0 編集部が注目した重点ポイント
① 過去最高の売上高と二桁増益を達成する
2025年10月期連結業績において、売上高は過去最高となる2,132億円を記録しました。建機レンタル事業における堅調な需要に加え、レンタル資産のコスト管理や価格適正化が奏功し、営業利益は2期連続で二桁増益を達成しています。収益構造の改善が着実に実を結んでおり、安定した成長基盤が構築されています。
② M&Aで測量・計測分野の機能を強化する
2024年度において、測量・計測機器分野を専門とするCACH株式会社のM&Aを実施しました。これにより、建設ICT(情報通信技術を活用した施工)やBIM/CIM(3次元モデルによる情報共有システム)への対応力を強化しています。技術革新が進む建設現場において、高付加価値なサービスを提供できる体制が整い、専門人材の活躍フィールドが広がっています。
③ 人的資本投資として給与水準を引き上げる
サステナビリティへの取り組みとして、従業員の給与水準を平均8%引き上げ、各種手当の拡充を行いました。労働需給が逼迫する中で、人材の確保・定着を最優先課題として捉えています。健康管理システムの導入など「健康経営」も推進しており、現場を支える社員が安心して長く働ける環境整備に注力している点は、転職者にとって大きな魅力です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年10月期 決算説明会資料 P.5
2025年10月期は、主力である建設関連事業が牽引し、増収増益となりました。国内の建設投資が底堅く推移する中、レンタル資産の運用期間延長(ロングライフ化)やコスト削減を徹底したことで、営業利益率は前年の7.0%から8.1%へ大幅に改善しています。金利や為替の変動による業績への影響も軽微に抑えられており、非常に盤石な決算内容と言えます。
通期累計の実績は、期初予想を上回るペースで推移し、最終的に売上・利益ともに計画を達成しました。次期(2026年10月期)についても売上高2,210億円、営業利益187億円とさらなる増収増益を見込んでおり、業績の成長軌道は極めて順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年10月期 決算説明会資料 P.6
建設関連事業
事業内容:建設機械器具、仮設資材のレンタルおよび販売。ICT施工サポートや中古建機販売も含む主力事業。
業績推移:売上高は前年同期比3.3%増、営業利益は22.6%増と大幅な増益を達成。売上比率は89.2%。
注目ポイント:国内全地区で堅調な需要が続いています。特に西日本(9.0%増)や北海道(6.6%増)の伸びが大きく、地域密着型の営業力が強みです。中古建機販売も計画的に実施し、資産効率を最大化。今後はDX技術を用いた安全システム開発など、建設現場の生産性向上を支援する専門部隊の強化が急務となっています。
その他の事業
事業内容:鉄鋼関連、情報機器関連(エンジニアリングWS)、福祉関連(介護用品レンタル)などの多角展開。
業績推移:売上高は前年同期比0.0%減と横ばい。営業利益は13.6%減と苦戦も、概ね見通し通りに推移。
注目ポイント:事業ごとに差はあるものの、建機レンタルのノウハウを活かした周辺領域での安定収益を目指しています。情報機器関連ではデジタル化の加速によるデータセンター需要などが追い風。特定の業界に依存しない収益ポートフォリオの構築において、異業界出身者の専門知識や営業手法を活かせる可能性があります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年10月期 決算説明会資料 P.21
今後の国内建設投資は、2026年度に約80兆円に達する見通しです。国土強靭化などの公共投資に加え、データセンターやEVバッテリー工場、半導体工場建設といった民間投資が活発化しており、レンタル需要の追い風は継続します。中期経営計画では2029年度に売上高2,354億円、営業利益210億円を掲げ、着実な歩みを進めています。
戦略の柱となるのは「DX(デジタル)」と「SX(サステナビリティ)」の両立です。ICT建機の導入や遠隔管理システムの開発により、深刻な人手不足に悩む現場をテクノロジーで救う「真のゼネラルレンタルカンパニー」を目指しています。また、質疑応答(想定)レベルの情報としても、アジア・オセアニア地域の基盤強化に加え、北米市場への調査(FS)継続など、グローバル展開への意欲も示されています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
カナモトは単なる機材貸出業から、テクノロジーで建設現場の課題を解決するパートナーへの変革を急いでいます。特に「ICT施工」や「BIM/CIM」への注力は顕著で、IT・デジタル知識を建設業界という巨大市場で試したいという動機は非常に強力です。また、8%もの賃上げを断行した企業姿勢からは、社員を大切にする文化が読み取れます。「持続可能な社会インフラを支える誇り」と「自身の市場価値向上」の両立を軸に構成すると良いでしょう。
面接での逆質問例
- 「中期経営計画Progress 65において、DX戦略の強化が掲げられていますが、営業現場でのデジタル活用具体例や、それに伴う提案スタイルの変化について伺いたいです。」
- 「CACH社のM&Aにより測量・計測分野の機能が強化されましたが、既存の拠点ネットワークとどのようにシナジーを生み出していく予定でしょうか?」
- 「レンタル資産のロングライフ化とコスト削減を両立させる上で、エンジニア部門にはどのような専門性や改善提案が期待されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
今後の収益柱が見えてこないのが実情
特徴的なビジネスモデルは無い、と上層部の人間が外部に対して発信している時点で、現場の人間の努力のみに頼っている事がわかる。そしてその努力とはどれだけ長時間働くかがほとんどを占めている。業界的にも特色の無い会社になりつつあり、今後の収益柱が見えてこないのが実情。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社カナモト 2025年10月期 決算説明会資料(2025年12月)
- 株式会社カナモト 2025年10月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年12月5日)



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