0 編集部が注目した重点ポイント
① 中国子会社の譲渡を完了し事業ポートフォリオを最適化する
2025年3月に年商約5億円規模の連結子会社であったソリトン上海の株式譲渡を実行し、連結範囲外としました。この構造的変化により、一時的に売上規模は影響を受けるものの、利益率の高い自社製品やサービスへ経営資源を集中させる体制が整いました。転職者にとっては、収益性の高い国内主力事業や新規開発領域でのキャリア機会がより明確化されています。
② 過去最高益を更新し営業利益は前年比39.2%増を達成する
2025年12月期の業績は、売上高が19,762百万円(前年比6.2%増)、営業利益が2,844百万円(前年比39.2%増)となり、過去最高益を塗り替えました。公共分野での大型案件獲得や校務DX(教育現場のデジタルトランスフォーメーション)需要の拡大が寄与しており、安定した財務基盤を背景にアナログエッジAIチップ開発などの成長投資を加速させています。
③ 組織再編により映像伝送技術の開発体制を統合・強化する
当連結会計年度より、従来「Eco新規事業開発」に含めていた映像伝送の基盤技術開発チームを「映像コミュニケーション事業」へ統合しました。これにより、防災ヘリからの映像伝送や建機の遠隔操縦といった社会課題解決型ビジネスの開発から販売までを一貫して推進する体制へ移行しています。特定分野の技術を社会実装するスピードが向上しており、エンジニアにとって魅力的な環境です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.4
2025年12月期の連結業績は、主要なITセキュリティ事業において防衛や防災といった公共分野の大型案件を相次いで獲得したほか、教育現場での校務DX需要が拡大し、増収増益を達成しました。特に利益面では、営業利益率が前年の11.0%から14.4%へと大きく向上しており、収益構造の良質化が進んでいます。これは、利益率の高い自社開発製品の販売が好調を維持したことによるものです。
子会社譲渡に伴う連結除外の影響がありながらも、既存事業のオーガニックな成長がそれを上回る結果となりました。また、新宿のオフィス閉鎖による拠点最適化など、販管費の抑制も利益成長に寄与しています。
通期予想に対する進捗状況については、期初予想および2025年12月に公表された上方修正値を上回る着地となっており、極めて順調な評価を下せます。確かな実績を背景に、次期も増収増益の継続を見込んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.14
ITセキュリティ事業
事業内容:認証ベースのアクセス制御やネットワーク分離、サイバー攻撃対策ソフトの開発・販売。自治体や医療機関向けに強みを持つ。
業績推移:売上高18,516百万円(前年比5.9%増)、セグメント利益3,717百万円(同17.3%増)。営業利益率は20.1%に達する。
注目ポイント:主力製品「NetAttest EPS」のクラウド連携版をリリースするなど、ストックビジネスへの移行を推進中です。今後3年間でストック比率を60%まで高める計画があり、クラウドエンジニアやカスタマーサクセス職の需要が急増しています。公共大型案件の獲得により、日本の重要インフラを支えるやりがいを実感できるフェーズです。
映像コミュニケーション事業
事業内容:4G/5G回線を用いた超低遅延の映像伝送システム「Smart-telecaster」の開発。建機の遠隔操縦などに活用。
業績推移:売上高1,053百万円(前年比5.3%増)、セグメント利益52百万円(同93.1%増)。組織再編により開発力が強化された。
注目ポイント:国土交通省のデモにおいて能登半島の建機を霞が関から操縦するなど、「遠隔施工」の社会実装を主導しています。ウクライナ復興支援での実証成功など、グローバルな貢献も期待される領域です。ロボティクスや通信技術を現場に落とし込むフィールドエンジニアリングのスキルが求められています。
Eco新規事業開発
事業内容:アナログ・デジタル混合半導体デバイスや特殊映像伝送システムの開発。宇宙開発支援も含む。
業績推移:売上高191百万円(前年比55.5%増)、セグメント損失184百万円。R&D主導の先行投資フェーズにある。
注目ポイント:圧倒的な超低消費電力を実現する「アナログエッジAIチップ」の開発に注力しており、2026年秋の試作品評価を目指しています。JAXAとの月面探査プロジェクト(LUPEX)への参画など、国家規模の最先端プロジェクトに携われるのが最大の魅力です。半導体設計のスペシャリストにとって、世界を変える技術に挑戦できる貴重な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.34
2026年12月期の業績予想は、売上高21,200百万円(前期比7.3%増)、営業利益3,150百万円(同10.7%増)を見込んでおり、さらなる増収増益と利益率向上を追求する方針です。ITセキュリティ事業では、自治体の「強靭化事業」リプレースやGIGAスクール構想第2期など、2030年まで続く継続的な需要獲得に自信を見せています。
特に注目すべきは、2026年3月前半に発表が予定されている「中期計画(2026~2028年度)」です。ここではクラウドサービスへのシフト加速や、アナログエッジAIチップの事業化マイルストーンが具体化される見通しです。
採用面では、既存のオンプレミス認証技術で築いた強固な顧客基盤を「クラウドネイティブな環境」へ移行させるための人材を最優先で求めています。また、映像伝送とAIチップの融合による「工場の品質監視DX」など、新規事業のマネタイズを担うビジネスデベロップメント人材の活躍の場も広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ソリトンシステムズは、独立系メーカーとして「自社製品・技術」に強いこだわりを持っています。志望動機では、単なるSI(システム統合)ではなく、「日本発の独自技術で社会の安全を守る」という製品への誇りに共感を示すことが有効です。特に「公共機関のDX」や「遠隔操縦」など、同社が強みを持つ具体的なドメインへの興味を、自身のスキルと紐付けて語ることが評価に繋がります。
面接での逆質問例
「3月発表予定の新中期計画において、私が志望する部門にはどのような重点投資やリソース配分が想定されていますか?」
「ITセキュリティのクラウドシフトを加速させる上で、エンジニアチームが現在直面している最も大きな技術的挑戦は何ですか?」
「遠隔操縦やAIチップなど、新規事業チームと既存の営業部門が連携してクロスセル(複数製品販売)を強化するための仕組みはありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ソリトンシステムズ 2025年12月期 決算補足説明資料
- 株式会社ソリトンシステムズ 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。