0百万円
監査役(社外除く) 1名 17百万円 16.6百万円
社外役員 8名 46百万円 5.7百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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