※本記事は、株式会社ソリトンシステムズ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ソリトンシステムズは、ITセキュリティ製品・クラウドサービスの開発・販売、およびモバイル回線による高精細・短遅延の映像伝送システム「Smart-telecasterシリーズ」の開発・販売を手掛けています。情報漏洩対策やサイバーセキュリティ対策、IoTセキュリティ対策などを提供し、社会の安全と効率化に貢献しています。
単体従業員数は643名、連結従業員数は655名です。セグメントはITセキュリティ、映像コミュニケーション、Eco 新規事業開発の3つです。
主な国内グループ会社は、当社、サイバー防衛研究所などです。
同社グループは当連結会計年度より組織変更を行い、映像伝送の基盤技術開発チームを映像コミュニケーション事業に含めました。また、索利通網絡系統(上海)有限公司の出資持分を売却し、連結範囲から除外しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ソリトンシステムズは、ITセキュリティや映像コミュニケーションといった専門性の高い分野で事業を展開しています。社員の平均年齢や勤続年数から、安定した環境でキャリアを築いている方が多い傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、社員が長期的に働きやすい環境が整っていることがうかがえます。専門性を高めながら、腰を据えてキャリアを形成したい方に適した職場であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,800,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.3年 |
| 平均年齢 | 43.0歳 |
| 単体従業員数 | 643人 |
| 連結従業員数 | 655人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.2% |
同社は確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、社員の健康維持と働きやすい環境の整備を重要な経営課題と位置づけ、多様な施策を推進しています。新卒・中途を問わず、年齢や性別に関わらず多様な人材を採用し、OJTや目的別専門研修を通じて社員の成長を支援しています。
具体的には、有給休暇の取得促進や健康診断補助、本社ビルのレイアウト変更・改装を通じて、働きやすい職場環境を整備しています。また、在宅勤務、時短勤務、時差出勤、中抜け制度などの柔軟な勤務制度を導入し、ワークライフバランスを尊重しながら生産性の向上を図っています。
ハラスメント防止研修の実施やリワード制度の導入、エンゲージメントサーベイを通じて、健全な企業文化の醸成と社員のモチベーション向上にも注力しています。育児支援としては、0~3歳の乳幼児を養育する社員向けの養育両立支援休暇や、不妊治療・障がい・慢性疾患を持つ社員向けの年間5日間の有給特別休暇「両立支援休暇」を設けています。
人材育成においては、幅広いビジネススキルを習得できる研修プログラムやITセキュリティ分野の資格取得支援制度を提供しています。さらに、実践的なインターンシップの機会提供、社内公募制度、派遣社員の直接雇用化推進により、社員のキャリア形成と組織全体の活性化を支援しています。男性社員の育児休業取得促進にも積極的に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 16.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 18.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 21.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 20.9% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 16.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 18.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ソリトンシステムズは、ITセキュリティ、映像コミュニケーション、Eco新規事業開発の3つの事業セグメントを通じて、社会の安全と利便性を支えるソリューションを提供しています。特にITセキュリティ事業が同社グループの収益の大部分を占める主力事業となっています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、情報漏洩対策やサイバーセキュリティ対策、高精細な映像伝送システム、半導体デバイスの開発・販売を主な事業としています。顧客への製品提供だけでなく、保守サービスやクラウドサービスも展開しており、継続的な収益モデルを構築しています。
ITセキュリティ事業
情報漏洩対策、認証とアクセス制御、テレワークのためのセキュリティ対策、サイバーセキュリティ対策のソフトウェアを自社で開発し、最適なシステム構築の提案と運用サービスを顧客へ提供しています。防衛や防災分野での大型案件、校務DX関連の需要拡大が売上を押し上げています。
収益は、自社製品/サービスの販売、特に「NetAttest EPS」「FileZen S」「Soliton OneGate」といった主力製品の販売、およびクラウドサービスや保守サービスから得ています。運営は、ソリトンシステムズが行っています。
映像コミュニケーション事業
モバイル回線による高精細・短遅延の映像伝送システム「Smart-telecasterシリーズ」の開発・販売を行っています。国内外のパブリックセーフティ分野(防衛、公的治安、災害対処)を中心に販売を拡大しています。
収益は、主に「Smart-telecasterシリーズ」の販売から得ています。運営は、ソリトンシステムズが行っています。
Eco 新規事業開発
アナログ・デジタル混在の半導体デバイスや映像伝送システム等の開発・販売を手掛けています。官公庁向け小型伝送装置の追加販売や既存の人感センサー製品の販売が堅調に推移しています。
収益は、小型伝送装置や人感センサー製品の販売から得ています。運営は、ソリトンシステムズが行っています。
同社グループの売上高は本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、国内市場が中心となっています。主要な顧客としてダイワボウ情報システム株式会社への売上が全体の約14.6%を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| ITセキュリティ | 175億円 | 185億円 |
| 映像コミュニケーション | 10.0億円 | 10.5億円 |
| Eco 新規事業開発 | 1.2億円 | 1.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながらも、直近の当連結会計年度では増加に転じています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も変動が見られますが、当連結会計年度においては大幅な増加を達成し、収益性が改善している傾向を示しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 174億円 | 198億円 | 191億円 | 186億円 | 198億円 |
| 経常利益 | 24.9億円 | 22.0億円 | 28.1億円 | 21.6億円 | 29.8億円 |
| 経常利益率 | 14.3% | 11.2% | 14.7% | 11.6% | 15.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18.7億円 | 15.9億円 | 19.4億円 | 17.2億円 | 23.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 101.08 | 85.74 | 104.55 | 93.11 | 123.97 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善を示しています。これは、同社グループの事業効率が高まっていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.4百万円 | 30.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | 4.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。財務基盤は堅固であり、収益性も高い傾向を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は堅固であり、安定した経営状況を示しています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しており、収益性を示すROEも平均を大きく上回っています。手元資金は減少したものの、依然として一定の厚みがあり、事業運営の安定性につながっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 123億円 | 133億円 |
| 自己資本比率 | 52.7% | 50.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.8% | 18.0% |
| 現金及び預金 | 147億円 | 109億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、本業で着実に資金を生み出している状況です。一方で、投資活動によるキャッシュフローは大幅なマイナスとなり、有価証券の取得や定期預金の預入など、積極的な投資が行われています。財務活動によるキャッシュフローもマイナス幅が拡大しており、配当金の支払いなどが行われました。
結果としてフリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る規模で将来の成長に向けた投資を優先していることがうかがえます。このような資金の流れは、長期的な視点での事業拡大を目指す同社グループの姿勢を示しており、今後の成長性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 20.4億円 | 36.0億円 |
| 投資CF | △2.4億円 | △101.7億円 |
| 財務CF | △5.1億円 | △12.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 18.0億円 | △65.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、市場のニーズを先取りした新製品や新技術の開発に注力しています。しかし、開発期間中の市場環境の変化や競合製品の出現により、開発コストを回収できない可能性がリスクとして挙げられています。
また、機器ベンダーやネットワーク・インテグレーターとの価格競争により、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大のために専門性の高い優秀な人材を継続的に採用・育成し、確保することが重要であると考えています。このような人材を採用または養成できず、優秀な人材の流出を防止できない場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ソリトンシステムズは、ITシステムの根幹を支える技術に焦点を当て、独自の製品開発を通じて社会に貢献している企業です。技術革新が著しいIT業界において、ITセキュリティを事業の「KEY」と位置づけ、持続的な企業価値向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは1979年の設立以来、ITシステムの根幹となる技術に焦点を絞りビジネスを展開してきました。受託開発や輸入再販ではなく、独自の標準製品を開発し、オリジナル製品の販売やサービスをユーザーに提供しています。技術的にはソフトとハードの両面をカバーしているのが特徴です。
IT業界の大変革期において、ITセキュリティが重要であると考えています。同社グループの製品はITシステムの根幹・インフラに属するため、市場は世界規模であり、グローバルな競争を意識しています。世界に通じる技術と実現のスピードが企業成長の決め手になると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、ITシステムの根幹技術にこだわり、ソフトとハードの両面をカバーする独自の製品開発を重視する企業風土があります。サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、リスク管理部門が事業リスクと課題を定期的にモニタリングし、経営会議や取締役会で議論しています。
社員の健康維持と働きやすい環境整備にも注力しており、有給休暇の取得促進や健康診断補助、オフィス環境の改善を進めています。在宅勤務や時短勤務、時差出勤、中抜け制度などのフレキシブルな勤務制度を導入し、ワークライフバランスを尊重しながら生産性の向上を図っています。ハラスメント防止研修やリワード制度、全社総会での表彰を通じて、社員のモチベーション向上にも取り組んでいます。
また、新卒・中途を問わず多様な人材を採用し、OJTや目的別専門研修、幅広いビジネススキル研修、ITセキュリティ分野の資格取得支援制度を通じて社員の成長を支援しています。インターンシップや社内公募制度、派遣社員の直接雇用化も推進し、社員が主体的にキャリアを築ける環境づくりを進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、海外展開を視野に入れたユニークな製品・サービス開発を通じて時代の変化に対処することを経営課題としています。また、広報・IRを強化し、企業活動や製品・サービスをわかりやすく発信することにも取り組んでいます。
さらに、基幹システムと情報系システムを連携させデータの利活用を図ることも重要なテーマです。業務プロセスの見直しと整理を進めるとともに、AIを積極的に活用することで、業務効率化と生産性向上を実現することを目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ソリトンシステムズは監査等委員会設置会社であり、取締役会は社内取締役と社外取締役で構成されています。監査等委員会が独立した立場で経営の監督機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ソリトンシステムズの筆頭株主は有限会社Zen-Noboksであり、同社グループの創業家が関連する株主と見られます。主要な株主には、信託銀行や従業員持株会も名を連ねています。創業家が上位株主として、同社グループの経営に一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社Zen-Noboks | 44.29% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.73% |
| ソリトンシステムズ従業員持株会 | 3.78% |
| 三井住友銀行 | 2.59% |
| 鎌田 信夫 | 2.08% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.6%です。代表取締役執行役員社長は鎌田理氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鎌田 信夫 | 代表取締役 執行役員 会 長 | 1979年3月に同社を設立し代表取締役社長に就任。インテルジャパンでの経験も持つ。2024年1月より同社代表取締役会長に現職。 |
| 鎌田 理 | 代表取締役 執行役員 社 長 | 日本オラクルでシニアディレクター等を歴任後、2021年3月に同社に入社し取締役。ITセキュリティ事業部長を経て、2024年1月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 石原 冴子 (現姓:佐藤) | 取締役 | 日本オラクルで執行役員ストラテジー&オペレーション統括などを務める。2025年3月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、石原冴子氏(日本オラクル執行役員/Vice President ストラテジー&オペレーション統括)、高徳信男氏(公認会計士事務所所長・取締役監査等委員)、中村修氏(慶應義塾大学特任教授・取締役監査等委員)、飯塚久夫氏(NECビッグローブ元代表取締役社長・取締役監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役は全員が独立社外取締役であり、取締役会から独立した立場で経営の監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬で構成されています。基本報酬は役員の役割と責務に応じて決定され、業績連動報酬は売上高と利益の目標達成率および株価変動率に基づいて算定され、年次賞与として支給されます。監査等委員である取締役には、独立性確保のため固定の月例報酬のみが支給され、業績連動報酬はありません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 1.4億円 | 67.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 18百万円 | 3.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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