0 編集部が注目した重点ポイント
① 有機EL材料の需要反動により機能性色素が減収する
当第3四半期は、主力の有機EL材料事業において、前年同期にスマートフォンやタブレット端末向けの需要が集中した反動を受け、前年同期比で大幅な減収となりました。機能性色素セグメント全体の売上高は前年同期比1,271百万円減の18,941百万円となり、全社の営業利益を押し下げる主な要因となっています。
② 親会社株主に帰属する利益が通期予想に肉薄する
営業利益や経常利益が前年比で減少する一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,991百万円を計上しました。これは通期計画2,000百万円に対し、進捗率99.6%に達しており、最終利益ベースでは計画をほぼ達成する見通しです。転職者にとっても、業績の底堅さを確認できる指標といえます。
③ 連結範囲の変更を伴い組織の再構築を推進する
当四半期累計期間において、新規に1社を連結範囲に含める一方、「REXEL CO., LTD.」の1社を除外する連結範囲の重要な変更が実施されました。事業ポートフォリオの最適化を進めており、特定の事業領域でのキャリア機会が変化する可能性があります。前年同期データとの比較時にはこれらの影響を考慮する必要があります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度第3四半期 決算説明資料 P.4
売上高
34,451百万円
前年比 -7.5%
営業利益
2,426百万円
前年比 -47.1%
純利益
1,991百万円
前年比 -30.9%
当第3四半期累計期間の売上高は34,451百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は2,426百万円(同47.1%減)となりました。主な要因は機能性色素セグメントにおける有機EL材料の販売減少です。前年同期の強い需要に対する反動や、為替レートの影響(153.07円→149.31円/USD)が利益を圧迫しました。一方で、純利益は前年比で減少したものの、通期予想に対して極めて高い進捗を見せています。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高が73.3%、営業利益が69.3%となっており、経常利益(87.5%)と純利益(99.6%)については順調に推移しており、上方修正の可能性も視野に入る水準です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度第3四半期 決算説明資料 P.10
機能性色素セグメント
事業内容:トナー用電荷制御剤、有機EL材料、バイオ材料、アルミ着色用染料等の製造販売。
業績推移:売上高 18,941百万円(前年比6.3%減)、営業利益 2,458百万円(前年比1,542百万円減)。
注目ポイント:有機EL材料は前年同期のタブレット端末向け需要集中により大幅減収となりましたが、アルミ着色用染料等の色素材料事業は大幅な増収を記録しています。次世代ディスプレイや環境対応型染料など、高度な化学合成技術を活かした高付加価値製品への転換を急いでおり、R&D人材の重要性が高まっています。
機能性樹脂セグメント
事業内容:ウレタン原料、接着剤、建築・土木用材料、医薬・電子材料用中間体。
業績推移:売上高 5,389百万円(前年比14.9%減)、営業利益 383百万円(前年同期は4百万円の利益)。
注目ポイント:ウレタン材料の市況低迷や在庫調整により大幅な減収となりましたが、営業利益はコスト削減等の効果により大幅な改善を見せています。新製品の需要増加も見られており、不採算領域の構造改革と高収益化を両立できるエンジニアや施工管理の専門性が求められています。
基礎化学品セグメント
事業内容:過酸化水素および誘導品、その他工業用基礎原料の製造販売。
業績推移:売上高 5,570百万円(前年比3.4%減)、営業利益 190百万円(前年比70百万円減)。
注目ポイント:主要顧客の民事再生手続きによる紙パルプ向け販売減がありましたが、半導体向けの需要増加により全体では前年同期並みを維持しています。半導体産業の拡大に伴い、高純度過酸化水素の安定供給体制の構築が急務となっており、設備保全や品質保証の役割が拡大しています。
アグロサイエンスセグメント
事業内容:除草剤、殺虫剤、酸素供給剤などの農薬関連製品の製造販売。
業績推移:売上高 3,107百万円(前年比9.7%減)、営業損失 122百万円(前年同期は56百万円の利益)。
注目ポイント:ゴルフ場や家庭園芸向けの在庫調整により営業損失を計上しましたが、これは季節要因や在庫サイクルの影響が大きいと見られます。スマート農業への対応や、独自の酸素供給剤を用いた新市場開拓など、提案型営業の強化が進められています。
物流関連セグメント
事業内容:倉庫業、貨物運送取扱業、ISOタンクコンテナ保管事業。
業績推移:売上高 1,331百万円(前年比2.1%減)、営業利益 258百万円(前年比2百万円増)。
注目ポイント:輸出入向けの荷動きが鈍い環境下でも、利益は微増を確保しました。危険物倉庫などの特殊な物流ニーズに応える安定的な収益基盤として、グループ全体を支えています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度第3四半期 決算説明資料 P.19
2026年3月期の通期連結業績予想については、2025年11月11日に公表した数値を据え置いています。売上高47,000百万円、営業利益3,500百万円を目指す中で、現中期経営計画「SPEED 25/30」に基づき、研究開発体制の強化と事業ポートフォリオの刷新を推進しています。
今後は、短期的な需要変動に左右されやすい汎用品から、有機EL材料や半導体材料、医薬中間体などのスペシャリティ・ケミカル領域へリソースを集中させる方針です。この戦略転換を支えるため、高度な合成技術を持つ研究職や、複雑化するサプライチェーンを管理できる人材の採用が重要課題となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
保土谷化学工業は現在、有機EL材料や半導体向け化学品など、成長市場に直結するスペシャリティ領域へのシフトを鮮明にしています。同社の持つ高度な合成・精製技術を活かし、「次世代テクノロジーの進化に不可欠な素材開発に貢献したい」という軸は強力な志望動機になります。また、中期計画「SPEED 25/30」で掲げられた目標達成に向けた「変革の実行力」をキーワードに、自身の専門性がいかに寄与できるかを語ることが有効です。
面接での逆質問例
- 「有機EL材料事業での需要変動が激しい中、事業ポートフォリオの安定性をどのように高めていかれる計画でしょうか?」
- 「半導体向け過酸化水素の需要増に対し、生産拠点の増強や技術革新をどのようにリードしていく役割が求められていますか?」
- 「中期計画達成に向け、DXや研究開発スピードの向上について、現場の技術者にはどのような期待が寄せられていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
【使用した主な公開資料】
・2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
・2025年度(2026年3月期) 第3四半期 決算説明資料



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