アイ・エス・ビーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

アイ・エス・ビーの転職研究 2025年12月期決算に見るキャリア機会

アイ・エス・ビーの2025年12月期決算は、売上高が過去最高を更新。成長投資や不採算プロジェクトの影響で利益は減少したものの、次なる成長に向けた「中長期経営計画2030」を始動。「なぜ今アイ・エス・ビーなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

売上高は370億円を超えて過去最高を更新

2025年12月期は、DX需要の拡大や金融、公共、セキュリティシステム事業が牽引し、売上高は370億20百万円と過去最高を達成しました。不採算プロジェクトの発生や先行投資により利益面は計画未達となりましたが、事業規模は着実に拡大しており、採用や教育への投資も積極的に継続されています。

中長期経営計画2030を策定し成長を加速させる

「ISBグループ中長期経営計画2030」を新たに始動し、社会価値と経済価値の向上を目指します。株主還元方針も刷新され、2030年までに配当性向50%以上という高い目標を掲げました。人的資本への投資を源泉とした持続的な企業成長により、エンジニアの活躍フィールドがさらに広がっています。

AMBC子会社化により上流工程の展開を強化

2025年12月期はAMBC社の子会社化やグループ再編(ITC統合)により、コンサルティングや要件定義といった上流工程への展開が加速しました。グループシナジーを活かしたプライム案件の獲得が進んでおり、エンジニアが顧客と直接対話しながら課題解決に挑む機会が増加している点は、転職者にとって大きな魅力です。

1 連結業績ハイライト

積極的な成長投資と不採算案件の一時的費用を吸収しつつ、過去最高の売上規模へと到達しています。
2025年12月期ハイライト

出典:決算説明資料 P.5

売上高

37,020百万円

(前期比 +9.0%)

営業利益

2,314百万円

(前期比 -17.3%)

当期純利益

1,435百万円

(前期比 -29.4%)

2025年12月期の売上高は、当初の上方修正計画をも上回る370億20百万円(前期比9.0%増)となり、増収基調を維持しました。一方で営業利益は、一部の不採算プロジェクトに係る一過性費用や、オフィス移転・処遇改善などの成長投資24.6億円(2カ年累計)を断行した結果、2,314百万円にとどまり、利益面では計画未達(計画比87%)となりました。

通期計画に対する進捗状況については、売上高が計画比100%と極めて順調に推移した一方、営業利益は不採算プロジェクトの吸収しきれない費用の影響で87%となりました。2026年度は利益率の回復を目指し、受注前審査の厳格化などの再発防止策が徹底されています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

情報サービス事業ではDX・上流工程の拡大が進み、セキュリティシステム事業はストック収益が飛躍的に成長しています。
セグメント別売上構成比

出典:決算説明資料 P.12

モビリティソリューション

事業内容:車載、医療、産業機器、モバイル端末等の組込み・制御ソフトウェア開発および検証を担当。

業績推移:売上高5,320百万円(前期比101%)。5G・基地局減少の影響をWi-SUN(スマートメーター通信)の堅調で補い横ばい。

注目ポイント:自動車メーター系を中心とした既存顧客との深耕に加え、アウトカー(車外連携)領域が順調に伸長しています。技術進化が速い組込み領域において、人員確保と育成に注力しており、最先端のモビリティ開発に携わりたいエンジニアの需要が高まっています。

注目職種:組込みソフトウェアエンジニア、検証・QAエンジニア、車載システム開発者

ビジネスインダストリーソリューション

事業内容:基幹システムやDX・AI連携の業務システム開発、POS・通信モジュール等の組込み機器開発。

業績推移:売上高13,644百万円(前期比110%)。既存大口顧客の継続受注により堅調な伸長を記録。

注目ポイント:全社売上の37%を占める主力部門です。DX需要を背景に業務システム開発が旺盛ですが、一方で不採算プロジェクトが発生したため、今後は受注前の管理プロセスを強化する方針です。高品質なプロジェクト管理が可能な経験豊富なPM人材への期待が大きくなっています。

注目職種:プロジェクトマネージャー(PM)、DXソリューションアーキテクト、業務システム開発エンジニア

エンタープライズソリューション

事業内容:官公庁・自治体向け、銀行・証券向けシステム開発およびITインフラの構築・運用保守。

業績推移:売上高12,134百万円(前期比112%)。証券系の受注好調と自治体標準化案件の獲得が寄与。

注目ポイント:証券系インフラの拡大に加え、クラウド移行案件が好調です。公共分野では自治体システムの標準化案件が拡大しており、社会インフラを支えるやりがいのあるプロジェクトが豊富です。専門人材の育成に注力しており、資格取得支援も充実しています。

注目職種:インフラエンジニア、クラウドエンジニア、金融システム開発者

プロダクト・セキュリティシステム

事業内容:クラウド入退室管理システム「ALLIGATE」やモバイル管理「FiT SDM」の開発・販売。

業績推移:セキュリティシステム売上高5,512百万円(前期比111%)。リカーリング収益が大幅増。

注目ポイント:月額課金型のリカーリング製品売上が前期比119%と急成長しており、収益基盤の安定化に大きく寄与しています。自社プロダクトのブランディングを強化しており、SaaS型サービスの展開や新製品開発に携わりたいクリエイティブな人材を求めています。

注目職種:自社サービス開発エンジニア、カスタマーサクセス、セールスエンジニア

3 今後の見通しと採用の注目点

2026年度は利益率のV字回復を見込み、さらなる高付加価値化とAI領域への挑戦を本格化させます。
2026年12月期連結業績予想

出典:決算説明資料 P.19

2026年12月期は、売上高385億円(前期比4.0%増)、営業利益30億円(前期比29.6%増)を計画しており、収益性の大幅な改善を目指しています。不採算案件の再発防止に向けた「受注前プロセスおよびプロジェクト管理の強化」を徹底することで、プライム案件を継続的に遂行できる堅牢な体制を整備します。

技術面では、生成AIの稼働を最適化する独自技術「EGAM」の特許取得(2025年7月)など、高付加価値ソリューションへの展開を加速させています。また、人的資本への投資として、新卒120名の採用や中途採用の過去最高更新を継続しつつ、ITエンジニア数を着実に増加(2023年比110%)させています。教育体制も、e-learningの導入や人材開発課の新設により、注力技術分野のスキル向上を強力にバックアップしています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

アイ・エス・ビーは現在、受託開発からコンサル・要件定義までの一気通貫案件へのシフトを鮮明にしています。特に「医療DX」や「証券系インフラ」などの専門性が高い領域で強みを発揮しており、「特定の専門領域で顧客と対話しながら課題を解決したい」という想いは強い志望動機になります。また、「中長期経営計画2030」に向けた人的資本投資の強化に共感し、自らも技術研鑽に励む姿勢を示すことが評価に繋がります。

Q&A

面接での逆質問例

・「不採算プロジェクトの再発防止に向けて受注前審査や管理プロセスが見直されたとのことですが、現場レベルではどのような変化がありましたか?」
・「AMBC社との統合やグループ再編を経て、コンサルティング領域から携われる案件は具体的にどの程度拡大していますか?」
・「独自技術EGAMを活用したAI運用の最適化など、最新技術の社会実装にエンジニアとしてどのように関与できますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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お客様に近い立場で業務につく

色々な仕事につけるという点ではスキルはそれなりについていくと思います。メーカーの一次受けなどの案件も多数あり、お客様に近い立場で業務につくことができます。

(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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残業しないと給与が少ない

残業しないと給与が少ないためだらだら残業をするような人もいます。いわゆる生活残業というやつです。休日出勤もプロジェクトによっては発生する可能性があります

(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社アイ・エス・ビー 2025年12月期 決算説明資料
  • 株式会社アイ・エス・ビー 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。