0 編集部が注目した重点ポイント
① 政策保有株式の売却で特別利益22億円を計上する
資産効率の向上を目指し、当第3四半期累計期間において計画的な政策保有株式の売却を実施しました。これにより、投資有価証券売却益22億2千5百万円を特別利益として計上しています。財務体質の健全化と、成長投資への資金充当を進める姿勢が鮮明になっており、経営改革への強い意志が感じられます。
② 販売子会社2社を連結除外して管理体制を効率化する
当四半期において、大日精化加工販売株式会社および株式会社大日精化保険サービスの2社を連結範囲から除外しました。グループ内の組織再編による管理体制の最適化を目的としており、事業運営のスピードアップとコスト削減が期待されます。転職者にとっては、よりシンプルで透明性の高い組織への変革期に立ち会える機会となります。
③ 投資単位の引き下げと増配により株主還元を強化する
2026年4月1日を効力発生日として、普通株式を1株につき4株の割合で分割することを決定しました。また、期末配当予想を前回の90円から121円へ大幅に引き上げています。市場での流動性を高め、より広範な投資家層を呼び込むための戦略的な施策であり、企業の市場価値向上に向けた攻めの姿勢が明確です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第3四半期決算補足説明資料 P.2
売上高
93,077百万円
-1.4%
営業利益
6,182百万円
+2.4%
経常利益
6,933百万円
+6.8%
売上高は、包装・パッケージ業界向けや海外の一部地域で需要が停滞し、前年同期比1.4%減となりました。しかし、販売価格の是正や高付加価値製品の伸長により、営業利益は同2.4%増、経常利益は同6.8%増と利益面では成長を維持しています。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上された大規模な土地売却益の反動により34.0%減となりましたが、実態ベースの収益力は向上しています。
通期予想に対する進捗率は、売上高で75.7%、営業利益で81.3%、経常利益で81.6%といずれも75%を超えており、業績は極めて順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第3四半期決算補足説明資料 P.3
カラー&ファンクショナル プロダクト
事業内容:顔料、繊維用・プラスチック用着色剤、樹脂コンパウンド、顔料分散体、機能性材料などの製造・販売。
業績推移:売上高51,417百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益3,335百万円(同22.1%増)。
注目ポイント:液晶ディスプレイ向けの顔料が新製品の販売増により好調に推移したほか、国内の輸送機器向けも自動車メーカーの稼働回復に伴い復調しました。高付加価値製品へのシフトと価格改定の効果が最も顕著に現れているセグメントです。先端電子材料分野での開発スピードが加速しており、化学工学やマテリアルサイエンスの専門人材への需要が高まっています。
ポリマー&コーティング マテリアル
事業内容:ウレタン樹脂、天然物由来高分子、紫外線・電子線硬化型コーティング剤などの製造・販売。
業績推移:売上高18,214百万円(同5.8%減)、営業利益2,095百万円(同22.4%減)。
注目ポイント:主要な採用車種の販売不振によりウレタン樹脂が低迷しました。一方で、衣料・アウトドア向けや情報電子向けコーティング剤は堅調を維持しています。現在は一時的な調整局面にありますが、環境対応型のバイオ系樹脂など次世代製品への注力が続いています。環境規制対応やサステナブル材料の知見を持つ人材が、今後のV字回復の鍵を握ります。
グラフィック&プリンティング マテリアル
事業内容:パッケージ用グラビアインキ、広告・出版用オフセットインキなどの開発・製造・販売。
業績推移:売上高23,413百万円(同4.0%減)、営業利益732百万円(同21.4%増)。
注目ポイント:国内の軟包装向けは物価高による買い控えの影響を受けるも、徹底した利益重視の価格是正により大幅な増益を達成しました。インドネシアなどの海外市場も第3四半期から回復傾向にあります。収益構造の再構築が実を結んでおり、限られたリソースで利益を最大化するプロダクトマネジメントや、グローバルな供給網を支えるサプライチェーンマネジメントの経験が活かせる環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第3四半期決算補足説明資料 P.5
2026年2月13日、通期の営業利益予想を76億円、親会社株主に帰属する当期純利益を75億円に上方修正しました。売上高は為替影響や一部業界の停滞により引き下げられたものの、利益面では当初の想定を上回るペースで推移しています。これは、原材料高に対する販売価格の是正が着実に進んだこと、そして液晶ディスプレイ向けなどの高付加価値製品の伸長が寄与しています。
中期経営計画(2027年3月期まで)では、総還元性向50%以上を掲げており、今回の増配や株式分割はその計画に沿ったものです。今後は中国や米国現地法人の立て直しが課題となりますが、国内での盤石な収益体制をベースに、グローバルでの競争力を再強化するフェーズへと移行します。
4 求職者へのアドバイス
「伝統的な素材メーカー」から「高機能材料ソリューション企業」への変革期にある点に注目しましょう。特に液晶ディスプレイ向け顔料での新製品投入や、環境対応型樹脂の開発など、技術力の高さを武器にした利益率向上の取り組みは、技術者にとって大きな魅力です。また、子会社の再編や政策保有株式の売却など、経営の効率化に本気で取り組んでいる姿勢を評価し、「筋肉質な組織作りを支えたい」という視点も有効です。
- 「子会社2社の連結除外による組織再編が進んでいますが、現場の意思決定スピードや部門間連携にどのような変化を期待されていますか?」
- 「液晶ディスプレイ向け製品が好調とのことですが、今後さらなる成長を目指す上で、次世代ディスプレイ材料の開発にはどのような専門性が求められますか?」
- 「環境対応型製品へのシフトを加速させるにあたり、現在の研究開発体制において強化しようとしている具体的な領域はどこでしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
女性の管理職も多く産休も取りやすい
女性の管理職も多く、産休も取りやすい。まだまだ男性の比率が多いが、女性の存在感が増してきており、良い傾向ではないかと思う。
(30代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 大日精化工業株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 大日精化工業株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料



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