0 編集部が注目した重点ポイント
①製品補償の引当金計上を経て2026年度は利益の大幅回復を目指す
2025年12月期は、将来の製品補償に備えた製品補償損失引当金1,500百万円を特別損失として計上したことで、純利益が前期比30.7%減となりました。しかし、2026年度は同要因が解消されることに加え、製品価格改定やコスト低減の効果により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比74.7%増の大幅なV字回復を計画しており、業績の立て直しが急務となっています。
②執行役員制度の導入により経営意思決定と業務執行を明確に分離する
2026年3月19日付で執行役員制度を新たに導入し、取締役による経営の意思決定・監督機能と、執行役員による業務執行機能を分離する体制へ移行します。これに伴い、複数の取締役が退任して執行役員へ就任する予定です。機動的な業務執行を可能にするこの組織改革により、変化の激しい市場環境下でのスピード感ある事業推進が期待されており、現場レベルでの裁量拡大といったキャリア機会に繋がる可能性があります。
③高収益な石油給湯器のシェア維持と次世代型ヒートポンプ製品を拡充する
収益の柱である石油給湯器において、業界初のウルトラファインバブル(目に見えない極小の泡)搭載機種が好調に推移しており、2025年度の給湯機器売上は前期比2.3%増を達成しました。今後は環境負荷の低いヒートポンプ製品のラインアップを強化し、2028年12月期までに営業利益率を現在の3.7%から6.7%へ引き上げる高収益体質への転換を掲げており、技術革新を牽引する専門人材の重要性が増しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.3
2025年12月期の業績は、原材料価格の高止まりが続く厳しい環境下、6月に実施した製品価格改定やグループを挙げたコスト低減活動により、売上高は過去最高水準を維持しました。営業利益はわずかに減少したものの、受取利息や配当金などの営業外収益が寄与し、経常利益は増益を確保しています。純利益の大幅減は、製品の品質に関わる将来の補償に備えた一時的な引当金の計上が主因であり、本業の稼ぐ力そのものは底堅さを維持しています。
期初に掲げた通期計画に対する達成状況は、売上高で計画比98.9%(1.1%減)、営業利益で計画比100.7%(0.7%増)となり、当初の見通しを概ね順調に達成しました。次期は製品補償損失引当金の影響がなくなるため、大幅な増益を見込んでおり、事業成長に向けた投資余力は十分に確保されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.8
給湯機器部門
事業内容:石油給湯器「エコフィール」、ガス給湯器「エコジョーズ」、ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の開発・製造・販売。収益の最主力事業。
業績推移:売上高 21,539百万円(前期比2.3%増)。ウルトラファインバブル石油給湯器などの付加価値製品が牽引。
注目ポイント:従来型の石油給湯器に革新をもたらした「ウルトラファインバブル機能」の横展開を、ガス給湯器やエコキュートにも広げています。2028年に向けて給湯機器全体の売上高をさらに約5%増加させる計画であり、家庭用エネルギーの効率化を極めるメカトロニクスエンジニアへの期待が非常に高い領域です。
空調機器部門
事業内容:エアコン、ヒートポンプ式熱源機、全館空調システム等の提供。寝室用パネルエアコンなどの健康配慮型製品も展開。
業績推移:売上高 18,685百万円(前期比0.5%減)。欧州向け輸出の苦戦があったものの、国内ハウスメーカー向けが好調。
注目ポイント:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)需要の高まりを受け、全館空調システムの販売強化に注力しています。特に、風を感じず静音性に優れた寝室用パネルエアコン「眠リッチ」など、「健康・快眠」という新市場の開拓を推進中。空調と住空間の融合を図るため、建材や住宅設備に明るい人材が求められています。
システム機器・ソーラー・エンジニアリング他
事業内容:システムバス・キッチンの製造販売、太陽熱温水器、バイオマス発電、保守・メンテナンス(大阪テクノクラート)等。
業績推移:ソーラー機器・その他は売上高 2,598百万円(前期比2.8%増)。システム機器は苦戦し1,047百万円。
注目ポイント:2024年末より「長府バイオマス発電所」の営業運転を開始しており、再生可能エネルギー由来の電力普及という新領域に挑戦しています。また、既存製品の保守を担うエンジニアリング部門は安定した収益源となっており、IoTを活用した遠隔監視システムの導入など、DXによるサービス維持管理の高度化が進められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.24
同社は、2028年12月期に売上高525億円、営業利益35億円を達成する中期目標を掲げています。国内では、少子高齢化による新設住宅着工戸数の減少を見据え、既存住宅のリフォーム市場へシフト。「補助金制度」を追い風にした高効率製品のシェアアップを最優先事項としています。海外市場においても、北米、ヨーロッパ、オセアニアでの新規販路開拓を強化し、海外向けヒートポンプ熱源機の出荷台数を約1.7倍に拡大させる見込みです。
また、人的資本経営の推進として、外部環境の変化に応じた戦略的な人材採用とダイバーシティの強化が明文化されました。基幹業務システムの刷新やAIによる生産合理化も計画されており、製造業のデジタル変革(DX)に関心があるエンジニアにとって、変革期ならではの裁量の大きな仕事が期待できる環境です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、主軸を石油燃焼機器からヒートポンプ技術へと大胆にシフトさせています。この変革期において、「環境配慮型企業としてのブランド再構築」や「海外市場への進出加速」に、自身の専門性(技術開発、海外営業、システム導入等)をどう活かしたいかを具体的に語るのが効果的です。特に、新たに導入される執行役員制度への期待感や、機動的な意思決定の中で果たしたい役割に触れると、経営層に近い視点での意欲をアピールできるでしょう。
面接での逆質問例
「2028年までに海外向けヒートポンプ熱源機の出荷を約1.7倍に増やす計画ですが、特に北米や欧州の現地ニーズに合わせた製品カスタマイズにおいて、エンジニアにはどのようなスピード感が求められますか?」
「執行役員制度の導入により、現場の意思決定プロセスはどう変わると想定されていますか?中途採用者が早期にプロジェクトを主導できるような環境変化は期待できますでしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
賞与が年間6ヶ月程度支給されたことは非常に良い
賞与に関しては、当時は業績はそこまで悪くなかったためか、年間6ヶ月程度支給されていたことは、非常に良かった。
(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]女性は昇給や昇進はほとんど行われず期待不可
女性は、事務職として採用され、昇給や昇進に関しては、ほとんど行われず、期待も出来なかった。その分、割り切って働いている方が多かったように見える。
(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年12月期 決算説明資料



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